二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケモンストーリー ハートゴールド編
日時: 2016/10/23 17:00
名前: たくと七星 (ID: QGavJw1Z)

 また、お会いします。たくと七星です。これまでスマブラの小説を書いてきましたが、今回から、再びポケモンの小説を書いていこうと思います。今回は「ポケットモンスター 金銀」のリメイク版、「ハートゴールド、ソウルシルバー」を題材とした作品です。


<今作の概要>


・初の男の子主人公に挑戦
 前作、ブラック編、ダイヤモンド編と女の子を主人公として来ましたが、今回は初となる男の子の主人公に挑戦しようと思います。


・憎めないキャラにして行きたいと思います
 主人公の性格は昔の昭和のアニメの主人公をイメージして書いていこうと思っています。やんちゃでおバカでお調子者だけれども芯はしっかりしていて決めるときは決める、そんなキャラにしていこうと思います。


・ジムリーダーが旅のお供に
 今作ではジムリーダーを旅のお供として登場させます。これはアニメの設定でジムリーダーの一人を仲間にして出してみたいと思っていたので今作で書いてみたいと思っていました。もちろん、ただいるだけの存在にはさせず、先輩としてサポートしたり、アドバイスをしたりフォローをしてあげたり、共闘したりしていくのでそれらを見ていただけたらと思います。



・今作でのポケモンの新能力
 今作ではバトルにちょっとした工夫を入れてみました。登場するポケモンがちょっとした芸当を持っていたり変わった戦術をしてきたりするのでよろしく見ていただけたらと思っています。


・後半からオリジナル要素を展開
 前半、中盤は普通に原作沿いになりますが後半からは実際のゲームではなかった要素を追加していこうと思っています。それは何かはまだ伏せておきます。


 以上が本作の概要です。明るい主人公とジムリーダーの二人旅、色んな人たちとの出会い、脅威となるライバルの出現など、時にシリアス、時にはギャグも、そしてクスリとさせられたりするそんな話に出来ればと思いつつ連載していきますのでよろしくお願いします。


<主要人物紹介>


・ヒビキ
 本作の主人公、ワカバタウン出身の少年。デザインは原作「ハートゴールド、ソウルシルバー」と同じ。研究所に届いた自分あての差出人不明のタマゴからワニノコが孵ったことで冒険の旅にでる。おバカでお調子者だが、決して諦めない強い心を持った熱血漢。意外としっかりした所もあり、義理堅い一方、激昂したり感情が高ぶると江戸っ子口調になってしまうことがある。


・ツクシ
 ヒビキが出会うことになるむし使いの少年。偶然ヒビキと出会い、彼と仲良しになって一緒に行動することになる。しっかり者でヒビキのボケに鋭いツッコミを浴びせたり、先輩としてトレーナーとしてのあり方をサポートしたりする。研究家を目指しており、ウツギ博士には尊敬の念を抱いている。


・レイ
 ヒビキ達の前に現れた、赤髪に切れ長の目をした少年。冷徹な性格でポケモンは強ければいいと考えている。至るところでヒビキ達と出会うが弱者とみなして相手にしない態度をとることが多いが・・・本作でのヒビキの生涯の壁。


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Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.26 )
日時: 2017/01/10 20:26
名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)

第8話「ヤドンのいど、復活した悪の組織」パート3


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ



「ストライク・・・!」
 グリーンボディの二足歩行の昆虫で細い体付きに尖った羽、両腕は鋭利な鋭い鎌で、暗い井戸で光沢を放っていた。着地したそのポケモンはゆっくりと立ち上がり鎌を突きつけてズバットと対峙した。
「行くよ、ストライク」
 現れたのは、かまきりポケモンストライクである。
「出たーっ、ツクシくんの切り札ーっ!」
 アカネはジャンプしてツクシの勝利を確信した。
「え、ツクシくん・・・、あんな強いポケモン持ってたのか。て言うか何で・・・」
 ツクシのストライクを見てヒビキは息を呑んだ。ツクシの手持ちはトランセルやコクーンと言ったさなぎのポケモンとイトマルくらいだったのが、いかにも強力そうなポケモンを繰り出して対峙しているのだ。あれほどのパートナーを所持していたなどヒビキは思ってもみなかった。
「ほう、それで来ましたか。行きなさい、ズバット」
「ズバ!」
 ランスの指示でズバットはエアカッターを飛ばして来た。
「ストライク、ガードするんだ!」
「ストライク!」
 ツクシの指示でストライクは腕をクロスしてガードした。
「な、ではこれでどうです!」
 ランスの指示でズバットはちょうおんぱを飛ばしてこんらんを狙った。
「ストライク!」
 ツクシが合図を出すとストライクは頷いて、腕の鎌を研ぎ始めた。鎌が研磨されて光出して刃の面を向けると、ちょうおんぱが反射されて、ズバットに命中した。
「何い?!」
 ズバットがこんらんした。ストライクはでんこうせっかで移動して、きりさくでズバットを倒した。
「よし!」
「やったあ、ツクシくんやるわーっ!」
 ツクシはガッツポーズを取り、アカネは飛び跳ねて喜んだ。
「ぐぬぬ、ではこれで相手をしましょう!」
 ランスは歯ぎしりすると、最後の手持ちであるドガースを繰り出した。ドガースは煙をまき散らしながら登場した。
「ドガース、えんまくです!」
「ドガース!」
 ランスの指示でドガースはえんまくを吐いてストライクの視界を覆った。そしてたいあたりを連続して攻撃した。
「ストライク、回転するんだ!」
「ス、ストラーイク!」
 ツクシの言葉を聞いたストライクは鎌を振るって煙を消した。
「ぬぬぬ、ドガース!」
 ドガースは煙で両手を作り、岩を持ち上げてストライクに投げ飛ばしてきた。ストライクは鎌で岩を切り裂いた。ドガースは何度も岩を投げてきたが、その度にストライクは鎌で真っ二つにしていった。
「ストライク、つばめがえしだ!」
「ストライク!!!」
 ストライクは前進して、つばめがえしでドガースに大ダメージを与えた。
「ぬう、強いですね・・・。あっぱれです。さすがはヒワダタウンジムリーダーのツクシ、これでは私が負けますね・・・」
「え・・・!ツクシくんがジムリーダー・・・?!」
 ランスの言葉にヒビキは驚いていた。ヒワダタウンのジムリーダーが誰なのかまだ知っていなかった。そのジムリーダーがワカバタウンまで旅して友達になったその少年だったからだ。
「お見事でした・・・。ドガース、じばくなさい」
 ランスはドガースにじばくの指示を出した。ドガースは驚いて主人に待って欲しいと目で伝えたが、ランスは早くやれと首を動かした。ドガースは悲しげにじばくして、地面に転がり落ちた。
「え、何したん?!」
「自分のポケモンを、じばくさせた!」
「てめえ、何てひでえことしやがる!トレーナーならそんなことさせるなよ!」
 ヒビキ達は抗議したがランスには露とも思わなかった。
「まさか貴方達に妨害されるとは思ってもみませんでしたよ。取り敢えず、この町からは出て行くとしましょう。ですがこれで終わりとは思わないことですね。我々ロケット団はこれからも活動を続けます。次に会う時は、今日と同じシナリオにはならないことを覚悟していなさい・・・」
 ランスは帽子を直して下っ端達を連れて井戸から去っていった。
「あんにゃろ、ロケット団て言うのはあんな唐変木どもなのか!」
「落ち着いてヒビキくん、取り敢えずヤドン達の様子を見てみよう!」
「お、おう、そうだったな・・・」
 ヒビキ達はヤドンの様子を見た。尻尾を切られているヤドンも何匹かいたが命に別状はなかった。そこへガンテツがやって来た。
「おお、ヒビキくん、ツクシくん、おじょうちゃん。ようやってくれた、ヤドンの代わりに礼を言わせてくれ」
 ガンテツに感謝された後、ヒビキ達はヒワダタウンに戻った。町にはヤドンが戻って町の人達は安心していた。
「ツクシくん、ジムリーダーだったんだな」
 ヒビキが言うと、ツクシは神妙な面持ちで語りだした
「うん、ずっと言ってなかったんだけど、この町のジムリーダーは僕なんだ」
「そうそう、て言うかツクシくん、何で言おうとせんかった?」
 アカネが言うとツクシはアカネを宥めて、
「ちゃんと言うつもりだったよ。ただ、こういう場合は最後まで隠しておいてその後に言っておいた方が盛り上がるかな、と思ったんだ・・・」
 今まで隠していた訳を話した。ヒビキは怒るだろうかとツクシは心配になったが、
「ツクシくん、本当だったんだな。・・・・・・・全く最高じゃねえか!」
 ヒビキは突然喜び始めた。それを見て、ツクシはふいうちをくらったようにびっくりしている。アカネも口をあんぐりさせている。
「え、え、ヒビキくん?」
「だってそうだろう?ジムリーダーと友達になれるなんて夢にでも思っていなかったんだからよ。初めて出来た友達がジムのリーダーさんだったなんて俺、鼻高々だぜ!」
「ああ、喜ぶんだ。僕の予想がすごく斜め上にいってて中々受け止められないでいるけどね。でもまあ、僕の正体を知ってこんなに嬉しがる子は初めてだよ。それはそれで嬉しいよ」
「おうツクシくん。俺もさ。となれば、次はツクシくんのジムに挑戦だな」
「そうだね、もちろん友達だからって手加減は一切しないよ。それがジムリーダーだからね」
「おうよ、俺もツクシくんの胸を借りるつもりで本気で行くぜ!」
 ヒビキはツクシとのジム戦を約束した。友達として旅をした少年と明日勝負をする。ヒビキはいてもたってもいられずにいた・・・。

Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.27 )
日時: 2017/01/12 19:34
名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)

第8話ミニコーナー「ヒビキとツクシのポケモン解説」第4弾


ヒビキ「いよう、皆。今日もこのコーナーを紹介だぜ!」



アカネ「今回ツクシくんはジムの準備があるってことでうちが代わりを務めるで」


ヒビキ「早速、今日のポケモンを紹介だ。アカネちゃん、ポケモン図鑑!」


アカネ「うち?せやけどうち、ポケモン図鑑のやり方解らへんで?ヒビキくんがやってえな」


ヒビキ「し、知らねえ?!こいつは困った。俺もあんまし解んねえだよな・・・。まあしょうがねえ、ええとまずこいつは・・・何だ・・・?」

 図鑑の扱い方を調べること数分・・・、


ヒビキ「おし、何となく解った。じゃあ、早速一体目を紹介するぜ。まずはこいつだ!」


『ヤ〜ドン?』


ヒビキ「ジョウト図鑑No.え〜と80だ。まぬけポケモンのヤドンだ。その名の通りの間抜け面が特徴だな。ヒワダタウンで仲良く暮らしてるみてえだ。ロケット団の奴等は尻尾を切って売りさばいてたみてえだが、俺はまあ、絶対にヤドンの尻尾は食わねえがな」


アカネ「またまたそんなこと言っちゃって〜、ヒビキくん。本当は、ちょっとでも食べてみたいって思うとるんじゃないの〜?」


ヒビキ「べらんめえ、そんなことはねえぞ、はい次だ!」


『ドガース!』



ヒビキ「ジョウト図鑑No.115。どくガスポケモンのドガースだ。あのランスって奴の出したドガースは煙を手に変えて岩を投げ飛ばしたりしたな」


アカネ「でも煙なのに何で物が掴めたんやろね?」


ヒビキ「あー、そいつは・・・俺も解んねえ。まあ、こまけえことは気にするでもないな」


アカネ「ええ〜っ、そんな解釈の仕方あるん?!」


ヒビキ「と言う訳で次回はいよいよツクシくんとのバトルだぜ!」

Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.28 )
日時: 2017/01/17 20:29
名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)

第9話「ヒワダジム、VSツクシ」パート1


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ



・今回の注目ポケモン
・トランセル
・イトマル
・ストライク
・オオタチ
・イシツブテ


・今回の注目ポイント
・ヒビキとツクシのバトル
・イトマルの戦術に注目してください
・強豪のストライク


 ロケット団からヤドン達を助け出して翌日、ヒワダタウンに一日を告げる陽の光が登った。町にあるジムの前にヒビキとアカネが立っていた。
「いよいよやね、ヒビキくん」
「おう、こん中でツクシくんが待ってるんだ」
 ヒビキは頷いて目の前にあるジムの方を向いた。一緒に旅した少年が今、自分の壁として立ちはだかっている。ならトレーナーとして全力でぶつかって戦い、勝利する。それがトレーナーとしての礼儀だと、ヒビキは自分に言い聞かせていた。
「おっしゃあ、気合入れて行くぜ!!!」
 ヒビキは頬をバシバシ叩いてジムの中へと入っていった。アカネもその後を追いかける。イトマルのあみだくじの仕掛けを通って、奥にある大きな木のある場所まで来ると、
「待ってたよ、ヒビキくん!」
 木の枝にツクシが腰掛けていて、ヒビキの登場を待ちかねていた。
「来てやったぜ、ツクシくん!」
「うん、君なら来てくれるって思ってたよ」
 ツクシは枝から飛び降りて、ヒビキの前に立った。
「さて、改めて自己紹介するよ。僕はヒワダタウンジムリーダーのツクシ。使うのはむしタイプのポケモンだ。ヒビキくん、友達だからって手加減はしないよ!」
「おう、もちろんさ!どんな相手でも遠慮なしに全力で行く!それが友達としてのバトルってやつさ!」
「戦う覚悟は出来てるみたいだね。君はしっかりしてるよ、さあ、バトルだ!」
 ツクシの掛け声と共にジムバトルが始まった。ツクシは一番手としてコクーンを繰り出して来た。
「おし、行くぜツクシくん!」
 ヒビキはボールを投げてオニスズメを出した。
「ヒビキくーん、頑張って!うち応援してるから!」
 ステージの近くでアカネがぴょんぴょん弾んでヒビキを応援していた。
「コクーン、いとをはくんだ!」
 ツクシの指示でコクーンはいとをはいてきた。
「オニスズメ、こうそくいどうだ!」
「イーっ!」
 ヒビキの指示でオニスズメはこうそくいどうをしてコクーンの吐く糸をかわしていった。
「つばめがえしだ!」
 かわしたところでコクーンに急接近して、つばめがえしで攻撃してコクーンを倒すのだった。
「さすがだね、ヒビキくん。でも勝負はまだ始まったばかりだ、次のポケモンも同じように倒せるかな?」
 ツクシはコクーンをボールに戻して、トランセルを繰り出した。
「ほわ、次もさなぎポケモンや、でも、ヒビキくんのオニスズメなら楽勝やな!」
「ブイブイ!」
 アカネはトランセルを見て、すぐにオニスズメが勝ててしまうだろうと思った。
「トランセル、いとをはくんだ!
 ツクシの指示でトランセルはいとをはいた。しかしヒビキのオニスズメにではなく、目の前の木にである。糸を木にぶら下げて、トランセルは宙にぶら下がった状態になった。
「トランセル、たいあたりをするんだ!」
「クーっ!」
 ツクシの指示でトランセルは体を揺らして跳躍しながらオニスズメにたいあたりをして来た。
「避けろ、オニスズメ!」
「イーっ!」
 ヒビキの指示でオニスズメはこれをかわしていった。
「トランセル、かたくなるんだ!」
 ツクシが指示を出すと、トランセルはかたくなるをして体を固くした。オニスズメが攻撃を避けていく度にトランセルはかたくなるをして自分の体を固くしていく。
「よし、今だ!」
「クーっ!!!」
 ツクシの合図でトランセルはオニスズメに渾身のたいあたりをして攻撃した。
「イイっ?!」
 オニスズメの体に衝撃が走った。固いハンマーをぶつけられたような衝撃だった。オニスズメは吹っ飛ばされてジムの壁にぶつかった。
「な、何い?!」
「わわ、何て固いんや!」
「トランセルは固くなると鉄以上の固さになるんだ」
 ツクシが説明してるとトランセルはぶら下がって小躍りしていた。
「やるじゃん、でも俺も負けちゃいないぜ。オニスズメ!」
 ヒビキが叫ぶとオニスズメは羽ばたいてトランセルに接近した。
「トランセル、上にあがるんだ!」
 ツクシの指示でトランセルは上昇した。オニスズメが近くに来た所で急降下してプレスで攻撃した。
「イーっ?!」
 オニスズメは地面に叩き付けられた。トランセルは弾みをかけてプレスしてオニスズメを攻撃していく。
「さあ、どうするヒビキくん?」
「まだまだ、オニスズメ!」
 ヒビキが指示を出すと、オニスズメはすなかけをした。砂はトランセルの目に入って怯んだ。
「糸を切るんだ!」
 オニスズメは羽ばたくとくちばしでトランセルをぶら下げている糸をちぎってトランセルを掴んだ。そして、空高く投げた所でつばめがえしをしてトランセルを倒すのだった。
「よっしゃ!」
「イーっ!」
「わー、ヒビキくん、順調や!」
 ここまでの快進撃は上手くいっていた。ヒビキはガッツポーズを取り、アカネは嬉しそうにジャンプした。
「強くなってきてるね、ヒビキくん。さあ、僕もここから本気を出すよ!」
 ツクシはボールを投げてイトマルを繰り出して来た・・・。


続く・・・。

Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.29 )
日時: 2017/01/19 20:38
名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)

第9話「ヒワダジム、VSツクシ」パート2


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ(戦闘中)



「イトマル、いとをはくんだ!」
 ツクシの指示でイトマルはいとをはいて木にぶら下がった。
「また木の上からか、でも攻撃すりゃいいだけだ、オニスズメ!」
「イーっ!」
 ヒビキの指示でオニスズメは羽ばたいてイトマルに向かった。それを見てツクシは、かかったなとほくそ笑んだ顔をする。
「イトマル、あれをやるんだ!」
 ツクシが合図を出すと、イトマルはある事をした。すると、お腹の顔の模様が突然変わり、普通の顔の模様がニコニコの笑い顔になった。オニスズメが何なんだと訝しんでいると、
「イトマル、針を出すんだ!」
「マルイト!」
 ツクシがイトマルに指示を出した。イトマルは笑い顔の模様のままでオニスズメに仕込針を刺した。
「オニ?!」
 オニスズメは地面に落下してしまった。だが、ただ落ちたのではない。
「イーっヒヒヒ、オニーっイイイイイイ!!!」
「な、何い、どうなってんだこりゃあ?!」
 オニスズメは気が狂ったように笑い始めた。笑いすぎて体を転がせて腰をねじらせている。
「わわ、急に笑いこけたで!なんやの一体?!」
「どうかな、イトマルの笑い針は」
「笑い針だって?」
 ツクシはイトマルの能力についてを話し出した。
「今、飛ばした針はイトマルのお腹の模様によって成分が変わるんだ。笑っている顔をしているから、笑いの成分が体内に溜まって針に集められる・・・」
「何か頭が良くねえと理解できねえ話だな・・・・」
「え、ピンチなのに突っ込むの?!」
 ツクシの話にヒビキはついていけなさそうだった。アカネがツッコミを入れた。
「ま、まあつまり成分の溜まった針が相手に刺さり体内に流れることで今の状態になるってこと。説明は以上、イトマル!」
「マルイト!」
 ツクシの指示でイトマルは笑いこけているオニスズメに糸を吐いた。オニスズメは糸を浴びせられてしまい、体が糸で丸くなって動けなくなってしまった。
「さて、これで君のオニスズメはもう動けないよ」
「くう、やってくれるぜ、オニスズメ、戻れ!」
 ヒビキはオニスズメをボールに戻した。
「頼むぜ、アリゲイツ!」
 そして次にアリゲイツを出して挑んだ。
「アリゲイツ、みずでっぽうだ!」
「ゲルルーっ!」
 ヒビキの指示でアリゲイツは顎を開いてみずでっぽうを飛ばそうとしたが、
「イトマル、くものすだ!」
 ツクシの指示でイトマルがくものすを飛ばして来た。くものすはアリゲイツの顎にかかりこれを塞いでしまった。アリゲイツが糸を取ろうともがいていると、イトマルはお腹の模様を泣き顔にして針をアリゲイツに飛ばして刺した。
「ゲルル〜っ、アリゲイ〜っ!」
「うわ、今度は泣き出しやがった!」
 針が刺さったアリゲイツは大泣きに泣き出した。
「泣いている顔だから、涙が出るようになってるのか・・・?」
「その通り、イトマル、アリゲイツを動けなくするんだ!」
「マルイト!」
 ツクシの指示でイトマルは糸を吐いてアリゲイツを丸めてしまった。
「あかん、ヒビキくんのポケモン二匹もやられてもうた!」
「さすがツクシくん、容赦なくやってくれるぜ・・・。なら、こいつでどうだ!」
 ヒビキはアリゲイツを戻すとオオタチを出した。
「オオタチ!」
「行くぜ、オオタチ!」
「今度はそれで行くの?返り討ちにするだけだ、イトマル!」
 ツクシはイトマルに指示を出した。イトマルは怒り顔を作ってオオタチを怒り状態にしようとした。イトマルは針を飛ばして来た。
「わああ、あかん!」
「オオタチ、あれだ!」
 ヒビキがオオタチに合図を出した。オオタチは寸前である物を取り出した。
「あ!」
「何だって!」
 アカネとツクシはある物を見て驚いた。オオタチが取り出したのは、みがわりの人形だった。針は人形に刺さって食い込んでいた。
「みがわり人形・・・、オオタチに刺さっていない?まさか、その針を手にするために」
「そう言うこった。オオタチ、行け!」
「オオタチ!」
 オオタチは針を取ると、それをイトマルに放った。
「マルーっ!!!」
 針が刺さったイトマルは激しく怒り出して、暴れだした。その激しい動きで、糸がちぎれて落下してしまった。
「オオタチ、ほのおのパンチだ!」
 ヒビキの指示でオオタチはジャンプして、ほのおのパンチでイトマルに大ダメージを与えて、イトマルを倒すのだった。イトマルが黒焦げになって力尽きると同時にオオタチが着地した。
「おし!」
「やりー、ツクシくんの手持ちもあと一匹や!」
「やるねヒビキくん、君ならここまでやると思ってた。さすがだよ。でも、僕にもジムリーダーとしてのプライドもある。僕一番の切り札で君に完全に勝利する!」
 ツクシはボールを投げて、最後の切り札であるストライクを繰り出して来た。
「ストラーイク!」
 ストライクは鎌を研いで、それをクイクイと動かして、こいと挑発した・・・。


続く・・・。

Re: ポケモンストーリー ハートゴールド編 ( No.30 )
日時: 2017/01/24 20:38
名前: たくと七星 (ID: tuG0e6yh)

第9話「ヒワダジム、VSツクシ」パート3


ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(戦闘不能)、オニスズメ(戦闘不能)、イシツブテ、オオタチ(戦闘中)



「ストライク、僕の一番の切り札だ。さあ、ヒビキくん、全力で来て!」
 ツクシは声を張ってヒビキに来い、と手を前に出した。ヒビキもこれを見て静かに頷いた。
「もちろんだぜツクシくん、友達として本気で行くぜ!行くぞオオタチ!」
「タチーっ!」
 オオタチは走り出して、ほのおのパンチに出た。
「かわせ、ストライク!」
 ストライクはツクシの指示で体を反らしてこれをかわしてきりさくでオオタチを攻撃した。オオタチは吹っ飛ばされて地面に転がった。そこへストライクがジャンプして鎌による突き攻撃に出るとオオタチは転がってこれを避けた。その寸前でストライクの鎌が地面に刺さった。
「オオタチ!」
 オオタチは奮い立たせて前進したが、
「ストライク!」
 ストライクは地面に刺さった鎌をを振るって地面を削りオオタチに砂を浴びせた。オオタチは目に砂が入って怯んでしまった。ストライクはエアカッターを発射して切り刻んでいく。
「行け!」
「ストライク!」
 ストライクは飛びかかってオオタチにマウントを取って鎌を突き立てた。
「オオタチ、巻き付けろ!」
 ヒビキの指示でオオタチは尻尾でストライクの体を巻きつけて投げ飛ばした。ストライクは前転して見事に着地した。
「かいりきだ、オオタチ!」
 ヒビキの指示でオオタチはかいりきに出ようとした。するとストライクは薄笑いを浮かべると鎌の刃を合わせてくっつけると、それを鈍く研ぎ始めた。
ギギギギギ!!!
 研いだ音で鈍い金属音がバトル場に響いた。あまりの不快な音にオオタチは耳を塞いでしまう。
「うわ、こいつはひでえ・・・!」
「うちもこれは気分が悪うなるわ・・・」
 ヒビキとアカネも金属の擦れる鈍い音に顔を歪ませて耳を塞いでいた。オオタチは諦めずに再び前進したが、ストライクは鎌を研磨させて光沢を出し、そこから出る光を放ってオオタチに目くらましをした。
「どう、僕のストライクは、そう簡単には倒せないよ!」
「さすがだぜツクシくん、だったら・・・、戻れ、オオタチ!」
 ヒビキはオオタチを戻して、イシツブテを出した。
「イッシ!」
 イシツブテの登場にツクシは静かに戦略を立てた。
「イシツブテか、ストライクには愛情が悪いな、でも特殊防御は低い。ストライク、エアスラッシュで攻めるんだ!」
「ストラーイク!」
 ツクシの指示でストライクはエアスラッシュをイシツブテに放った。
「イシツブテ、まるくなるんだ!」
「イシ!」
 ヒビキの指示でイシツブテはまるくなるに出た。しかし、エアスラッシュの威力は高く防ぎきれずに吹っ飛ばされてしまった。
「あかん、これじゃヒビキくんが負けてまう」
「ブイブイ」
 アカネとイーブイがヒビキが負けてしまうかもしれないと心配になった。
「まだまだだぜ、イシツブテ、ロックブラストだ!」
「イシ!」
 ヒビキの指示でイシツブテはロックブラストをストライクに連射した。
「ストライク、叩き落とすんだ!」
「ストライク!」
 ストライクは鎌を振るってイシツブテの飛ばす岩を叩き落としていった。
「イシツブテ、飛ばし続けろ!」
「イシーっ!」
 それでもイシツブテは岩をストライクに連射し続ける。しかし、全て落とされてしまい、ロックブラストのPPもなくなってしまった。
「ヒビキくん、ロックブラストが使えなくなったで!」
「解ってらあ、けど心配いらねえ」
 ヒビキはまだ大丈夫だとアカネに言った。
「その余裕は何なのかは解らないけど、この勝負、勝たせてもらうよ!」
 ツクシの指示でストライクは渾身のエアスラッシュを飛ばして来た。だがその衝撃波は徐々に小さくなっていきイシツブテに当たる前に消えてしまった。
「わわ、消えてもうた?!」
「何だって、そんなまさか!ストライク、もう一度だ!」
 ストライクは再びエアスラッシュを飛ばしたが、これも同じく徐々に弱まって消えてしまった。おかしいと思ったストライクは自分の鎌を見て愕然とした。
「まさか?!」
 ツクシもそれを見て驚く。そう、ストライクの鎌は岩を弾きすぎて両腕に刃こぼれが出来てしまっていたのだ。そのために高い威力の技を出せなくなってしまったのだ。
「やったぜ、イシツブテ」
「イシ!」
「もしかして、本当の目的はこれだった・・?!」
「そう言うこった。ツクシくん、勝たせてもらうぜ!イシツブテ、まるくなるんだ!」
「イッシ!」
 ヒビキの指示でイシツブテはまるくなるをした。そして、
「ころがるだーっ!!!」
 ヒビキの合図で全速力でころがるをしてストライクの急所に大ダメージを与えた。ころがるは出す前にまるくなるを使うと威力が上がる、むし・ひこうタイプであるストライクには一撃のダメージとなった。イシツブテはバック転して着地した。今のが決め手となり、ストライクは切ない声を上げてドシンと倒れて、少し呻いて力尽きた。
「やったーっ、ヒビキくんが勝ったーっ!」
「よし!」
 ヒビキは見事に勝利した。ツクシに全力を出し切ったとグーサインを送った。
「はあ、僕の負けだね。本当に凄いトレーナーを友達にしちゃったみたいだな、僕・・・」
 ツクシは、初めて出来た友達の強さに、驚嘆すると同時にそんな彼とバトルが出来たことに深い喜びを感じているのだった・・・。


続く・・・。


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