ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-42



そう言い、三人はとにかく部屋の中は叩いたりしてみた。


そしてその時、陣内の姿が突然消えた。


真山と千尋はそちらを見てそこを叩いてみる。



すると壁が開き、くるりと回転するようになっていた。


陣内もこういう時に使える男だ。


だが抜け穴はかなり狭い。


真山が先に行こうとすると、千尋が真山を押しのけて穴に向かって行った。



「何で君が先に行くんだ!」と真山。


千尋は振り返りながら怒鳴る。


「レディーファースターって言うでしょ!」


「言うか!そんな言葉!大体君はレディじゃないだろ!ストロンガーだろう!」


真山はそう言って千尋の足を引っ張る。


千尋は「離せっ!」と言いながら彼の手をふりほどこうと足を揺らし、ついには真山の顔を蹴った。


今そんな事をしている暇があるのなら一人一人慎重に行った方が早いが。






 何やかんや、どうにか隣に部屋に辿りついた二人を待っていたのは、青ざめた表情を浮かべた陣内と、その陣内の目の前で首をつっている―――。





「か、河山さん!?」



真山が言った。


千尋もそちらを向く。


瞬間、真山が白目を向く。



「おいっっ真山っ!」


千尋は上司部下の関係を忘れ、呼び捨てにしたうえ暴言的発言する。


が、白目を向いている彼の耳に届いている訳がない。



「ちょ、これどーゆー事や!?」


陣内は首を吊っている河山を見上げて言った。


「やけに『!?』マークが多いすね・・・・」


千尋は倒れてきた真山を抱え(?)ながら呟いた。


陣内は彼女の頭を叩いて、


「んな事言ってる場合とちゃうがな・・・!じ、自殺か!?」


言いながら、陣内は千尋の顔を見た。


千尋は神妙な表情を浮かべて言う。


「・・・ちがう。ちがいますよ」


千尋はそう言うと、抱えていた真山を放し、真山はバタリと倒れる。


千尋は倒れている真山を踏みつけ、前に進むと河山の足元を見た。


「これ、見て下さい。どう考えてもこの椅子じゃ・・・・・。首があの位置に届く訳ないじゃないですか・・・」


椅子を見ると、足との間がかなり長い。



立ってもロープの位置までは届かないだろう。



「・・・じゃ、何や・・・。この人、殺された言う事か・・・!?」



陣内はそう言って千尋を見た。


千尋は真剣な眼差しを河山に向けながら静かに頷く。





「そうとしか、考えられませんよ」



「・・・でも、何でこの先生が殺される必要があったんや?」


陣内は不思議そうに言った。


「それは―――」



千尋がそう言おうとすると、急に真山の声がきこえた。