ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-26



とその時、玄関から声がした。


「えっ?吊り橋が切られてる!?」


きいた事のない声なので恐らくウェイトレスか何かだろう。


その声に反応した二人は階段をおりて玄関に行った。

玄関には陣内もいた。


「どうかしたんですか」


千尋がウェイトレス的女にそう言うと、女は焦りながら答えた。


「実は、このお屋敷に来る為の吊り橋の縄が切られていると言うのです」


「縄が?じゃあ屋敷側にいる人間は出れないって事ですか」


真山がきいた。


女は「は、はい・・・・」と申し訳なさそうに答えた。


「じゃあやっぱり、犯人は僕らを?」


真山が呟いた。


「全員、ここから出られなくなったって訳ですなあ」


と千尋が冷静に呟いた。








そのあと、二人は屋敷の中を探索していた。


最初に来たのは、河山の書斎と思われる場所。

の隣の保管庫。


真山が扉を開け、千尋が入って行こうとしたが真山が扉を閉めようとしたため千尋はドアにぶつかったが真山は気にせず中に入る。



千尋は「ったあ・・・・」と呟いて扉の前で一人鼻をおさえる。




真山が中に入ると、目に入ってきたのは本がビッシリと敷き詰められている合計二つの大きな本棚。


恐らく河山のこれまでの作品が詰まっているのだろう。


「すごい数っすねぇ・・・・・」


後ろから声がきこえた。

真山は気にせず部屋を見回す。


どうせ千尋の声だ。


千尋は鼻をおさえていた左手を取ってから本棚の前に来て、部屋の中にある椅子に座りながら言った。



「全部で八十七作品って言いましたっけ」


「何だ、急に」


真山は不思議そうに訊き返した。

千尋は真山を一度見てから言った。