ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery2 【血祭りバカ騒ぎ】-6



智広が言った。

千尋は微笑んで言った。


「そうは言ってませんよ。殺しただなんて」



「じゃあ何、疑ってるの?」



涼子は不審がっている。



「はい、疑ってますよ」



千尋はサラリとそう言うと再び部屋を見渡した。



「・・・まあ、いいじゃない。私たちは殺してないんだもの」



由子はそう言って千尋、ではなくなぜか真山を睨みつけた。


真山は「えっ、僕ですか・・・」と呟いて自分を指さした。




「そうよ。身内を殺す訳がないじゃないの」




美江子はそう言って余裕の笑みをかました。


真山は「そ、そうですよねぇハハハッ」と言いながら隣にいる千尋の背中を叩いた。


そして小声で、




「おい、謝っといた方が――」




と言い終わる前に千尋が言った。




「どうでしょうかねぇ」




「何だと!?」



和夫が言った。




「世の中には友達だろうと恋人だろうと身内だろうと、関係なく命を奪う人間がいますからねぇ。哀しい事っすよ、金にしか目がないだなんて。・・・あっ、ニキビ潰れた」




千尋はそう言って目をつぶり、わざとらしく哀しむフリをする。



真山は金に目がないのはお前だろうと思いながら彼女を横目で見た。



指についた血を見つめて本当に悲しんでいるようだ。


こんな時に何て野郎だ。本当にキモいな、この女は。




「お前何やっとんねん!そんな事で市民の皆さんを安心させられると思とんのか?」




陣内が出てきた。



お前はスッこんでろバカ野郎。




「皆さん、これは警察がきく決まり文句みたいなもんです。ここは一つ、大人になってみまして、どうか、気を悪くせず答えて下さいな」



「うるさいわね」



と美江子。




「どーゆー意味や!」




陣内は急にキレだす。




「お前が大人になれ!」



と千尋。




「さあこの際答えて頂きましょうか皆さんハハハッ」



と真山。



「ウザいわね。これじゃ怖くて誰も信用できないわ」と由子。



「はいっ!?」




敬語だが表情、声は本気で怒っているっぽい。




「おいおいおい、そこのメイクアップアーティストよ」




千尋がそう言って由子の方に来た。



由子は「IKKOじゃないわよ!」と否定。



無視するかのように千尋は彼女前に来て言った。




「貴方、五百万円の借金があるじゃないですかァ。遺産目当てで殺してもあ可笑しくないんじゃないすか?だからそんなに嫌がってるんじゃ――」





「何デタラメ言ってるのよ。今作ったでしょ、それ。それに私はさっきからアリバイを話してもいいって言ってるじゃないの!」



由子は怒鳴るようにして千尋に言った。



無論、千尋が言った事は千尋が今作った適当な嘘だ。





「本当かと思った」と真山。



やはりアホだ。




ちなみに先程から千尋が由子の事をIKKOと言っているのは髪型が似ているからであって他には何の共通点もないからね。