二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケモンストーリー ハートゴールド編
- 日時: 2016/10/23 17:00
- 名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)
また、お会いします。たくと七星です。これまでスマブラの小説を書いてきましたが、今回から、再びポケモンの小説を書いていこうと思います。今回は「ポケットモンスター 金銀」のリメイク版、「ハートゴールド、ソウルシルバー」を題材とした作品です。
<今作の概要>
・初の男の子主人公に挑戦
前作、ブラック編、ダイヤモンド編と女の子を主人公として来ましたが、今回は初となる男の子の主人公に挑戦しようと思います。
・憎めないキャラにして行きたいと思います
主人公の性格は昔の昭和のアニメの主人公をイメージして書いていこうと思っています。やんちゃでおバカでお調子者だけれども芯はしっかりしていて決めるときは決める、そんなキャラにしていこうと思います。
・ジムリーダーが旅のお供に
今作ではジムリーダーを旅のお供として登場させます。これはアニメの設定でジムリーダーの一人を仲間にして出してみたいと思っていたので今作で書いてみたいと思っていました。もちろん、ただいるだけの存在にはさせず、先輩としてサポートしたり、アドバイスをしたりフォローをしてあげたり、共闘したりしていくのでそれらを見ていただけたらと思います。
・今作でのポケモンの新能力
今作ではバトルにちょっとした工夫を入れてみました。登場するポケモンがちょっとした芸当を持っていたり変わった戦術をしてきたりするのでよろしく見ていただけたらと思っています。
・後半からオリジナル要素を展開
前半、中盤は普通に原作沿いになりますが後半からは実際のゲームではなかった要素を追加していこうと思っています。それは何かはまだ伏せておきます。
以上が本作の概要です。明るい主人公とジムリーダーの二人旅、色んな人たちとの出会い、脅威となるライバルの出現など、時にシリアス、時にはギャグも、そしてクスリとさせられたりするそんな話に出来ればと思いつつ連載していきますのでよろしくお願いします。
<主要人物紹介>
・ヒビキ
本作の主人公、ワカバタウン出身の少年。デザインは原作「ハートゴールド、ソウルシルバー」と同じ。研究所に届いた自分あての差出人不明のタマゴからワニノコが孵ったことで冒険の旅にでる。おバカでお調子者だが、決して諦めない強い心を持った熱血漢。意外としっかりした所もあり、義理堅い一方、激昂したり感情が高ぶると江戸っ子口調になってしまうことがある。
・ツクシ
ヒビキが出会うことになるむし使いの少年。偶然ヒビキと出会い、彼と仲良しになって一緒に行動することになる。しっかり者でヒビキのボケに鋭いツッコミを浴びせたり、先輩としてトレーナーとしてのあり方をサポートしたりする。研究家を目指しており、ウツギ博士には尊敬の念を抱いている。
・レイ
ヒビキ達の前に現れた、赤髪に切れ長の目をした少年。冷徹な性格でポケモンは強ければいいと考えている。至るところでヒビキ達と出会うが弱者とみなして相手にしない態度をとることが多いが・・・本作でのヒビキの生涯の壁。
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- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.21 )
- 日時: 2016/12/30 17:16
- 名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)
第7話「金曜日のポケモン、レイ再び」パート2
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、イシツブテ、オニスズメ、オタチ
「ここの洞窟ではね、金曜日にこの水辺であるポケモンが目撃されているらしいんだ」
「それってどんなのだ?」
ヒビキが聞いている間、アカネは靴と黒いソックスを脱いで足を水に浸かせて、オタチとイーブイが追いかけっこをしていた。
「見た人の話によるとね、青い色の首長竜のようで突起のついた甲羅があって、そして何よりも歌が美しいみたいなんだ。その歌の音色に心を奪われてこの洞窟に来る人も多いみたい」
「へえ、おとぎ話の人魚姫みてえだな」
「でしょう、ただ、それがどんなポケモンなのかは良く解っていないんだよね・・・」
「そのポケモン、詳しく聞かせてもらおうか?」
突然、ヒビキ達ではない声が聞こえてきた。ヒビキとツクシが声のした方を向くと、そこにいたのは赤い髪に黒い長袖の服、紫の長ズボンを履いた、あのレイがいた。岩の壁に腰掛けてボールを弾ませていた。
「お前、あん時の!」
「何、ヒビキくんのお友達?」
レイとは初対面のアカネはヒビキの友達ではないかと思っていたが、ツクシが否定した。
「いや、そうではないよ」
「そやね、何か悪そうな面しとるし、性格も悪いんちゃう?」
アカネはレイを見て嫌そうな顔をしたが、レイは表情を表情を一つも変えないでいた。
「レイ、何しに来やがった!」
ヒビキが言うと、レイは見向きもせずに、
「ふん、いつぞやの弱いトレーナーか」
相手にもせんとばかりに冷淡に言った。
「弱いじゃねえ、俺はヒビキだ!」
「生憎、弱い奴の名前など覚える気にもならないんでね」
ヒビキが名前を言うもレイは振り向きもせず素っ気ない態度でいた。
「んだと!」
「ヒビキくん、落ち着いて!ここへ、何しに来たのかな?まさか、僕達の話を聞いて・・・?」
「その通りだ、ここにいる金曜日に現れるとされるポケモン、そいつを頂きに来た。どうせお前等もそいつが目当てでここに来たんだろう?弱い奴が考えそうな浅知恵だな・・・」
レイはふふふとニヤついてヒビキ達を嘲笑った。
「うわ、凄く嫌そうな顔!ド頭来たわ!」
アカネがボールを取ってレイに挑もうとした。
「待った、アカネちゃん、こいつは俺とツクシくんで何とかする」
「せやけど・・・」
「心配すんな、こんなヤバそうな奴に可愛い女の子を向かわせちゃ男が廃っちまう。任せとけよ」
ヒビキとツクシが前に出てレイと対峙した。
「ふん、弱い奴など相手にはしない、だが今日の俺は気分がいいからな。軽い運動で付き合ってやるよ」
「へん、相変わらず刺のある野郎だぜ。ツクシくん、必ず勝つぜ!」
「うん、こう言う人にゲットされたら、そのポケモンも可哀想だしね」
ヒビキとツクシはボールを投げてイシツブテとトランセルを出した。
「始めるか、ゴース」
レイもボールを投げて、ゴースを繰り出した。
「ゴースゴス!」
紫の霧状の物質から黒い球体の尖った目をしたポケモン、ゴースが出てきた。
「ズバット」
そして二匹目であるズバットを繰り出して来た。
「ズバ、ズバズバ!」
「さあ、来いよ・・・」
レイが人差し指をくねらせて挑発する。
「野郎、イシツブテ、ロックブラストだ!」
「イシ!」
ヒビキの指示でイシツブテはロックブラストをズバットに向けて放った。
「飛べ、ズバット!」
「ズバ!」
しかしレイの指示で空を飛んでかわされてしまった。
「エアカッターだ!」
ズバットはエアカッターを飛ばしてイシツブテとトランセルを怯ませた。そして、針のように細い足を突き出してイシツブテ目掛けて急降下した。イシツブテの体にズバットの足が突き刺さる。
「イシツブテ!」
「俺のズバットの足は岩を貫くほど硬いんだ。そのまま吸い取ってしまえ」
ズバットは足からきゅうけつをしてイシツブテのエネルギーを吸い取った。
「トランセル、いとをはいて!」
ツクシの指示でトランセルはいとをはくでズバットを引き抜こうと出たが、
「ゴース、おどろかすだ!」
ゴースがおどろかすをして怯まされてしまう。そしてゴースは分身を作ってトランセルを囲み、シャドーボールを連射して攻撃、トランセルは吹っ飛ばされて倒されてしまった。
「う、トランセル・・・」
「まずは一匹、ズバット、あの技で止めをさせ!」
「ズバズバ!」
ズバットは足を引く抜いて、それを三角にするように付けると、回転して、イシツブテを攻撃した。回転することで強力なドリル攻撃になりイシツブテを宙に上げながら回転攻撃を続け、イシツブテを翼で叩き落とした。地面に落とされたイシツブテは力尽きてしまった。
「すまねえ、イシツブテ・・・」
ヒビキは苦悶の表情を浮かべてイシツブテを戻した。
「あわわ、ヒビキくんとツクシくんのポケモンが・・・」
アカネが心配そうな顔をした。
「どうした・・・、初戦だって言うのにこのザマなのか?」
「て、てやんでえ、こっからが本番よ。オタチ!」
ヒビキが叫ぶとオタチは駆け寄って戦闘に出た。
「僕も、コクーン!」
ツクシもコクーンを出した。
「ズバット、もう一度突き刺してやれ!」
ズバットは再び空を飛んで足を三角にして回転しながら急降下した。そしてオタチの目の前に来たその時、
「ふん・・・」
レイがなるほどな、と言う顔をした。ズバットが突き刺したのはオタチではなく、オタチが素早く置いたみがわり人形だったのだ。ズバットは抜こうとしたが動くことができない。
「コクーン、いとをはく!」
ツクシの指示でコクーンが糸を吐いてズバットを動けなくした。そしてオタチがでんこうせっかをしてズバットを倒した。
「よっしゃあ!」
「よし!」
一体目を倒して、ヒビキとツクシはガッツポーズをした。
「ふん、弱い奴なりに抵抗してくれる、ならこいつはどうだ?」
レイはズバットを戻すと、あるポケモンを繰り出して来た。
「ベイーーーっ!」
「こいつは・・・」
ヒビキ達の前に現れたのは、葉っぱの触角に首長竜の姿をしたポケモン、ベイリーフだった。
「そうだ、俺のチコリータが進化した姿だ。俺の実力があれば当然のこと、さあ、行け!」
レイが叫ぶと、ベイリーフは咆哮を上げて突進してきた。ゴースもこれに続いて動き出す。ベイリーフは走りながら、はっぱカッターを飛ばし、ゴースもあくのはどうを飛ばして来た。二重攻撃を喰らいオタチとコクーンはダメージを受けてしまう。
「巻き付けろ、ベイリーフ!」
レイの指示でベイリーフはつるのムチでオタチを拘束させて地面に叩きつけると、踏みつけをして怯ませた。
「このままじゃ、コクーン!」
ツクシがコクーンにいとをはくをさせてベイリーフの首に巻きつかせたが、ベイリーフは首を振り回して、コクーンを回して地面に叩きつけてこれを倒してしまった。
「あかん、ツクシくんのポケモンが・・・」
「頼む、イトマル!」
ツクシはコクーンを戻してイトマルを出した。
「ジャンプしろ!」
レイの指示でベイリーフがジャンプしてきた・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.22 )
- 日時: 2016/12/30 17:54
- 名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)
第7話「金曜日のポケモン、レイ再び」パート3
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、イシツブテ(ひんし)、オニスズメ、オタチ(戦闘中)
ジャンプしたベイリーフはそのままオタチ達にふみつけに出た。
「オタチ、避けろ!」
「イトマル!」
ヒビキとツクシの指示でオタチは緊急回避をして避けて、イトマルは頭上に向かって糸を吐いてこれをかわした。
「イトマル、どくばり!」
ツクシの指示でイトマルはぶら下がった状態で上からどくばりを連射した。
「リフレクターだ」
レイの指示でベイリーフはリフレクターをしてこれをガードされてしまった。そしてどくのこなをオタチに浴びせて苦しませて、やどりぎのタネで体力を奪いにかかった。
「まずい、このままじゃ確実に僕達が負ける・・・」
ツクシはどうすればいいか考えるもいい知恵が浮かばない。
「ふん、こんな弱さじゃ運動にもならんな・・・」
「ちくしょう、まだ終わりじゃねえぞ・・・!」
「すぐに止めを刺してやる、やれ・・・!」
レイの指示でベイリーフとゴースがエネルギーを溜め始めた。
「ヒビキくん、ツクシくん、やっぱうちも!」
アカネが助太刀に入ろうとした時、後ろから何かが放たれた。それはベイリーフとゴースに命中して二体はまたたく間に凍りついて動かなくなった。
「な、何・・・?」
突然の出来事にレイは何があったのか解らずにいた。ヒビキとツクシ、アカネも同じだった。
「ち、これだから弱い奴と関わるとロクなことが起きないぜ。まあいい、そのポケモンなどまた後で捕まえられることだ。お前等、運が良かったな、次に会った時は俺の本気を見せてやる。精々頑張るがいいさ」
レイは凍りついたベイリーフとゴースを戻すと、振り向くことなく去っていった。
「はあ、負けちまうかと思った・・・」
ヒビキは助かった安心感で座り込んでしまった。
「あの少年、前よりも強くなってたね・・・」
「ああ、俺ももっと頑張らねえとな・・・」
ツクシに手を差し出され、ヒビキはその手を握って立ち上がった。
「ヒビキくん、ツクシくん、大丈夫?!」
アカネが走って二人に安否を確認した。
「おう、心配ねえさ。まあ、さすがに危なかったけどな・・・」
「ほんまに間一髪やったわ。二人のポケモン、うちが回復させてあげるね」
アカネは笑顔でヒビキとツクシの全ポケモン達を回復させた。そこへ、水辺から何かが近づいてきた。現れたのは、
「このポケモン・・・」
「うわあ、もしかしてこれが金曜日に出てくるポケモンやの?!」
ヒビキ達が目にしたのは、のりものポケモンのラプラスだった。ラプラスはヒビキ達を温かい眼差しで見ていた。
「もしかしてあれは、れいとうビームだったのかな・・・」
「じゃあ、俺達を助けてくれたのか?」
ヒビキが言うと、ラプラスは静かに頷いた。
「ホンマにありがとう、ヒビキくんとツクシくんを助けてくれて。いやあ、うちいいもん見れて感激やわ。じゃあツクシくん、早く次の街に行かへん?」
「そうだね、このどうくつを抜けた先にヒワダタウンがあるよ」
「ヤドンが一杯いるあの町やね。早う行こか」
アカネはラプラスに礼を言うとツクシと一緒に歩き出した。ヒビキもその後に付いていこうとしたが、
(ヒビキさん・・・)
「うん?」
何かの声が聞こえてきた。
(これから先、貴方は大きな事件に巻き込まれるでしょう、そして様々な困難が待ち受けています。しかし恐ることはありません、貴方が勇気と優しさを失わない限り、貴方を導く光が消えることはありません。貴方の旅が実り多いものであることを祈っています・・・)
「もしかして・・・」
ヒビキは、ラプラスが自分に語りかけているのではないか、と思っていた。
「おーい、ヒビキくん!」
「ヒビキくん、早く追いでや」
考える暇もなく、ツクシとアカネが手を振って早く来るよう言ってきた。
「まさかな、じゃあ俺は行くぜ」
ヒビキはラプラスにお辞儀をすると、二人の後を追いかけていくのだった・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.23 )
- 日時: 2016/12/30 18:13
- 名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)
第7話ミニコーナー「ヒビキとツクシのポケモン解説」第3弾
ヒビキ「いよう、皆、ヒビキとツクシのポケモン解説だ!今日もじゃんじゃん紹介するぜ!」
ツクシ「今回紹介するのはこのポケモン!」
『ズバズバ!』
ツクシ「ジョウト図鑑No.37こうもりポケモンのズバット。太陽の光に弱く洞窟を寝座にしているポケモンだよ」
ヒビキ「今回はあいつ、レイが持ってたポケモンだったよな」
ツクシ「そうだね、足がどんな硬いものも貫通する力があったし、ドリルのような攻撃も出来る並の強さじゃないズバットだったね」
ヒビキ「ああ、認めたくねえけどあいつがそれなりに強いからこそだよな。ホントに認めたくねえけど・・・!」
ツクシ「まあままヒビキくん、もう忘れよう。さて、本題に戻って次に紹介するのはこのポケモン!」
『ラプ〜!』
ツクシ「ジョウト図鑑No.224、のりものポケモンラプラス。ジョウト地方では金曜日につながりのどうくつで出てくる個体が登場したんだ」
ヒビキ「おう、そんで俺達のピンチを救ってくれたんだよな」
ツクシ「ラプラスは近年、乱獲で数が減っていてね、野生ではなかなかお目にかかれない珍しいポケモンでもあるんだ」
ヒビキ「乱獲か、俺達もポケモンについてちゃんと向き合って考えねえとな」
ツクシ「そうだね、でもヒビキくんならどんなポケモンも大事にしてくれるよ」
ヒビキ「へへ、あんがとよツクシくん。さあ、次回はヤドンが大変なことになってるぜ!」
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.24 )
- 日時: 2017/01/03 18:21
- 名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)
第8話「ヤドンのいど、復活した悪の組織」パート1
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、オタチ、イシツブテ、オニスズメ
今回の注目ポケモン
・ドガース
・かまきりポケモン
今回の注目ポイント
・遂にツクシの正体が判明
・あの悪の組織が登場
・ヒビキのポケモンが進化
つながりのどうくつでラプラスに助けられた後、ヒビキ達は洞窟を抜けてヒワダタウンの一歩手前に来ていた。
「やっと外に出れたな」
ヒビキは洞窟から出て背伸びをした。
「ヒビキくん、ヒワダタウンはええで。町にはヤドンがぎょうさんおるんや」
「ポケモンと人が仲良く暮らしている町でね、ヒビキくんもきっと好きになると思うよ」
「ほう、そうか。そりゃあ早く見てみてえもんだ」
「そやヒビキくん、折角やからジムにも挑戦せえへん?そこでツクシくんが・・・」
「わあああ、待って待って!それ以上は言わないでね・・・ね、アカネちゃん」
ツクシは慌ててアカネの前に出て、彼女に静かにしててと指を口に当てた。
「うん、ジムで何かあるのか?」
「いや、何もないよ!あ、ほら、あれを見てごらん!」
ツクシは話題を変えようとある物を指した。そこのはある井戸があった。
「何だありゃあ」
「あれはヤドンのいどと言ってね。ヤドンが水を飲みによく来ることからそう名付けられたんだ。あれ・・・?」
「何かあったんやろか?」
ヒビキ達が見てみると、井戸の近くで何やら諍いが起きていた。井戸の前で黒づくめの男が街に人を脅していた。
「だから、俺達はここでヤドンの尻尾を捌いていてな、て何言ってんだ俺、お前には関係ねえんだ!さっさと失せろ!」
男が恫喝すると街の人は怯えて逃げていった。
「何やあの黒づくめのおっさん」
「あんな人いたっけ?」
「ま、ちょっくら話しかけてみるか?」
ヒビキ達はその黒づくめの男に話しかけた。
「あの、ここで何をしているんですか?」
「あーいや、何も悪いことはしていないですよ、井戸は危ないからね、こうして誰も入らないよう見張っているのですよ、くー、俺っていい人?と言う訳でお子様は早く帰ろうね」
ツクシが訪ねても、男は作り笑顔をして、ヒビキ達を井戸に通さないよう目の前の入口を塞ぐように立っていた。ヒビキ達は疑問に思いつつも、その場を後にした。
「なあ、ツクシくん。井戸に見張りなんているのかこの町?」
「変だなあ、ヤドンのいどは誰でも入れるはずなのに・・・?」
ツクシは不思議に思っていたが、丁度ここでヒワダタウンに着いた。
「あ、着いたよヒビキくん、アカネちゃん、ここがヒワダタウンだよ」
「お、着いたか」
「あれ?」
アカネは辺りを見て何かがおかしいことに気付いた。
「どうしたの、アカネちゃん?」
「ツクシくん、ヤドンが一匹もおらへんで」
「え?そんなまさか・・・」
ツクシが見てみると、町ではいつも見かけるヤドンがいないことが解った。
「おいおい、ヤドンがいるはずじゃなかったのか」
ヒビキが首をかしげていると、
「ツクシお兄ちゃんーっ!」
「ツクシさーん!」
そこへふたごちゃんやむしとりしょうねんのトレーナー達がツクシの元へ走って来た。
「あれ、皆?」
「よかったです、お兄ちゃんが来てくれて」
「大変だよ、ヤドンがいなくなったんだ!」
「待って待って、落ち着いて、取り敢えず僕がいない間に何がったのかを聞かせてくれないかな?」
「ツクシくん、そこのトレーナー達は?」
「ええとこの子達はジムの・・・いやいや、僕を慕うトレーナー達だよ」
その後、トレーナー達はヒワダタウンで何が起きたのかをツクシに説明した。それによると、この町に突然黒づくめの集団が現れて、町にいたヤドンをさらっていったと言うのだ。
「待って、黒づくめの男って・・・」
「そういや、あの井戸の前にいた・・・!」
「その通りや」
ヒビキが気付くと、一人の男が目の前に現れた。白髪の青緑の浴衣を着た老人だった。
「あの・・・どちら様で・・・」
「おっさん誰だ?」
ヒビキとアカネが声をかけた。
「おっさんとは何やおっさんとは!わしはガンテツ、この町でボールを作っておるんや!」
「ボール?」
「ヒビキくん、ガンテツさんはとても有名な人なんだよ。様々な種類のモンスターボールを作っている人でね、色んなトレーナーからの評判もいいんだ」
「へえ、黒なおっさんなんだな」
「え、黒ってことはこのガンテツさんも?!」
「ロケット団違うわ!」
ヒビキの台詞にアカネがもしやあの黒づくめの仲間かと言ったがガンテツはすぐに否定した。
「まあええわ。所でお前さん達、ロケット団を知っとるか?」
「ロケット団?」
「それって何や?」
ヒビキとアカネが解らなそうな顔をすると、ガンテツは話し始めた。
「ロケット団ちゅうのはな、ポケモンを奪ったり捕まえたりしては金儲けをしておるロクでもない奴等何や。三年前に解散したはずやったが懲りもせずに悪さをしとるらしい。せやからわしが行ってちと懲らしめに行ったるわ!」
「ええ、ガンテツさん、それなら僕達も・・・」
「心配いらん、あんな奴等わし一人で充分や。待っとれよヤドン!男ガンテツが助けに行ったるで!」
ガンテツは握り拳を作って井戸の方へと走り出していった。
「あちゃあ、行っちまったぜ・・・」
「ツクシくん、どうするん?」
「うーん、ガンテツさん一人だけって言うのも心配だし、僕達も追いかけよう!」
「おし、何だか放っておけねえしな。それにあのおっさんがロケット団なのか確かめねえと!」
ヒビキ達はガンテツの後を追いかけて井戸に向かって行った。ヤドンのいどに梯子を伝って降りていくヒビキ達、丁度降り立った所でしゃがんでいるガンテツに出くわした。
「あれ、ガンテツのおっさんじゃねか!」
「どうしたんですか?」
「おう、ツクシくん、それにそのお友達か?聞いてくれ。ロケット団の奴を叱り飛ばして追いかけとったんじゃが、こんな時にぎっくり腰になって動けなくなってしもうたんや」
「じいさん、無茶するからだぜ・・・」
「すまん、わしのポケモンは元気やのに肝心のわしがこれでは・・・、ツクシくん、それから、ヒビキくんとアカネちゃんやったな。このワシに変わってロケット団を退治してくれんか?」
「解りました、僕達に任せてください。僕もこの町で起きている事件を放っておけませんから」
「うちもお手伝いするで」
「任せろよじいさん、こっからは若い俺達がやっつけに言ってやるからよ。骨は拾ってやるさ!」
ヒビキ達は急いで井戸を進んでいく。しかしその途中でさっきの井戸を塞いでいたあの男が立ち塞がった。
「くそお、あのじいさん、俺を落っことしやがって・・・!ええい、憂さ晴らしにお前等をいじめてやる!」
男はコラッタ、ズバット、アーボを繰り出して来た。
「来たよ、ヒビキくん!アカネちゃん!」
「おう、任せとけ!」
「頑張るで、イーブイ!」
ヒビキとツクシ、アカネはオタチ、イトマル、イーブイを出して、でんこうせっか、からみつく、かみつくですぐにこれを倒してしまった。
「おいおっさん、ロケット団なのか!」
ヒビキが聞くと、男はヘラヘラと笑って語りだした。
「へん、そうだよ、俺達はロケット団さ。ここにいるヤドンを捕まえて金儲けをしていたのさ。今頃奥では、いひひ!」
「ヒビキくん、アカネちゃん、先を急ごう!」
ツクシに言われて、ヒビキとアカネは奥へと走った。そして一番奥まで来た所でヒビキ達は息を呑んだ・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.25 )
- 日時: 2017/01/05 20:33
- 名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)
第8話「ヤドンのいど、復活した悪の組織」パート2
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、オタチ、イシツブテ、オニスズメ
「何だこりゃあ・・・」
「ひどい・・・」
ヒビキは苦悶の表情を浮かべアカネは手で口を塞いだ。目の前には尻尾を切られたヤドンが力なく倒れていたのだ。ロケット団の下っ端たちがその尻尾を切っていた。
「まさか、ここで尻尾を・・・」
ツクシは何故尻尾が出回っているのかを理解した。ここで尻尾が切られて、怪しい所へ回っていたのだ。
「くおらあ!何やってんだお前等!!!」
ヒビキが喉が切れるくらいの大声を上げた。下っ端たちは大慌てした。
「わわわ、何だ!まさかお巡りさんに俺達の居場所がバレたのか?!」
「ごめんなさい、お巡りさーん!!!」
下っ端たちが声のした方を見ると、
「あれ、なあんだ、子供が三人いるだけか・・・」
ヒビキ達、下っ端から見てただの子供三人が目の前にいた。
「おい、俺達のことは誰にも言うなよ」
「そうそう、おじさん達はここで大変な仕事をしているんだ!」
「仕事だあ・・・?!」
下っ端の言葉にヒビキは目を尖らせて黒いオーラをまとって下っ端たちにのしのしと近づいた。
「わあ、ヒビキくん、何か怖くない?」
「あれだともう止められないかも・・・・」
アカネとツクシは鬼のように怖い形相をするヒビキに少し背筋が凍る気持ちになった。一方、ヒビキはロケット団の下っ端達に恐ることなく詰め寄っていた。
「べらんめえ!てめえらの懐を貯めるのに可愛いヤドンの尻尾を平気でちょん切るようなことしてんじゃねえや!」
「ひ、ひいいい、わあ待った待った!そんなにおこらないで、そうだ、このヤドンの尻尾を食べさせてあげるから落ち着きなよ・・・」
下っ端はその場しのぎとばかりにヤドンの尻尾をヒビキに差し出した。それを見てヒビキは喉を鳴らして美味しそうな顔をした。
「え、まさかヒビキくん。食べちゃうん?!」
「そんな、ヒビキくん!」
ツクシとアカネはそんな人間じゃないだろ、とヒビキを止めようとしたが、
「・・・・・・。何食わそうとしてやがんだ!!!この丸太ん棒共がああああああああああ!!!」
その心配もなくヒビキはストレートなパンチをロケット団にお見舞いした。
「ぎゃひいいいいいいん!」
殴られた下っ端は吹っ飛ばされて壁に衝突した。
「ポケモンを超超愛しているこのヒビキ様がてめえらの汚ねえ餌に釣られると思ってたのかよお!」
ヒビキは歯を食いしばりめを鋭くさせてロケット団達に仁王立ちした。
「な、なあんだ・・・心配する必要も無かったね・・・はは・・・」
「でも、凄い衝撃音やったわ・・・」
そんなヒビキを見て、ツクシとアカネは冷や汗を掻きながら苦笑いをした。
「ええい、餌付けが無理なら、ここで返り討ちにしていやる!」
下っ端の一人がコラッタとアーボを繰り出して来た。
「来たよ!」
「おっしゃあ、こいつは俺に任せておけ!ワニノコ、オタチ!」
ヒビキは頬を手で鳴らして活気を出してワニノコとオタチをバトルに出した。
「アーボ、かみつくだ!」
「アーボ!」
下っ端の指示でアーボはかみつくに出た。
「オタチ、たたきつけろ!」
「タチーっ!」
ヒビキの指示でオタチはたたきつけるでアーボを攻撃した。
「行け、ワニノコ!」
「ワニ!」
そこへワニノコが走ってアーボを掴み、投げ飛ばしてからみずでっぽうを飛ばしてアーボを倒した。
「コララ?!」
それを見たコラッタは穴を掘って逃げ出そうとしたが、
「逃がすな、ワニノコ!」
「ワニ!」
ワニノコはヒビキの指示で走り出して、コラッタの尻尾を掴んだ引きずり戻した。そこへオタチがアイアンテールをしてコラッタを吹っ飛ばした。
「な、おわああああ!」
コラッタは下っ端にぶつかって転がった。
「よし、ヒビキくんの勝ちだ!」
「やりーっ!」
ヒビキの勝利にツクシとアカネはガッツポーズをした。
「よっしゃあ、あれ、ワニノコ、オタチ?」
ヒビキはワニノコとオタチの様子がおかしいことに気付いた。ワニノコとオタチの体が光出して二体のポケモンはその姿を変えた。そして、
「オオタチ!」
「アリゲイーっ!」
ワニノコとオタチはアリゲイツとオオタチに進化した。
「ワニノコ、オオタチ、進化したのかお前等!くー、まだ小せえ子供だと思ってたのに、でっかくなったもんだぜ!」
ヒビキはアリゲイツとオオタチを抱きかかえて進化を喜んだ。
「わあ、ヒビキくんのポケモンが進化したで。やっぱヒビキくん、トレーナーの才能があるんやろか?」
「そうかもしれないね、さて、後は・・・」
ツクシはロケット団の下っ端達に、目をやった。
「そうだったな、やいロケット団、ヤドンの尻尾を切るのはやめろ!」
ヒビキがそう言ったその時、
「尻尾を切るのをやめろですって?」
どこからか聞き覚えのない声が聞こえてきた。場所はロケット団の下っ端達の方である。ヒビキ達がその声のした上方を見上げると、そこに岩場に座る、クールで冷徹な瞳をした幹部であることをアピールしている男がいた。男は岩場を降りてヒビキ達の前に出た。
「人に言われてやめるようではロケット団の名前が廃ってしまいますよ?」
「何だオメエは!」
「おやおや、何とも乱暴な言葉遣いをする子供・・、どんな教育を受けてきたのですか・・・」
男は呆れた表情でヒビキを見ていた。
「へん、この口の悪さは生まれつきでい!それに俺は正直者なんだべらんめえ!」
「やれやれ、ですが折角ですから自己紹介をしましょう。私はロケット団でもっとも冷酷と呼ばれている男、その名もランスです」
「それじゃあ、ランスさんに聞くけど、ロケット団は解散したはずじゃ無かったの?」
ツクシが聞いてくると、ランスはロケット団が復活した経緯を語った。
「確かに、我々ロケット団は3年前にあるトレーナーの活躍によって壊滅させられました。しかしこうして地下に潜伏して活動し、力を蓄え、ここに復活したのです!その邪魔はさせませんよ!」
ランスはボールを手に取ると、ヒビキ達に勝負を仕掛けに来た。
「来るのか、返り討ちにしてやるぜ!」
ヒビキが再び勝負に出ようとした。
「待って、ヒビキくん。ここは僕に任せて」
「え、ツクシくんが?」
「連戦は厳しいと思うから、僕が戦うよ」
「けどよ」
「大丈夫、必ず勝ってくるから・・・」
ツクシは神妙な面持ちをしてランスの前に出た。
「ほう、貴方が私に挑むのですか?」
「この町を大事に思っているからね。好き勝手なことをされて、黙っているわけにはいかない」
「なんとも威勢のいい、その自信、すぐに壊して差し上げましょう」
ランスはボールを投げてズバットを繰り出して来た。
「さあ、行くよ・・・」
ツクシは手にしたボールに語りかけると、それを投げた。中から何かが羽ばたき華麗に地面に着地した。現れたのは・・・。
続く・・・。
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