二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケモンストーリー ハートゴールド編
- 日時: 2016/10/23 17:00
- 名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)
また、お会いします。たくと七星です。これまでスマブラの小説を書いてきましたが、今回から、再びポケモンの小説を書いていこうと思います。今回は「ポケットモンスター 金銀」のリメイク版、「ハートゴールド、ソウルシルバー」を題材とした作品です。
<今作の概要>
・初の男の子主人公に挑戦
前作、ブラック編、ダイヤモンド編と女の子を主人公として来ましたが、今回は初となる男の子の主人公に挑戦しようと思います。
・憎めないキャラにして行きたいと思います
主人公の性格は昔の昭和のアニメの主人公をイメージして書いていこうと思っています。やんちゃでおバカでお調子者だけれども芯はしっかりしていて決めるときは決める、そんなキャラにしていこうと思います。
・ジムリーダーが旅のお供に
今作ではジムリーダーを旅のお供として登場させます。これはアニメの設定でジムリーダーの一人を仲間にして出してみたいと思っていたので今作で書いてみたいと思っていました。もちろん、ただいるだけの存在にはさせず、先輩としてサポートしたり、アドバイスをしたりフォローをしてあげたり、共闘したりしていくのでそれらを見ていただけたらと思います。
・今作でのポケモンの新能力
今作ではバトルにちょっとした工夫を入れてみました。登場するポケモンがちょっとした芸当を持っていたり変わった戦術をしてきたりするのでよろしく見ていただけたらと思っています。
・後半からオリジナル要素を展開
前半、中盤は普通に原作沿いになりますが後半からは実際のゲームではなかった要素を追加していこうと思っています。それは何かはまだ伏せておきます。
以上が本作の概要です。明るい主人公とジムリーダーの二人旅、色んな人たちとの出会い、脅威となるライバルの出現など、時にシリアス、時にはギャグも、そしてクスリとさせられたりするそんな話に出来ればと思いつつ連載していきますのでよろしくお願いします。
<主要人物紹介>
・ヒビキ
本作の主人公、ワカバタウン出身の少年。デザインは原作「ハートゴールド、ソウルシルバー」と同じ。研究所に届いた自分あての差出人不明のタマゴからワニノコが孵ったことで冒険の旅にでる。おバカでお調子者だが、決して諦めない強い心を持った熱血漢。意外としっかりした所もあり、義理堅い一方、激昂したり感情が高ぶると江戸っ子口調になってしまうことがある。
・ツクシ
ヒビキが出会うことになるむし使いの少年。偶然ヒビキと出会い、彼と仲良しになって一緒に行動することになる。しっかり者でヒビキのボケに鋭いツッコミを浴びせたり、先輩としてトレーナーとしてのあり方をサポートしたりする。研究家を目指しており、ウツギ博士には尊敬の念を抱いている。
・レイ
ヒビキ達の前に現れた、赤髪に切れ長の目をした少年。冷徹な性格でポケモンは強ければいいと考えている。至るところでヒビキ達と出会うが弱者とみなして相手にしない態度をとることが多いが・・・本作でのヒビキの生涯の壁。
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- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.66 )
- 日時: 2017/06/05 20:30
- 名前: たくと七星 (ID: 9BwAWVgb)
「返信御礼」
はい、まさかのアローラロコンです。そうなると注目ポケモンの○○のラッタが何なのかは察しが付くと思います。
ヒビキ達はアローラの意味は解らないのでその名称は使わず何タイプのポケモン、で行こうかと思っていましたがややこしくなると思うのでアローラのポケモンで呼ぼうと思います。
仰る通り、このロコンにはある重大な秘密があるのですがそれはまだ言わないでおきます。現在書いているお話では原作では登場しない本作だけのオリジナルキャラが登場します。どんな人物なのかは楽しみにしていただけたらと思います。それでは。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.67 )
- 日時: 2017/06/06 20:44
- 名前: たくと七星 (ID: 9BwAWVgb)
第15話「落ちてきたロコン、ヒビキ達にまさかの試練?!」パート2
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ、コンパン、ウソッキー
「ゲイッシュ!」
アリゲイツはくしゃみをした。近くにはヒビキ達が仲間にしたアローラロコンが歩いていたからだ。他にはツクシのレディバや、ヒビキのコンパン、アカネのイーブイも一緒だった。
(うう〜、寒い、いつからこんなに寒くなったんだよ)
アリゲイツが体を震わせて愚痴を吐いた。
(この子が歩いているんだから仕方ないよ〜、我慢しなって)
レディバが羽根を羽ばたかせて笑いながら辺りを旋回した。けれどアローラロコンは敬遠されたと思って落ち込んでいる。近くにいたイーブイが気にしなくていいよと笑顔で言った。
(ねえねえ、こおりタイプなんでしょ、雪とか降らせる?)
イーブイが言うとアローラロコンは前に出て、冷気を溜めてこなゆきを降らせた。すると廻りに雪が積もって、イーブイ達が大はしゃぎする。
イーブイとアローラロコンは走り回って雪を踏む感触を楽しんでいた。
アリゲイツが鼻水を垂らしながら見ていると、何かが顔に当たった。目の前でレディバとコンパンが雪玉を持って大はしゃぎしていた。アリゲイツは怒ってみずでっぽうを飛ばしてくると、レディバ達はこれを避けて、コンパンが頭からエアガンを取り出して雪玉を込めると、それを発射して遊んでいた。
「こらこら、怪我させんようにね!」
アカネが笑ってイーブイ達に言った。
「不思議なもんだな、晴れ空だって言うのに雪景色が作れちまうもんだからな」
見たことのないロコンの能力にヒビキは感心していた。
「もし、そこの坊ちゃんにお嬢さん方・・・」
後ろから艶めかしい大人の女性の声が聞こえて来た。ヒビキ達が振り向くと、その女性を見て息を呑んだ。目の前にいたのはバタフリーとモルフォンが円形に対となった刺繍が施された紅色の着物に漆が塗られた漆黒の高下駄、そしてシードラを形どった髪飾りをつけた見るも艶やかな美しい花魁が立っていたのだ。
「うわあ、すげえうっつくな人だ・・・天女見てえだ・・・」
「綺麗・・・」
「まいこはん?だけどどこか威厳を感じる、この人は?」
ヒビキはその美女の美しさに見とれてしまい、アカネは彼女の衣装の鮮やかさに惚れてしまい、ツクシも可憐さの裏にある厳かさと麗らかさを感じていた。
「ふふ、どうなさいました?」
その美女はヒビキ達の顔をまじまじと見た。
「ああ、いや、何でもありません・・・」
間近で顔を見られてヒビキは思わず困惑してしまった。
「あんさん、もしかして、ヒビキはんどす?」
「え、あ、はい、そうだけど・・・」
「そう、噂に聞いてはりますえ。何でもまいこはんの危ない所を何度もお救いになったとか・・・」
「え、俺ってそんなに有名人になってたのか?!何か悪い気はしねえな、はは!」
花魁の女性に言われてヒビキは鼻を高くして嬉しかった。ツクシはやれやれと呆れていた。
「で、あんた、名前は?」
「名前?うちは通りすがりの皆のおねえはんどすえ」
「よせやい、名無しの権兵衛・・・じゃねえ、名無しの花魁さんなんてあるもんか」
「そうどすな、では、コチョウ、と言っておきましょう。そうそう、言い忘れてありました・・・」
その花魁、コチョウは何かを思い出すと、ヒビキ達にあるお願いをした。
「ヒビキはん、今、お急ぎじゃないどす?」
「ああ、バリバリの暇だけど?」
「それは良かった。実はあんさん達に頼みがありまして・・・
「頼み?」
ヒビキが言うと花魁のコチョウはゆっくりと頷いた。
「実はうち、大事なかんざしを無くしてしまいまして、それも大事なものであれが無いとうち、恥ずかしくて人前に出れないんどす・・・」
コチョウはどこか憂えげな目をして何かを伝えようとしていた。
「つまり、俺達にそのかんざしを探してきてほしいってことか?」
「そうなんどす、ヒビキはんは察しがいいですわあ。お願いしてよろしいどすえ?」
「おう、美人の頼みとなりゃお安い御用さ。ツクシくんとアカネちゃんも手伝ってくれる?」
「まあ、人前に出れないとなれば助けないといけないかな・・・」
「はーい、うちもお手伝いしまーす!」
花魁のコチョウの頼みをヒビキ達は引き受けることにした。早速、彼女に言われたかんざしを落とした場所に向かうと、
「うへえ、暗いな。草がすげえ生えてて中々進めやしねえ」
38番道路、その外れにある道にある森の中をヒビキ達は歩いていた。
「うーん、ウバメのもり以上に暗いね・・・」
「けど、何であんな綺麗な人がこんな似合わない場所でかんざし落としたんやろな」
ツクシとアカネは迷わないよう歩いている。アローラロコンを抱っこしていたアカネは何故あの花魁の女性がここでその大事なものを落としてしまったのか考えていた。
「そりゃあ、迷子になったからじゃないのか。まいこはんの時だってそうだったし」
ヒビキはウバメのもりのことを話した。あの時もまいこはんの一人が道に迷ってしまい、その手助けをしたことがあったからだ。それと同じようなものだろうとヒビキは思っていたが、その彼等を見つめる怪しい存在が無数にいることをまだ知らないでいた。
「うん、何だ?」
しばらく歩いていると、目の前に何やらポケモンの巣穴のようなものがあった。そして、
「キタナーーーーーっ!!!」
巣穴から何かが飛んで来た。
「うわ、何でえ?!」
ヒビキ達は咄嗟に避ける。目の前には黒い色をしたコラッタが現れたのだ。そのコラッタは牙をぎらつかせて不気味に笑っていた。
「こいつは・・・!」
「コラッタ?にしては黒い色をしている・・・?」
ヒビキとアカネはそのコラッタを見て驚いていた。
「でも、どこか普通のコラッタとは違うな・・・」
ツクシはコラッタを見て考えていた。確かにそのコラッタは黒い色をしていた。でもどこか普通のコラッタとは違う。
「あれ、コラッタなのに二本足で立ってる?」
アカネがようやく気付いた。そのコラッタは黒い色をして更に二足歩行で立っていたのだ。また、口元にはヒゲのような膨らみが付いている。
「そう言えば!」
ヒビキが図鑑を取り出すと、データで出て来たコラッタは四足歩行である。しかし今、目の前にいるコラッタは二本足で立っていた。
「ロコンといい、コラッタといい姿が違う奴が今日はよく・・・っておわあ?!」
突然、その黒いコラッタ、アローラコラッタが襲いかかって来た。ヒビキは五感でこれを何とかかわした。
「てやんでえ、こっちはあの花魁の姉さんと約束してんだ!正面突破で行くぜ!」
ヒビキはボールを投げてオニスズメを出した・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.68 )
- 日時: 2017/06/08 20:55
- 名前: たくと七星 (ID: 9BwAWVgb)
第15話「落ちてきたロコン、ヒビキ達にまさかの試練?!」パート3
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ(戦闘中)、コンパン、ウソッキー
「トブデーーーっ!!!」
アローラコラッタは四足歩行になると、尻尾をプロペラのように回して空を飛んだ。
「尻尾の回転で空を飛んだ?!」
「器用な尻尾やな!」
ツクシとアカネが目を丸くして驚いていた。
「俺のオニスズメだって飛べるぜ!」
「イーっ!!!」
ヒビキが指示を出すとオニスズメも空を飛んだ。
「つばめがえしだ!」
つばめがえしに出るオニスズメだが、アローラコラッタは飛んだ状態でふいうちをしてきた。回転する尻尾でオニスズメを連続攻撃して、辺りを飛び回って急襲していく。
「オチロイーーーーっ!」
オニスズメに接近するとアイアンテールをしてオニスズメを叩き落とした。地面に着地したアローラコラッタは円を書くように走り出した。
「何でグルグル回るんや?」
「回転することで、まさか・・・?!」
ツクシの予感は的中した。円を書くように回ったことでアローラコラッタの周囲に風が舞い、大きな砂嵐になった。アローラコラッタは飛び出て尻尾を回してそのすなあらしをオニスズメに飛ばした。
「オニーーーーっ!」
オニスズメは巻き込まれて地面に落とされてしまう。
「うわあ、あのコラッタ、強いで・・・!」
「大丈夫だアカネちゃん、これくらいまだまだだぜ!突風を飛ばしてくるんだったら・・・!」
アローラコラッタが続けてすなあらしを飛ばして来た。
「オニスズメ、オウムがえしだ!」
すなあらしが直前に来た所でオニスズメはオウムがえしをした。すなあらしは跳ね返されてアローラコラッタの方へと向かって行った。
「ウソジャーーーーーっ?!」
アローラコラッタはすなあらしに飲まれて地面に叩き付けられて戦闘不能になった。
「やった、ヒビキくんが勝った!」
「よし!」
ツクシがサムズアップすると、ヒビキもお返しにサムズアップをした。その間にアローラコラッタは逃げていった。
「あれ、何か光ってる?」
巣穴のようなものに何か光っていることにヒビキが気付いた。近付いて取り出してみる。
「何だこれ?」
「うわあ、綺麗やわ・・・」
ヒビキがツクシとアカネに見せたもの、それは白と黒の色をした二つのクリスタルだった。
「すげえ綺麗な宝石だろ、これってなんだろな。ま、記念としてもらっとくとするか」
ヒビキはクリスタルに付いて深く考えず、ツクシとアカネと共に先へ進んでいった。
そして、一行は少し開けた場所へ着いた。木々は生い茂っているが、中央は開けている地、そこにヒビキ達はいた。
「さあて、大分奥まで来ちまったなあ・・・」
「ああう、何かうち、怖いわあ・・・何か出て来そうで」
アカネは不安になってきた。太ももをもじもじさせてアローラロコンを強く抱きしめている。
「心配すんなって、何かあったらこの俺が守ってやっからよ」
ヒビキはどんと胸を叩いてアカネに言う。
「ほんま?ありがとう。何かヒビキさんの顔見てたら安心してきたわ」
先程の不安も吹き飛んでアカネは笑顔になった。
「あれ、ヒビキくん、あそこ・・・」
ツクシがある物に指を差した。そこには円筒形の台座があって開けた部分に何やら光る物が置かれていた。
「うん、どれどれ?」
ヒビキが見てみると、それは青白い色をしたキュウコンのかんざしだった。
「これか、あの花魁さんが言ってたかんざしってやつ」
「きっとそうだよ、こんな所にあったんだ」
「ヒビキさん、早くあの人に返してあげよう」
アカネの言葉にヒビキも頷いた。
「おう、そうだな。あのうっつくな人の喜んだ顔、見てみて・・・うん?」
ヒビキは突然、寒気がしてきた。
「どうしたん、ヒビキさん?」
「ツクシくん、アカネちゃん、何か感じねえか?」
ヒビキは互換から感じる危機を二人に言った。
「感じるって何を?」
「うちには解らへんけど・・・」
ツクシとアカネは気付いていないがヒビキは解っていた。
「何か鋭い視線を感じるんだ。俺の第六感が言ってるからには間違いねえ・・!」
「でも、本当にそんなのが・・・嘘・・・!」
ツクシが偶然上を見上げると、その視線の正体を見てしまった。
「きゃああああ!何あれ!」
アカネは目を見開いてビックリしていた。そこにいたのは、
「グッシャアアアアアア!!!」
その声の主が木から降りて地面に地響きを立てて降りて来た。黒い体毛を生やし、ふっくらした体付き、頬は脂肪で膨れていて前歯は頑丈に光り、ヒゲも固く出来ている。
「こいつは・・・」
ヒビキがこのポケモンを言おうとする。
「ラッタだ!それにしては・・・・」
ツクシはすぐにコラッタの進化系、ラッタだと気付いたが、どこか違うことに気付いた。
「その割には太ってへん?丸々とぷっくり太ったみたいな・・・」
アカネもそのラッタが普通のとは違うことに気付く。そう、普通のラッタと違い、体毛が黒くずんぐりとした体付きをしていたのだ。
「ブットバース!!!」
黒いラッタは丸い頬を叩いて音波を飛ばして来た。
「うわ、危ねえ!」
「きゃっ!」
ヒビキ達は咄嗟にこれを避ける。
「あのラッタを何とかしないといけないみたいだね」
ツクシがボールを取り出した。
「おう、花魁の姉さんのためにも必ず勝つぜ!」
「うちも頑張る!」
ヒビキはアリゲイツ、オニスズメ、イシツブテを、ツクシはトランセルとコクーン、ストライクを、アカネはイーブイとミルタンクを出して、その黒いラッタ、アローララッタに戦いを挑んだ・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.69 )
- 日時: 2017/06/13 21:05
- 名前: たくと七星 (ID: 9BwAWVgb)
第15話「落ちてきたロコン、ヒビキ達にまさかの試練?!」パート4
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(戦闘中)、オオタチ、イシツブテ(戦闘中)、オニスズメ(戦闘中)、コンパン、ウソッキー
「行くぜ!」
ヒビキの指示でアリゲイツ、イシツブテ、オニスズメがアローララッタ目掛けて走り出した。ツクシとアカネも自分のポケモンに指示を出して向かわせる。
「デカシャア!」
アローララッタは空気を吸い込み、歯を動かして何とも不快な音を鳴らした。
「ゲイイイイイっ!」
くちゃくちゃと噛むような音にアリゲイツ達は怯んでしまう。アローララッタは素早く動いてすてみタックルでアリゲイツ達を次々と吹っ飛ばしていった。
「おい、大丈夫か?!」
ヒビキ達が心配するとアリゲイツ達は何とか起き上がった。
「あのラッタ、中々強い・・・」
ツクシが見るとアローララッタは余裕の表情で太った体を弾ませた。
「うわあ、すんごい肉付きやわあ・・、て言うとる場合じゃなかった!」
「おうおう、こっからが本番だぜ!」
ヒビキとアカネが手持ちのポケモンに指示を出した。アリゲイツとミルタンクが挟み撃ちで攻撃に出たが、
「ヌッシャアア!!!」
アローララッタは気にぶら下がっているツルに登って回し蹴りをしてアリゲイツ達を吹っ飛ばした。ぶら下がりながら推力で動いてヒビキ達のポケモンを攻撃していき、地面にクルンと転がって着地した。
「トランセル、コクーン、いとをはくんだ!」
ツクシの指示でトランセルとコクーンはいとをはいて動きを封じようとしたが、
「ワタガシーっ!!!」
アローララッタは近くにあった木の枝を取るとトランセル達が吐いた糸を円を書くように棒を動かし糸を器用に絡めていった。
「うへえ、器用な奴だなあ・・・」
「わあ、ほんま綿菓子やあ・・・」
アローララッタの器用な動きにヒビキとアカネはポカーンとした。アローララッタは棒に絡めた糸を食べ始めた。
「げげ、食いやがった!」
糸を食べるアローラコラッタにヒビキはびっくりする。
「でも、今がチャンスだ!」
「行くで!」
アローララッタが気をそらしている。ツクシとアカネはトランセルとコクーン、ミルタンクに突撃させた。
「ウメエエエエエエ!」
アローララッタはゲップと共に口から細い糸を吐いてきた。トランセルとコクーン、ミルタンクに糸が絡みつき動けなくなってしまった。
「これじゃあ戦えない!」
「ミルタンク、戻って!」
ツクシとアカネは自分の手持ちをボールに戻した。
「ストライク、行け!」
ツクシは残っているストライクに突撃を指示した。アローララッタが口を小刻みに動かし出すとストライクはすぐに鎌を研いで金切の音を出した。
「ウッシャアアアアアア!」
アローララッタは耳を塞いで身を丸くした。
「ヒビキくん!」
「おう、ツクシくん!」
ヒビキはアリゲイツにきりさくの指示を出した。アリゲイツはサッと動いてきりさくで攻撃する。
「おっしゃあ、初ダメージだ!」
ヒビキがガッツポーズをする。起き上がるアローララッタ。だが、木の上、岩の上で何かの気配がしていた。
「ケケ!」
「キキキ!」
木の上や岩の上でアローラコラッタはニヤリと笑うと内の一匹が赤く燃える玉を落として来た。それに気付いたアローララッタは口を開けて飲み込んだ。
「何い?!」
「あの玉、まさか!」
「え、何なの?!」
ヒビキ達が驚くのも束の間、アローララッタは口から炎を吐いて来た。
「ゲイ?!」
アリゲイツ達は慌ててこれを避ける。アローララッタが飲み込んだのはかえんだまだったのだ。アローララッタは続いて炎を吐き飛ばしてきた。
「イーブイ、皆を守って!」
「ブイ!」
アカネの指示でイーブイはひかりのかべを張って炎を防いだ。
「ありがとアカネちゃん!」
「えへへ!」
安心したのも束の間、もう一体のアローラコラッタがしんぴのしずくを投げて来た。
「ミズ!」
アローララッタはしずくを飲み込み口からハイドロポンプを飛ばして来た。
「今度は水か!」
負けてたまるか、とヒビキはアリゲイツに再びハイドロポンプを飛ばさせた。激しい押し合いになり、水が弾け飛んで水しぶきが飛び散った。
「へへ、やるじゃんこいつ!」
アローララッタの強さにヒビキは鼻を擦って笑った。
「キヘヘ!」
するともう一体のアローラコラッタがけむりだまを落として来た。それを口に含んで噛み潰すと、辺り一面に煙を飛ばして来た。
「うわ、前が見えねえ!」
「どうなってるんだ、これ」
視界が煙で覆われヒビキとツクシは動揺する。
「わああ、何にも見えへん。やだ、怖いわ・・・」
アローラロコンを抱いているアカネは不安になった。周りは煙でヒビキ達が見えないでいる。もしここで襲われたりしたら、
「デシャアアア!」
しかしそこへアローララッタが襲いかかって来た。
「きゃああああああ!」
アカネは咄嗟に避けたが、バランスを崩して転びそうになった。だったが、
「え?」
ガシっと誰かが自分の腰を掴んでいるのが感じられた。
「ヒビキさん?!」
目の前には自分をしっかりと支えているヒビキの姿があった。
「言ったろ、俺、ちゃんと守ってやるって!」
ヒビキの笑顔を見てどこか救われた気持ちになった。アカネを立たせると、
「お前も無事で良かったな」
アローラロコンの頭を優しく撫でてあげるのだった。
「さあて、こっちも本気で行くとすっか!」
ヒビキは頬を両手で叩いてやる気を出した。すると、一体のアローラコラッタが何とも青い玉を落として来た・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.70 )
- 日時: 2017/06/15 20:35
- 名前: たくと七星 (ID: 9BwAWVgb)
第15話「落ちてきたロコン、ヒビキ達にまさかの試練?!」パート5
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(戦闘中)、オオタチ、イシツブテ(戦闘中)、オニスズメ(戦闘中)、コンパン、ウソッキー
アローララッタはこれに気付いてこれを飲み込んだ。
「また何かを飲み込んだよ!」
ツクシがヒビキ達に注意した。
「来たな、今度こそ返り討ちにしてやるぜ!」
身構えるヒビキ達、だったが、
「イ、イヤーっ、イヤーっ、コナイデーヤ!!!」
アローララッタは突然腰砕けになり両手を突き出して狼狽し始めたのだ。そして体を丸めて戦うことを放棄してしまう。
「な、どうしたってえんだ。急にへっぴり腰になりやがって・・・」
「すっかり怖がってんなあ」
ヒビキとアカネはアローララッタの異変に呆然としてしまっていた。
「シマッターーーっ!!!」
木の上にいたアローラコラッタは頭を抑えて動揺した。今、落としたのはビビリだまというアイテムだったからだ。もう一体のアローラコラッタが何やってんだと頭を叩いた。
「ヒビキくん、今なら勝てるかも・・・」
ツクシは攻撃すれば勝てるかもしれないと言ったが、
「いや、これぐらいにしてやろうぜ」
ヒビキはそのままにしておくことを決めた。
「え、でもヒビキさん・・・」
「見てみい、すっかり縮こまっちまってるぜ。それなのに攻撃なんてしたら弱いものいじめになっちまうじゃねえか」
「ああ、言われてみれば」
「確かに、そうだよね」
ヒビキの言葉にアカネとツクシは納得した。
「大体そんなことしたらトレーナーの風上にもおけねえ野郎になっちまうしどうも縁起が悪い。俺は弱いものいじめはしねえし縁起の悪いこともしねえ!それに俺達の一番の目的は花魁の姉さんの大事な宝物を取り返すことだ」
そう言うと、ヒビキは台座に置いてあるかんざしをヒョイと取って歩き出した。
「さあて、用は済んだし、さっさとこの薄暗いとこから出ようぜ。ここは何か真っ暗でジメジメしていけねえや」
そう言って陽気に鼻歌をしながら戻っていった。
「ヒビキさん、優しいわ」
「うん、それに心も強くてしっかりしてる。彼と旅が出来て良かったと思えるよ」
アカネとツクシもヒビキの後を追ってその人が待っている38番道路へと戻っていった。
<38番道路>
「ほい、お姉さん」
「まあ・・・」
ヒビキは笑顔で花魁のコチョウにかんざしを渡した。
「これどす・・・。うちのかんざしは。よう見つけてくださいました。本間に感謝しますえ」
花魁のコチョウに感謝されヒビキは照れ臭そうに笑う。するとヒビキのバックが光っているのが彼女に見えた。
「あら、ヒビキさん」
「うん、何だ?」
「今、何か光りましたえ。見せてくれます?」
「お、おう・・・」
ヒビキはバックからアローラコラッタとの戦いで手にした二つのクリスタルを見せた。
「まあ、Zクリスタルやないの・・・」
花魁のコチョウは二つのクリスタルを見て呟いた。
「Zクリスタル?」
ヒビキが言うとコチョウはある腕飾りをヒビキに渡した。
「ヒビキはん、このリングをお付けになってくれやす。かんざしを探してくれたお礼どす。どうぞ」
「ああ、あんがとお姉さん」
ヒビキはそのリングを左腕に装着させた。
「それはZリングと言いますえ。手にしたクリスタル、ノーマルZとアクZを使うことがあったらそのリングに付けて戦ってみてください。きっとあんさんの力になってくれますえ」
「そうか、何かいいもんもらっちまったな。ありがとよ、お姉さん」
「いえいえ、ヒビキはんアリゲイツを持ってはりますね」
コチョウはアリゲイツを見て何かを思い起こしていた。
「ふんふん、あのタマゴが廻りまわって・・・、あ、ううん、何でもないんどす、ヒビキはん、そのアリゲイツ、大事にしてくんなさいまし」
「おうよ、俺のアリゲイツは右腕も同然さ。ぜってえ大事にする」
ヒビキ達は花魁のコチョウに手を振って次の街、アサギシティへと歩いて行った。コチョウはそれを見送り、ヒビキ達が見えなくなったことを確認すると、ある場所へと歩いて行った。
薄暗い森の中、ヒビキ達が通ったその森を彼女、花魁のコチョウが歩いている。そしてかんざしが置かれていた台座の広場に来ると、
「あんさん方、ご苦労様でした・・・」
誰かに声をかける。すると、無数のアローラコラッタと一匹の先程ヒビキ達が戦っていたアローララッタが彼女の目の前に現れ平伏した。
「Zクリスタルを手に入れさせると言う手は上手くいきました。これでヒビキはんもあの技を使えるようになりましたね・・・」
コチョウは自分の計画が成功したことに満足そうに笑っていた。そう、かんざしを探させるというのは本来の目的ではなく、彼、ヒビキにZクリスタルを入手させ、その力を引き出すリングを授けるためだったのだ。
「あの子達の言うとった少年がヒビキはん・・・。ワニノコが渡ったことを察すると・・・。ヒビキはん、あんさんがこれから起こるであろうジョウトを揺るがす大難から世界を救うことが出来る心清らかなお方か、しかと見定めさせてもらいますえ・・・」
花魁のコチョウは美しく、ミステリアスに笑い、ヒビキのこれからを見守るのだった・・・。
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