リストカット中毒

作者/ 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

伝えたい,短い話

ずっと、


 悲しいとか、そういうんじゃないんだ。
 悔しいとか、そういうんじゃないんだ。
 ただ、そばにいてほしいだけなんだ。
 ずっとずっと、そばに、いてくれるひとをもとめてるだけなんだ。
 大好きなだけなんだ。
 ただあの場所を、あの場所にいる人たちを、愛してるだけなんだ。

 だからこそ、そばに、




「そんなのただのわがままだよ、この鬱馬鹿」
 知ってるよ、大**なきみに、いわれるまでもないよ




すまいる、すまいる、すまいる


 どうすれば喜んでもらえるだろう、とか。
 どうすれば笑ってくれるだろう、とか。
 大好きなひとたちを想って、そんなことを考える時間が幸せで愛おしい。
 笑っていてほしいのだ。
 ただ、願うだけでなにもしないのは、おかしい。

 だから、あたしは考える。
 「馬鹿」で良い。あたしが声を発することで、大好きなひとたちが「おもしろい」でも「ほんとに変なことばっかり言うんだから」でもなんででも、笑ってくれればそれでうれしい。



 けれどその奥に見えるのは。




「きたないね」
「うるさいよ」
「ほんとうにきたない」
「うるさい」
「ただのねたみ、そねみじゃないか」
「うるさいよっ」
「けっきょくきみは、じぶんがきずつきたくないだけさ」
「うるさいってば!!」



 ぐちゃ、