リストカット中毒

作者/ 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

伝えたい,短い話

線香花火のように死ぬ事を願う


太陽を見つめるのは嫌いだ。
自分の中の光全部,太陽に吸い取られるみたいで。
その証拠に,失明してしまう人だっているじゃないか。

月は,日に日に欠けたり満ち足りするけれど,憂いを帯びた光は遠慮がちで好き。
星も月に慰められているのだろう。


そんな事を言ったら,嘲笑われた。


+


月の下の線香花火。
ちりちりと小さく燃えて,ぽたりと落ちた。

線香花火のように死にたいと,何度思ったことだろうか。
それができないから,僕は地に落ちるべきそれを,手のひらで受け止めた。
鈍い痛みと,変色した肌が,僕に生きてる実感を持たせてくれた。




心はまるで,月の様だわ


月って、欠けるの早いよね。
あっけなく欠けて、満ちるには飽きるほどの時間が必要になる。


心みたい。
もう、簡単に悲しいほどあっけなく欠けて、気が遠くなるほどの時間がないと立ち直れないんだ。
哀れなくらい儚い。
それでも私が月を見るのを愛し続けてるのは、自分に重ねてるからだろうか。