ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-43



「人気小説家が誰かに恨まれてもおかしくない。人気者って言うのは、ある意味では優位に立つが、ある意味では、妬みを生む最大の原因である事に相違ない」



急な真山の立ちあがりに、二人はビクッとなったが冷静さを取り戻す。



が、その時さらに奥から物音がきこえた。


「だ、誰やっ」



陣内がそう言って奥をのぞくように見て、ドアから出て行く。



そのあとを千尋が続くが千尋が後ろを向くと再び真山が倒れている。


やはりただのアホだったか。



千尋は一旦部屋の外に出たが、一度戻ってきて真山を思いっきり蹴ってから部屋を出た。








 部屋の外に出ると、そこは広い食事部屋のようなものだった。そこにいたのは。




「どうかされましたか!?」




美冬だった。


美冬は焦ったような表情を浮かべ、二人を見る。


陣内が状況を説明しようとすると、千尋がそれを制して言った。


「美冬さん、掴みましたよ。貴方が犯人だっつー証拠」



千尋がそう言うと、陣内は「お前まだそんな事――」と言っているが気にせず美冬が言った。



「・・・またそれですか。一体何を証拠に?私が犯人だと?」


「何って貴方・・・・。松本さんと西野さんにどんな恨みがあったかはこれっぽっちも知りません。けど、少なくともあたしたちを殺そうとしたのは貴方っすよね」



千尋がそう言うと、美冬はふふっと笑って言った。


「バカバカしい。殺そうとした?どうして?」


「気づいてしまったからですよ。あたしたちが、二十年間の謎に」


千尋がそう言うと、美冬は少し顔を歪めたがすぐ戻して言った。


「河山英寄さんが弟子のマミヤさんが亡くなってからなぜ二十年間もの間、作品を出さなかったのか。それは、河山英寄さんは存在しないからなのです」


「・・・何を言ってるんですか?貴方たちも見たでしょ?先生を」


「あれは英寄さんじゃない。双子の弟である英雄さんです」


そう言うと、千尋は陣内の方を見ずに言った。


「陣内さん、さっきあたしたちが死にそうになった部屋から写真を持ってきて下さい。机の上にあります」



千尋がそう言い、陣内驚いた表情をする。


「早く」


千尋がそう言うと、陣内は渋々と言った感じで走りだした。


その間、美冬は溜息をつくと近くにあった椅子に腰を下ろした。


千尋はただただ黙って美冬を見ている。


そして少しすると陣内が写真立てを持って戻ってきた。


それを千尋に渡すと、千尋はそれを美冬に提示しながら言った。


「一番左にいるのが河山英寄さん、その隣が英雄さん、その隣にいるのが美冬さん、そして、その隣にいるのが河山さんの弟子であったマミヤコウタさん」


千尋は写真を元に、説明した。


写真は、確かに千尋の説明した通りである。


だがマミヤの隣にはもう一人男がいる。


「・・・それで?どうして先生が弟さんである事がわかるんです?」