二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 415章 イリスvsアデク ( No.560 )
- 日時: 2012/12/17 00:27
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ポケモンリーグ、最後の試練。
四天王達が守護する四つの塔の中央にある像から下へ降りていくと、目の前に広がるのは広大と言うべき長く広い階段。そしてその先に構えるのは、聖なる神殿。
その神殿の内部にて、イリスは一人の男と向かい合っている。
「……お久しぶりです、アデクさん」
「ああ。ちゃんと会ったのは、ゲーチスとの戦い以来だな」
その男は、威風堂々とした佇まいで、言葉を発する。
燃える太陽のような髪、年季の入った白いマントと、丈がボロボロのズボンを履いているが、その姿は言い様もない威圧感がある。
「本来ならば、儂を倒したNがチャンピオンになるはずだったのだが……奴はすぐに蒸発してしまったゆえに、儂が今のチャンピオンを務めている」
「まあそうなりますよね……Nは戻ってきましたけど、やっぱりイッシュのチャンピオンは、あなたが似合っていますよ」
「それはチャンピオンに挑む者の台詞ではないだろう」
普通に会話しているようだが、イリスからすれば虚勢を張っているようなものだった。一年前とは違う、空気がピリピリとし、何か喋っていないと押し潰されそうな感覚に陥る。
一年前はイッシュを放浪していたアデクだが、彼もまた、この一年で変わったということか。
「さあ、御託はこのくらいするぞ。どちらが強いか、イッシュのチャンピオンは誰か、この地方の最強は誰なのか、それを決めようではないか」
「……ええ、望む所です」
そして二人は、それぞれボールを構えた。
「凍てつく吹雪の中を行け! バイバニラ!」
アデクの一番手は、ブリザードポケモンのバイバニラ。枝分かれしたアイスクリームのような姿が特徴だ。
「出て来い、エルレイド!」
対するイリスのポケモンはエルレイド。氷タイプに格闘技で弱点が付ける上、特防が高いため特殊技の多いバイバニラには有効的だ。
「ふむ、定石通りに攻めて来るか。お前さんらしい。バイバニラ、吹雪!」
バイバニラは大きく息を吸うと、口から猛烈な吹雪を放った。ブリザードポケモンの名に恥じない、強力な吹雪である。
「エルレイド、サイコバレット!」
対するエルレイドはその吹雪を避けようともせず、念動力によって生成された銃弾を乱射し、吹雪を突っ切ってバイバニラを攻撃。無理やり吹雪を中断させてしまう。
「そこだ、影討ち!」
そしてすぐさま影に入り込み、バイバニラの後ろを取る。そして肘の刃を一閃させるが、
「効かぬよ。バイバニラ、鉄壁!」
バイバニラはエルレイドが刃を振り下ろす直前に体を鋼鉄のように硬化させ、影討ちを防御する。
「っ……ならこれだ。マグナムパンチ!」
「鉄壁だ!」
エルレイドは続けて大砲のような勢いで拳を突き出すが、ゴォン! というドラでも叩いたかのような音が響くだけで、バイバニラは平然としている。
「反撃だ、バイバニラ。ラスターカノン!」
バイバニラはくるりと反転し、光を集束したエネルギー弾を発射する。エルレイドはサッと体を横にずらしてかわし、一旦バイバニラと距離を取る。
距離が出来たところでエルレイドは、拳を痛そうに押さえた。どうやらさっきのバイバニラの硬さは、拳を痛めるほどだったらしい。
「このバイバニラは防御系統を集中して鍛えているのでな、弱点の攻撃を受けても早々落ちはせんよ。まあしかし、攻撃に関しては、少々控えめだがな」
確かに、バイバニラの吹雪は強力なものではあったが、エルレイドはあまりダメージを受けていない。サイコバレットが簡単に突っ切れたこともあるので、アデクの言うことは真実だろう。しかし、
「攻撃が通らないのは厄介だな……エルレイド、サイコバレットだ!」
「鉄壁だ、バイバニラ!」
エルレイドは念動力で生成した銃弾を無数に連射するが、バイバニラはそれらの銃弾を全て弾き飛ばしてしまった。
「ラスターカノン!」
「影討ち!」
バイバニラが放つ光弾を、エルレイドは影に潜り込んで回避。バイバニラの背後に回り込み、刃による一撃を入れるが、やはりダメージはほとんど通っていない。
「吹雪だ!」
「かわしてアイスブレード!」
体を反転させて吹雪を放つバイバニラ。エルレイドはすぐに吹雪の攻撃範囲から脱し、凍てつく刃を振るうが、ダメージはないに等しい。
「くっそ、硬すぎる。どこかに隙はないのか……?」
この時イリスは、フレイのストータスを思い出していた。あのポケモンも、相当な硬さを誇っており、彼女の言うことが正しいのなら、恐らくこのバイバニラよりも硬い。加えてあちらは、攻撃力も高かった。
「バイバニラ、吹雪!」
イリスが思考している間にも、バイバニラは攻撃を行う。口から猛烈な吹雪を放つが、エルレイドは影に潜り込んでやり過ごす。攻撃はあまり意味がなさそうなので、とりあえず時間稼ぎのために影に潜っておく。
「考える時間が欲しいのは分かるが、老いぼれても儂とてトレーナーだ。作戦が立つまで相手を待ってやるほど甘くはないぞ。バイバニラ、ラスターカノン!」
バイバニラは自身の正面に光を集束させ、影に向かって放つ。
すると、影からエルレイドが弾き出された。ダメージはあまり受けていないが、どういう理屈なのか、ラスターカノンで影から引きずり出せるようだ。
「なら、サイコバレット!」
エルレイドはそのまま念動力で生成された銃弾を乱射してバイバニラを攻撃するが、やはり銃弾は全て弾かれてしまう。全くダメージが通っていないわけでもないだろうが、効果が薄いのは確かだ。
「バイバニラ、ラスターカノン!」
「エルレイド、かわしてマグナムパンチ!」
バイバニラの光弾の第三射が放たれる。しかし今度は跳躍して回避され、エルレイドの接近を許してしまう。
バイバニラに近づくことに成功したエルレイドは、大砲のような勢いで拳を振り抜き、バイバニラの顔面を殴りつけるが、三回も鉄壁を使用したバイバニラに有効打をあたえることはない。むしろこちらの拳を痛めてしまう。
「バイバニラ、吹雪で引き剥がせ!」
「エルレイド、後に下がってサイコバレット!」
バイバニラはブリザードのような猛吹雪を放つが、エルレイドへの効果は薄い。むしろエルレイドにその風の勢いを利用されて後ろに下がられ、念動力の銃弾を受けてしまう。
しかしその銃弾も、バイバニラは全て弾き返す。その氷の体は、今は鋼鉄よりも硬い。
「もう一回、サイコバレット!」
エルレイドは懲りずに念動力で生成した銃弾を連射し、バイバニラを攻撃。
「ラスターカノンだ!」
バイバニラも銃弾を弾きながら、光を一点に集約させた光弾を発射する。エルエイドに直撃するが、あまりダメージが通っているようには見えない。
「うーむ……どうにも、お互い決定打に欠けるな。仕方ない、あれを使うか」
ぼそりと、アデクはそんなことを呟く。
バトルに集中しているイリスにアデクの呟きが聞こえるはずもなく、イリスはエルレイドに指示を出す。
「サイコバレット!」
「まだ来るか。吹雪!」
吹き荒れる猛吹雪の中、無数の銃弾がそれに逆らって飛び、氷の体に直撃。しかしいとも容易く弾かれる。
「ラスターカノン!」
バイバニラは自分の正面、その一点に光を集約させ、一発の光弾を発射する。
「影討ちだ!」
エルレイドは影に潜り込んでその光弾をやり過ごし、今度は背後ではなくバイバニラの正面から出て来る。そして、
「上からマグナムパンチ!」
影からぬっと出て来ると、地面を蹴って飛び上がり、バイバニラの頭——ちょうど冷気を放出する角の部分に、大砲の如き思い拳を叩き込む。が、しかし、
「これでもダメか……!」
バイバニラへのダメージは、顔面を殴った時と変わらないように見える。やはり見える位置に弱点はないのか、素直にエルレイドを戻すべきかと、イリスが逡巡したその時、バイバニラは動き出した。
角から尋常じゃない量の冷気を放ち、自分もろともエルレイドを包み込む。そして、
「バイバニラ、絶対零度!」
その瞬間、冷気が覆っていた空間が、凍結した。
「! ……エルレイド!」
エルレイドは完全に凍りつき、ピクリとも動かない。
やがて氷が砕け散ったが、出て来たエルレイドはぐったりとしており、完全に戦闘不能だ。
「絶対零度、一撃必殺か……!」
「その通りだ。あのまま泥仕合を続けていても、面白くなさそうだったのでな」
確かに、互いに決定打がない状況だったのであの調子でバトル続行すれば、いつ終わるか分かったものじゃない。
それに、攻撃能力の低い耐久型に一撃必殺の技を覚えさせるというのも、分からない選択ではない。
「……戻れ、エルレイド」
イリスはエルレイドをボールに戻し、次のボールを手に取る。
「そのバイバニラにはしてられれましたが、次はこうはいきませんよ」
「ああ、全力でかかって来るがいい。こちらも、全力で受け止めよう」
かくして、イリス対アデク、イッシュのチャンピオンを決める戦いは、現チャンピオンのアデクが最初に勝利を収めたのであった。
はい、ついにやってきましたチャンピオン、アデク戦。何気にこの二人のバトルは初めてです。最初のバトルはアデクに取られてしまいましたが、まだまだバトルは続くので、勝負の行方は分かりません。では次回はアデク戦その二です。お楽しみに。
- Re: 416章 木乃伊 ( No.561 )
- 日時: 2012/12/18 02:22
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来い、デスカーン!」
イリスの二番手はデスカーンだ。
鉄壁を持つバイバニラ相手ならデンリュウなどの特殊アタッカーでも良かったが、アデクの言うことが本当なら、バイバニラは防御だけでなく特防も高いはず。それならば単純なアタッカーよりも、デスカーンのような耐久型の方が戦いやすい。
「デスカーン、まずは鬼火だ!」
デスカーンは周囲に青白い火の玉を発生させ、それらをゆらゆらとバイバニラへ放つ。
「吹き飛ばせ、吹雪!」
バイバニラは向かい来る鬼火に向かって猛吹雪を放つ。如何にこのバイバニラの特攻が控えめと言えど、鬼火程度の炎なら簡単に吹き飛ばしてしまうだろう。しかし、
「デスカーン、サイコキネシス! バイバニラに直撃させろ!」
デスカーンは念動力を放ち、バイバニラを攻撃。しかしこの時デスカーンは、念動力でバイバニラを攻撃したわけではない。
「むっ、これは……!」
吹雪の範囲から逸れてバイバニラを襲うのは、無数の火の玉。そう、鬼火だ。
デスカーンはサイコキネシスで鬼火を操り、速度をつけてバイバニラへと直撃させる。擬似的な炎攻撃なためか、バイバニラへのダメージは中々、しかも鬼火の効果で火傷状態だ。
「ぬぅ、やるではないか。バイバニラ、ラスターカノン!」
光がバイバニラの正面で集束され、一つの塊と化す。バイバニラはその光弾をデスカーンに向けて発射するが、
「送り返せ、サイコキネシス!」
デスカーンの念動力に操られた光弾はまっすぐバイバニラの下へと戻っていき、氷の体に直撃する。
「シャドーボール!」
それに追い打ちをかけるように影の球が四発バイバニラを襲う。
このバイバニラ、防御能力は高いらしいが体力はそれほど多くないようだ。もうひと押しと言ったところか。
「一気に攻めるぞ、シャドーボール!」
「吹雪!」
デスカーンが放つ四つの影の球を、バイバニラは吹雪で逸らす。
「続いてラスターカノン!」
「サイコキネシスだ!」
続けて光弾を放つが、光弾は念動力に止められ、そのままバイバニラに送り返される。効果抜群なので、ダメージはわりと大きい。
「決めるぞデスカーン、シャドーボール!」
最後にデスカーンは四発の影の球を発射しバイバニラを攻撃。
火傷のダメージもあってかバイバニラは地面に落ち、戦闘不能となった。
「戻れバイバニラ、よくぞ戦ってくれた」
アデクは労いながらバイバニラをボールに戻し、数珠繋ぎで首にかけているボールの一つと取り換える。
「では行くぞ。暗き龍の洞穴を行け! クリムガン!」
アデクの二番手は洞穴ポケモン、クリムガン。深紅の顔と青い体に生えた棘、ゴツゴツとした肌が特徴の、ドラゴンタイプのポケモンだ。
「クリムガン、ドラゴンクロー!」
クリムガンは鋭い龍の爪を振りかざし、デスカーンへと接近する。
「デスカーン、とりあえず一回耐えろ。それから反撃でシャドーボールだ」
デスカーンは手足を棺桶の中に引っ込め、防御態勢を取る。その直後に黄金の棺を引き千切らんばかりの勢いでクリムガンの爪がデスカーンを捉えた。
「今だ!」
しかしこのくらいの攻撃なら、デスカーンに耐えられないはずがない。デスカーンはすぐに四つの腕を伸ばし、それぞれから影の球を発射。クリムガンを攻撃するが、
「構わん、噛み砕く!」
クリムガンはシャドーボールの直撃を喰らいながらも、デスカーンの腕の一本に顔を近づけ、がぶりとかぶりつく。
噛み砕くは悪タイプの技。流石のデスカーンもこれは応えたようで、聞くに耐えない絶叫を上げた。
「やばい……デスカーン、パワーシェア!」
デスカーンは絶叫しながらも、すぐに自身とクリムガンを光で包み込み、同じ光で繋ぐ。
これでデスカーンとクリムガンの攻撃能力は共有され、同じ値となる。さらに、
「鬼火!」
いまだかぶりついているデスカーンに青白い鬼火をぶつける。これでクリムガンは火傷状態だ。
「クリムガン、アクアテール!」
「耐えろデスカーン!」
ようやっとクリムガンはデスカーンを解放したが、すぐに水流を纏わせた尻尾を金色の体に叩き付ける。
だがそこは、イリスの手持ちで最も高い耐久力を持つデスカーンだ。すぐに防御形態になり、ダメージを軽減。そのままクリムガンを弾き飛ばした。さらに、それだけではなかった。
クリムガンがアクアテールを繰り出した後、クリムガンの体から不気味な闇の瘴気が発される。
「特性ミイラ。そのクリムガンは、力ずくの特性で噛み砕くの威力を上げていますよね。それを封じさせてもらいました」
デスカーンの特性はミイラ。触れた相手の特性を、強制的にミイラに変えてしまう。それによって追加効果が発生しない代わりに技の威力を上げるクリムガンの特性、力ずくを無効化したのだ。
「パワーシェア、鬼火、そしてミイラか……どうやら、よっぽど相手の攻撃を邪魔したいようだな」
「それがこいつの取り柄みたいなものですからね。デスカーン、シャドーボールだ!」
デスカーンは四つの影の球をクリムガンへと発射した。パワーシェアでクリムガンの特攻がいくらかプラスされているため、弾速はそこそこ上がっている。
「全て撃ち落とせクリムガン、ダストシュート!」
対するクリムガンはゴミの塊を引き千切って大雑把に四等分し、それぞれ向かってくる影の球に向かって投げ飛ばし相殺した。
「もう一発ダストシュート!」
技同士の相殺によって発生した砂煙の中から、クリムガンは再びゴミの塊を投げ飛ばす。
本来ならばここでサイコキネシスを使って止めるところだが、砂煙で視界が悪いデスカーンは、攻撃が当たるギリギリまでゴミの塊に気付けず、直撃を受けた。
「クリムガンは暗き洞穴に住むポケモンだ。砂煙の中でも、問題なく辺りを見通せる。クリムガン、ドラゴンクロー!」
クリムガンは龍の力を爪に込め、大きく振りかぶって突貫する。
「くっ、デスカーン、サイコキネシス!」
デスカーンの念動力でクリムガンの動きを止めるが、
「打ち破れ! ドラゴンクロー!」
クリムガンは気合で念動力の拘束を解いてしまい、勢いそのままにデスカーンへと突っ込み、龍の爪で切り裂く。
「噛み砕く!」
そしてさらなる攻撃。クリムガンは大口を開けてデスカーンの腕にかぶりつく。
パワーシェア、火傷、ミイラで力ずく無効と、クリムガンの攻撃力は相当下がっているはずだが、それでもダメージが大きい。
「引き剥がせ、サイコキネシス!」
不気味な悲鳴を上げ続けるデスカーンは、念動力でかぶりつくクリムガンをなんとか引き剥がし、空中へと持ち上げる。もしまた念動力の拘束を破っても、空中ならすぐに攻撃には移れないだろうという判断だ。
「そこだ、シャドーボール!」
空中で無防備な状態を晒しているクリムガンに向かって、デスカーンの影の球が四発飛ぶ。四発とも直撃したが、クリムガンはままだやる気のようで、拘束を無理やり解き、咆哮を上げる。
「くぅ、打たれ強いな……!」
とはいえクリムガンは現在火傷状態。いずれ体力が尽きるのは保証されているので、問題はそれまでどう生き残るかだ。
「クリムガン、噛み砕く!」
クリムガンは牙をガチガチと鳴らしながら、デスカーンに向かって駆けだす。
「デスカーン、とにかくクリムガンを寄せ付けるな! シャドーボール!」
デスカーンは四発ではなく、それぞれの腕から連続で何発もの影の球を発射する。数が多い分威力や精度は落ちるが、それでもクリムガンの動きを一瞬でも止めることは出来るだろう。そしてその止まった一瞬で、
「サイコキネシス!」
クリムガンを拘束、空中に持ち上げる。
しかし今度は攻撃をぶつけたりはしない。最大パワーの拘束で縛り付け、動きを封じる。つもりなのだが、
「アクアテール!」
またもクリムガンは無理やり拘束を解いてしまい、水を纏った尻尾をデスカーンの脳天に叩き込む。
「続けて噛み砕く!」
「っ……サイコキネシス!」
アクアテールで怯んだデスカーンに向かって、クリムガンは牙を剥く。デスカーンは念動力で止めようとするも打ち破られてしまい、デスカーンの腕にクリムガンの牙が食い込む。
「さあ、これで終いとしようではないか、クリムガン。連続でドラゴンクロー!」
クリムガンは頭でかぶりついた腕を引っ張って、デスカーンを引き寄せる。そしてデスカーンがクリムガンの攻撃射程圏内に入った瞬間、クリムガンは目にも止まらぬ怒涛の連続ラッシュを黄金の体に炸裂させる。噛み砕くで固定しているので吹っ飛ぶこともなく、龍の爪による連続攻撃は絶え間なく続き、そして、
「デスカーン!」
最後の一撃がデスカーンを捉えたと同時に牙の拘束が解け、デスカーンは吹っ飛ばされる。
地面に叩き付けられたとき、デスカーンは既に戦闘不能となっていた。
やって来ましたイリス対アデクその二。イリスの二番手デスカーンがきっちりバイバニラを倒しましたが、続くアデクのクリムガンにより、またもイリスは先手を取られるような形で敗北してしまいました。にしてもクリムガン強いですね。最近思ったのですが、僕の小説に出て来るポケモンって、なんだか能力が極端というか、軽く力のインフレ起こしてません? そんなこんなで次回はアデク戦その三。カトレアに長く使いすぎてしまったため、彼女より短めに終わるかな? 次回もお楽しみに。
- Re: 417章 騎士 ( No.562 )
- 日時: 2012/12/19 00:35
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「戻れデスカーン」
イリスはデスカーンをボールに戻す。
アデクのクリムガン、予想以上の攻撃力だ。となると、単純に防御が高いだけでは、やられてしまう。体力はデスカーンが削ってくれたので、もうひと押しだろうが——
「……ちょっと早いけど、お前に頼むとするか。出て来い、リーテイル!」
イリスの三番手はリーテイル。攻撃が高いのならかわせばいい、という判断だ。ドラゴンビートで弱点も突ける。
「ほぅ、しかしクリムガンはダストシュートを覚えているぞ。それも、かわしきるつもりか?」
「当然です。リーテイル、エアスラッシュ!」
まずは牽制として、背中の葉っぱを羽ばたかせ、大量の空気の刃を飛ばす。
「耐えろクリムガン! ダストシュート!」
クリムガンは刃に切り裂かれながらも、両手の中でゴミの塊を凝縮させ、攻撃が止むと同時にリーテイルへと投げ飛ばす。
「かわしてエアスラッシュ!」
放物線を描くように放たれるゴミの塊を軽々と避け、側面からクリムガンに空気の刃を飛ばし、切り裂く。
「ダストシュートだ!」
「エアスラッシュ!」
クリムガンはダストシュートで反撃しようとするが、それより速く空気の刃がクリムガンを切り裂いたため、攻撃は中断。クリムガンは怯んでしまった。
「そこだ、ドラゴンビート!」
リーテイルはその隙を見逃さない。龍の鼓動のような音波を放ち、クリムガンを吹っ飛ばす。
クリムガンは強かに地面に叩き付けられ、目を回し戦闘不能となっていた。
「むぅ、戻れクリムガン」
アデクはクリムガンをボールに戻し、首にかけているボールの一つと取り換える。
「草・飛行タイプのリーテイルならば、このポケモンが適任か。気高き騎士の道を行け! シュバルゴ!」
アデクの二番手は騎兵ポケモンシュバルゴ。鋼鉄の甲冑を身に付け、両腕は赤と白のランス、頭に赤い鬣のような飾りがあり、騎士のような出で立ちだ。
「虫・鋼タイプのシュバルゴか。とすると、リーテイルじゃ厳しいか……」
タイプ相性的に、リーテイルの主力技がほぼ全て半減以下。唯一エアスラッシュは等倍だが、硬いシュバルゴにどこまで通用するか。
「戻れ、リーテイル」
とそこで、イリスはリーテイルを戻す。
「ほぅ、交代するか。そのまま攻めてくると思ったのだがな」
「流石に相性が悪すぎます。リーテイルの火力は、深緑が発動しないと平均値より少し上程度ですからね」
言いながら、イリスはボールを構えた。
「頼むぞ、ディザソル!」
イリスが繰り出したのは、なんとディザソル。悪タイプなので、虫タイプとは相性が悪いが……
「何か企んでおるな……まぁいい。全力で迎え撃つぞ、シュバルゴ! メガホーン!」
シュバルゴは腕のランスを構え、物凄い勢いで突っ込んで来る。意外と速い。が、しかし、
「その程度のスピードならかわせる。ディザソル、スプラッシュ!」
ディザソルは突き出されるランスを跳躍してかわし、シュバルゴの脳天に水流を纏った尻尾を叩き付ける。
「しっかし硬いな……」
そう、シュバルゴはスプラッシュの直撃を受けてもなお、平然としており、再びランスを突き出してくる。
「かわして辻斬り!」
ディザソルは軽々とその攻撃を避け、漆黒の鎌で鋼鉄の甲冑を切り裂く。
「スプラッシュで吹っ飛ばせ!」
直後、身体を回転させながらディザソルの尻尾がシュバルゴを捉え、吹っ飛ばした。
その瞬間、アデクは驚いたように目を見開く。
「今のは、カトレアの……」
「はい。彼女のメタグロスの動きを、真似てみました」
カトレアのメタグロスは、スプラッシュを放つ際に身体を回転させ、素早く切り返していたが、それと同時に遠心力で攻撃力も増していた。
その身を持ってあの動きからの攻撃を知っているディザソルなら、それくらいの芸当はできるかと思ってやらせてみたが、上手くいったようだ。
「四天王の技術を真似てしまうとは、なかなかどうして大した奴だ。しかし、儂のシュバルゴはそのくらいではやられんよ。シュバルゴ、アイアンヘッド!」
シュバルゴは一度態勢を立て直すと、鋼鉄の頭を突き出して突進してくる。
「かわしてスプラッシュ!」
ディザソルはシュバルゴの攻撃を軽く受け流し、またも足一本を軸として一回転し、尻尾に纏った水流でシュバルゴを吹っ飛ばす。
「続けて辻斬り!」
「燕返し!」
追い打ちとして鎌のような角を構え駆け出すディザソルだが、シュバルゴも同時に燕返しを繰り出し、互いに切り結ぶ。
「ディザソル、一旦退いて神速!」
しかしすぐにディザソルは身を退き、シュバルゴの態勢が崩れたところで神速を繰り出し攻撃。
「シュバルゴ、メガホーンだ!」
直後にシュバルゴのランスが勢いよく突き出されるが、これもディザソルはかわしてしまう。
「ならば燕返し!」
だがシュバルゴもそこでは止まらい。カトレアに負けず劣らずの切り返しでランスの切っ先を向けて来る。
「それはかわせないな。辻斬りで迎え撃て!」
ディザソルも同じように鎌を振るい、ランスを受け止める。
「スプラッシュ!」
そしてすぐにランスを受け流し、体当たりをするように飛沫を散らしながらシュバルゴを大きく後退させる。
「アイアンヘッド!」
シュバルゴは後退しても頭を突き出してすぐに前進するが、これもかわされる。
ここまでで、ディザソルはノーダメージ。シュバルゴも大きな傷は負っていないが、少しずつ削られているのは確かだ。この調子で体力を少しずつ削っていけば、いずれシュバルゴも倒れるだろう。
(とはいえ、それまでにディザソルの体力がもつかどうか……なるべく一気に決めたいから、あの技の出しどころは選ぶな)
しばし逡巡してから、イリスはディザソルに指示を出す。
「ディザソル、辻斬り!」
漆黒の鎌を煌めかせ、ディザソルは駆ける。そしてシュバルゴの鋼鉄の甲冑の弱点を探しつつ、その身体を切り裂いていく。
「シュバルゴ、一撃でも当てれば奴は倒れるはずだ。狙いを定めて放てぃ、メガホーン!」
シュバルゴは切り裂かれながらもディザソルの動きをジッと観察し、その足が止まった一瞬を見て、ランスを突き出した。しかし、
「スプラッシュ!」
紙一重でシュバルゴのランスは外れ、顔面に水流を纏った尻尾を叩き付けられる。どうやら足の動きにフェイントを入れていたようだ。
「もう一発スプラッシュ!」
「シュバルゴ、今度こそ迎え撃て! メガホーン!」
ディザソルは尻尾に水流を纏わせて振るい、シュバルゴは気合のこもったランスを勢いよく突き出す。だが結果は見えている。
シュバルゴが攻撃するタイミングに合わせて身を捻り、ディザソルの尻尾がシュバルゴを捉えた。
「続けて辻斬り!」
加えて漆黒の鎌による斬撃。効果はいまひとつだが、急所に当たれば儲けもの……とはいえ、このシュバルゴの特性はシェルアーマーなので、イリスのその目論見は、完全に失敗しているのだが。
しかしそれでもシュバルゴにダメージを与えているのには変わりはない。小さなダメージを少しずつ積み重ねていき、来たるべき時に一気に決めるのだ。
「シュバルゴ、メガホーンだ!」
やけっぱちというか、是が非でも当てたいというような気概で、シュバルゴは両腕のランスを構えた。一本で当たらないのなら二本という考えなのだろうか。流石にそれは浅はかだろうと思いつつ、ディザソルは構える。
思わず怯んでしまいそうなほどの覇気がこもった二本のランスがディザソルに襲い掛かる。しかしディザソルがそれをかわすのはたやすく、最低限の動きで回避。シュバルゴの後ろを取った。
しかもシュバルゴは、ランスが二本とも地面に深々と突き刺さってしまい、身動きが取れない状態だ。
イリスはこれを好機と見、勝負を決める技を指示する。
「ディザソル、怒りの炎!」
ディザソルは一歩後退し、怒り狂ったように燃え盛る業火を発生させ、無防備なシュバルゴへと放つ。
業火はみるみるうちにシュバルゴを取り囲み、包み込む。その甲冑は灼熱の炎に焼かれ、炎が消える頃には地面に横たわる一体の騎士の姿が見えるであろう——イリスは、そう思っていた。
しかし、
「シュバルゴ、カウンター!」
突如、炎の中からシュバルゴが飛び出す。今までにない覇気、気迫、怒気を露わにし、鋭き大槍を突き出す。
「ディザソル!」
あまりにいきなり——そうでなくても、四倍弱点の怒りの炎を耐えきるという予想外の事態に驚き、イリスもディザソルも咄嗟に動くことが出来ず、その槍の直撃を受けてしまう。
ディザソルはこれでもかというくらいに吹っ飛ばされ、壁に叩き付けられて戦闘不能となった。
「怒りの炎を耐えてのカウンター……なんて耐久力だ」
ディザソルを戻しつつ、イリスは呟く。
とはいえシュバルゴの体力も残り僅かだろう。先ほどのカウンターの威力が、それを物語っている。
イリスは少し悩んで、次なるボールを手に取った。
「……よし、次はこいつだ。頼んだぞ」
アデク戦、その三です。アデク強いです。ここまでで一度もイリスに先勝させていません。シュバルゴも最後の最後で逆転しました。こうして見ると、最初のバイバニラと合わせて、アデクは最後に戦況を引っくり返すような戦い方をしますね。クリムガンはそうでもないですが。では次回はアデク戦その四、お楽しみに。
- Re: 418章 命懸け ( No.563 )
- 日時: 2012/12/20 01:14
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来いウォーグル!」
イリスが繰り出すのはウォーグル。残り体力が僅かなシュバルゴなら簡単に落とせる。
「まずはこれだ。ビルドアップ!」
ウォーグルはカウンターを警戒し、確実に一撃で決めるために筋肉を増強させる。
「シュバルゴ、アイアンヘッド!」
シュバルゴはもう体力がゼロに等しいというのに、鋼鉄の頭を突き出して果敢に攻めてくる。しかし、
「ウォーグル、ブレイブバード!」
対するウォーグルは青い炎のようなオーラを纏い、シュバルゴと激突する。
多少競り合ったが、すぐにウォーグルがシュバルゴを打ち破り、吹っ飛ばした。
「ここまでか。戻れ、シュバルゴ」
アデクは戦闘不能となったシュバルゴをボールに戻す。これでアデクの手持ちは残り三体だ。
「……ふむ、相手がウォーグルとなると、ちと厳しいな。こいつを使おうか」
シュバルゴを戻したボールと、首にかけているボールを入れ替え、アデクは次なるポケモンを繰り出す。
「忍びし密偵の道を行け! アギルダー!」
アデクの四番手は殻抜けポケモンのアギルダー。ライダーを髣髴とさせる意匠で、クールな印象を与えるポケモンだ。
「ウォーグル相手に虫タイプのアギルダー……何か策でもあるのか……?」
イリスはアデクのチョイスに、露骨に訝しげな表情をする。
「アギルダー、シグナルビーム!」
アギルダーは手の先からカラフルな光線を高速で発射する。
「速い……かわせウォーグル!」
ウォーグルは素早く羽ばたいて急上昇し、光線を回避した。
「鋼の翼!」
そしてそのまま急降下。翼を鋼のように硬化させ、アギルダーに突っ込む。
「かわしてアシッドボム!」
対するアギルダーは跳躍してウォーグルの攻撃をかわし、酸性の爆弾をぶつけて攻撃。
アシッドボムは攻撃と同時に相手の特防を下げる技。これでウォーグルの耐久力は落とされてしまった。
「もう一度、鋼の翼!」
ウォーグルは攻撃されながらも攻撃するが、アギルダーの動きは俊敏で、辛うじて掠ることはあっても、直撃することは皆無だった。
「アギルダー、後退してシグナルビーム!」
アギルダーは大きく距離を取る。そして色彩豊かな光線を発射し、ウォーグルを撃ち抜いた。
だが、ウォーグルへのダメージはさほど大きくない。アシッドボムの効果があるとはいえ、効果いまひとつなのだから大ダメージは期待できないが、それにしても威力が低い。
(もしかしてこのアギルダー……特攻が低いのか?)
そもそもアギルダーというポケモン自体、攻撃能力はそこまで高くない。さらにこのアギルダーは個体として特攻が低いのかもしれない。
とにかくこのアギルダーで気を付けるべきはアシッドボムだということを念頭に置いておく。
「アシッドボム!」
そうこうしているうちに、ウォーグルの顔面に酸性の爆弾が直撃する。さらに、
「シグナルビームだ!」
カラフルな光線が続け様に放たれ、ウォーグルは後退せざるを得なくなる。
しかしウォーグルへのダメージは少ない。やはりアギルダーの特攻は低いようだ。
「一撃でも入れば勝てる、そうでなくても少しずつ削っていけば、動きも鈍くなるはずだ。ウォーグル、鋼の翼!」
ウォーグルは鋼のように硬化させた翼を広げ、アギルダーへと突貫する。
「かわしてアシッドボムだ!」
アギルダーは横に跳んで突っ込んで来るウォーグルの攻撃をかわし、酸性の爆弾を投げつける。
いくらアギルダーの特攻が低いとはいえ、そう何度も特防を下げられてはたまらない。なのでウォーグルは鋼の翼でアシッドボムをシャットアウト。毒タイプ技なので、鋼タイプの技で無効化する。
「もう一度突っ込め!」
ウォーグルは素早く方向転換し、再びアギルダーへと突っ込むが、
「かわせアギルダー! ギガドレイン!」
今度は跳躍して鋼の翼を回避するアギルダー。さらにウォーグルから体力を吸い取り、少量だが減ってしまった体力を回復する。
「回復技もあるのか……!」
歯噛みするイリス。こうなってくると、本当に一撃入れなければならなくなってくる。
「試しにやってみるか……ブレイブバード!」
ウォーグルは全身に燃えるような超高密度のエネルギーを纏い、アギルダーに突撃するが、結果は見えている。
「かわしてシグナルビームだ!」
ウォーグルの全身全霊の突貫は呆気なく回避され、後ろからシグナルビームを直撃される。
「くっ、威力が低くても、何度も受けると厄介——」
そこで、イリスは気付いた。
今は無駄だと分かったが、アギルダーの体力を少しずつ削っていくつもりが、気付けばウォーグルの体力が少しずつ削り取られているではないか。
タイプ上有利なウォーグルなら、特攻が低いアギルダーの攻撃を喰らっても大丈夫、そう思い込んでいた。
小さなダメージも蓄積すれば大ダメージになる、それを相手に気付かれぬよう、最初に相手にその考えを植え付けることで、自身の作戦を隠していたのだ。
「危なかった。もう少しで、アデクさんの策略にはまるとこだった……」
流石はチャンピオン。豪快なようでいて、意外と考えているようだ。
「となると、今度は攻撃をかわす方が先決か、いや——」
ここで防御に回れば、それこそアデクの思うつぼだ。ならばここは、確実に決めるために動くべき。
「……浅はかすぎるけど、あの手で行くか」
上手くいくかは分からない、むしろ失敗する確率の方が高そうだが、当たれば勝ちは決定したようなもの。ウォーグルの大技なら、一撃でも入れば決着だ。
「ウォーグル、地面すれすれで鋼の翼!」
ウォーグルは一気に地面近くまで降下し、翼を硬化させながらアギルダーへと突っ込んでいく。
「何度来たところで、儂のアギルダーには当たらんよ。アギルダー、ギガドレイン!」
アギルダーは前方に宙返りしながらウォーグルの攻撃をかわし、体力を吸い取る。
「ウォーグル、方向転換! アギルダーを逃がすな!」
ウォーグルは素早く方向転換し、鋼の翼を繰り出すが、アギルダーには当たらない。
「距離を取ってシグナルビーム!」
アギルダーは後方に大きく跳び、カラフルな光線を発射してウォーグルを攻撃する。
攻撃中のアギルダーは無防備、しかも動きも完全に止まっている。しかけるなら、ここだ。
「今だウォーグル、ブレイククロー!」
ウォーグルは頑強な爪を構え、大きく振るう。しかし、それはアギルダーにではない。すぐ下の、神殿を形作っている足元の岩だ。
爪で岩を抉り、引っくり返すようにして岩の塊をアギルダーへと投げつける。
「おぉ……!? これはたまげた、この神殿の岩を抉り取ってしまうとはな。アギルダー、アシッドボムで溶かしてしまえ!」
アギルダーはその岩をかわそうとせず、強酸の爆弾をぶつけて溶解する。
だが、そこに襲い来る影が一つ。
「ブレイブバード!」
高密度のエネルギーを纏ったウォーグルが、アギルダーに向かって突っ込んできた。
「だからどうした。アギルダー、かわしてシグナルビーム!」
アデクの指示通り、アギルダーは横に跳んでブレイブバードの機動からずれようとした。が、しかし、
突如、アギルダーは石の礫に襲われて弾き戻されてしまう。
「なぬっ!」
アデクは目を見開いて声を上げた。
ウォーグルはブレイブバードで突っ込みながら、翼を地面に差し込むように飛行している。それによって神殿の床が削られて砂煙が立ち込め、同時に削られた石が礫となって前方に飛ばされているのだ。
「砂煙と石礫でアギルダーの退路を断つ、か。よくもまあ、そんな成功しそうにないことをしでかすものだ」
呆れるように、しかし同時に感心するように、アデクは呟く。
そして、ウォーグルがアギルダーへと迫る。この一撃が決まればアギルダーは間違いなく戦闘不能となる——
「アギルダー、命懸け!」
ウォーグルがアギルダーへと到達する直前、アギルダーが動き出した。
凄まじい気迫を纏い、命を懸けているような覇気を放ち、突っ込んで来るウォーグルと激突する。そして、
「なっ……ウォーグル!」
ウォーグルは、戦闘不能となっていた。
同じようにアギルダーも戦闘不能だ。
「い、今のは……」
「命懸けだよ」
アデクは言った。
「文字通り命を懸けて、相手を攻撃する技だ。自分が瀕死になる代わりに、自分の体力と同じダメージを相手に与えるのだ」
アギルダーの体力はギガドレインで回復していたこともあってほぼ満タン。確かにそれなら、ウォーグルを倒すだけのダメージを与えられるだろう。
「……戻れ、ウォーグル」
イリスはウォーグルをボールの戻す。アデクも同じように、アギルダーを戻し、首のボールと入れ替える。
「さあ、やっと勝負も楽しくなってきたところだ。盛大に行こうではないか!」
アデクはボールを握りしめ、そう叫ぶのだった。
さあさアデク戦もついに大詰め、互いの手持ちは残り二体です。にしても、本当にアデクはどんでん返しが好きですね。絶対零度、カウンターに続いて命懸けです。流石にもうお分かりでしょうが、アデクの手持ちはBWのものと全く同じです。では次回はアデク戦その五。五番目のあいつの特性はどうしようかと悩んでおります。では次回をお楽しみに。
- Re: 419章 闘牛 ( No.564 )
- 日時: 2012/12/21 21:46
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「大いなる生命の草原を行け! バッフロン!」
「次はお前だ。頼んだぞ、リーテイル!」
アデクの五番手は、頭突き牛ポケモンのバッフロン。
バッファローのような姿で、頭部がアフロになっているのが特徴だ。
対するイリスが繰り出すのは、機動力に優れるリーテイル。六匹目はアデクの最後のポケモンを見てから決めたいので、ここは既出のリーテイルにしたのだ。
「こっちから行きますよ。リーテイル、エアスラッシュ!」
リーテイルは羽ばたいて空中に飛び出すと、大量の空気の刃を飛ばしてバッフロンを切り裂く。
「むぅ、中々の量だな……バッフロン、ストーンエッジ!」
バッフロンは全身を切り裂かれながらも周囲に鋭く尖った岩を浮かべ、リーテイルへと発射する。
「かわしてドラゴンビート!」
リーテイルは旋回しながら襲い来る岩をかわしていき、横から龍の鼓動のような音波を放ち、バッフロンを攻撃。
音波は直撃したものの、タフなのか、バッフロンはその場から一歩も動かずに耐えきった。
「アフロブレイク!」
すぐに身体を半回転させ、バフッロンはリーテイルを睨み付ける。前傾をやや傾けてアフロ頭をこちらに突出し足を踏み鳴らすと、突如、凄まじい気迫と勢いで突撃してくる。
「なんて威力、これは捨て身か……? リーテイルかわしてリーフブレードだ!」
その鬼気迫る形相と勢いに気圧されそうになりながらも、リーテイルは横に体をずらして回避する。威力は高いのだろうが、所詮は直進して攻撃する技だ。恐れることはない。
そしてすぐに攻撃に移る。リーテイルは尻尾の葉っぱを構えてバッフロンに急接近し、その身体を切り裂いた——のだが、
「バッフロン、メガホーンだ!」
バッフロンは攻撃を受けた直後とは思えない切り返しで、リーテイルを突き上げる。強靭な角の一撃は、リーテイルの体に深く突き刺さった。
「リーテイル!」
天井にめり込むほど吹っ飛ばされたリーテイルは、かなりの痛手を負ってしまった。体力の半分どころか、四分の三くらいは削られただろう。
しかし、イリスのエースはピンチの時こそ最大の力を発揮する。リーテイルの特性深緑により、草タイプの技の威力が上昇するのだ。
「あのバッフロンは相当タフだ、出し惜しみをしてられる状況じゃないぞ。リーテイル、リーフストーム!」
大技で一気に決めるべく、リーテイルは嵐のように渦巻く烈風とともに大量の葉っぱを放ち、バッフロンを包み込む。
如何に耐久に優れたバッフロンと言えど、深緑が発動したリーテイルのリーフストームをそう簡単に耐えることなどできはしない。仮に倒れていないとしても、相当なダメージを与えられるはず。
だがしかし、イリスのその予想は、大きく外れる結果となるのだった。
「バッフロン、ストーンエッジ!」
突如、草の嵐の中から鋭く尖った岩が無数に飛び出した。
「!? リーテイル、回避だ!」
リーテイルはリーフストームを中断し、すぐにその場から離れる。
直後、リーテイルの背後にあった神殿の天井に、蜂の巣のような無数の穴が開いていた。今のストーンエッジだ。
「嘘だろ……深緑が発動したリーテイルのリーフストームを耐えるだけでも信じられないようなことなのに、その上この神殿の天井を貫通するほどの威力を持った攻撃を、すぐに撃ち返したって言うのか……!?」
愕然とするイリス。見ればバッフロンもあまり傷を負っていない、というかまるっきりノーダメージに見える。
そんなイリスを見かねたのか、アデクは嘆息しつつ言葉を挟んだ。
「……バッフロンの特性、草食だ」
「草食……? ……!」
そこでやっと、イリスは気付く。
「草食は草タイプの技を無効化し、ポケモンの攻撃力を上昇させる特性だ。お前さんのリーテイルは二度、バッフロンに草技を当てたな。お陰で、今のバッフロンの攻撃力は、かなり滾っておる」
「くっ……!」
どうやらイリスは、大きな失敗を犯してしまったようだ。
イリスは最初、バッフロンのアフロブレイクの気迫から、特性を捨て身だと思い込んだ。しかし実際は草食で、しかも既に攻撃力が二段階上昇している。
「あの攻撃力が、さらに上がるのか……!」
それも脅威なのだが、それ以上にリーテイルではバッフロンとは戦いにくい。
リーテイルの覚えている技の半分は草タイプの技。それらは全て無効化されるので、他の技に頼ろうにも、こんどは火力不足になる。
大きなダメージを負って深緑が発動しているリーテイルだが、今はその特性が全く生かされていない。かといって手負いのまま戻すのもどうかと、イリスは思い悩む。そして、
「……戻れ、リーテイル」
リーテイルをボールに戻した。
「ほぅ、戻すか。賢明な判断だな」
アデクはそう言うが、イリスがリーテイルを戻すことを確信していたかのような雰囲気がある。
だが、そんなことに構ってはいられない。アデクの六匹目に合わせて繰り出す予定だったが、最後のポケモン枠を、ここで行使する。
「頼んだぞ、ダイケンキ!」
イリスが繰り出すのはダイケンキ。リーテイル同様、安定した実力を持つイリスの初代エース。
ダイケンキは鋭い眼光でバッフロンを睨み付け、バッフロンも同じようにガンを飛ばす。
「やはり最後はダイケンキで来たか。大方、儂の六番手が何であれ、最も強いエースなら勝率が高いという算段なのだろう」
アデクの推理は正しかった。アデクの六番手が分からない以上、対策のしようがない。なので、地力においてはイリスの手持ちで最も強いダイケンキを選択した。
「今ここで教えておくと、儂の六番手はダイケンキとの相性は悪い。だが、ここでそやつを倒しておけば、なんら問題はない。バッフロン、ワイルドボルト!」
バッフロンは弾ける電撃をその身に纏い、先のアフロブレイクと同等、いや草食攻撃力が上がっている分、それ以上の気迫でダイケンキへと迫って来る。
「電気技を覚えていたのか……ダイケンキ、吹雪だ!」
ダイケンキは凍てつく猛吹雪を放ってバッフロンを攻撃するが、その勢いが衰えることはなく、ぐんぐんとダイケンキに迫る。
「だったら、シェルブレード!」
両脚の鎧からアシガタナを抜刀し、ダイケンキは十文字に構えてバッフロンの突撃を受け止める。
だが、予想以上の威力だ。ダイケンキはなんとか食い止めているものの、ずりずりと後退している。このままでは、突破されるのも時間の問題だろう。
「メガホーン!」
シェルブレードに加えて頭部の角も使い、バッフロンの勢いを止めようとするが、焼け石に水だ。バッフロンは止まることなく、ダイケンキを押している。
「ぐぅ……ならこれでどうだ! ダイケンキ、下からメガホーンで突き上げろ!」
ダイケンキはアシガタナをそのままにバッフロンを食い止め、頭を下げる。そしてバッフロンの腹に突き刺すように、鋭い角でバッフロンを突き上げた。
「なぬっ! バッフロン!」
下から力を加えられたバフッロンは、案外簡単に宙を舞い、地面に叩き付けられる。が、すぐにむくりと起き上がった。
「反撃を許すな。ダイケンキ、シェルブレード!」
ダイケンキは両手のアシガタナを投槍のように投擲し、バッフロンの足元に突き刺す。これで、一時的にでもバッフロンの動きが止まる。そして、
「吹雪だ!」
その隙に凍えるような猛吹雪を放ち、バッフロンを吹き飛ばす。
「これで決める、メガホーン!」
さらに地面を蹴ってダイケンキはバッフロンへと接近。大きな角をその身体に突き込み、突き飛ばした。
「ぬぅ……戻れ、バッフロン」
アデクは戦闘不能となったバッフロンをボールに戻す。そして、最後のモンスターボールと、入れ替えた。
「戻れ、ダイケンキ」
イリスもダイケンキをボールに戻す。直接の攻撃は受けなかったものの、バッフロンのワイルドボルトを受け止めたために、かなり疲労しているはずだ。ここは少しでも休ませておきたい。
「ふむ、まさかバッフロンがやられてしまうとはな。お前さんのダイケンキ、思った以上にやるではないか」
アデクはバッフロンを倒したダイケンキを称賛する。
「だが、お前さんのダイケンキでも、儂の最後のポケモンを倒すのは、簡単ではないだろうよ。なにせ、今の儂の親友と言っても差し支えないポケモンだからな」
どうやらアデクは、その最後のポケモンに相当な信頼を寄せているようだ。アデクの言うことが正しければそのポケモンは水タイプが弱点。相性で勝るダイケンキを倒せるほどの力を持ったポケモンだ。
イッシュ地方で最も強い男が、最も強いと思うポケモン。それは、一体——
「行くぞ、儂の最後のポケモン!」
イッシュ地方チャンピオン、アデク。イッシュ地方の英雄の片割れ、イリス。
この二人の壮絶なる戦いも、もうすぐ、幕を下ろす——
さて、今回はアデク戦その五です。イリスは草食バッフロン相手に痛恨のミス。しかし交代して出て来たダイケンキが、きっちり勝利を収めました。これでアデクの手持ちも残り一体。当然わかると思いますが、例のあいつです。マグカルゴの怨敵と言えるようなあいつです。では次回はアデク戦その六。もしからしたらエースだけ二章分になるかもしれません。次回もお楽しみに。
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