ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係
作者/ゆぅ

Mystery2 【血祭りバカ騒ぎ】-9
「何やっとんのやー・・・」
さすがのアホな陣内も呆れながら千尋の方に近づき、布団を一枚一枚めくりはじめた。
同時に、真山も動き出し陣内と同じ動作を繰り返す。
「ぶはーっ!」
と言いながら出てきた千尋は立ち上がり、窓を開けて再び
「ぶはーっ」と呼吸をした。
「汚いな、この部屋」
真山はそう呟き、窓の外に嘔吐しているように見える千尋の後ろ姿を見た。
「わざわざ呼ぶんやったら片づけぐらいしろ言うねん」
陣内はそう言いながら布団と一緒に落ちてきた枕を押し入れの中に投げ入れた。
と、その時陣内の叫び声がきこえた。
「おわあっ!」
その声に反応した真山は陣内に目を向け、千尋は「あ?」と言いながら面倒臭そうに陣内の方に近づいてきた。
「何やってんすか気持ち悪い」
千尋がそう言うと陣内は「あれ見てみぃ」と押し入れの中を指さす。その行動で千尋と真山が押し入れの中に目を向けると、そこには赤いペンキのようなもので
『ここから出て行け お前らの目的はわかっている』と書いてあった。
「目的バレてたのかっ!?」
千尋が驚きながら呟いた。
「目的なんてあったのか」と真山。
「財宝に決まってるじゃないですか!財宝握ってズラかろうって言うあたしたちの目的バレてたんすよ!」
「そんな目的を誓った覚えはないぞ!・・・しかし、一体誰がこんな事・・・・?」
真山はそう呟きながらもう一度押し入れの中を見た。

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