リストカット中毒

作者/ 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

伝えたい,短い話

異常な少女の


小さくつけられた心の傷にばいきんが入りました。
傷口からばいきんが入った所為で,私は病にかかりました。
傷をつけないと落ち着かない病です。
何かに触れてないと癇癪を起こすとかならどれだけ良かった事か。
私は爪を伸ばし,刃物を持ち歩き,絆創膏をいつも持って,傷をつけられるようにするようになりました。

ある日私は異常(アブノーマル)な恋に落ちました。
女の子に恋をしてしまいました。
私も立派な女の子なのにおかしいですか。
もしかしたら男の子に虐められたからでしょうか。
女の子に助けられたからでしょうか。
だけども私にとっての救世主(メシア)な彼女は交通事故で死にました。
あっけない死でした。強い彼女は脆い体をしてました。
彼女に似た人を好きになりました。面影を重ねている私は罪ですか。

好きになった彼女に傷をつけたところを撫でられると安心します。何故だかすごく安心します。
彼女は傷を見て苦笑します。そして優しく撫でてくれます。
彼女しか見えなくなる私は同性愛者(レズビアン)ですか。

異常でも良いんです。
生きてさえいるのであれば。

脆い体を抱きしめて私は眠りにつきました。
中々覚めない,長い長い眠りでした。