ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-6



「・・・・殺人予告なんてバカげた事をした人間、突き止めて下さいね。・・・・刑事さんがいるんですから大丈夫だと信じてますけど」


美冬がそう言うと、千尋が言った。



「・・・宝生さん、貴方冗談を言っているんですか」


千尋がそう言うと、美冬は顔をしかめ、真山が千尋を睨む。


が、出て行く前に千尋は振り返らずに言った。


「当たり前です」


そう言うと千尋は出て言った。


そのあと、真山は美冬に礼をすると何度も言うようだが部下である千尋のあとに続いた。


美冬は一人、その扉を睨みつけるように見ていた。


会場に戻りながら、真山が呟いた。


「彼女、なぜ河山に言わないんだろう」


千尋が答える。


「・・・不安にさせたくないからじゃないですか?」


「本当にそうか?」


「さあー。どーでもいいっす」


「その『殺人予告』に何か見られてはならないモノが書いてあったとしたら?それなら、僕と君に見せなかったのも説明がつく」


「・・・別に、深い意味はないんじゃないですか?そんなひねくれた考えばかり持ってると、いつか災いが襲ってきますよ」


千尋はそう言って真山を見た。

真山は笑い飛ばす。


「くだらない」


二人はそう言って会場に入った。

そして千尋がドアを閉める。


と、その時。


千尋のポケットから携帯が転げ落ちた。


真山がそれに気付き、拾おうとしたその時。


別の手がその携帯をもちあげ、千尋に差し出した。

見ると、小奇麗なおじさまだ。


「落としましたよ。お気をつけて」


おじさまはそう言いながら千尋に携帯を差し出した。

千尋は「あ」と言うと彼の方を向き、会釈しながら「ありがとうございます」と言って携帯を受け取った。


「はじめて見るお顔ですね、お二人とも。こりゃあ随分お若い方々だ」


おじさまはそう言いながら微笑みを見せた。

お二人とは千尋と真山の事であろう。


「あ、失礼しました。わたくし、先生の本を十年程出版させて頂いている滝沢と言う者です」