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ポケモンストーリー ハートゴールド編
日時: 2016/10/23 17:00
名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)

 また、お会いします。たくと七星です。これまでスマブラの小説を書いてきましたが、今回から、再びポケモンの小説を書いていこうと思います。今回は「ポケットモンスター 金銀」のリメイク版、「ハートゴールド、ソウルシルバー」を題材とした作品です。


<今作の概要>


・初の男の子主人公に挑戦
 前作、ブラック編、ダイヤモンド編と女の子を主人公として来ましたが、今回は初となる男の子の主人公に挑戦しようと思います。


・憎めないキャラにして行きたいと思います
 主人公の性格は昔の昭和のアニメの主人公をイメージして書いていこうと思っています。やんちゃでおバカでお調子者だけれども芯はしっかりしていて決めるときは決める、そんなキャラにしていこうと思います。


・ジムリーダーが旅のお供に
 今作ではジムリーダーを旅のお供として登場させます。これはアニメの設定でジムリーダーの一人を仲間にして出してみたいと思っていたので今作で書いてみたいと思っていました。もちろん、ただいるだけの存在にはさせず、先輩としてサポートしたり、アドバイスをしたりフォローをしてあげたり、共闘したりしていくのでそれらを見ていただけたらと思います。



・今作でのポケモンの新能力
 今作ではバトルにちょっとした工夫を入れてみました。登場するポケモンがちょっとした芸当を持っていたり変わった戦術をしてきたりするのでよろしく見ていただけたらと思っています。


・後半からオリジナル要素を展開
 前半、中盤は普通に原作沿いになりますが後半からは実際のゲームではなかった要素を追加していこうと思っています。それは何かはまだ伏せておきます。


 以上が本作の概要です。明るい主人公とジムリーダーの二人旅、色んな人たちとの出会い、脅威となるライバルの出現など、時にシリアス、時にはギャグも、そしてクスリとさせられたりするそんな話に出来ればと思いつつ連載していきますのでよろしくお願いします。


<主要人物紹介>


・ヒビキ
 本作の主人公、ワカバタウン出身の少年。デザインは原作「ハートゴールド、ソウルシルバー」と同じ。研究所に届いた自分あての差出人不明のタマゴからワニノコが孵ったことで冒険の旅にでる。おバカでお調子者だが、決して諦めない強い心を持った熱血漢。意外としっかりした所もあり、義理堅い一方、激昂したり感情が高ぶると江戸っ子口調になってしまうことがある。


・ツクシ
 ヒビキが出会うことになるむし使いの少年。偶然ヒビキと出会い、彼と仲良しになって一緒に行動することになる。しっかり者でヒビキのボケに鋭いツッコミを浴びせたり、先輩としてトレーナーとしてのあり方をサポートしたりする。研究家を目指しており、ウツギ博士には尊敬の念を抱いている。


・レイ
 ヒビキ達の前に現れた、赤髪に切れ長の目をした少年。冷徹な性格でポケモンは強ければいいと考えている。至るところでヒビキ達と出会うが弱者とみなして相手にしない態度をとることが多いが・・・本作でのヒビキの生涯の壁。


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Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.1 )
日時: 2016/11/03 15:48
名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)

第1話「初めてのポケモン 初めての友達」

・今回の注目ポケモン、ワニノコ


・注目すべきポイント
物語冒頭のシーン
最初の友達との出会い


 テレビには、海底が映っていた。海の底で2まいがいポケモンのシェルダーが貝殻を開け閉めしていた。海原でラプラスが陽気に歌を歌っている。舞台は変わり、森の中。ふうせんポケモンのプリンが歌を歌っているとピカチュウが眠らされることを怖がって画面から退場させた。
 そして、チコリータ、ヒノアラシ、ワニノコが交互に登場すると同時にリザードンが現れ、かえんほうしゃを吐いた!

「はああ、暇だなあ・・・」
 そんなテレビを見ていたのは黄色い帽子に赤い長袖、黒い半ズボンを着た少年、名前はヒビキ。ワカバタウン出身の少年である。彼もポケモンを持ってもおかしくない年齢だが、未だにポケモンをもらえていなかった。テレビでポケモンバトルを見て悶々とする気持ちを和らげる日々を送っていた。ヒビキは部屋から降りてリビングに来た。
「母さん、おいしい水は無い?」
「あら、ヒビキ。ちょうどいいタイミングね」
「タイミングって、何だ?」
 お母さんの言葉にヒビキが首をかしげると、あることを伝えた。
「ウツギ博士が貴方のことを呼んでたわよ。何でも貴方に渡したいものがあるんですって」
「ウツギ博士が、またまた、どうせお土産のいかりまんじゅうなんだろ」
「どうも、貴方宛に・・・・、あ、これはまだ言っちゃいけない。取り敢えず、研究所に言ってみたらどうかしら」
「ふうん、おし、それじゃあ行ってみるか。母さん、ちょっくら行ってくるぜ」
 ヒビキは家を出て、ウツギ博士の研究所に入った。
「たのもーっ、博士!」
「やあ、ヒビキくん。いい所に来たね」
 研究所に来ると、メガネをかけたいかにも人柄の良さそうな感じのする人、ウツギ博士がヒビキを出迎えた。
「俺に用があるって聞いたけど、何だ?オクタンにスミを吐かれたとか?」
「そうじゃないよ、君に渡したいものがあってね」
 そう言うとウツギ博士は机にある物を置いた。それは水色のポケモンのタマゴだった。
「これって、ポケモンのタマゴか?」
「そうなんだよ、君宛ての小包に入っていてね」
「で、誰が届けたんだ?」
「それが、差出人が解らないんだよ。突然研究所にやって来て、君が来たらこれを渡してくれって言うなりどこかに行っちゃったんだ」
「変な話だな、あ、タマゴが?!」
 ヒビキが見ると、タマゴが突然動き出した。ヒビが入り殻が破けて、光とともに全壊した。
「ワニワニーっ!」
 タマゴから、おおあごポケモンのワニノコが出て、元気よく大きな口を開けた。
「ワニノコのタマゴだったんだ!」
「やった、生まれた!」
 ヒビキが誕生を喜ぶと、彼を見たワニノコが飛びかかった。
「あれ、何だよこいつ、俺に飛びついて来やがった」
 ヒビキはニコリと笑ってワニノコをなでなでした。
「君のことを親だと認識したんじゃないかな。誕生した生物は初めて見たものを親と思うって言うしね」
「へえ、俺が親か。ちょっと待て、お母さんはどうするんだよ!親父なら俺が務まるけど・・・てそもそも俺、結婚してないか・・・」
「はは、そうだね。ヒビキくん。そのワニノコを連れて少しばかり散歩してみないかい?」
「散歩か?」
「昔、モンスターボールが無かった頃、人々はポケモンを連れて旅をしていたって言う説があるからね。その研究のお手伝い、ていう意味だけど、協力してくれるかな?」
 博士の願いをヒビキは了承した。
「散歩ぐらいならいいか。冒険ってわけじゃないけど暇つぶしにはなるしな。じゃあ、ちょいとばかし行ってくるぜ!じゃあな、博士!」
「ワニワニ〜っ!」
 博士とワニノコは手を振って研究所を出た。ワカバタウンを出て29番道路に入った。
「いいか、俺がお前の親だからな。親の俺の側を離れて勝手なことをしたりするなよ。これは大事なことで・・・ってあれ、おいいないぞ」
 ヒビキが見てみると、ワニノコの姿がいなくなっていた。辺りを見渡したが、どこにもいない。すると、お尻に何かの違和感を感じた。後ろを見ると、
「ああ、お前!俺の尻に噛み付いてやがったな、てやんでい!」
 ワニノコがヒビキのお尻に噛み付いていたのだった・・・。


 しばらく歩いて30番道路に来た。
「いやあ、よく歩いたよな」
 29番道路を抜けてヨシノシティを通り過ぎ、30番道路まで来るとワニノコは少し疲れていた。ヒビキは近くの木に座ると、ワニノコを休ませた。
「ふう、お前も疲れただろう。ここらで少し、休んでくとするか」
 ヒビキが撫でるとワニノコはすやすやと眠りについた。ヒビキも木にもたれて昼寝に入る。すると、木の上でガサガサと何かが動いていた。
「ん、何だ・・・?」
 ヒビキが目覚めて上を見上げると、
「ちょっと、そこ退いてーーーーーっ!」
 木の枝が折れて一人の少年が落ちてきた。
「うわあああああああああ!」
 ヒビキはその少年にぶつかってしまった。ガッシャンと音がして木に付いていた葉っぱが二人に降り積もった。
「痛たたた、何だよ・・・」
「はあ、痛かった・・・」
 そこで二人は顔を合わせた。ヒビキの目の前にいたのは、紫の髪に黄緑のボーイスカウト風の半袖の太ももが露出した短パンを履いた、手に虫取りあみを持った少年だった。虫取りあみの少年は慌ててヒビキに声をかけた。
「あ、君!大丈夫だった?!怪我してない?」
「ああ、これぐらい何ともねえよ。しかし凄い登場の仕方だったよな。寿命が5年縮んだぜ」
「ごめんね、ちょっとこの辺の虫ポケモンを調べていてね」
 少年はそう言って虫取りあみを揺らした。
「虫ポケモン?」
「そう、僕は虫ポケモンが大好きでね。将来は虫ポケモンの博士になるんだ。でも、世間では虫ポケモンは弱いなんて馬鹿にされてて・・・」
 そう言うと少年は悲しげな顔をした。
「苦労してんだな。そんな奴等は放っとけばいいさ。一つのタイプのポケモンに情熱を注げるなんてすげえじゃねえか。夢はもちつづけりゃいい。それを馬鹿にする奴らなんか気にすんな」
「君、励ましてくれるんだね・・・。ありがとう。所で、君、名前は何て言うの?」
「俺、俺はヒビキ。一端のトレーナーさ。君は?」
「僕はツクシ、虫使いのツクシ。よろしくね、ヒビキくん」
「おう、こちらこそよろしく、ツクシくん」
 ヒビキとツクシは笑顔で互いの手を握って握手した。
「ふふ、君とはいい友達になれそうだね」
「おう、俺もな」
 嬉しそうな顔をする二人。その時、ヒビキのポケモンギアが鳴り出した。
「あれ、何だろう?」
「なんでえこんな時に、もしもし・・・」
『ヒビキくん、大変、大変だよ!』
 電話に出ると相手はウツギ博士だった。
「どうしたんだよ博士、エイパムに眼鏡を取られたのか?」
『そうじゃないんだよ、実は大変なことが起きて・・・』
「大変なことって何なんだ」
『と、取り敢えず研究所まで来て!じゃあ!』
 博士は慌てた様子で電話を切った。
「あ、博士、切りやがった!」
「ねえ、ヒビキくん。今の電話の人って・・・」
 ツクシが興味津々にヒビキに尋ねた。
「うん、ウツギ博士だけど」
「やっぱり、博士の生の声が聞けるなんて感激だなあ。ウツギ博士といえばポケモンのタマゴの研究に詳しい人で研究家を目指す僕も尊敬してるんだよ」
「へえ、そうか。博士が聞いたら喜ぶかもな。て、言ってる場合じゃねえな」
「うん、電話だと何かあったみたいだね」
「こうしちゃいられねえ、早く行くぜ!」
 ヒビキとツクシは急いでワカバタウンに戻っていった・・・。

Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.2 )
日時: 2016/11/03 15:51
名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)

第2話「謎の少年、ヒビキ初のバトル」パート1


ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ

今回の注目ポイント
・ヒビキ、初のライバル対決


 ウツギ博士からの突然の電話、ただ事ではないことに気付いたヒビキは友達になったばかりのツクシと共に走っていた。
「ウツギ博士の研究所で何があったんだろうね」
「さあな、あの様子だと、ただ事じゃねえことは間違いないぜ!」
 ヨシノシティへ入った二人、そして29番道路へ入ろうとすると、一人の少年が目の前にいた。
「あん?」
「だ、誰だろう?」
 ヒビキ達の前にいた者、それは赤い毒々しい色をした髪に色白の肌、黒い長袖に紫のズボンを履いた少年だった。目は鋭く切れ長で不敵な笑みを浮かべていた。
「ヒビキくん、君の友達?」
「いや、こんな奴見たことないぜ。まあ、見るからに良い奴じゃあなさそうだけどな」
「お前、研究所でポケモンをもらったそうだな」
 赤髪の少年が声をかけた。
「お、おお。そうだけど・・・」
「こいつか・・・」
 赤髪の少年はヒビキの足元にいるワニノコを一目見て言った。
「お前のような弱い奴にはもったいないポケモンだな。こんな奴のパートナーになって、こいつも哀れなものだ」
「な、俺が弱いとはどういうこった!この唐変木のあたぼうが!」
 弱いと言われてヒビキは血相を変えて激怒した。
「何だ、俺の言っている意味が理解できないのか?いいだろう、俺もいいポケモンを持っているんだ。これでお前との実力の差を見せてやるよ」
 赤髪の少年はボールを投げた。
「チコ!」
 中からはっぱポケモンのチコリータが出てきた。
「チコリータだって?!」
「やろうってのか、見てろよ唐変木の丸太ん棒!」
 ヒビキはワニノコを出してこれに挑んだ。
「ヒビキくん、チコリータはくさタイプだ。ワニノコで行くなら注意した方がいいよ!」
「心配すんなって。すぐに蹴りをつけてやるぜ、行くぜワニノコ!」
「ワニ!」
 ワニノコはジャンプしてかみつくに出た。しかし、チコリータがこれを避けて、頭の葉っぱではたいて攻撃した。
「野郎、みずでっぽうだ!」
 ヒビキの指示でワニノコはチコリータにみずでっぽうを浴びせた。
「どんなもんでえ!」
 ヒビキはガッツポーズを取ったが、
「あ、あれ・・・」
 チコリータは何ともない顔をしていた。
「そんなしょぼい技が効くと思ってたのか?はっぱカッターだ!」
 少年の指示が飛んだ。チコリータははっぱカッターを飛ばしてワニノコを攻撃した。こうかばつぐんの技を受けてワニノコは吹っ飛ばされる。
「ワニノコ!」
「どうした、もう終わりか?」
「チコ」
 少年とチコリータは嘲笑う。
「何の!ワニノコ、かみつくだ!」
「ワニワニ!」
 ヒビキの指示でワニノコはかみつくに出た。
「チコリータ、リフレクターだ」
「チコ!」
 しかし、チコリータにリフレクターでガードされてしまう。ワニノコは反動で吹っ飛ばされた。
「何だ、俺のポケモンにかすり傷一つもつけられないのか?大口を叩く弱い奴のようだな・・・。チコリータ、マジカルリーフだ」
「チコ!」
 少年の指示でチコリータはマジカルリーフをワニノコに飛ばしてきた・・・。


続く・・・。

Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.3 )
日時: 2016/10/27 20:58
名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)

第2話「謎の少年、ヒビキ初のバトル」パート2


ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ


「避けろ、ワニノコ!」
「ワニ!」
 ヒビキの指示でワニノコはマジカルリーフをかわした。
「どんなもんだい!」
 ヒビキが調子よく鼻をこすった。
「ヒビキくん、あれを見て!」
 ツクシが指を差した。ヒビキが見ると、かわしたはずのマジカルリーフがワニノコを追いかけていたのだ。
「何、避けろ!」
 ヒビキはワニノコにもう一度かわすよう指示を出した。しかし、
「かわしても無駄だ。マジカルリーフは必ず命中する技だ!」
 マジカルリーフはワニノコに命中、ワニノコは大ダメージを受けた。
「ワニノコ!」
 ヒビキが叫ぶと、ワニノコは何とか起き上がった。
「あの少年、中々強い。このままじゃ・・・」
 ツクシはヒビキが負けてしまうかもしれないと思った。
「ふん、所詮はそこらの雑魚と同じだな。不運な奴だな、このポケモンも」
 少年は勝ち誇ったようにチコリータに止めを刺すよう指示を出そうとした。その時、ヒビキは頬を両手で叩いて、本気を出した。
「てやんでえ、俺は諦めがものすごく悪いんだよ。こっからが本番って奴よ。いくぜワニノコ!」
「ワニーーーっ!!!」
 ヒビキが声を出すと、ワニノコはいかりを使ってエネルギーを放出した。そしてチコリータに前進する。
「ほう、弱いなりに悪あがきに出たか?」
「チコ?!」
 少年は余裕の表情を崩さないがチコリータはワニノコがエネルギーをフルに出して突進してくる姿に後退りをしそうになるも、はっぱカッターを連射した。
「ワニワニ!!!」
 ワニノコは直撃しながらもこれに耐えてチコリータの前に来て、みだれひっかきとかみつくをして攻撃した。
「チ、チコ!」
 予想外の事態にチコリータはつるのムチでつるを伸ばしてワニノコにまきつけに出たが、ワニノコはつるを掴んで、スイングでチコリータをぶん回して、投げ飛ばした。チコリータは地面にぶつかりダメージを受けた。
「チコチコ!」
 チコリータは頭の葉っぱを振り回した。そしてワニノコ目掛けて前進した。ワニノコも走り出して攻撃に出ようとしたが、
「待て!」
 少年がチコリータを止めた。ワニノコも動きを止める。
「な、何でえ、こっからが勝負だろ」
 ヒビキが言うと少年は、
「弱い奴相手にムキになる所だったぜ。こいつを相手にするよりも強い奴を探した方がいいな」
 薄笑いをしてバトルを中断して、去っていこうとした。
「お前との勝負はこれで最後だ。あばよ」
「待てよ、勝負の途中で逃げるのか!」
「弱い奴などと関わりたくないだけだ」
「弱いって何だ、べらんめえ!せめて名前ぐらい言えや、べらぼう!」
「お前のような弱い奴に名乗る名などない」
 少年はヒビキなど眼中にないとばかりに歩き出した。
「俺はヒビキだ!おい、俺は自分の名前を言ったぞ。先に自分の名前を言ったら相手も名を言う。筋ぐらいはあるだろ!」
 ヒビキが叫ぶと、少年は歩を止め、顔を横に振り向いて言った。
「ふん、熱苦しくてうっとおしい小僧だ。いいだろう、お前とはこれで最後だからな。俺の名は、レイ。最強のトレーナーになる男だ」
 レイはそう言ってヒビキ達の元を去っていった。
「レイ・・・、お前の名前、覚えておくぜ」
「ヒビキくん・・・」
 ヒビキはレイの後ろ姿を息を飲んで目に焼き付けた。今後もあの少年と出会うかもしれない。そして自分に必ず大きな壁として立ちはだかってくる。それを思うと、競いあえる相手に会えた喜びと、強力な相手に出会ってしまったと言う恐れが交錯していた・・・。

Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.4 )
日時: 2016/11/01 21:34
名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)

第3話「ポケモンリーグへの旅、そしてポケモンの捕まえ方」パート1

ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ


注目すべきポイント
・犯人扱いされるヒビキを・・・


「頼もーっ博士!何かあったのか!」
 赤い髪の少年と戦った後、ヒビキとツクシはワカバタウンに戻り、研究所に入った。
「ヒビキくん、今来たのですか!」
 助手がヒビキに駆け寄った。
「助手さん、何があった?!」
「実は、研究所のポケモンを盗まれてしまったのです・・・」
「盗まれた?!」
 ヒビキが驚くと、助手はことのいきさつを説明した。
「この研究所には三匹のポケモンを保管していたのですがちょっと目を離した隙に、窓ガラスが割れて少年が飛び込んできたのです。そして三匹のうちの一匹、チコリータを盗んで・・・突然のことでどうすることもできず逃してしまいました・・・」
「そうだったのか・・・、って!」
「チコリータってまさか!」
 ヒビキとツクシは顔を合わせて思い出した。そう、ヨシノタウンに来た時に戦ったあの赤髪の少年が持っていたポケモン、そう、チコリータだったのである。
「はあ、盗まれたポケモン。どうなってしまったのでしょう・・・。悪いトレーナーに育てられると悪いポケモンになってしまうって言いますし・・・」
「そうだろうな、ポケモンもトレーナーを見て育つって言うし・・・。で、博士は」
「博士なら今、警察に事情を説明しています」
 ヒビキとツクシは研究室へ入った。そこでウツギ博士が警察の事情聴衆を話していた。
「おい、博士!研究所のポケモンが盗まれたって?」
「ああ、ヒビキくん、やっと来てくれたね」
「なんだね君は、私は警察だが」
 ウツギ博士から事情を聞いていたおまわりさんがヒビキの所に来た。
「私の推理では犯人は必ず犯行現場に戻ってくるという。と言うことは、君が犯人か!」
「て、えええええ!!!ちょっと待ってくれよ、おまわりのとっつあん、俺、そんなことしてねえって!」
「いーや、怪しいぞ、犯人の子供は君と同じ背丈だったそうじゃないか、怪しい、断じて怪しい!」
「違うって、俺、ポケモン欲しい時があるけどさ、人の物を盗むほど浅ましくねえって!」
 ヒビキは大慌てで汗をかきながら否定したが、おまわりさんは食い下がらない。
「その慌てっぷりからすると、やはり犯人である可能性は高いな。ちょっと署まで来てもらおう」
「う、嘘だろ。この年で、刑務所行きになるのか、俺・・・」
 おまわりさんの言葉にヒビキは目の前が真っ白になりそうだった。色々なことが浮かんできては消えていき、もうおしまいだと思っていた時、
「待って下さい、ヒビキくんは何も悪いことはしてません!」
 ツクシがヒビキをかばっておまわりさんに今までのことを説明した。
「ヒビキくんはポケモンを盗んでいません。僕、見たんです。赤い髪をした少年が盗んだポケモンでヒビキくんと戦ったのを、犯人は赤い髪に切れ長の目、黒の長袖に白紫のズボンを履いた男の子です」
「なるほど、その少年が犯人なんだな、細かい情報、ありがとう。それと君、疑ってしまって済まなかった。許してくれ、ではこれで」
 おまわりさんは研究所を出て、その少年、レイの目撃情報は無いか研究所を出た。
「ヒビキくん、濡れ衣をかけられずに済んだね」
「ありがと〜う、ツクシくん!やっぱ持つべきは友達だよな!」
 ヒビキは大泣きに泣いてツクシの手を握って振り続けた。
「ま、まあ、君があんな感じの子じゃなくて良かったよ・・・はは」
 ヒビキの感激ぶりにツクシは少し苦笑いをしていた。
「いや〜、ヒビキくん、いい友達を持ったね」
「あの、貴方がウツギ博士ですか?」
「うん、そうだけど」
 ツクシは憧れの人を見ているような目でウツギ博士を見ていた。
「僕、虫使いのツクシっていいます。こう見えても研究家を目指していて、博士の研究にも一目置いているんです。ここで会えて僕、感激してます」
「そう言われると照れるな、君も見た感じ、中々のトレーナーのようだね、君の頑張りには期待してるよ、さて、ヒビキくん」
「おう、博士」
「見ての通り、大変なことが起きたよ。でも、これにくじけずに僕は研究を続けていこうと思う。それと、君に言っておきたいことがあるんだ」
「俺に言っておきたいこと?」
「ヒビキくん、ポケモンリーグを知ってるかい?」
 博士が言うと、ヒビキは思い出したとポンと手を叩いた。
「ポケモンリーグってあれだろ、カントー地方にある、強いトレーナー達が集まる・・・」
「そう、君もこうしてトレーナーになったからどうかな、と思ってね。各地のジムに挑戦して、ゆくゆくは・・・」
「おうよ博士、その言葉を待ってたぜ!頼りになる相棒とのポケモンリーグへの制覇の旅、夢にしていたんだ!」
「それじゃあ、僕も先輩として君に色々教えてあげないとね」
「お、いいのか、ツクシくん」
「もちろん、君とは友達だしね」
「ツクシくん、よろしくお願いします!」
 ヒビキは屈託のない笑顔でツクシにお辞儀をした。ウツギ博士は二人を微笑ましく見ていた。彼等ならこの先どんな困難が待ち受けてもきっと大丈夫だろうと、そんな気持ちになれた・・・。


続く・・・。

Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.5 )
日時: 2016/11/03 15:47
名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)

第3話「ポケモンリーグへの旅、そしてポケモンの捕まえ方」パート2

ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ


「ただいま母さーん」
 ヒビキはドアを開けて家に帰った。
「おかえり、あら、可愛いポケモンを連れてるわね。それから、そちらの子は?」
 ヒビキのお母さんはワニノコの頭を優しく撫でて、ツクシの方を見た。
「あ、初めまして。僕はツクシ、ヒビキくんと友達になりまして・・・」
 ツクシは礼儀正しくお辞儀をした。
「いいのよそんなにかしこまらなくても。良かったわね、ヒビキ。ポケモンをもらえて友達が出来て」
「うん、それで母さん。母さんにどうしても言わなきゃいけないことがあってさ」
 ヒビキは真剣な顔でお母さんに旅に出ることを話した。
「ていうことなんだけど・・・」
「そう、いつかは貴方も旅に出る日が来る。そう思ってたけど今日なのね。大丈夫よヒビキ。家のことはお母さんがいるから貴方は友達と一緒に旅を楽しみなさい」
「え、いいのか」
「ええ、お母さん応援するわ。そうだわ、貯金ぐらいならしてあげられるけど、どうかしら?」
「母さんの提案だ、貯金、お願いするよ」
 ヒビキは快く受け入れた。
「じゃあ、母さん。俺、行ってくるぜ!」
「それじゃあ、これで。ヒビキくんはしっかり見てますから!」
 ヒビキとツクシは家を出て、旅に出た。お母さんは手を振って二人の後ろ姿を見送るのだった。

<29番道路>
 ワカバタウンを出て29番道路に来た所でツクシがヒビキに話しかけた。
「ねえ、ヒビキくん。ポケモンの捕まえ方を知ってるかな?」
「捕まえ方?」
 ヒビキが解らない顔をすると、ツクシはポケモンの捕まえ方について説明した。
「ポケモンは自然の生き物で草むらや水辺、洞窟とかに生息しているんだ。そのポケモンをこのモンスターボールで捕まえる、つまりゲットするんだ」
「でも、俺にはこいつがいるから別にいいけどな」
 そう言ってヒビキはワニノコを抱えてツクシに見せた。
「まあ、それもそうだけど、ポケモンはなるべく多く持っていた方がいいよ。その方がバトルにも有利になれるしね」
「有利に?」
 ツクシはポケモンのタイプ、相性について話した。
「ポケモンには、ほのお、くさ、みず、でんきと様々なタイプがあってね。タイプごとに相性があるんだ。ほのおはくさに強くてみずに弱い。くさはみずに強くほのおに弱い。みずはほのおに強くてくさに弱い。この三すくみのタイプが一番の例だよ」
「へえ・・・」
「これから先にあるジムのリーダーも様々なタイプのポケモンを使ってくるから色んなポケモンを捕まえた方がいいよ」
「そう言うもんか。ツクシくん、黒っぽいな。俺なんかとはえらい違いだ」
「え、黒?」
 ヒビキの言葉にツクシはよく解らず汗をかいた。
「あ、じゃあ僕が捕まえ方を教えてあげるよ。ちょっと見ててね」
 ツクシは話題を変えて近くの草むらに入って捕まえ方をレクチャーすることにした。しばらく歩いていると、
「マルイトーーっ!」
「わ、出た!」
 草むらからいとはきポケモンのイトマルが出てきた。
「見ててね、それ!」
 ツクシはボールからトランセルを出した。イトマルがいとをはいてくる。
「トランセル、たいあたり!」
 ツクシの指示でトランセルはイトマルの吐いた糸をかわしてたいあたりで攻撃した。
「よし、ダメージを与えた所で、これだ!」
 ツクシはモンスターボールを投げてイトマルを入れた。しばらく回った所で、ボールの動きが止まった。ゲット成功である。イトマルの入ったボールを手にとってツクシはヒビキの元へ戻った。
「まあ、こんな感じかな。元気な内は捕まりにくい事があるんだ。ある程度ダメージを与えた所でボールを投げる。まひやねむりとか状態異常にするのも手だね」
「ほう、そう言うもんか。よし、大体解ったぜ。じゃあちょっくら行ってくる!」
 ヒビキは草むらへ走った。そして、
「オタチーっ!」
 入って早々、尻尾で体を高く上げている、みはりポケモンのオタチが出てきた。
「お、出やがったな。行くぜ!」
 ヒビキはワニノコを出してオタチに向かわせた。ワニノコはみずでっぽうを飛ばしたが、オタチは尻尾をバネにジャンプしてかわし、みだれひっかきで攻撃してきた。
「やるな、ぜったいに捕まえてやるぜ!」
 ヒビキは俄然やる気になってワニノコに次の攻撃を指示した。

 そして・・・、
「おーい、ツクシくん!」
 ヒビキがツクシに手を振って戻って来た。
「早かったねヒビキくん、どうだった?」
「バッチシ、捕まえてきたぜ。しかも三匹も!」
「ええ、三匹?!」
 ツクシが見てみると、ヒビキが捕まえたと思うポケモンを三匹連れているのが解った。先ほど出てきたオタチ、そして、がんせきポケモンのイシツブテと、ことりポケモンのオニスズメである。
「難しいと思ってたけど、けっこう簡単だったぜ」
「いや、でもすごいね。三匹も捕まえるなんて。最初にしてはいい方だよ。それだけあれば賑やかになるし、バトルにも有利になるしね」
「おうよ!」
 早くもポケモンを多くゲットしたヒビキにツクシは凄いトレーナーになるかもしれないと言う気持ちがするのだった・・・。


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