二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケモンストーリー ハートゴールド編
- 日時: 2016/10/23 17:00
- 名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)
また、お会いします。たくと七星です。これまでスマブラの小説を書いてきましたが、今回から、再びポケモンの小説を書いていこうと思います。今回は「ポケットモンスター 金銀」のリメイク版、「ハートゴールド、ソウルシルバー」を題材とした作品です。
<今作の概要>
・初の男の子主人公に挑戦
前作、ブラック編、ダイヤモンド編と女の子を主人公として来ましたが、今回は初となる男の子の主人公に挑戦しようと思います。
・憎めないキャラにして行きたいと思います
主人公の性格は昔の昭和のアニメの主人公をイメージして書いていこうと思っています。やんちゃでおバカでお調子者だけれども芯はしっかりしていて決めるときは決める、そんなキャラにしていこうと思います。
・ジムリーダーが旅のお供に
今作ではジムリーダーを旅のお供として登場させます。これはアニメの設定でジムリーダーの一人を仲間にして出してみたいと思っていたので今作で書いてみたいと思っていました。もちろん、ただいるだけの存在にはさせず、先輩としてサポートしたり、アドバイスをしたりフォローをしてあげたり、共闘したりしていくのでそれらを見ていただけたらと思います。
・今作でのポケモンの新能力
今作ではバトルにちょっとした工夫を入れてみました。登場するポケモンがちょっとした芸当を持っていたり変わった戦術をしてきたりするのでよろしく見ていただけたらと思っています。
・後半からオリジナル要素を展開
前半、中盤は普通に原作沿いになりますが後半からは実際のゲームではなかった要素を追加していこうと思っています。それは何かはまだ伏せておきます。
以上が本作の概要です。明るい主人公とジムリーダーの二人旅、色んな人たちとの出会い、脅威となるライバルの出現など、時にシリアス、時にはギャグも、そしてクスリとさせられたりするそんな話に出来ればと思いつつ連載していきますのでよろしくお願いします。
<主要人物紹介>
・ヒビキ
本作の主人公、ワカバタウン出身の少年。デザインは原作「ハートゴールド、ソウルシルバー」と同じ。研究所に届いた自分あての差出人不明のタマゴからワニノコが孵ったことで冒険の旅にでる。おバカでお調子者だが、決して諦めない強い心を持った熱血漢。意外としっかりした所もあり、義理堅い一方、激昂したり感情が高ぶると江戸っ子口調になってしまうことがある。
・ツクシ
ヒビキが出会うことになるむし使いの少年。偶然ヒビキと出会い、彼と仲良しになって一緒に行動することになる。しっかり者でヒビキのボケに鋭いツッコミを浴びせたり、先輩としてトレーナーとしてのあり方をサポートしたりする。研究家を目指しており、ウツギ博士には尊敬の念を抱いている。
・レイ
ヒビキ達の前に現れた、赤髪に切れ長の目をした少年。冷徹な性格でポケモンは強ければいいと考えている。至るところでヒビキ達と出会うが弱者とみなして相手にしない態度をとることが多いが・・・本作でのヒビキの生涯の壁。
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- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.211 )
- 日時: 2019/10/01 20:38
- 名前: たくと七星 (ID: ZMNBWJT7)
第34話「届け、ジジーロンの思い イブキが掴むクリスタル」パート3
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング
ジジーロンが足を引き摺る様に自分の巣へと戻って来た。頭が垂れ下がった状態でいる。イブキを慰めようとしただけなのに、それすらも拒絶されてしまった、ただ彼女をどうにかしたかっただけが伝わらなかったのか。
「オーケー、オーケー、カモン、カモン・・・」
岩陰から覗いている男、ジジーロンが置いてある爆弾に近付いた時。
ドカーン!!!
「な、なな何だあ?!」
爆発音が響いた。
「見て、あれ!」
アカネが指を差す先には黒煙が立ち込めていた。
「は!ま、まさか・・・!」
イブキは大急ぎで走って行った。
「イブキさん!」
「ツクシくん、俺達も行こうぜ!」
「うん!」
ヒビキ達も急いでその後を追い掛けて行った。
「グッド、この辺りではお目にかかれない珍しいポケモンデース!」
ジジーロンがネットに拘束されていた。ネットの網を解こうと暴れて壊そうとするが、固い作りになっているのか中々壊れない。
「ノウノウ、スローして下さい、ミーは手荒な事はしませんから。ただユーを団の一員にするだけデス」
「待ちなさい!」
「ワッツ?!」
ジャラランガの鱗が飛んで来た。黒服の男は慌ててそれを避ける。
「そのポケモンから放れるのよ!」
イブキとヒビキ達がジジーロンの前に出た。
「ヒビキくん、あの衣装・・・!」
ツクシが見ると、黒い帽子に黒の服、白い手袋に白のブーツ、そしてRのマーク。
「ああ、間違いねえ、ロケット団だ!手前、ロケット団か?!」
「グッドアンサー、ミーは泣く子も黙るロケット団デース!ミーは遠いカントー地方でスパイ活動をしていましたが、それもエンドしてアジトへ帰る所、グッドでナイスなポケモンをサーチしてゲットしようとした所デース!」
「あの、そのロケット団だけど・・・」
「あんた、ロケット団はもう無くなってもうて・・・」
「邪魔をするなら実力を持ってユー達をルーズしちゃいマース!」
ロケット団のしたっぱがボールを手に取った。
「ツクシくん、アカネちゃん、こいつ、聞く耳を持たねえ。だったら、ぶっ倒す、それだけだ」
ヒビキはボールを投げてオーダイルを登場させた。
「この地を貴方の好きにはさせない!」
イブキもジャラランガを前に出して立ち向かう。
「お、守る気満々じゃん!」
「ち、違うわよ、こんなおかしな奴にこの地を荒らされない様にするためよ!」
「たく素直じゃねえな、ツクシくん、アカネちゃん、ジジーロンの網を解いてやってくれ、俺とイブキでこいつを倒す!」
「ちょっと何リーダーみたいに振る舞って・・・!」
「細けえ事は気にすんな。じゃ、頼むぜ」
「任せて、ヒビキくん!」
「この網解いたらうち等も助太刀するから!」
ツクシとアカネはストライクとミルタンクを出して網を壊しにかかる。
「ゴーっ、クロバット!」
ロケット団の下っ端はクロバットを繰り出して来た。空に羽ばたくとけたたましく鳴いてヒビキ達を睨んで来た。
「こいつ、出来るな」
「何、まさかもう弱音を吐くつもりなの」
「べらんめえ、感心したんだよ、さあて、いっちょやるとするか!」
オーダイルとジャラランガはクロバットに向かって行った・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.212 )
- 日時: 2019/10/08 20:39
- 名前: たくと七星 (ID: ZMNBWJT7)
第34話「届け、ジジーロンの思い イブキが掴むクリスタル」パート4
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中)、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング
ヒビキとイブキの指示でオーダイルとジャラランガが進んだ。
「ゴーっ!」
したっぱの支持を受けてクロバットも羽ばたいて向かって行く。オーダイルが口からハイドロポンプを、ジャラランガがりゅうのはどうを飛ばしたが、クロバットはこうそくいどいでかわしてジャラランガの前に躍り出た。
「ゴーっ、アクロバット!」
したっぱの指示でアクロバットをしてジャラランガにダメージを与えて来る。続いてオーダイルにアクロバットを繰り出しに来た。
「見切るんだ!」
ヒビキの指示でオーダイルはクロバットの素早い動きを見切ってかわし、きりさくで攻撃した。ダメージを受けてクロバットが後退する。
「く・・・!」
ヒビキの初手にイブキが苛立ちを感じた。自分は攻撃を受けたのに何故彼は的確な指示で上手くかわす様指示を出せたのか。
「何だ、不貞腐れた顔して?」
「何でもないわよ、ジャラランガ、りゅうのはどうよ!」
イブキが指示を出すと、クロバットが翼を前に出して来た。
「あれは、止めた方がいい、何か来るぞ!」
「貴方の指図は受けない、行け!」
ヒビキの制止を聞かずにりゅうのはどうを放たせた。しかしクロバットはつばさでうつで弾いてしまう。
「そんな・・・!」
クロバットが体を回転させて旋回して来た。ドリルの様に回転して、オーダイル、ジャラランガに当たっては攻撃していく。上空に上がるとエアスラッシュを飛ばして来た。
「オーダイル、避けろ!」
ヒビキの指示でオーダイルは素早く動いてかわしていく。クロバットはジャラランガに狙いを定めた。エアスラッシュに何かを仕込むとジャラランガ目掛けて放った。エアスラッシュはジャラランガに命中した。
「グレイト、効果はバツグンデース!」
「く、それが何よ、弱点を突いたつもりでもそう簡単には、は?!」
見るとジャラランガが苦しんでいた。体調を崩した様に膝を付いて苦しんでいる。
「これは・・・!」
「クロバットの攻撃に毒をシコマセテオイタノデース!アア、我ながらグレイトなサクセンを思い付くミーのサイノウがコワイデース!」
「こいつはまずい・・・ツクシ君、アカネちゃん、網は解けそうか!」
振り向いて二人に声を掛けた。
「まだだよ、必死でやってるんだけど・・・!」
「あーっ、全然壊れへん!」
「く・・・まずいな・・・」
バッグからモモンのみを取り出した。
「おい、こいつをあいつに!」
「何するつもりなの?」
「これであいつの毒を治せる、モモンのみを食わせて・・・」
「いらない、貴方の助けを借りなくても戦えるわよ!」
「けどよお・・・」
「さあ、立つのよ!」
イブキが叫ぶがジャラランガは起き上がれない。クロバットがヘドロばくだんを周囲に飛ばして来た。ばくだんが地面に当たって付着する。すると、そこから柱状のヘドロが隆起して出て来た。
「何い、毒の柱だあ?!」
柱はくねって下に下がって来た。オーダイルはこうそくいどうでかわしていくが、どく状態のジャラランガは思う様に動けずダメージを受けてしまう。更に倒れた柱からクロバットの分身が出て来て毒をまき散らしながら体当たりしてジャラランガに攻撃して来る。
「どうして、どうして勝てないの?!」
思う様に戦えない事にイブキの中で動揺が走る。
「トッテオキをオミセシマース!」
クロバットがくろいきりを放出して来たそれを両翼に纏ってドラゴンの様な巨大な翼に変えて急降下して来た。翼による体当たりを喰らってオーダイルとジャラランガが吹っ飛ばされる。
「野郎、やりやがったな!」
「く、何故、何故よ・・・!」
クロバットが翼からあくのはどうをヒビキ達に放って来た。
「まずい、来る!」
「きゃ、きゃあああああ!」
「グゴゴーーーーっ!」
イブキの危機にジジーロンが暴れ出した。
「何、どうしたんだ?!」
「まさか網を突き破ろうとして・・・?」
体中に傷が付くのを厭わずに力を振り絞って網を破壊して走り出して、ヒビキ達の前に出た。
「え?」
「お前!」
ヒビキ達の前で攻撃を喰らうジジーロン。
「キュウ、キュロロロロ・・・・」
火花が飛び散り、か細い声を上げて倒れ込んだ。その衝撃で砂埃が走る。そして何かが外れてイブキの足元に落ちた。
「こ、これは・・・?」
手に取ってみると、細い紐を通してあるキバだった。余程の年月が経っているのだろう、灰色になっており所々が黒ずんでいる。
「これを、ずっと・・・」
幼かった頃の事が脳裏に浮かんで来た。ワタルと共に誇り高いドラゴン使いのトレーナーとして彼と共に精進していた日々、しかし周囲の期待は自分には無くワタルにあった。回りのトレーナーもワタルを持ち上げて、自分には目もくれない。
皆が見ているのは彼だけ、自分は全く相手にされない存在だった。
「あっちに行けよ、日陰者!」
廻りの子供達からひどいいじめを受ける事も多くなった。大切な物を取られたり髪を引っ張られたりと理不尽ないじめにあっていた。
「やめてよ〜っ!」
ひたすら耐える日々、そんなある日・・・。
「グオオオウワアアアアア!」
ドラゴンポケモンの野太い咆哮が聞こえた、廻りのいじめっ子達は一目散に逃げていく、目の前を振り向くと、そこにはその声の主であるポケモンがいた。そのポケモンは大柄な体躯で首が長く、ひげを蓄えている。一鳴きすれば人も並みのポケモンも尻込みするであろう恐怖感があるが、それとは真逆の笑顔を見せれば誰もが顔を綻ばせる穏やかな顔をしていた。
「誰・・・?」
それがイブキとジジーロンの出会いだった。その日からイブキに新しい日課が出来た。特訓が終わった後はジジーロンのいる巣へやって来てよく遊んでもらった。いじめられる事があってもいつもこのポケモンが慰めてくれた。それを思うと苛められるのも苦痛に感じなくなっていった。昼寝をする時もいつもこのポケモンと一緒、穏やかな毎日を送っていた。
「はい、これ」
そしてお守りにしていたりゅうのキバをジジーロンの首にかけてあげたのだ。どんなに月日がたっても自分達は心が通じ合っていると言う証としてである。彼の励ましもあってイブキは心身ともに成長していった・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.213 )
- 日時: 2019/10/15 21:04
- 名前: たくと七星 (ID: ZMNBWJT7)
第34話「届け、ジジーロンの思い イブキが掴むクリスタル」パート5
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中)、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、アクジキング、ホウオウ
「ジャラランガ、行け!」
ジジーロンの励ましもあってイブキは強い心を持ったジムリーダーに成長していた。その実力を評価されてフスベシティのジムリーダーとなり、挑戦に来たトレーナー達を悉く返り討ちにしていった。
「素晴らしい!」
「さすがはイブキ様だ!」
トレーナー達もイブキを認め、彼女を称える様になっていた。トレーナーとしての強さとプライドを手に入れたイブキだったが、それでも尚、越えられない壁があった。
「イブキ様は強くなられたが、やはりワタル様だよな」
「ああ、あの方こそが最強のドラゴン使いだ」
ジムリーダーにはなっても、ワタルを称え称賛する声は止まなかった。彼の方が自分よりも人一倍強く、カントーの地方で四天王になり、遂にはチャンピオンになったのだ。彼がチャンピオンになってから、自分とワタルの間に大きな差が付いてしまった。
「私だって努力しているのに・・・」
彼女の中で大きな焦りが見え始めていた。自分もその気になればワタルを超えるトレーナーになれる、イブキは更に修業を積んだが成果は中々でない。ワタルに勝負を挑んだ事もあったが、
「今の君では俺には勝てない」
越えようと言う焦りが優先して思う様に戦えず、敗けてしまった。
「このままじゃ駄目よ・・・!」
以来、イブキは強さを求める様になってしまった。誰とも交流を避け、強い相手とだけ戦い、慰めや労いを拒む様になっていき、いつしかジジーロンの慰めもつまらない気休めとしか映らなくなっていった。
「私はあの頃とは違うのよ!もう貴方の慰めなんか必要ない!」
いつも自分に優しくしてくれたジジーロンから遠ざかり、距離を取る様になっていった。自分が弱く思われるのを嫌い、甘えと見られるのを避けて、ジジーロンから離れていった。
「これを、ずっと肌身放さず・・・」
小さい頃にあげたキバをずっと大事に持っていてくれた事、自分がどれだけ辛く当たり、放れていても、これをずっと持ち歩いていた。思い出の品を放さなかった優しさに瞳が熱くなる。
「貴方の優しさが嬉しかった。慰めてくれて、側にいてくれて、そのお陰で強くなれた。けど、いつしか自分の事しか考えられなくなって、貴方の優しさも疎む様になってた。それでも、ずっとこれを・・・ごめん、ごめんね・・・!」
傷付き、倒れているジジーロンの顔を抱いて涙を流す。ヒビキ達は神妙な面持ちで見ていた。優しさを取り戻したイブキにジジーロンが涙を流した。一滴の涙が光に変わってイブキの手にあるキバを包んで、形を大きく変えていった。
「は・・・!」
キバは眩く光るクリスタルに変わっていた。ドラゴンタイプ、ジャラランガのためのクリスタルだ。
「そいつは待ってたんだ、あんたが優しさを取り戻してくれるのを!」
ジャラランガZをイブキは強く握りしめた。
「感動タイムはオワリマシタカーっ、ソロソロスタートシチャイマスよーっ!」
したっぱのクロバットがくろいきりで翼を大きく変えて来た。
「ジャラランガに、それを・・・」
「え、おう?」
イブキの頼むでヒビキはモモンのみをジャラランガに与えてどくを治した。
「お願い、彼を守るために力を貸して・・・!」
「やっと素直になってくれたか、そのつもりさ!」
ヒビキとイブキはクロバットに視線を向ける。クロバットが急降下して迫って来た・・・。
続く・・・。
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.214 )
- 日時: 2019/10/22 20:45
- 名前: たくと七星 (ID: ZMNBWJT7)
第34話「届け、ジジーロンの思い イブキが掴むクリスタル」パート6
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル(戦闘中)、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング
オーダイルとジャラランガはクロバットに向かって走り出した。クロバットが口からベノムショックを吐くと、オーダイルは片手を突きだしてこれを防ぎながら進んでいく。クロバットの翼を掴むオーダイルとジャラランガ、かいりきを振るってクロバットを押し出していく。
「ワッツ?!」
クロバットは押し出されていき、投げ飛ばされた。しかし肥大化した翼からシャドーボールを飛ばしたが、オーダイルはみずでっぽうを連射してクロバットの放ったシャドーボールを相殺していった。
「今だ!」
「ジャラランガ、ドラゴンクローよ!」
イブキの指示でジャラランガはジャンプしてドラゴンクローをしてクロバット地面に叩き付けた。
「行くわよ!」
腕に装着しているリングにジャラランガZを装着させてZ技を発動させた。
「全てを穿て、龍の咆哮よ!」
全身の鱗を鳴らして振動エネルギーを溜めていく。空中に飛び上がると、衝撃波を剣を振るう様に飛ばした。ブレイジングソウルビートがクロバットを両断する様に命中、爆発が起こり、クロバットは遂に力尽きた。
「よし!」
「よっしゃ!」
「オーマイガーっ!!!」
手持ちのクロバットが破れてしたっぱの男は絶叫した。
「へへん、あんたの悪事もここまでだな」
ヒビキが指を差すとしたっぱの男はすぐに冷静になると高笑いをした。
「ハッハーっ、ミーは敗れても、ロケット団は不滅デース!何故ならコノ地方にはラジオのタワーがアリマース、イマゴロ復活宣言をサレテイルデショウ!」
「え、こいつ何言ってるんだ?」
したっぱの言葉にヒビキ、ツクシ、アカネの三人はポカーンとしてしまう。このしたっぱはその組織がどうなったのか知っていないのだろうか?
「あのー・・・ちょっといいかな?」
「ワッツ?」
「ロケット団はもう解散して無くなったよ?」
「エ?」
「うち等がやっつけてもうたで?」
「ああ、俺と皆でな」
ヒビキ達が自分達が倒して解散に追い込んだと話した。
「オ、オ、オーマイガー!!!ミーはコレカラドウナルノデスカーっ?!!」
したっぱの男はクロバットを戻すとあたふたしながら去って行った。それをヒビキ達は笑い合った。
「まあ、何はともあれ、こいつも助かって良かったな」
「そうね・・・」
目の前にいる優しいドラゴンポケモンを見上げる。
「ありがとう、貴方は教えてくれた。ただ強くなるだけじゃない、ポケモンの心に向き合い、寄り添って絆を深めていく、その大切さを思い出してくれた。それが解ったからこのクリスタルを手に入れる事が出来た・・・」
大切な事に気付いてくれた事が嬉しかったのか、ジジーロンは穏やかな顔でイブキを見つめていたのだった。
「ジジーロンを救ってくれてありがとう、そして、イブキに大切な事を教えてくれた事も感謝する」
フスベシティを去る時、ちょうろう達が来てヒビキに礼をした。イブキとジジーロンもいる。
「いやあ、それ程でもねえよ、何か偉くなったと思っちまうじゃねえか・・・」
「さて、ヒビキとやら、これでバッジが全て揃った。となれば挑むのかね?」
「ああ」
ちょうろうが言うとヒビキは力強く頷いた。
「ポケモンリーグ、俺は挑戦に行くぜ」
「ほっほ、これは力強い、まあ、トレーナーとして大事な心構えを解っているお主ならきっと乗り越えられるじゃろう、カントーのポケモンリーグ、そこに待ち構えるチャンピオンがワタルじゃ」
「あの人か、確かにそう言ってたもんな、遂にワタルさんのいるリーグに行くか、何だかワクワクしてくらあ!」
ポケモンリーグ、その頂点に立つワタルとの戦いが待っている、その事にヒビキは心躍らせていた。
「ようし、早速ポケモンリーグに出発だ!」
「待って!」
「うん?」
イブキがヒビキに声を掛ける。歩み寄ると、ヒビキの手を握った。
「何だ?」
「ヒビキ、貴方にも大切な事を教えられた。相手を思いやる優しさ、それを思い出させてくれた事、感謝するわ」
「何だ、素直に礼が言えるじゃねえか」
「そうね、貴方と彼のお陰よ。ヒビキ、頑張って来なさい、貴方ならきっと彼を超えられる、そんな気がするの・・・」
「へへ、いい笑顔じゃん。あんたのその笑顔、最高にいいぜ」
「そ、そうかしら?」
「ああ、俺が言うんだから間違いはねえ」
胸を張るヒビキにイブキは笑ってしまった。
「ヒビキ、気を付けていきなさい、貴方なら大丈夫よ」
「おう、じゃあ、行って来るぜ!」
ヒビキ達を見送りながらイブキは思った。
(彼が、ジジーロンが私を変えてくれた。本当にありがとう。貴方はきっとどんな辛い事も乗り越えて行ける、頑張ってね、ヒビキ・・・)
ヒビキ達の冒険も終幕を迎えようとしていた。挑むは、ポケモンリーグ・・・!
- Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.215 )
- 日時: 2019/10/29 21:16
- 名前: たくと七星 (ID: ZMNBWJT7)
第35話「VS、四天王イツキ!」パート1
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング
・今回の注目ポケモン
・ネイティオ
・ヤドラン
・ナッシー
・アローラライチュウ
・ハギギシリ
・今回の注目ポイント
・ポケモンリーグに到着したヒビキ
・アカネが一時離脱?
・ネイティオの能力
・ヤドランのシェルダーを使った戦い
「着いたぜ・・・」
ワカバタウンへ戻り、なみのりとたきのぼりを使って草むらとチャンピオンロードを潜り抜けてヒビキ達は遂にポケモンリーグのあるセキエイこうげんに到着した。
「ここがセキエイこうげん、カントー地方にあるリーグか・・・」
そびえ立つ荘厳な建物を見てツクシは呆気に取られていた。ジョウト出身でジムリーダーである彼にとってここにこられるなんて思ってもみなかったからだ。
「ツクシくん、遂にここまで来たんだぜ」
「そうだね、ヒビキくん、良く頑張ってたからね、けど今見ても凄いなあ・・・」
「ああ、これほどの物とは思わなかったぜ。いやあ、その努力が報われたと思うと・・・」
ツクシやアカネを始めとするジムリーダー達との戦い、そしてロケット団やウルトラビーストとの戦い、そしてジョウトの運命を決する最終決戦、様々な出来事が彼の脳裏によぎっていた。途中で挫折する事があっても諦めずにここまでこれて良かったと思うと感激の涙が流れて来る。
「ヒビキくん、落ち着いて。喜ぶならチャンピオンになってからね」
「あ、ああ、そうだったな。ツクシくんにも約束したもんな」
そう、ヒビキはずっと覚えていたのだ。ツクシと会ってジムに勝利した後、自分がチャンピオンになった姿を見て欲しいと言った。ツクシはその言葉を信じてここまで来てくれたのだ。
「ツクシくん、俺、必ずなるぜ」
「もちろん、絶対に見届けるよ」
そう言って互いの手を交差する様に合わせた。
「あ、あかん!」
アカネが突然、何かを思い出した。
「アカネちゃん、どうしたの?」
「ツクシくん、ヒビキさん、うち、大事な用事があったんや」
「用事だって、おいおい、これから挑戦だってえのに?」
「すまへんなあ、どうしても外せない用事なんや、二人には悪いねんけど、でも終わったらすぐに走って応援に来るから、な?」
アカネが手を合わせて言う。
「解ったよ、それじゃあ仕方ねえな。出来るなら早めに終わらせてくれよ、アカネちゃんにだって見せてえんだからさ」
「もちろんや、じゃほな、行って来るで!」
アカネは手を振って用事のある場所へと行った。
「アカネちゃん、一体どうしたんだろう?」
「まあ、色々あるんじゃねえの、となるとツクシくんが付いてくれるな」
「そうだね、ヒビキくん、頑張ってね。僕もアドバイスや応援は出来るから」
「ありがとな、ツクシくん、じゃあ・・・!」
頬を叩いて門を見つめる。
「待ってろよ四天王にチャンピオン、この俺が今行くぜ!」
喜び勇んで門の中へと入って行った。
「ヒビキくん、変わらないな。よし、僕も行かなきゃ・・・」
ツクシもその後を追い掛けて行った・・・。
続く・・・。
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