二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケモンストーリー ハートゴールド編
- 日時: 2016/10/23 17:00
- 名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)
また、お会いします。たくと七星です。これまでスマブラの小説を書いてきましたが、今回から、再びポケモンの小説を書いていこうと思います。今回は「ポケットモンスター 金銀」のリメイク版、「ハートゴールド、ソウルシルバー」を題材とした作品です。
<今作の概要>
・初の男の子主人公に挑戦
前作、ブラック編、ダイヤモンド編と女の子を主人公として来ましたが、今回は初となる男の子の主人公に挑戦しようと思います。
・憎めないキャラにして行きたいと思います
主人公の性格は昔の昭和のアニメの主人公をイメージして書いていこうと思っています。やんちゃでおバカでお調子者だけれども芯はしっかりしていて決めるときは決める、そんなキャラにしていこうと思います。
・ジムリーダーが旅のお供に
今作ではジムリーダーを旅のお供として登場させます。これはアニメの設定でジムリーダーの一人を仲間にして出してみたいと思っていたので今作で書いてみたいと思っていました。もちろん、ただいるだけの存在にはさせず、先輩としてサポートしたり、アドバイスをしたりフォローをしてあげたり、共闘したりしていくのでそれらを見ていただけたらと思います。
・今作でのポケモンの新能力
今作ではバトルにちょっとした工夫を入れてみました。登場するポケモンがちょっとした芸当を持っていたり変わった戦術をしてきたりするのでよろしく見ていただけたらと思っています。
・後半からオリジナル要素を展開
前半、中盤は普通に原作沿いになりますが後半からは実際のゲームではなかった要素を追加していこうと思っています。それは何かはまだ伏せておきます。
以上が本作の概要です。明るい主人公とジムリーダーの二人旅、色んな人たちとの出会い、脅威となるライバルの出現など、時にシリアス、時にはギャグも、そしてクスリとさせられたりするそんな話に出来ればと思いつつ連載していきますのでよろしくお願いします。
<主要人物紹介>
・ヒビキ
本作の主人公、ワカバタウン出身の少年。デザインは原作「ハートゴールド、ソウルシルバー」と同じ。研究所に届いた自分あての差出人不明のタマゴからワニノコが孵ったことで冒険の旅にでる。おバカでお調子者だが、決して諦めない強い心を持った熱血漢。意外としっかりした所もあり、義理堅い一方、激昂したり感情が高ぶると江戸っ子口調になってしまうことがある。
・ツクシ
ヒビキが出会うことになるむし使いの少年。偶然ヒビキと出会い、彼と仲良しになって一緒に行動することになる。しっかり者でヒビキのボケに鋭いツッコミを浴びせたり、先輩としてトレーナーとしてのあり方をサポートしたりする。研究家を目指しており、ウツギ博士には尊敬の念を抱いている。
・レイ
ヒビキ達の前に現れた、赤髪に切れ長の目をした少年。冷徹な性格でポケモンは強ければいいと考えている。至るところでヒビキ達と出会うが弱者とみなして相手にしない態度をとることが多いが・・・本作でのヒビキの生涯の壁。
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- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.41 )
- 日時: 2017/03/21 21:02
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第11話「コガネジム、VSアカネ」パート5
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(ひんし)、オオタチ(ひんし)、イシツブテ(ひんし)、オニスズメ(ひんし)、メタモン
「うわああああああん!」
突然、二人の耳につんざくくらいの鳴き声が聞こえて来た。ヒビキとツクシはひっくり返るくらいびっくりした。
「うわわ、この世の終わりみたいな鳴き声じゃねえか・・・!」
「ア、アカネちゃんが泣いてるんだ・・・」
「アカネちゃんが?!」
ヒビキが振り向くと、敗れたアカネが目からハイドロポンプのような量の涙を流してペタンと座り込んでいた。
「えええええん、ひぐ、ひどい、ひどいわ!ひどいのーーーーーっ!」
周りの取り巻きの女の子達があやして宥めてもアカネは泣き止まない。
「あーあ、貴方、アカネちゃんを泣かしちゃったわね」
「うえ?!」
取り巻きのミニスカートに言われてヒビキは心臓がグサッと刺さった気持ちになった。
「ああ、大丈夫よ、気を悪くしないで。アカネちゃん敗けるといつもうなのよ」
「そ、そうなのか・・・」
見るとアカネはまだ泣いていた。周りが慰めても泣き止む気配がない。涙が止まることなく流れていた。
「・・・・・・・」
「ヒビキくん?」
頷くと、アカネの所へ歩いて近くにしゃがみ、そっとハンカチを差し出した。
「ふええ・・・?」
ハンカチを渡され、アカネがやっと泣き止んだ。
「なあに・・・?」
「取り敢えず、これで涙を拭いてくれや」
照れ臭いのか恥ずかしそうにアカネと顔を合わせず、ヒビキはそれを差し出す。
「な、何鳩が豆鉄砲喰らったみてえな顔してるんでえ。これで拭けや・・・」
ぶっきらぼうにそのハンカチをアカネの膝に置いて起き上がった。
「じゃあ、俺は行くぜ。バッジは次に戦う時でいいさ」
「ええ?!ヒビキくん、どうして?」
ヒビキの意外な台詞にツクシは驚く。勝ったのに再戦してからバッジをもらうなんて言うトレーナーなんていなかったからだ。
「どうしてって、別に聞くほどでもねえや」
「でも、折角アカネちゃんに勝ったのに、もらわないなんて損・・・」
「でももカモネギもねえ!確かに勝ったけどよお。見てみい、あんなに泣いてんじゃねえか。ジムリーダーって言っても相手はかよわい女の子だ。まあ、すげえ強かったけどよ・・・。でも、女の子を泣かしてまでバッジを取ったってなるとトレーナーの風上にもおけねえってなるじゃねえか」
「ヒビキくん、そう思うかもしれないけど・・・・」
ヒビキ達のやり取りをアカネは聞いていた。
「あの、待って!」
振り向くと、既にアカネは泣き止んでいた。ハンカチで涙を拭いて二人のもとへ走った。
「ん、もう泣き止んだのか?」
「あの、うちは大丈夫やから。ごめんなさい、うち、敗けるといつも泣いちゃって・・。そうそう、これを」
アカネはヒビキにコガネジム公認のレギュラーバッジを差し出した。
「え、いいのかよ?俺、アカネちゃんを泣かせて・・・」
「ううん、ヒビキくん、違う・・・、ヒビキさんは何も悪くないの。敗けて勝手に泣いたうちがいけないんやから。うち、もう敗けても泣かないって約束するから、受け取って!」
涙で潤んだ目でもう泣かないと言うアカネを見てヒビキは彼女の思いを受け取る。
「おう、解ったよ、じゃあ、しっかりともらっていくぜ」
ヒビキはバッジを手に取り帽子にバッジを飾る。よく見ると、取り巻きのトレーナー達がヒビキにうっとりしている。
「ヒビキさん、その・・・」
「何だ、それにヒビキさんって?」
「あのね、うち、これからもヒビキさんとツクシくんと旅がしたいやけんど、いいかな・・・?」
アカネは頬を赤くして、もじもじしてヒビキに一緒に行ってもいいだろうかとお願いした。
「ああ、もちろんだぜ」
「アカネちゃんは僕達の友達だからね」
「ありがとう!これからもよろしくね」
バトルが終わり、アカネは大きな決意を胸にしてヒビキ達と旅を続けるのだった・・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.42 )
- 日時: 2017/03/23 20:45
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第11話ミニコーナー「ヒビキとツクシのポケモン解説」第7弾
ヒビキ「いよう皆、今日もこのコーナーを紹介するぜ!まず最初はこいつだ!」
『ミル〜っ!』
ツクシ「ジョウト図鑑No.151、ちちうしポケモンのミルタンク。アカネちゃんの最強の切り札にして全てのトレーナー達にとっての鬼門。特に技のころがるは強大だね。あれで多くのトレーナー達が倒されたんだ」
ヒビキ「ああ、最初はかよわい子だと思っていてが、あれで滅茶苦茶強えんだな。ジムリーダーは伊達じゃなかったぜ。そして次に紹介するのは」
『キニュ・・・!』
ツクシ「ジョウト図鑑No.92、へんしんポケモンのメタモン。ヒビキくんがラッタから助けた子が登場したね。アカネちゃんとのバトルではヒビキくんの最後の手持ちとして登場して、ミルタンクに変身したんだ。ミルタンク同士の戦いの末、ヒビキくんの勝利に!」
ヒビキ「おう、あんがとなメタモン」
メタモン「ピキっ!」
ヒビキ「次回もよろしく頼むぜ!」
<ストーリー雑感>
遂に満を持して書いたアカネちゃんとのバトルです。アカネちゃんと言えばご存知、ミルタンクで多くの人達がこのポケモンの前に倒されたと言うトラウマ級の強さを持つポケモンです。鈍重そうな見た目に反して素早さが高いんです。自分も「金銀」を遊んでいた頃何度も敗けた経験があります。
最初、この話を書く時、ヒビキくんの敗北にしようかと思っていましたが、コガネシティの道のりの草むらでメタモンが出てくるので自分の勝手でメタモンを仲間にしてへんしんでミルタンク同士の対決をさせてみてはどうだろうと思い、この話にしました。
期待はずれになってしまったかと思いますがどうしてもこの展開にしてみたかったのでお詫び申し上げると同時に少しでも喜んでいただけたら幸いです。ヒビキくんの敗北と言う展開は今後出す予定ですので末永く見守っていただけたらと思います。ではまた、お会いしましょう・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.43 )
- 日時: 2017/03/23 21:03
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第12話「しぜんこうえんのむしとりたいかい」パート1
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、オニスズメ、イシツブテ、メタモン
今回の注目ポケモン
・コンパン
今回の注目ポイント
・むしとりたいかいのイベント
・ポケモンシリーズ屈指の名言を生んだあの人が登場
アカネとのジム戦が終わった後、ヒビキ達はしぜんこうえんに来ていた。
「ふ〜う、天気がいいぜ・・・」
ヒビキは公園のベンチに座って背伸びをしていた。頭にはメタモンが乗っている。
「お、頭が重いと思ったらお前か?」
メタモンを抱きかかえてヒビキは思い出していた。アカネとのバトルの時、多くの仲間達がミルタンクに敗れ去った後、最後に戦って勝利をもたらしたのがこのメタモンだったからだ。
「お前がいたから勝てたんだよな・・・あんがとよ」
ヒビキに感謝されてメタモンは顔がふにゃけて嬉しそうだった。
「ヒビキさーん!」
アカネがイーブイを連れて走って来た。
「おう、アカネちゃん。その飲み物は?」
「喉が渇いたでしょ。ヒビキさん気に入るかなと思ってこれ」
「サイコソーダか。おいしいみず派だけど、こいつもいいよな。あんがと」
「てへへ」
アカネが隣に座ってイーブイを膝に乗せた。ヒビキはもらったサイコソーダを一気に飲んで息を吐いた。
「ヒビキさん、次はどこの街にいくん?」
「そうだな、やっぱ次もジムがある街かな。それはそうとアカネちゃんよ」
「なに?」
アカネがきょとんとするとヒビキは遠慮のなくこう言った。
「そのヒビキさんって言い方、何なんだ。今までくん付けだったのに急にさん付けに変わっちまって」
「くんだと軽々しいから、さん付けにしといたほうがええかなって。だってその方が親しみがこもっとるし」
「よしてくれや。何か偉い人間になったと勘違いしちまうじゃねえか」
「ううん、ヒビキさんの方がええもん。だって、うちに決意させてくれたのも・・・」
「あん、どうした?」
「ううん、何でもない・・・」
アカネは照れて口を塞いでしまう。ヒビキは何かおかしいの、と首を横に向けた・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.44 )
- 日時: 2017/03/30 21:18
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第12話「しぜんこうえんのむしとりたいかい」パート2
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、オニスズメ、イシツブテ、メタモン
「ヒビキくーん!」
ツクシが手を振って走って来た。息を切らしながらも笑顔を作りヒビキにある話をした。
「ねえヒビキくん」
「何だ、ツクシくん」
「問題があるけどいいかな?」
何やら嬉しそうな満面の笑顔で語りかけるツクシをヒビキは不思議に思った。
「何でえ、そんな天使みてえな面して、ラッキーのたまごでも食って機嫌がいいのか?」
「そうじゃないよ、今日は何曜日かわかる?」
何曜日かを聞かれてヒビキは今日の曜日を思い出す。
「ええと、ちょっと待てよ、今日はえ〜と、え〜と・・・」
「今日は木曜日やでヒビキさん」
間髪いれずにアカネが即答してしまった。
「あー、そうだったな!今日は木曜日だったぜ!」
「アカネちゃん、ヒビキくんに答えさせてよ・・・」
ガックシとうなだれてしまうツクシだったが、すぐに機嫌を直してあるイベントがあると話した。
「今日の木曜日はむしとりたいかいがある日なんだ」
「むしとりたいかい?何だそりゃあ・・・」
解らなそうなヒビキにツクシが説明する。
「むしとりたいかいって言うのはね、ここしぜんこうえんで行われる、むしポケモンを捕まえる競技なんだ」
「むしポケモンを?ツクシくんの好きな」
「そう、ルールは簡単、制限時間20分内にむしポケモンを一体捕まえてね、その捕まえたポケモンの強さ、レベルの高さで順位を決めるだけ、ただし使用できるポケモンは一体だけで手に入るむしポケモンも一匹だけ。僕はこのたいかいが大好きでね、開催される火曜、木曜、土曜日には必ず参加してたんだ。手持ちにしてるトランセルやコクーンもここで仲間にしたんだよ」
「なるほどねえ、ツクシくん、熱く語ってんなあ」
こうえんのたいかいを話すツクシはイキイキとしていた。むしポケモンへのこだわりはとても強いのが感じられる。
「何かそう聞いてると俄然、行ってみたくなったな。ツクシくん、俺も連れてってくれよ」
「それじゃあ、話は早いね。早速公園に行こう!」
ツクシに手を繋がれてヒビキは開催場所である広場へと行った。
「あーん、ヒビキさん、うちを置いてかないで!」
アカネも二人の後を追い掛けていった。
そして、公園広場、大会が行われ、ヒビキも参加することにした。大会専用のコンペボールをもらい、一緒に参加したツクシとアカネとは別行動を取り、草むらの中を歩き回っていた。
「ううん、どうにも出てこねえな、むしポケモン。さすがにたいかいとなるとそううまくは出てこねえか・・・」
ガサゴソと草むらを分けて探していくヒビキ、すると、掻き分けた草むらから何かが見つかった。
「うん、こいつは・・・?」
目にしたのは紫のふさふさの毛で覆われた複眼の目の丸っこい体をした、こんちゅうポケモンのコンパンだった。良く見ると、足に何か刺さっている。
「あ、そうか。そいつが刺さって痛えんだな。全くマナーを守らない奴がいるもんだぜ。ゴミはゴミ箱だろ。何て言ってる場合じゃねえよな・・・」
ヒビキは早速コンパンの足に刺さっている爪楊枝を抜き始めた。
「ピギーーーーっ!」
コンパンが痛がって暴れだす。
「べらんめえ、これくらいで泣く奴があるか、我慢しろい我慢を」
爪楊枝を抜くと消毒液を塗り、包帯を巻いてあげる。
「よし、これで大丈夫だ。もう痛え所はねえからな。もう怪我すんなよ。ゴミはゴミ箱に。じゃあな」
ヒビキは手を振ってコンパンにさよならをする。コンパンはそんなヒビキをずっと見つめていた・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.45 )
- 日時: 2017/04/06 10:13
- 名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)
第12話「しぜんこうえんのむしとりたいかい」パート3
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ、メタモン
コンパンと別れた後、むしポケモン探しを再開する。草むらを掻き分けて探していると、
「ねえ、そこの君」
「あん?」
女性の声が聞こえて来た。振り向くとそこには艶やかな一人の女性が自分を見ているのが解った。
淡い青の長髪にふくよかな大きさの胸。黄色のキャミソールに銀のパンツ、その瞳はクールでミステリアスな大人の女性の魅力を醸し出していた。
「ふふ、少し君に興味を持ったの。何をそんなに夢中になって探しているのかしら?」
少し前をかがめて聞いてくるその女性にヒビキはむしとりたいかいのことを話した。
「お姉さん、今俺、むしとりたいかいに参加しててさ、むしポケモンを探してるんだよ」
「あら、たいかいに出てるの?それで、どんな子をゲットするの?」
「何って、たいかいとなりゃあやっぱ強えむしポケモンだろう。その方が点数もいいからさ」
「そう・・・」
嘘のない正直な顔で答えるヒビキに女性は感心するも、どこかがっかりしたような冷めた顔になった。
(やっぱりこの子も強いポケモンだけにこだわる、そこらのトレーナーと同じかしら・・・)
しかし何故かヒビキの近くを放れず、彼を見守っていた。
しばらくしていると、ガサッと草むらが揺れて、くわがたポケモンのカイロスが現れた。
「お、こいつは強そうだ。頼むぜ!」
ヒビキは頭に乗っているメタモンにカイロスにへんしんさせた。へんしんしたメタモンはカイロスのシザークロスをかわすと、その胴体をはさんで投げ飛ばした。
「よし、ここでこいつだ!」
コンペボールを投げてヒビキはカイロスをゲットに成功する。
「いよっしゃあ!捕まえたぜ、これでいい成績になる・・・・あれ?」
するとポケモン図鑑がピピっと鳴り出した。見てみると、
「あれ、もうゲットしてるだって?」
よく見るとカイロスの前にもうポケモンをゲットしてあると言うメッセージが書かれていた。何のことか解らないヒビキだったが、
「君、頭に何か乗ってるわよ?」
淡い蒼髪の女性が何かに気付いて、ヒビキに頭に何かいることを指で差した。
「え、頭に・・・、そう言えや何か頭が重てえと思ったら・・・」
頭に乗っている何かを持ってみると、
「お前だったのか、こいつ、いつの間に!」
その正体はさっき怪我を治してあげたあのコンパンだった。足に巻いた布からすぐに解った。
「そうかお前、あの後、俺に付いてきて・・・」
あの後、コンパンはヒビキにこっそり着いて来て自分の頭に乗っかったのだ。
「お前、俺に恩義を感じて、いやまさかな。なあ、お前俺と一緒に旅がしたいか?」
ヒビキが瞳を見て言うと、コンパンは頷いた。それを見てヒビキはカイロスをボールから出して自由にした。
「あら、逃がしたの?」
「ああ、もうこいつがいるしな」
「いいのかしら、貴方強いのを探してたんじゃ・・・」
「いいんだよ。俺を慕って付いていくって決めたみてえだからさ。もう優勝も成績も関係ねえ。こいつで出来る限り頑張っていくさ」
さっきまで冷めた顔をしていた女性は微笑を浮かべてヒビキの頬を指で押した。
「貴方、素敵ね。いいトレーナーよ。ポケモントレーナーとしてポケモンのことをしっかり考えてるわ」
「それって何だ?」
その女性は空を見上げて語りだした。
「強いポケモン、弱いポケモン、そんなの人の勝手。本当に強いトレーナーなら好きなポケモンで勝てるように頑張るべき。貴方はそれを良く理解している、いいことよ。そうだわ、大事なことを知っている貴方にこれを渡すわ」
その女性はヒビキにある物を渡した。それはどこにでもあるような普通の石だった。
「おねえさん、この地味な石は何だ?」
「それはかわらずのいし、持たせるとそのポケモンは進化しなくなる変わった石よ。進化もいいけれど、世の中にはそのままの姿で頑張る人もいるの。貴方に今のままでいて欲しい子がいたら使ってみて」
そう言うと、その女性はヒビキに手を振ってこうえんを去ろうとした。
「待ってくれよ、お姉さん。名前を聞いてなかったぜ、あんた、名前は?」
「そうね、あたくしはカリン。あくタイプ使いのトレーナーよ。君の名前は?」
「俺はヒビキ、いつかポケモンリーグに挑戦するんだ」
「素晴らしいわね、ヒビキくん、貴方ならきっとどこまでも行けるわよ。今の気持ちを忘れない限りは。それじゃあ、頑張ってね」
カリンは穏やかに手を振ってヒビキと別れるのだった。
「カリンさん、あんたのこと忘れないぜ・・・」
そして、タイムアップになり結果発表が出た。
「優勝は、コンパンを捕まえた・・・・・・・・むしとりしょうねんのヨウタさんです!!!」
見事にヒビキはランク外。三位にも届かず参加賞としてきれいなぬけがらがもらえただけとなった。でも、ヒビキは全く悔しい様子を見せなかった。
「ヒビキくん、残念だったね・・・」
ツクシは捕まえたレディバを抱えてヒビキの所に来た。
「うち、全然捕まえられへんかった・・・」
アカネは一匹もゲット出来ず、ガックシとしていた。
「ツクシくんはどうだった?」
「ああ、僕も参加賞だよ。でもいいんだ。お目当てだったこの子が欲しかったからね。優勝は関係ないさ」
「そうだな、ツクシくん、俺もそういう大事なことに気づいたところさ」
「え?」
「どうしたん、ヒビキさん?」
「さあて、俺達は旅の途中だったよな、そろそろ行こうぜ」
ヒビキ達はしぜんこうえんから出て、次の街へ向かうのだった・・・。
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