複雑・ファジー小説
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- あなたを失う理由。 完結
- 日時： 2013/03/09 15:09
- 名前： 朝倉疾風 （ID: kWFjr3rQ）
- 参照： http://ameblo.jp/asakura-3-hayate/
どうも 朝倉疾風です。
性描写などが出てきます。
嫌悪感を覚える方はお控えになってください。
主要登場人物>>1
episode１ character>>4
episode２ character>>58
episode３ character>>100
episode４ character>>158
小説イメソン（仮） ☆⇒p
《episode１》
・まきちゃんぐ ／ 煙
htt☆://www.youtube.com/watch?v=kOdsPrqt1f4
《episode２》
・ＲＵＲＵＴＩＡ ／ 玲々テノヒラ
htt☆://www.youtube.com/watch?v=wpu9oJHg2tg
《episode３》
・kokia ／ 大事なものは目蓋の裏
htt☆://www.youtube.com/watch?v=LQrWe5_q6-A
《episode４》
・Lyu:Lyu ／ アノニマス
htt☆://www.youtube.com/watch?v=lSFYtyxojsI
執筆開始◎ ６月８日〜
- Re: あなたを失う理由。 ( No.12 )
- 日時： 2012/06/13 19:06
- 名前： 朝倉疾風 （ID: GYxyzZq9）
- 参照： http://ameblo.jp/asakura-3-hayate/
大瀬良くんと初めて会話が成立してから２日経つ。
つまり、中間考査１日目だ。
朝から教室内はいつもよりざわついていて、全然勉強していないだとか、もう諦めただとかの声が聞こえてくる。
わたしは自分の席に座って、そんな声をダラダラと耳の穴に通過させながら、最後の単語チェックをしていた。 ふいに、単語帳を捲る手が止まり、視線がそこから外れて、斜め前に座る彼を捉える。
この騒がしい教室で、大瀬良くんが机に突っ伏して眠っていた。 寝顔を無防備に周囲に見せながら。
昨日はテスト前日の短縮授業だったけれど、一言も喋らなかった。 てっきり話しかけられるかと思ったから、残念。
疲れているんだろうか。 一人暮らしだって言ってたから、バイトも掛け持ちとか。 ああ、ヤバい。 大瀬良くんのことを考えるとテストに集中できない。
「おはよう、流鏑馬」 「おっ？」
いきなり視界にぬっと千隼くんが現れた。 気がつかなかった。 大瀬良くんを見ていたこと、気づかれてないかな。
「おはよ……って、ショートホームルームまでギリギリじゃん。 遅刻してたかもよ」
「それは困るな。 この前忘れ物して宝月先生に怒られたっていうのにさ」
「やっぱり怒られたんだ」
「“貴方は忘れ物多すぎ！” だってさ。 いやはや参った参った」
快活に笑いながら、わたしの後ろの席に座る。
「流鏑馬は頭良いから、今回も絶対に上位だよな」
「んーどうだろう」
大瀬良くんイベントで集中力はかなり途切れています。
「わたし、あんまり勉強できてなかったからなぁ」
「またまた〜。 勉強してる人に限ってそういうこと言うんだってば」
「そんなことはないよ」 「笑日」
滅多に呼ばれない自分の名前が呼ばれて、違和感がドクリと溢れ出す。 ワラビ。 どうしてこんな変な名前を付けたのかと、母さんを正座させて説教してやりたい。
ぎこちなく振り返ると、隣のクラスの水原紗夜がいた。 相変わらず目つきは悪い。 美人さんなのにもったいないと心から思う。
派手、というのか。 校則がゆるゆるなこの高校で、彼女は特に化粧もしていないのに華やかで、人の目を引く。
１年のときに委員会が同じで喋るようになったけど、冷めた印象とはちがって根は優しい子だ。
「話の途中にごめん、笑日。 宝月先生いる？」
「もうショート始まるから来ると思うけど……どうしたの」
「今日提出するノート忘れちゃったんだよ……。 あの人生徒指導だから、うるさく言われるんだろうなって」
「忘れ物に関してはうるさいからなぁ」
「マジか……。 わかった、ありがと」
軽く手を振って、彼女は教室から出て行く。
綺麗な茶色の髪の毛。 わたしもあれくらい伸ばしてみようか。
「流鏑馬は水原と仲がいいの？」
毛先をつかもうとした手を止め、千隼くんを見る。
「──普通だよ。 去年、委員会が同じで……それだけ」
答えに躊躇したのは、千隼くんの持つ雰囲気が少しちがっていたから。 妙な違和感。 重たい空気。 スッと千隼くんの目が一瞬細くなり、次の瞬間にはいつもと変わらない彼がそこにいた。
「そっかぁ。 俺、あいつと中学のとき３年間同じクラスだったんだよなぁ」
「ふうん……親しかったの？」
「んー……付き合ってたんだよ」
付き合っている、じゃなくて、付き合っていた。
肝心の部分を聞き逃さず、わたしは次の言葉を選ぶ。 迷う。 困惑する。
そんなわたしの心情を察したのか、ヘラヘラと笑って千隼くんが下敷きでわたしの頭を軽く撫でる。
「別にひどい別れ方じゃないから。 気にしないで」
「ごめん、なんか……立ち入ったこと聞いちゃって」
「本当にいいんだって。 今となっては良い思い出ってやつだし。 あ、先生来た」
一斉にざわついていた生徒が自分の席に座る。
クラス担任の宝月先生は、いつも垂らしている黒髪を今日は赤いシュシュでひとつに束ねていた。
黒板に、『１学期中間考査』 と書き終わったあと、白いチョークを置いて、こちらを振り返る。
「はい、前を向いてちょうだいね。 テストの説明をします」
何回も聞かされているテストの説明は聞いていない生徒のほうが多いだろう。
退屈すぎて、斜め前の大瀬良くんを見てしまう。 ああ、大好き。
今日は３時間で学校は終わる。 少し話しかけてみようかな。
テストが終わったら、その帰りに話しかけてみよう。
- Re: あなたを失う理由。 ( No.13 )
- 日時： 2012/06/14 01:06
- 名前： 柚々 ◆jfGy6sj5PE （ID: CymMgkXO）
覚えてくれましたか(o'ω'o) 感激ですムフフ←
涙が出ずに人って泣けるもんなんだな。
このセリフにやられました。すごく切ないです(´・ω・`)
ですが流鏑馬ちゃん、そのあとすぐに大瀬良くんとお話することができてよかったです。
拒絶された日とは打って変わって強気になった流鏑馬ちゃん。
大瀬良くんとも対等に話ができていて、内心ほっとしました(殴打
何としても応援したくなりますね^///^(殴打
やはり朝倉さんの文章には見いってしまいます
いつも楽しく読ませていただいております＼(^o^)／
これまた意味不明なちょうぶんすみませんでした
更新楽しみにしております
- Re: あなたを失う理由。 ( No.14 )
- 日時： 2012/06/15 20:39
- 名前： 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc （ID: ae8EVJ5z）
- 参照： http://イケメンに下品なこと言わせたい衝動
はじめまして、揶揄菟唖です。
朝倉疾風さんの小説を読むのは初めてなのですが、はまりましたーむふ。
素敵です。この雰囲気。不気味で凍り付いているような雰囲気の小説。
久々に感動しましたー。
みんなの関係が気になりますね！
いろんな人の思いが交差して、1人1人がちゃんと生きている感じがしますね、流鏑馬ちゃんは唯一『ちゃんとした』人間だと思います。
更新楽しみにしています！
スペースお借りしました、失礼しますー
- Re: あなたを失う理由。 ( No.15 )
- 日時： 2012/06/16 00:29
- 名前： 朝倉疾風 （ID: GYxyzZq9）
- 参照： http://ameblo.jp/asakura-3-hayate/
◎ 柚々 さま
こちらこそ、またコメントいただけてとても嬉しいです。
ありがとうございます。
拒絶されたときは彼女なりに動揺してしまっていたのでしょう。
自分の意思とは関係なく、ポンッと口から出てしまったのですから。
もうそこまで行けば、あとはどうとでもなれ！ と言うふうに、
恋する乙女のフルパワーとやらを活用中だと思われます。
大瀬良くんは、割と会話は出来る子です。。○
そんなことを言っていただけて、とても光栄です。
応援よろしくお願いします。
◎ 揶揄菟唖 さま
はじめてまして、朝倉疾風です。
そう言っていただけて、とても嬉しいです。ありがとうございます。
シリアスでドロドロした、人の感情が醜く絡み合っているような
お話を好んでおります。。○
きっと趣味に偏ると思うけれど、最後まで応援していただければ
嬉しいです。
- Re: あなたを失う理由。 ( No.16 )
- 日時： 2012/06/16 12:13
- 名前： 風猫（別PCナウ （ID: 68i0zNNK）
参照数の伸びが尋常じゃない……相変わらず、恐ろしい存在ですね彼方は（汗
いえ、冗談ではなく本気で……
相手の好意を易々と否定できる大瀬良君が好きです。
相変わらずどこかしらに後ろ暗さがある作品で、私にはまねできないので凄く参考になります！
キャラクタの立たせ方のお上手さ、語りの絶妙な分量……私には無い技術ゆえ憧れます^^
はぁ、ファジー優勝候補かなぁ（苦笑
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