ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-36



千尋も言い返す。


「何やお前!お前なんかドラえもんにどこでもドア出してもろてアフガニスタン行け!戦争に巻き込まれて血まみれになったあと、そこにいる気持ちの悪い色した魚に食われろや!」



「残念でしたー。どこでもドアで外国に行けない事はとっくにわかりきってる事ですゥゥー!砂漠でリセッシュでもして水分補給してきたらいかがですかー?」


三人のいわゆる口喧嘩は止まらない。

と、その時ドアが開いた。


「なっ、何をされてるのですか・・・!?」


そこに立っていたのは美冬だった。


千尋は真山と陣内からスッと目を離し、パソコンを持ちあげて彼女に画面を見せた。


映っているのは先程のままで、ナイフの柄の部分だ。



「これ、どういう事すか?意味わかりますよね?」


千尋がそう言い、真山と陣内も冷静さを取り戻して彼女を見た。


「それは、山口さんが持っていた血のついたナイフの柄の部分の詳細画像です。本来ならば少なくとも山口さんの指紋がついていなければならないんです」


と真山。


「ワシはあんたに渡したんや。その直後にこれですわ」

と陣内。


三人がそう言うと、美冬は黙っていたがのちに話しだした。


「・・・さあ。知りません」


そう言われ、千尋が言った。


「・・・わかりました。百歩譲って貴方は知らないと言う事にしておきましょうか。でもおかしいですねぇ。なぜ貴方の指紋もついていないんですか」


その質問は、美冬にとって底を突かれたらしい。


美冬の表情が変わった。


「・・・人を疑うのなら、きちんとした証拠を提示して下さい」


「おかしいですねぇ。今の質問、きこえてませんでしたか。まあでも、お答えできないようなので貴方の話に耳を傾けてあげましょう。・・・証拠なんてまだあり
ませんよ。けど、確実に貴方は犯人です」


千尋はそう言って美冬に疑いの目を向けた。


「根拠は?」


美冬は余裕の表情を浮かべた。


「貴方が怪しいからです。いずれ証拠を掴んでみせましょう。その時は、いさぎよく認めて頂きましょうか。あたしが必ずあんたの悪事を暴いてやる」



千尋はそう言ってパソコンをカバンにしまい、部屋を出て行った。


取り残された真山、陣内は謎を解く鍵である千尋に出て行かれてしまい、強気な事を言えない状態になってしまった。



と言う事に気づき、二人も千尋のあとに続いた。