ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-47



「私嬉しかった。それで、河山に弟子入りできて、作品も認められた。だから私と浩太は晴れて結婚する事になってたの。それなのに河山は・・・・・。私は、アホらしいなんて思ってない。私は、あなたような人を認めない」


美冬はそう言いながら写真を握りしめた。


美冬の手の中には、グシャグシャになった美冬と恐らく迷宮浩太であろう男の姿が写っていた。




 そんな姿を、三人は虚しい表情でもあり、真剣な表情で見つめていた。









そうこうしていると、出血がひどかった千尋は、意識を失ったように、その場に倒れた。





真山は「有明!」と言って彼女に近づき、呼吸はしているが体が動かない彼女の体を揺らした。


陣内も千尋の脇に来る。



その後、吊り橋はなんやかんや直り、三人は東京に戻った。




が、陣内以外はとりあえず重症なので病院へ。




真山は足でしかも傷があさく、直接ではなくかすり傷程度だったのでちょっとした治療で済んだが、千尋は出血がひどく、手術が行われた。








 千尋を乗せたベッドが看護師たちによって手術室に運ばれていき、手術室のドアが閉まった。





真山と陣内は手術室の前のベンチに腰を下ろし、その日を越した。







 数時間後、二人が目を覚ますと、丁度手術が終わったところで千尋はベッドへ運ばれて行った。



「どうでした」


真山が医者に尋ねる。



医者は「成功しました」と答え、真山と陣内は顔を見合わせ、安心したような表情を浮かべた。





後日、『アリアケ チヒロ 様』と言うプレートが貼ってあるベッドに千尋は横たわっていた。




テレビをつけつと、偶然ニュースがやっていた。



「河山英寄さん殺害事件で、亡くなったのは河山英雄さん、七十七歳とパーティに訪れていた松本恵介さん、ケガを負ったのは同じくパーティにきていた西野友海さん。また、ここに来ていた警視庁の一人も重傷を負い、現在病院で息を・・・・・」




女性キャスターが言っていた。



息は引き取ってねーよ、そう思いながら千尋はベッドに横たわり、窓の外の空を見た。




絵に描いたような青い空には白い雲が少しあり、太陽の光は、優しく千尋の体を照らした。



「失礼しました。息を引き取ったではなく、手術を受けたのち、意識不明の――」



意識不明の状態じゃねーよ、そう思いながら、千尋は口元に妖しい微笑みを浮かべた。

                   







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