ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-33



真山はそう言って千尋の隣に言った。確かに机に入っている。

気持ち悪い。

真山はナイフから目を離し、口をおさえた。


実を言うと血はかなり苦手だ。

死体を見た時なんて倒れそうだった。


千尋はカバンから白い手袋を出し、方っぽを口にくわえ、左手に最初にはめ、口にくわえていた手袋を右手につけると、ナイフを手に取った。



「おいおい、とりあえず陣内さん呼んだ方がいいんじゃないのか?」


真山は不安そうに呟く。


「うっさいな。じゃあ連れてきて下さい」


千尋はそう言ってナイフを手に立ちあがった。

真山は「ひぇっ!」と言うような声をあげ、両手をあげた。


「ビビりまくりますなあ」


千尋は面白がって言った。

真山はフンと鼻を鳴らすと両手を下ろして言った。


「く、くだらない。ビビる訳ないだろう。・・・わかった、陣内さんを連れてくる。いいか、何もせず待っていろよ。いいな!」


真山はそう言って部屋を超特急で出て行った。


陣内がいるのは隣の部屋なのだから歩いて行ったとしても二分あれば来れる距離だ。







 「何やお前人の部屋あさってー」
陣内は来るなり、ナイフを調べている千尋に言った。


「耳元でギャーギャーギャーギャー、うっさいんすよ!」


千尋はそう言って隣にいる陣内を見た。

陣内は目をギョロギョロしながら言う。


「誰がうっさいんじゃボケぇ!」


「あんたですよあんた!ボケはお前だ!」


千尋はそう言って陣内を睨む。


「お前ってなんやねんお前って!」


「だから嫌だったんすよアホが二人に増えんのは」


千尋がそう言い、向かい側で見ていた真山が参加してきた。


「誰がアホだ!」


「お前とお前だ!」


千尋はそう言って陣内と真山を指さした。


「とにかく今調べるんで話しかけないで下さい」


千尋はそう言うとカバンから小さなペンライトらしきものを出し、ナイフの柄の部分を照らした。


「何や、それ」


陣内が言った。


「指紋を調べるライトですよ」


千尋は柄の部分から目を離さず言う。


「そんなんでわかるのか」と真山。


「これだけじゃ無理っすよ。今からこのデータをパソコンに送って解析するんです」


千尋はそう言ってカバンから今度はパソコンを出した。


ライトを隣にいた陣内に押し付け、陣内は驚きながらも受け取る。


千尋はパソコンがつくとライトで照らした部分を写真に取り、パソコンに送った。


パソコン画面にはナイフの柄が表示されている。


「指紋なんてあらへんやないかい」


陣内がそう言い、千尋は舌打ちをして言った。


「今から炙り出すんすよ」


千尋はそう言うとキーボードに指をおき、何やら訳のわからないアルファベットをたくさん打ち始めた。