ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-37



「なぜ断定できる」


食堂らしき所で、千尋はココアに蜂蜜、生クリーム、牛乳を入れたものを、真山は珈琲を、陣内は紅茶を飲みながら話していた。


真山がそうきくと、千尋はゴクリと飲み込んで言った。



「なぜって、決まってるじゃないですか。怪しい事しすぎでしょ、あの人」


「根拠がないのに人を疑うのか」


「疑いますよ」


「・・・・そんなんで勤まると思ってるのか」


「・・・思ってますよ」


千尋はそう言い、ココアを一口飲むと再び口を開いた。


「あたしは」


その言葉に、真山と陣内は耳を傾ける。


「・・・あたしは、あたしの思うように仕事をします。誰が何と言おうと変えられない事です。それが例え、真山さんでも、陣内さんでも。これが、あたしの生き方です。他人にどうこう言われる筋合いなんてありません」


千尋はそう言い、二人から目を離してココアを飲み始めた。


「・・・そうか。わかった。じゃあ君はとりあえず僕に従うんだ」


真山もそう言って飲み物に手を伸ばした。


千尋は真山を見て舌打ち。


「誰が従うか。真山さんなんかに従ってたらあたしの命さえ危ないっすよ」


千尋はそう言うと立ちあがり、再び生クリームの容器に手を伸ばした。


そして蓋を開けると中の生クリームをぎゅーっと力いっぱい絞り、ココアに入れた。


それを見て陣内と真山は思わず目を疑い、もはや吐き気に思う。


「キモ」


この時こそ千尋の悪口を言える時だ!そう思った真山が咳払いしたあとに微笑みながら呟いた。


千尋は「あぁ?」と言って生クリームの容器をテーブルにバン!と置いた。


真山は少々ビビる。


「・・・さ、さっきまで真面目な事言ってた・・・や、やや奴が、『あぁ?』とか言うんじゃないよ女の子だろう!?」


真山がビビりながらそう言うと、千尋は舌打ちをして再び椅子に座りココアを飲んだ。


千尋の舌打ちが聞こえた。


「お前その舌打ちする癖やめろやアホー」


陣内はそう言って紅茶を飲んだ。


「そんでその甘ったるいもんばっかり食うのもやめぇなー。太るで」


陣内がそう言うと、千尋はまたも舌打ちをして言った。


「およよ?あたしが頭良いからってうっさいすねー。あたしは食べても太んない体質なんすよ」


「なーにが太んない体質じゃ。五年後が楽しむやなあコレ」



「五年後太ってるとでも言いたいんすか。じゃあ陣内さんは五年後は狭い桶の中で眠ってんじゃないすか」



「・・・死んどる言いたいんかお前はっ!失礼なやっちゃなーホンマ・・・。紅茶の方がええで、そんな訳わからんもんより」


陣内はそう言って紅茶のカップを持ちあげて千尋に見せた。


「ねぇ、真山さん」と言い真山が「ええ」と答える。


千尋はそんなやりとりを見てから言う。


「陣内さんって紅茶みたいな洒落たもん飲んだりとかしちゃうんすね。何かタコとかしか飲んでるイメージありませんでした」


「タコって何やねんタコって。飲みもんちゃうやないかい。ふざけとんのか」


「ふざけてますよ」