リストカット中毒

作者/ 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

伝えたい,短い話

虐め小説を読んで笑う人達へ


「なんで,なんで? なんで虐め小説を読んで笑ってられるの,楽しめるの? 重みをわかってないの? それとも,心を傷つけられる痛みを,それを近くで見てる人の苦しみをしらないの? それともそれとも,ただの馬鹿?
知らないけど,知ったこっちゃないけど,お願いだからやめて,虐めを楽しむような真似は。
それは,小説の虐めと同じような虐めを体験した人の過去を,笑って腹抱えてニヤニヤしながら楽しんでるのと同じだよ。同じ,何ら変わりはしない。
なのに,それにも気付かないで笑ってられるの? ……はっ,人として終わってる。

私みたいな糞のつく生意気な餓鬼よりも生きてる筈のあんたたちがそんなんで良いわけ? ノウタリンめ」


 人の不幸を笑ってられる人間が一番嫌いよ,私は。




言葉を大切にする人が、


 全く別のものを好み,目指す私達が「ひとつ」に収まって,でももうすぐそれぞれの道を,空を進み始めるのを肌で感じた。


 私は,小説が好き。小説を書くのが,私の小説で笑ってくれる人が,何かを考え直してくれる人が増えることを願って書くのが。自らの感情の海を,川にするのが。
 あの子は,音楽……ギターが好き。赤いギターを持って,笑ってた。「わたしはミュージシャンになる!」その前に練習しなさい,と。
 あの子はドッグトレーナーになりたいと言っていた。犬を良い子にするために,ふれあいたいと。
 あの子は,トリマーを目指してる,と言っていたかな。「犬や猫を綺麗にして,愛されるような子たちにしたいの」と。
 ああ,あの子もミュージシャンになりたいと言ってたかな。スティックをもって,「ドラマーになる!」。計画的なのかな,と思ったっけ。
 友達以上恋人未満なあの子は,ヘアメイクアップアーティストを目指してる。友達と弟と自分で,店を開くのと,きらきらの目で語っていた。
 あの子は,介護士の夢を持ってる。自分の出来る事を,全力でやりたいから。祖父を突然亡くした彼女は,お年寄りを助けたいと言っていた。
 


 彼女等は,それぞれの夢に進む為に,友達の夢に合わせるなんてばかげたことをしようとしない。無論,私もだ。
 それでも,互いの夢を応援してるのだ。


 良いね。