リストカット中毒
作者/ 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

伝えたい,短い話
言葉の重みを、
ああもう!
ここの人間は,言葉の重みを理解してなさすぎる!
だったら何故私はここで小説を書いてるの?
それは少しでも,理解を示してほしいから。
色んな人間が行き交う世の中で,私が唯一出来ること。
どうか、もう一度だけ考えてみてください、と
「あなた方はそんなに虐めが好きですか? 他人の不幸を主食にでもしているのですか?
どうして簡単に人の心の傷を抉る様な言葉を書き込めるのですか?
自らの心の傷を抉られても良いから,他人の不幸を楽しみたいのですか?
ならば,猛毒の塩をあなた方の心の傷に塗り込んで差し上げましょう。
それが嫌ならば,鋭利なナイフの如き言葉で,あなた方の心を切り刻んで差し上げましょう。
それでも尚,人の心の傷を開き,抉り,笑う様な事ができるというのならば,私はもうお手上げです。
――そこまでになったら,あなた方は人間として終了していますから」
少女は言う。
心無い人間を酷く嫌い,礼儀のなってない人間を,他人を容易く傷つける人間を奥底から軽蔑する少女は,幼い子供に言い聞かせるように,言う。
他人の幸福を全力で願う少女は,それゆえに,他人を不幸にする人間を嫌っていた。
間違いを正すことから,幸福は生まれる。
笑うと言うことは,幸福ということ。
もし,他人の不幸を眺めることで笑顔になれる,と言われれば少女はすぐにこう答えるだろう。
「……幸せは,いつも真っ直ぐで,やさしいもの。
歪んだ笑顔は,本当に幸福を表すものではないのです」

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