ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery2 【血祭りバカ騒ぎ】-5



「協力するのは貴方たちでしょ?私たちの遺産を探してくれるんじゃないの?」


由子は不服そうに言った。


千尋は由子を指さして見て言う。



「ヨウコさん」


「由子よ」


「ヤエコさん」


「由子よ!」



「IKKOさん、いいですか。重要なのは遺産と遺書の在り家じゃありません。総二郎さん?ですか。を殺した犯人をつきとめる事です。あたしたちの仕事は市民の役に立つ事でありそのために貴方がたの協力が必要なのです。力、貸して頂けますね」



千尋はそう言って微笑んだ。



「良い事・・・?なのかしら・・・。言ってるみたいだけど指差さないで頂ける?由子ですし」




由子はそう言って千尋の指をパチンを叩いた。


千尋は叩かれた手をもう片方の手で包むと、もう一度由子を指さして言った。




「いいですかIKKOさん」



「由子ね」



「とにかく、質問に答えてもらってもいいですか」




千尋はそう言うとずっと立ちっぱなしで疲労がたまった足を曲げ、その場に座るとカバンからメモ取って言った。



「んじゃまず里子さん」



千尋はそう言って春子を見た。



春子は顔の前で手をふって隣にいる里子を見た。



千尋はそちらを見て言う。




「・・・里子さん。貴方が戻ってきたのは総、二郎・・・さん?が亡くなる四日前だとききましたが、何で戻って来たんですか」




千尋は突っかかりながらもそう言うと、里子は「ああ」と呟く。




「私が戻ってきたのは、春子から連絡が来たからなんです」



「春子さんから?」


千尋はそう言うと奥で俯いている春子を見た。



春子は上目遣いで千尋を見る。




「どーして連絡を?」




千尋がそう言って春子を見ると、春子は「えっ、あぁ・・・。その・・・」と言葉を濁して隣の里子を見た。




「ちょ、ちょっと相談を・・・・」




春子はそう言って千尋を見る。



千尋は「あ、そうすか」と呟いて小さく頷く。




「あのー、その相談内容ですか?的なのを教えてもらう事とかってできたりします?」




千尋がそう言うと、春子は「いや・・・・」と言って俯いた。



里子がフォローするように言った。




「そ、それは今回の事とは関係ないので・・・」



「あっ、そうすか。んじゃ次。えーと、和夫さん、美江子さん、直人さん。貴方たちは何で?」



千尋がそう言うと、最初に直人が答えた。




「俺は総二郎じいさんが死んだっつーから葬儀のためにな。和夫も美江子おばさんもそーだろ?」




おいおい、勝手に話を進めるな。



勝手に会話するな。





「えぇ、私もよ」と美江子。




「俺もだ」


と和夫。




そーだろ、と言われたら「そうだ」としか言わないに決まっているだろうバカ者が。




「んーと、じゃあ総二郎さんの死因は・・・?」



千尋がそう言うと、その場が静まりかえった。



そりゃあ、そうか。




「村の警察の話によりますと、おじいさまの体内からカリウムが発見されたようでして・・・」




里子はそう言って千尋を見た。




「カリウム?人間には必ず入ってますよね?」



「いえ、その・・・・。カリウムが標準よりかなり多く入っていたそうなんです」





「・・・なるほどン。多量のカリウムが猛毒化したって訳っすか。・・・じゃあ次は皆さん、総二郎さんの死亡推定時刻、三日前の夜二十時から二十二時の間。何されてましたか」




千尋はそう言って部屋を見渡した。




「・・・何だよ、それ。俺たちが殺したとでも言いてえのかよ」