リストカット中毒
作者/ 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

伝えたい,短い話
ローリンガールの解釈と人形のお話
ローリンガールは「転がる少女」じゃなくて、「自虐的な少女」なんじゃないかなと思う。
もう一回、…それがリストカットを望む言葉に思えてしまう。
どうしてだろう。どうして刃物を見ると落ち着くんだろう。
結局は私も狂ってるってわけ。
…話が逸れた。
ローリンガールは何を求めた? ローリンガールは何をしたいの?
……深すぎて分からない。溺れて戻れなくなってしまいそう。
届かない夢を一番見たがるのは、誰よりも愛を求める優しい人だから…そう言う事なのかな。
私は届かない夢を見て、でも見るだけ。手を伸ばさない。無駄な努力はしない。
報われない努力は無い…って先生は言ってたけれど、報われない努力はある筈。
理由なんてないけどさ。最低でごめんね。
狂ってるから。直す事も不可能な程、私は狂ってる。
人間はそういうものなのだろうけど、他の人はそれを表に出したがらない。
私は出したって何も思わない。
そういうこと。
+*+*+*+*+*
狂って直せなくなった人形を人形作りは捨てました。
捨てられた人形は流れない涙を流して叫びました。
人形は最も持ちたくなかった感情を持ちました。
その感情を誰にぶつけよう。
人形は迷いました。
結局、「人形作り」に持った「怨み」の感情を「人形作り」が作った自分の体にぶつけました。
人形作りは傷つきました。自分の命ともいえる最高傑作がこんなに傷ついている! と。
人形は負のループに巻き込まれていました。
人のまねごとをしただけの形作られたものだとしても。
たくさんの感情を見よう見まねで手に入れて。
それを負の感情で操って。
人形は、
「堕ち果て朽ち果て今は地の底眠ってる」
+
悲しいよ、逃げ出したいくらいに。
良い子ぶりっ子な幼馴染※色々注意!
私の幼馴染,はぶりっこ。
ぶりっこって言ってもビラビラレースのきもい奴じゃなくて,良い子ぶりっこ。
実は影で陰湿なねっとりな…ぐっちゃぐっちゃな虐めしてるくせに,表では愛想の良い笑顔振りまいて愛想振りまいてる。
例えば,先生が机のもののプリントが風で吹き飛ばされてしまったとする。
あいつは真っ先に,先生私取りに行きます,と行く。
あらありがとう,悪いわね。いえ,これくらいのこと出来ないと! そうね,貴女の言うとおりだわ。ふふ。
ああ,寒気がする。
しかもあいつは表では私の事を興味無さそうに振舞っているのに二人になると途端に色っぽい声に変わって寄ってくるのだ。じわじわと。
ああ,気持ち悪い。
あいつじゃなければ気持ち悪いなんて思わなかったんだろう。だけどあいつは気持ち悪い。私の防衛本能が「逃げろ!」と叫ぶのだ。サイレンがうるさい。
ぴっこんぴこん。私のサイレンとあいつの癖毛。同調してるのがうっとうしい。
色っぽくて艶やかな鼻息? 男ならイチコロなんだろうけど私にとっては媚売ってる可哀想な女にしか見えない。
絡みたさそうにするあいつを見ると吐き気がする。
もっと清楚な子だったら希望に応えてあげれただろうに。
「もうちょっと構ってよ」
「やだねあんたみたいなやつ」
「仮にも幼馴染じゃない」
「その言葉が嫌いなんだよあたしは」
大嫌いだ。
「酷い,私はこんなにも好きなのに」
酷くて悪かったね。
そう吐き捨てて,乱された衣服を直して外に出た。
大人ぶったあいつの部屋には,女子高生向きブランドの香水の香りが漂っていた。
+
さーせん。

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