二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 268章 善悪 ( No.289 )
日時: 2011/10/05 21:03
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「……何人増えようとも、わたくしを倒す事はおろか、止める事すらできませんよ」
レイは新たに二つのボールを手に取りながら、そう言う。
「随分と余裕だな。お前、イリスとのバトルで大分お疲れに見えるぜ」
イリゼはそう言うが、イリスには分からない。まあ言われてみれば微妙に呼吸が乱れているようにも見えなくはないが。
「……この程度の疲労で、戦いを投げ出すわたくしではありません。なんなら、レジュリア一匹であなた方三人の相手をしても——」
そこで、レイの言葉は途切れた。レイはバッと後ろを振り返る。それにつられて、イリスとイリゼ、Nも視線を上げる。
するとそこには、7Pのフォレスが、コクジャクに掴まりながら、飛んでいた。
「ここでまさかの、増援か……?」
イリゼは呟くように言う。
フォレスはジッとレイを見つめ、レイは不必要だと言わんばかりの目で、フォレスを見据える。
「フォレスさん、増援ならいりませんよ。この程度の相手ならわたくし一人で十分——」
「コクジャク、電磁波」
レイの言葉を遮り、フォレスはコクジャクに指示を出す。コクジャクは神経を麻痺させる電磁波を放つ

レイへと向けて。

「あ……くっ……」
レイは脳に電磁波を当てられたようで、電磁波を受けると昏倒してしまった。
「……すみませんレイさん。今は、こうする他なかったんです」
フォレスはレイに謝罪しつつ、地面に降り立ってレイを抱え上げる。
「……お前、何で仲間を……?」
イリスはフォレスに問う。その質問自体は、至極普通だろう。
「……そうだな。お前になら、話してもいいだろう」
フォレスはコクジャクに肩を掴ませ、飛び立ちながら言う。
「俺がレイさんに電磁波を浴びせたのは、この人の暴走を防ぐためだ」
「暴走?」
イリスは復唱しつつ尋ねる。
「そうだ。俺達7Pの解放っていうのは、自分自身の押さえつけた力を解き放つこと。キュレムの刻印は力を抑制するが、それは即ち、自分の意思や自我、人格を押さえつけることと同義だ。だから解放すればそいつの言動やら人格やらが多少は変わる。7Pでは三人、顕著にその効果が現れるんだが、その内の一人が、この人だ」
フォレスはレイに目線を落としながら言う。
「この人の解放は7Pで最も危険なんだ。この人は解放すると、感情のコントロールが利かなくなる。解放前は絶対零度の如く感情を凍結させているんだが、解放したらそれが一気に溢れ出る。下手な事言ってこの人が激昂すれば、その力は何倍にも増幅される」
確かに、レイの強さは異常とも言えるほどだった。だがあれは、レイが怒っていて、それでレイの強さが急上昇していたからなのだろう。
「しかしこの力は、危険なんだよ。感情が制御できずに激怒して、そのままにしておいたらこの人は……人格が破綻する」
フォレスは苦しそうに、痛みに耐えるかのような苦渋に満ちた顔で言葉を繋げていく。
「そうなればプラズマ団内では不要とみなされ、破棄されるだろうな。それだけは、絶対に避けたい」
フォレスは力強くそう言い放つ。
「俺の口からは多くは語れないが、この人は昔、相当酷い目に遭ってきたらしい。俺が思うにプラズマ団内、いや、このイッシュの中で最も傷ついている人だろうよ。そんな痛みや苦しみを味わい続けていたからこそ、この人は俺達側なんだ」
フォレスは静かに、レイについてを言い終える。
「もう一つ、言いたい事がある」
と思ったら、フォレスはまた発言しだした。
「お前達は俺達を倒す事に、プラズマ団を潰すことに躍起になっているようだが……それは本当に善い行いなのか?」
「なんだと……?」
イリスは顔をしかめる。それはそうだろう、自分達の行いを否定されたような事を言われた。それも、悪い者に。
しかしフォレスは構わず続ける。
「そりゃ、確かに俺達は悪い事をしている。だが、それは俺達みたいな奴からしたら、必要悪なんだよ」
「ポケモンを使って、人の心を操って、世界を支配しようとする事のどこが必要だって言うんだよ!」
イリスは叫ぶ。だがフォレスは対照的に、落ち着いていた。
「お前達には家族がいて、家があって、仲間がいるだろう? PDOとかいう組織にしたって、仲間同士でつるむコミュニティで、一つの目的に向かう集団なわけだろ? 俺達プラズマ団だってそうだ。一つの目的を持ち、皆でそれに向かうことで、孤独を回避している。俺はプラズマ団の奴らを家族とは思った事は一度たりともないが、それでも大切な仲間だとは思ってるよ」
それは、フォレスの強い意志が込められた一言だった。まさかプラズマ団からそんな言葉を聞くことになるとは思ってもいなかったイリスは、言葉を返せない。
「お前達がやっている事は、人の家を破壊し、その家族を攫っていく、圧政を行う皇帝みたいなもんなんだよ」
フォレスのその言葉に、イリスは胸がえぐられるような感覚を覚えた。
「……ま、こんな知った風な事を言える時点で、俺はプラズマ団に染まりきっていないんだがな。それでも英雄、これだけは覚えておけ。お前達は善行をはたらいているつもりなんだろうが、善と悪は表裏一体。善行は、悪行の裏返しでしかないんだ、とな」
最後にそう言い残すと、フォレスはレイと共に飛び去っていった。



今回はバトルのない回でした。いや、やっぱりバトルシーン以外を書くのは大変ですね。僕にはそっち方面の才能はないのか……まあ、これから研磨していけばいいですか。今回のフォレスは、いつものフォレスとは違うのです。いつもは粗雑なフォレスですが、今回のフォレスはいつもの一味違うのです。ま、その話はこれくらいにして、次回予告です。次回は……そうですね、イリスが悩んで誰かとバトる、みたいな展開になると思います。では、お楽しみに。

Re: 269章 イリスvsセンリ ( No.290 )
日時: 2011/10/06 23:38
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

後日
イリスはホワイトフォレストの中、一際人気のないところで、黄昏ていた。
イリゼは友達に会いに行くとか言ってブラックシティに行ってしまった。ヤクザの友達でもいるのだろうかとイリスは少々心配になったが、まあ、イリゼなら大丈夫だろう。
Nはいつの間にか消えていた。まあこっちも、そのうち戻ってくるだろう。
「はぁ……」
巨大なドラゴンポケモンが着地したかのようにへし折れた樹木に腰掛け、イリスは溜息を吐く。

「悩み事か、少年」

と、不意に、背後から声が掛かった。イリスは振り返り、その声の主を視認する。
声の主は、赤黒い服を着た、精悍な顔立ちの男性だった。男性は自然な感じにイリスの横に腰掛け、イリスに語りかける。
「月並みな台詞だが、悩んでいるのなら私に話してみてはどうだ? 一応、君よりは長く生きているし、トレーナー暦も長い。多少は力になれると思うが」
のっけからズバズバと斬り込んでくる人だった。イリスはそれに気圧されたわけではないだろうが、内に溜め込んだもやもやした物を、言葉にして吐き出す。
「……僕は、ある組織と戦っているんです。僕だけじゃなく、他にもたくさんの仲間と一緒に。その組織は、人やポケモンを操って悪い事をしています。でも、ついこの前、奴らがやっている事が悪なのか、自分達がやっている事は善なのか、それが分からなくなってきました」
イリスは独り言のように言う。
「彼らは悪い事をやっているというのは紛れもない事実。でも、それを止めるためとはいえ、彼らが築いてきた居場所を崩し、仲間を引き裂いていく。僕達がやっている事は偽善なのかもしれない。実は善行のようで、悪行なのかもしれない。そう、思えてしまうんです」
いつになく、イリスの声は弱々しい。
「彼らが悪い事をしていても、それを理由に彼らの全てを潰してしまうと思うと、もうどうしたらいいのか、分からなくなってしまうんです。彼らと戦うべきなのか、戦わないべきなのか。どう向き合ったらいいのかも、全て……」
そこから先は、続かなかった。単にどう言うべきか、言葉に詰まったのかもしれない。それとも、この先は口にしたくないのかもしれない。どっちにせよ、イリスは今、迷っている。

プラズマ団は、潰すべきなのかを。

「……すみません。いくら悩みを話してみろって言われても、こんな事、当事者でもないと——いや当事者であっても、返答に困りますよね。忘れてください。では、僕はこの辺で——」
「少年」
イリスが腰を浮かせたところで、男は声を上げ、イリスを制す。
「少年。君は、トレーナー暦は何年くらいかな?」
「え……?」
いきなりの質問で戸惑うイリス。だがすぐに我を取り戻し、過去をざっと振り返ってみる。
「えーっと……一年くらい間があったから、累計すれば一年。もうすぐ二年くらいですかね」
イリスのトレーナー暦は、割と浅かった。
「そうか……まあ、その辺りだろうな」
男は呟くように言うと、イリスに向き直り、まっすぐに見つめる。
「少年。君はどうやら、大事な事を忘れているようだ。トレーナーとして、最も大事な事をな。だから——」
男はボールを取り出し、言い放つ。
「それを今から、思い出させてあげよう。ポケモンバトルでね」



「少年」
「イリスです」
「そういえばまだ名乗っていなかったな。私はセンリ、ホウエン地方という所で、ジムリーダーをしている」
イリスはジムリーダーと聞いても、流石にもう驚かない。今まで何人もそういう人物と出会ってきて、イッシュはジムリーダーが集まる場所なのか、とか思い始めているくらいだ。
「バトルは4vs4の勝ち抜き戦で構わないな?」
イリスはコクリと頷く。
「では、始めよう。行け、バクオング!」
センリの一番手は、頭から突き出た突起や尻尾に穴があり、大口を開けたポケモン。騒音ポケモンのバクオングだ。
「……重量級のポケモンっぽいな。だったら、出て来い、メタゲラス!」
イリスの一番手はメタゲラス。重量級に対抗するには同じ重量級のポケモンと推察してのチョイスだ。
「先攻は貰いますよ。メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは鋼鉄の頭を突き出し、バクオングに向かって猛突進する。
しかし

「バクオング、ハイパーボイス!」

バクオングは大地を揺るがすほどの大音量で叫び、音の衝撃波でメタゲラスを迎撃する。しかもただ迎撃したのではなく、メタゲラスの動きを止め、かつ200キロ近いメタゲラスを吹っ飛ばしたのだ。
吹っ飛ばされたメタゲラスは受身も取れず、地面へと落下し、クレーターのような凹みを作る。
「嘘だろ……」
戦慄するイリス。それもそうだろう。まさか音で、それも効果いまひとつのハイパーボイスでメタゲラスが吹っ飛ばされるなんて、夢にも思わないだろう。
「……メタゲラス、グラビティコア!」
直進する攻撃ではあっさりと迎撃されてしまったので、メタゲラスは今度は遠距離からの攻撃に出る。バクオングの頭上に超重力の巨大な黒い球体を作り出し、それをバクオングに向けて落とすように放つ。
イリスはバクオングを重量級と見たが、実はバクオングはそんなに重くない。体重は80キロ強ほどで、メタゲラスの半分以下だ。なのでこのグラビティコアは相当効くはずだが
「……結構、余裕って感じだな……!」
バクオングは体中に傷を作りながらも、勇ましく足を踏み鳴らしていた。
「その程度じゃ、私のポケモンは倒せないよ。バクオング」
センリがバクオングに呼びかけ、バクオングは動き出す。



今回はイリスとセンリのバトルです。一応このセンリで、他の地方から来たジムリーダーとのバトルは8回目、即ち終わりを迎えます。最後は誰にしようかずっと迷っていましたが、結局はジムリーダーで唯一主人公と血縁関係を持っているという事で、センリにしました。それに僕、結構ノーマルタイプ好きですし。ポリゴンZやケッキング、非公式ならノコウテイやフォリキーなど。特にケッキングは、ルビーではかなり苦しめられましたよ、攻撃力が半端ないですからね。では、次回は今回の続きということで、次回もお楽しみに。

Re: 270章 爆音 ( No.291 )
日時: 2011/10/08 22:29
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「バクオング、氷の牙!」
バクオングはメタゲラスのもとへと駆け込み、大きな口を開け、氷結した牙で噛み付く。
「くっ……メタゲラス、振り払え!」
メタゲラスは頭を左右に激しく振り、バクオングを引き剥がす。
「そこだ、アイアンヘッド!」
そしてバクオングが数歩後退した所に、鋼鉄の頭を突き出して突進し、大きく吹っ飛ばす。
「もう一度アイアンヘッド!」
メタゲラスはバクオングが滞空している中、その着地点を狙って再度突進するが
「ハイパーボイス!」
バクオングは空中から途轍もない重低音を放ち、メタゲラスを吹っ飛ばした。
「メタゲラス!」
メタゲラスは派手に地面を転がり、なんとか体勢を立て直す。
「バクオング、アームハンマー!」
だがそうしている間にもバクオングはメタゲラスに接近し、拳の鉄槌を振り下ろす。
「メタゲラス、大地の力!」
メタゲラスはアームハンマーを耐え切り、すぐさま地面から土砂を噴射し、バクオングを吹き飛ばす。
「むぅ……肉を削って骨を守るような技だな。バクオング、ハイパーボイスだ!」
バクオングは大きく息を吸い込み、大地を揺るがすほどの大音量で叫ぶ。そしてその叫びは多大な破壊力を持つ衝撃波となり、メタゲラスに襲い掛かる。
「くぅ……やっぱ音の攻撃はきついな……!」
そう思ってイリスはメタゲラスを見ると、ふと疑問が湧いた。
「……? 傷が少ない……?」
メタゲラスはダイナマイトだろうが最新の兵器だろうが、それらを喰らっても傷が付かないほど硬い。そして硬いポケモンは、大抵重い。だからイリスはそんなメタゲラスを吹っ飛ばしたバクオングのハイパーボイスに驚愕したのだが……どうやら吹っ飛ばすことは出来ても、威力は大した事ないようだ。まあよく考えてみれば、ノーマルタイプの技でメタゲラスに決定打を与えられるポケモンなんて、そうそういないだろう。
「それなら、バクオングもハイパーボイスも、恐れる事はないな。メタゲラス、ストーンエッジ!」
「ハイパーボイスで打ち消せ!」
メタゲラスは無数の尖った岩を自分の周囲に浮かべ、それらを一気に発射する。
バクオングは大音量で叫び、襲い掛かる尖った岩を重低音で砕き散らしていく。
「アイアンヘッド!」
そしてメタゲラスは、バクオングの息が切れたタイミングを見計らい、鋼鉄の頭を構えて突進する。バクオングも息継ぎのタイミングで突撃されては対処のしようがなく、その攻撃をまともに喰らった。
「この距離ならハイパーボイスも撃てない。メタゲラス、大地の怒り!」
「ハイパーボイスだけがバクオングじゃないぞ。バクオング、アームハンマー!」
メタゲラスは地面から土砂を噴射し、バクオングは拳の鉄槌を振り下ろす。
結果、メタゲラスとバクオング、両者ともに吹っ飛ばされた。
「メタゲラス、ここを逃すなよ。グラビティコア!」
メタゲラスはバクオングが仰け反っている間に超重力の黒く巨大な球体を作り出し、バクオングに向けて振り下ろすように放つ。
「これは避けられないな……ならば。バクオング、オーバーヒート!」
バクオングは既にアームハンマーで素早さが二段階ダウンしている。なのでセンリは、グラビティコアを避けず、相殺する手に出た。
バクオングの体は熱がこもっているのかみるみる赤くなっていき、頭や顎の穴からは湯気が——と思った矢先に、炎が吹き出てきた。
そして次の瞬間バクオングは、巨大な黒球を飲み込むかのように大口を開け、莫大な炎を放つ。炎はグラビティコアを飲み込んでいき、やがて消滅していった。
「……これは、いささか規格外だな……」
しかしバクオングはさっきの大技でかなり疲労したようで、息も絶え絶えだった。
だとするならば、攻めるは今である。
「メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスは鋼鉄の頭を突き出し、バクオングに向かって突進。
「おっと、そう簡単に攻めさせはしないぞ。バクオング、ハイパーボイスだ」
それをバクオングは強烈な重低音を放ち、吹き飛ばす——
「大地の怒り!」
——かと思いきや、メタゲラスは突進しながら地面を踏み鳴らし、断続的に土砂を噴き上げてハイパーボイスに対する盾とする。
「そこだ、メタゲラス!ストーンエッジ!」
そしてバクオングに接近し、突撃に成功したメタゲラスは、無数の尖った岩を発射して追い討ちを掛ける。
「くっ、バクオング、氷の牙!」
バクオングは落下しながら氷結した牙を構え、メタゲラスに噛み付く。
「そのままアームハンマーだ!」
そしてバクオングは拳を握り、メタゲラスの体に側面に拳を連打する。
「メタゲラス、手加減してもいいからグラビティコア!」
メタゲラスはなかなか離れないバクオングに対し、溜めをショートカットした低威力のグラビティコアをぶつける。というか、本気でやれば時間が掛かるからバクオングに逃げられるし、自分も大ダメージを受けてしまうのだ。
「メタゲラス、アイアンヘッドだ!」
「返り討ちにするぞ、バクオング。オーバーヒート!」
鋼鉄の頭を構えて突進するメタゲラス。それに対しバクオングは、体中の熱という熱を集め、口から膨大な火炎を放つ。
しかし
「メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは突進しながら地面を踏み鳴らし、襲い掛かる炎を地面から噴射される土砂で消していく。そして全ての炎を消し終えると、砂の中からメタゲラスが飛び出し、バクオングに強烈な突撃を喰らわせる。
「バクオング!」
さしものバクオングも体力の限界が来たようで、その一撃を受けるや否や、戦闘不能となった。



さて、今回はイリスvsセンリ、パート2です。正直前回はほとんどバトってませんけど、まあ、別にいいでしょう。たまに思うのですが、ポケモンって見た目がゴツイ奴は大抵強いですけど、中にはそうじゃない奴も結構いますよね。今回出て来たバクオングとか、オニゴーリとか。決して弱いわけではなくとも、能力が正直微妙……。まあ、こんな後ろ向きな話題は止めて、次回予告。するまでもないですが、次回は今回の続き。イリスとセンリのバトル、パート3となります。お楽しみに。

Re: 271章 予知 ( No.292 )
日時: 2011/10/08 23:38
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「私のバクオングを倒すとは、なかなかやるじゃないか」
センリはバクオングをボールに戻しながら言う。
「だが、次のポケモンも同じように倒せるとは思わない事だ。さあ行け、フォリキー!」
センリの二番手は、未来予知ポケモンのフォリキー。キリンリキというポケモンの進化系で、真っ黒の頭がある尻尾が特徴だ。
「まずはこれからだな。フォリキー、未来予知だ」
センリが指示を出すと、フォリキーは何かを念じる。しかし、イリスには何も起きないように見える。というか、何も起きない。
「……なんだか知りませんが、次はこっちの番ですよ。メタゲラス、アイアンヘッド!」
「フォリキー、地震!」
メタゲラスが地を蹴ってフォリキーに突進しようとしたその時、フォリキーは地面を揺さぶって地震を起こし、その衝撃でメタゲラスを攻撃する。
「メタゲラス!」
バクオングとの戦いでかなり疲弊していたメタゲラスは、効果抜群の地震で体力が尽き、戦闘不能となった。
「よくやった、メタゲラス。戻って休んでくれ」
イリスはメタゲラスをボールに戻し、次なるボールを構える。
「エスパー・ノーマルタイプって事は、弱点は虫と悪。アブソルは使えないから……頼んだぞ、フローゼル!」
イリスの二番手はフローゼルだ。
「フローゼル、テラーソニック!」
フローゼルは素早く腕を振り、黒い衝撃波を放つ。
「フォリキー、噛み砕くだ」
フォリキーはクルッと体を半回転させてこちらにおぞましき尻尾を向けた。するとその尻尾は赤い目をぎらつかせながら大口を開け、その衝撃波を噛み砕いてしまった。
「なっ……!?」
流石に驚かずにはいられない。まさか攻撃を、しかも自分の弱点である攻撃を噛み砕いてしまうなんて、イリスの想定範囲外だ。
「驚いたかい? 仕組みが知りたいなら、図鑑を開くといい」
イリスはセンリに促されるまま、図鑑を開いてフォリキーを検索する。すると、次のように表示された。

フォリキー・未来予知ポケモン
『フォリキーの尻尾は闇を食べてしまう。空間を削り取る事も容易い。』

「…………」
驚きのあまり、イリスは声が出なかった。
「まあ、中にはそういうぶっ飛んだポケモンもいるという事だよ。……さて、そろそろバトルに戻ろうか。フォリキー、地震!」
「! フローゼル、飛び上がって気合パンチ!」
フォリキーは地面を踏み鳴らして地震を起こすが、フローゼルは跳躍してそれを回避。そして拳に気合を込め、フォリキーの脳天に拳を振り下ろす。
「そのままアクアテールだ!」
フローゼルは拳を軸に一回転し、その勢いのまま水を纏わせた二又の尻尾をフォリキーの体に叩きつける。
「なかなかやるが、私達もやられっぱなしではない。フォリキー、噛み砕く!」
フォリキーは、否、真っ黒な尻尾はフローゼルに近づき、大口を開けて噛み付きに掛かる。
「かわせ、フローゼル!」
フローゼルは尻尾が届かない位置まで後退し、噛み砕くから逃れる。
しかしそれは、過ちだった。

「フォリキー、破壊光線!」

フローゼルは尻尾を恐れるあまり、本体の事を失念していた。なので後退して尻尾から遠ざかったフローゼルはどこか安心してしまい、隙が出来てしまった。
フォリキーはそんな隙を逃さず、口から極太の光線を発射し、フローゼルを吹っ飛ばした。
「フローゼル!」
木の幹をへし折るほどの勢いで飛ばされたフローゼルは、まだ辛うじて体力が残ってはいるものの、ほとんど戦闘不能だ。あと一発でも喰らえば、間違いなくやられるだろう。
「……でも、まだ一発分残っているんだ。それならその一発を喰らわなければ——」
「それは無理だな」
イリスの言葉を遮ってセンリが断言した、次の瞬間

フローゼルは倒れた。

「!? フローゼル!?」
イリスは慌ててフローゼルを見て、次にフォリキーを見る。しかしフォリキーは全く動いていない、それらしき動作をした痕跡も見られない。そもそもフォリキーは破壊光線の反動で動けないはずだ。
「一体、何が……?」
「未来予知さ」
イリスが困惑する中、センリは静かに、告げるように言う。
「フォリキーを出してすぐ、私はフォリキーに未来予知を指示しただろう。未来予知は、文字通り未来を予知する技。だが予知するだけでなく、そこに攻撃を入れるんだ。そしてその未来まで時間が達すると、そのポケモンは攻撃を受ける、というわけさ」
まあつまり。、簡単に言って時間差攻撃である。
「……尻尾は、フェイクだったんですね」
「あながちそうとは断言できないが、大体そんな感じかな。さて、これで君の手持ちは残り二体。次はどう出るのかな?」
センリは余裕の表情で言う。そしてそれが、イリスには、プレッシャーになるのだ。
(恐らくセンリさんの使うのはノーマルタイプ。だったら格闘タイプのエルレイドは温存しておきたいな……いやでもしかし、そう甘い事を言ってられる状況でもないか)
イリスは腹を括り、次のポケモンが入ったボールを構える。
「さあ、次はお前だ。頼んだぞ——」



さて、今回も違う意味で微妙な終わりを迎えましたね。ところで話は変わりますが、僕は完全ノープランでこの小説を書いているわけではなく、暇な時などに次はどうするとか、将来的にはこうしたいなとか、そういうざっくりとした事は前もって決めているのです(前にもこんな話したような気がするな……)。それで今後の大まかな展開と、それをやるのにどれくらいの話数が掛かるのかを大まかに推測した結果、皆様のコメントなども含めて、なんだか返信が千を超えてしまうような気がしてならないのです。いや、コメントを控えてくれと言っているわけではないです。むしろ欲しいです、大歓迎です。皆様の応援が僕の動力源です。……まあ流石に少々大袈裟かもしれないですけど、前幕よりも今幕の話数を多くするのがぼくの主義ですから、これから先、結構続いていきそうです。さて、珍しくかなりあとがきを書いた今回でした、次回もイリスとセンリのバトルの続きです。イリスの気になる三番手は……?次回もお楽しみに。

Re: 272章 大技 ( No.293 )
日時: 2011/10/09 16:39
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「頼んだぞ、エルレイド!」
イリスの三番手はエルレイド。エースであるリーティンは温存で、デンリュウは地震を使えるフォリキーには不利だと判断したからだ。
「エルレイド、サイコカッター!」
「フォリキー、未来予知!」
エルレイドは念動力を固めた刃を飛ばし、フォリキーを切り裂く。その間フォリキーは何かを念じるような動作をしていた。
「そのままリーフブレード!」
サイコカッターでフォリキーを切り裂いたと同時にエルレイドはフォリキーに接近し、草木の力を宿した刃で切り裂く。
「フォリキー、噛み砕く!」
「かわしてアイスブレード!」
フォリキー(の尻尾)は大口を空けてエルレイドを噛み砕こうとするが、エルレイドは素早くそれをかわし、氷結した刃で切り裂く。
「地震!」
エルレイドのアイスブレードを耐え切ったフォリキーは地面を踏み鳴らして地震を起こし、エルレイドを攻撃する。
「攻撃力は低いはずだけど……結構効くな……」
エルレイドはフォリキーの地震を受けて、戦闘不能とはいかなくとも結構なダメージを受けてしまっていた。
「だったら、エルレイド、ドレインパンチ!」
エルレイドは淡く光る拳をフォリキーに叩きつける。するとエルレイドの体も淡く光り、傷を癒していく。
「回復してなるべく多く攻撃する腹かな。だったら速攻で決めるのみ。フォリキー、噛み砕く!」
「エルレイド、アイスブレード!」
フォリキーの真っ黒な尻尾は大口を開けて噛み砕こうとするが、そこにエルレイドは氷結した刃の先端をねじ込むように突っ込んだ。
低脳そうな尻尾だが、流石にその行動にはびっくりしたようで、本体を引きずりながらのた打ち回っている。
「今だエルレイド、リーフブレード!」
エルレイドは尻尾に振り回されているフォリキー本体を、草木の力を宿した刃で切り裂く。
「フォリキー!」
フォリキーは急所を切り裂かれたようで、その一閃を受けると戦闘不能となった。
「戻れ、フォリキー」
センリはフォリキーをボールに戻し、次のボールを構えた。
「さて、私の三番手はこのポケモンだ。さあ行け、ポコキング!」
センリの三番手は、大狸ポケモンのポコキング。分類通り巨大なタヌキのような姿で、藁傘を被り、腰には酒瓶を携えている。
「なんかまた妙なのが出てきたけど……ノーマルタイプならやりやすいか。エルレイド、サイコカッター!」
「ポコキング、炎のパンチ!」
ポコキングはエルレイドが飛ばした念動力の刃を、火炎を灯した拳を打ちつけて相殺した。
「サイコパンチ!」
そして続け様に念動力を込めた拳を、ロケットパンチのように放つ。
エルレイドはその拳の直撃を喰らってしまい、大きく吹っ飛ばされる。
「くっ。エルレイド、ドレインパンチだ!」
エルレイドは淡く光る拳を構え、ポコキングに殴りかかる。
「ポコキング、炎のパンチ!」
しかしポコキングはエルレイドの拳に合わせて同じように拳を突き出し、パワーで劣るエルレイドを再度吹っ飛ばす。
「なんてパワーだ……エルレイド、力比べだと不利だ。死角を狙って攻めるぞ、リーフブレード!」
エルレイドは素早くポコキングの背後に回り込むと、草木の力を宿した刃で切り裂く。
「ポコキング、炎のパンチ!」
「エルレイド、回避だ!」
ポコキングは体を半回転させて火炎を灯した拳を振り下ろすが、そこにはもうエルレイドはいない。
「アイスブレード!」
先ほどの回避でポコキングの背後に回っていたエルレイドは、氷結させた刃でポコキングを切り裂く。
「パワーに対抗するなら、スピードか。ならこいうのはどうだ? ポコキング、ピッカリ球」
ポコキングはピカピカと光る球体を作り出し、それを自分の足元に叩きつけるように落とす。
すると目が眩むような、というか実際眩んでいるのだが、とにかく激しい閃光が放たれた。
エルレイドはあまりの光に目を閉じてしまい、視界が完全に遮断される。
「しまった……!」
イリスがそう呟いた次の瞬間、鈍い音が聞こえ、目を開けるとエルレイドが倒れていた。
「エルレイド!」
イリスが叫ぶと、エルレイドはふらふらながらも立ち上がった。まだ戦闘不能というわけではないようだが、かなり消耗している。
「そろそろ終わりか。ポコキング、サイコパンチ!」
「エルレイド、かわせ!」
エルレイドはポコキングの放つサイコパンチを辛うじて回避する。
「ドレインパンチ!」
そしてポコキングに接近し、淡く光る拳を叩き込む。
しかし疲労で威力が落ちているのか、エルレイドの傷はあまり回復しなかった。
「なら、連続でドレインパンチだ!」
エルレイドは数に物を言わせ、とにかくポコキングに拳を叩き込む。
「アイスブレード!」
最後には氷結した刃でポコキングを切り裂く。
しかし
「大した猛攻だが、それでも私のポコキングは倒れんよ」
ポコキングはそれなりには喰らったようではあるが、戦闘不能ではない。あれだけ効果抜群の攻撃を喰らいながら、今だ立っている。
「では、一思いに一撃で決めようか。ポコキング、ギガインパクト!」
ポコキングは膨大なエネルギーをその身に纏い、猛烈な勢いで突撃する。
「エルレイド、回避だ!」
エルレイドは重い足を引きずるようにしてギガインパクトをかわそうとするが
「!? エルレイド!」
その時、エルレイドは何かの攻撃を受け、膝を着いてしまった。
これは、フォリキーがやられる前に放った、未来予知だ。
「こんなタイミングで……!」
ポコキングは動けないエルレイドに猛突進し、エルレイドは吹っ飛ばされた。
「エルレイド!」
体力がほぼ限界だったエルレイドがその大技を耐え切れるわけもなく、エルレイドは戦闘不能となった。



今回もイリスとセンリのバトルです。言われなくても分かっているでしょうが、正直、書く事がないのです。でも途中で投げ出すわけにはいきません、ここまでやってきたわけですから、たとえネタがなくても、なんとかして埋めなくては。とか言っている間にも、あとがきは埋まっていくんですけどね。では次回もイリスとセンリのバトルですが、もうすぐ決着です。たぶんあと二回くらいになるでしょう。では、次回もお楽しみに。


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