二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 476章 天地 ( No.695 )
- 日時: 2013/02/17 21:48
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
シロナはダイケンキの登場に、満足そうな笑みを見せるが、それも一瞬。すぐにいつものクールな表情を取り戻す。
「ごめん、ダイケンキ。やっぱり僕には君がいないとダメだ。君がいてこその僕のバトルだ。だから、頼む。これからも一緒に戦って欲しい」
イリスの真摯な言葉に、ダイケンキは黙って頷く。それだけで、二人の間には言葉以上の思いがやり取りされていた。
「よし、じゃあ行くよ。ダイケンキ、ハイドロカノン!」
「っ!?」
初っ端から最大級の大技を指示するイリスと、放つダイケンキ。流石のシロナも予想外だったのか、指示を出す間もなくガブリアスは吹っ飛ばされた。
「いきなり……ガブリアス、大丈夫?」
砂煙を上げて壁に激突したガブリアスだが、まだ戦闘不能ではない。
「ガブリアス、反撃よ。ぶち壊す!」
マッハポケモンの名に恥じぬスピードでガブリアスはダイケンキに突っ込み、全てを破壊する勢いでダイケンキに激突。今度はダイケンキが吹っ飛ばされた。
「ダイケンキ!」
ダイケンキもやられてはいない。貫禄のある鋭い眼光でガブリアスを睨み付けている。
「まだまだ! ダイケンキ、吹雪!」
「怒りの炎よ!」
ダイケンキは凍てつく猛吹雪を放つが、ガブリアスも同時に憤怒の炎を壁のように発生させ、吹雪を完全にシャットアウトしてしまう。
「ガブリアスの最大の弱点は氷タイプ。当然、その対策は怠っていないわ。次、ガブリアス、地震!」
力強く地面を踏み鳴らし、ガブリアスは地揺れを引き起こす。ダイケンキは比較的鈍重なため、避けることができず、直撃を受けてしまう。
「反撃だ! シェルブレード!」
地震を受け切り、ダイケンキは両脚からアシガタナを抜刀。水のエネルギーを纏い、二刀流でガブリアスに斬りかかる。
「弾き飛ばしなさい、ぶち壊す!」
ガブリアスも鬼気迫る勢いで爪を振るい、薙ぐように繰り出されるアシガタナを弾こうとする。が、しかし、
「っ!」
シロナは驚きの表情となる。
それはそうだろう。確かにガブリアスの攻撃はシェルブレードを弾いた。それだけの威力があったのだから当然だ。しかし、シロナはアシガタナごと弾くつもりだったに関わらず、ダイケンキはまだアシガタナを握っていた。つまり、攻撃は弾けても、得物は弾けなかったのだ。
ガブリアスも驚き戸惑う。その隙にダイケンキはもう一振りのアシガタナでガブリアスを切り裂く。
「メガホーン!」
さらに頑強な角も突き出し、ガブリアスを吹っ飛ばした。受け身も取れず、ガブリアスは再び壁に激突する。
「ガブリアスのぶち壊すを受けても弾けないなんて……やるわね。ガブリアス、地震よ!」
「シェルブレードだ! 地面に突き刺せ!」
ガブリアスは震脚し、地震を引き起こす。
そこでダイケンキはアシガタナを二振りとも地面に突き刺した。すると、地震がダイケンキを襲う直前、アシガタナが纏っていた水のエネルギーが爆散し、地震はダイケンキに届かなかった。
その光景に、再びシロナは驚愕する。
「シェルブレードで地震を防御なんて……! 初めてよ、こんなことは」
「それはいいですね。僕が最初の一回、一人目ですか。ダイケンキ、吹雪だ!」
ダイケンキは凍てつく猛吹雪を放つ。だが、ガブリアスとしてもこの攻撃だけは受けたくないので、
「それは効かないわよ。ガブリアス、怒りの炎!」
憤怒の炎で壁を作り、吹雪を防ぐ。そして炎が消えるのを待たずして突っ切り、ダイケンキへと接近した。
「ぶち壊す!」
そのまま爪を振り下ろし、ダイケンキの脳天に炸裂させる。トップクラスの攻撃力を誇るガブリアスの一撃だ。相当なダメージだろうが、ダイケンキは態勢すら崩さない。
「メガホーンで突き上げろ!」
ダイケンキはすぐさま角でガブリアスを突き上げる。だがガブリアスは空すら飛ぶポケモン。空中で態勢を立て直し、またダイケンキに突っ込んでいく。
「地震よ!」
「迎え撃て! 吹雪だ!」
直接地震の衝撃をぶつけるガブリアスに対し、ダイケンキは猛吹雪を放って対抗。ガブリアスは吹雪の直撃を受けて相当なダメージを負ったものの、その甲斐あってか、ダイケンキに地震を衝撃を叩き込んだ。
「でも、ちょっと吹雪は痛かったかしら。ガブリアス、ぶち壊す!」
ガブリアスは攻撃の手を止めず、両手の爪を振りかざして突貫。
「ぶち壊すか……だったら迎え撃つよ。ダイケンキ、シェルブレード」
ダイケンキもアシガタナの二刀流で、迫り来るガブリアスと切り結ぶ。
ガブリアスは力任せに何度も何度も爪を振り回す。単純な力比べでは、ダイケンキでもガブリアスには敵わない。なので真正面からはぶつからず、受け、いなし、弾き、捌きながらガブリアスに斬撃を加えていく。しかし、
「足元がお留守よ。ガブリアス、地震!」
ガブリアスは爪を引っ込めると、素早く地面を踏み鳴らし、地震を発生させる。
「しまっ——ダイケンキ!」
至近距離で地震の喰らったダイケンキは大きく吹っ飛ばされ、空中へと放り出される。
「逆鱗!」
そしてガブリアスも飛び上がり、正に逆鱗に触れたような怒りの形相で無防備なダイケンキに凄まじい乱打を浴びせる。一撃一撃がぶち壊す以上の破壊力を持ち、それが連続して繰り出される。最後に地面に叩き落とされたダイケンキの体力は、もう残り僅かだ。
「でも、逆鱗には混乱の効果がある。ダイケンキ、吹雪!」
「怒りの炎で防御!」
すぐに起き上がったダイケンキは凍てつく吹雪を放つ。ガブリアスも憤怒の炎で壁を作るが、混乱状態では上手く炎が出せず、壁は不完全なものとなった。よって完全に吹雪を防御することもできず、ガブリアスは弱まった雪風を受ける。
「シェルブレード!」
そしてダイケンキはアシガタナに水のエネルギーを纏わせて特攻。特性、激流が発動しているため、シェルブレードの刃は通常よりも大きく鋭くなっている。
「今度こそ弾きなさい、ぶち壊す!」
頭を振って無理やり混乱を解き、ガブリアスは爪を振るう。今度は力任せに弾くのではなく、ダイケンキの手元を的確に攻撃し、二振りのアシガタナを空中に弾いた。
「今よ。怒りの炎!」
さらに怒りの炎を放ち、ダイケンキを包囲。動きを止めるが、
「弾いたくらいじゃ、ダイケンキのシェルブレードは止まりませんよ!」
空中に弾かれたアシガタナは切っ先をガブリアスへと向け、重力だけのスピードとは思えない速さで落下し、ガブリアスの鱗を貫通して突き刺さる。
「吹雪だ!」
ガブリアスが叫び声をあげる中、ダイケンキは全方位に向けて猛吹雪を放って炎を吹き飛ばし、ガブリアスにも攻撃をかける。
「っ! 怒りの炎!」
だがガブリアスは咄嗟に炎を身に纏うように発生させ、吹雪を防御。多少炎で焼かれたが、吹雪を受けるよりよっぽどマシな微々たるダメージだ。
炎が晴れると、ガブリアスは突き刺さったアシガタナを抜き捨てる。ダイケンキはそれを手元に引き寄せ、構えた。
「シェルブレード!」
「ぶち壊す!」
ダイケンキの斬撃は通らず、得物が再び弾き飛ばされる。
とはいえ、ダイケンキはシェルブレードでまた攻撃する算段を立てていた。だが、シロナに同じ手は二度も通用しない。
「飛びなさい」
アシガタナが落下する前に、ガブリアスはアシガタナより高く飛び上がった。
「地震!」
そして二振りのアシガタナを踏みつけると、そのまま凄まじい勢いで地面に落下。強力な地震を引き起こす。
「なっ、アシガタナが……」
真上から地震の衝撃を受け、アシガタナは二振りとも地面に埋まってしまった。こうなると、もう操作するだけでは引き抜けないだろう。
「でも、武器にばかり頼るダイケンキじゃない。吹雪!」
「かわしてぶち壊す!」
ダイケンキは猛吹雪を放つが、ガブリアスは飛び上がってそれを回避。そのままダイケンキの足元をぶち壊し、衝撃で吹っ飛ばした。そして、
「ガブリアス、逆鱗!」
ガブリアスは衝撃波で壁や地面を削りながら音速でダイケンキに突撃。さらに爪や足、牙まで使用した嵐の如き乱打をダイケンキに浴びせかける。
ダイケンキは全身を裂かれ、蹴られ、噛まれ、貫かれ、あらゆる箇所に傷を負う。全身が傷だらけになる。
ガブリアスの最後の一撃が、ダイケンキの脳天に炸裂する。ダイケンキは身を伏せ、動かなくなった。
「……まだ」
イリスは呟く。
「まだだよダイケンキ。まだ、終わりじゃないよね」
「…………」
ほぼダイケンキの敗北は確定それでも、イリスは勝利を手放さない。自分のエースを最後まで信じ切る。そして、
「ダイケンキ、ハイドロカノン!」
カッと目を見開いたダイケンキは咆哮しながら身を起こし、巨大な水の弾丸を生成する。
その光景を見て、シロナは微笑みを浮かべる。何か言いたそうではあったが、静かに口をつぐんだ。これから起こることを静かに見守りながら。
そして、ガブリアスは水の弾丸に飲み込まれていった——
シロナ戦、決着です。やっぱりガブリアスいいですね。白黒はドラゴンタイプだとガブリアスが一番です。ステータスだけでなく、見た目もあの流線型というか、細身な感じが好きです。ともあれ他地方チャンピオン戦も終わり、次の幕では英雄について、そしてプラズマ団について書いていこうと思います。それでは次回もお楽しみに。
- Re: 477章 イリスvsイリゼ ( No.696 )
- 日時: 2013/02/17 21:50
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
リバースマウンテン。
今ではもう噴火活動を休止している休火山で、周囲には水も溜まっている。だが火山の奥に進むとかなり高温で溶岩も噴き出しており、研究者の間では近いうちにまた噴火するのでは、とも囁かれる火山だ。
そんなリバースマウンテンの奥の奥の、さらに奥の最奥地に、イリスは来ていた。
「……来たか。早かったな」
「……うん」
そこにいたのは、イリゼだ。こちらに小さな背を向けているが、それだけでもかなりの威圧感があった。イリスはそれに押し潰されまいと、強く気を張る。
「甘ちょっろい考えは捨てて来たか?」
「いや。僕はエースに頼るよ」
「あぁ?」
かなり不機嫌そうな声を上げ、険しい顔つきでイリゼは振り返る。
「てめぇ、俺の話を——」
「うるさい」
イリスは、イリゼの言葉を強引に止めた。そして、続ける。
「誰がなんと言おうと、僕はダイケンキやリーテイルに頼る。でも、エースにだけ頼るんじゃない。みんなの力があって、だからこそ僕のエースは、全力で戦えるんだ。みんなの気持ちを、背負っているんだ」
「……だが、それはポケモンを差別してるようなものだぜ。極端な話、一番強い奴を贔屓して、他を蔑ろにしてるようなもんだ」
「うん、そうかもしれない。でもそれくらいの我儘なら、みんな分かってくれるよ。ともかく——」
すうっとイリスは大きく息を吸い込み、そして、
「僕は父さんの言うことなんて聞かない! あんたの言うことなんて知らない! 僕は自分の好きなようにする、信念を貫く! エースに頼り過ぎと言われても、甘えていると言われても、それが僕だ! 誰にも文句は言わせないし、言われたところで聞いてやるもんか! ウォーグルも、デスカーン、ズルズキンも、デンチュラも、チラチーノも、デンリュウも、フローゼルも、エルレイドも、メタゲラスも、ディザソルも、リーテイルもダイケンキも! みんな僕のことは分かっている、だからこそ一緒に戦ってくれるんだ! だから、たとえ父さんが否定しようとなんと言おうと、僕は僕の真実を最後まで貫き通す!」
すべて言いきって、イリスはぜいぜいと肩で呼吸する。イリゼはしばらく黙りこみ、息を吸うと、
「合格だ」
と、言った。
「それでいい。それが真実の英雄たる資格だ……やれやれ、冷や冷やしたぜ。もしこれで俺の言うことをほいほい聞くような大馬鹿野郎だったら、もう手の施しようがなかった。あのNって奴をアテにするしかなかったぜ」
一人で満足げに頷くイリゼ。イリスには事情はよく分からなかったが、しかし自分が揺さぶりをかけられ、その上で試されていた事だけは理解した。
「——さて。まあお前の考えは合格だ。自分の意志を貫くならそれでいい。だがな、それでも思想に力が付いてこなければ意味がねぇ。その辺は、どうなんだ?」
「今度こそ勝つよ。父さんを超えてみせる」
モンスターボールを出して、イリスはそう言い放つ。
「はっ、言うようになったじゃねぇか。いいぜ、受けて立ってやる。それでお前がもし俺に勝てれば、褒美をやろう」
「褒美?」
イリゼの言葉に、イリスは反応する。なにもそんなものが欲しいからバトルをするわけではないので、この場でその言葉は意外だった。
「ああ。まあ褒美っつうより、俺たち風に言えば『真実』だな。お前も詳しくは知らねぇんじゃねぇの? 英雄がどういう存在で、どういうシステムで動いているのか。そんでもって、気になってたんじゃねぇのか? お前が、自分自身がなんで英雄に選ばれたのかを」
「っ、それは……」
「じゃあ始めようぜ。方式は前回と同じだ。お前が俺に勝てれば、俺の知っていること、全部教えてやる。かかってきな」
イリスの返答を待たずして、イリゼは話を進める。そして、イリゼもボールを取り出した。
かくして、イリス対イリゼ。第三戦、イリスのリベンジマッチが再び行われることとなった——
「先に言っておくが、今回の俺のメンバーは前みてぇにお前を封殺するためのメンバーじゃねぇ。正真正銘、俺の最強のポケモンたちが集う六体だ。はっきり言って、前の六体よりも遥かに強い」
バトルが始まる前に、イリゼはそう前置きした。だが、イリスは動じない。どころか、
「いいよ。つまりその六体を倒せば、正真正銘、父さんを超えたって言うことになるわけだよね」
と、余裕の笑みを浮かべながら言葉を返す。それに対してイリゼも口の端を吊り上げる。
「……言うじゃねぇの。上等だ、行くぜ!」
イリゼはボールを構え、先発のポケモンを繰り出す。
「ぶちかませ! カンカーン!」
イリゼが繰り出したのは、日照りポケモン、カンカーン。体幹が球状に近いエイのような姿のポケモンで、燃える炎のようなカラーリングが特徴だ。
カンカーンが場に出ると、どこからともなく光が差し込んで来る。カンカーンの特性、日照りだ。
「別にお前のエース対策ってわけじゃねぇけどな。ただ、俺のポケモンはこうした方が強いんだ。さぁ、お前も早くポケモンを出せ」
「言われなくても……出て来い、メタゲラス!」
イリスが繰り出すのはメタゲラス。地面技でカンカーンの弱点を突くことができるが、鋼との複合タイプなので逆に弱点を突かれてしまうということもある。
「ほぅ、守りを捨ててメタゲラスか。だがメタゲラスの攻撃力は、その防御力があってこそだぜ。日差しが強い状態で炎タイプ相手に出しても、十分な活躍が見込めるとは思えないがな」
「そう思うなら思ってればいいよ。それで足元をすくわれるの父さんなんだから」
「言いやがるな、本当に……カンカーン、フレアドライブ!」
カンカーンは全身に燃え盛る爆炎を纏い、メタゲラスに突撃してきた。日照りで強化されたその炎の勢いは凄まじいの一言に尽きる。
「迎え撃て! 大地の怒り!」
メタゲラスも地面から大量の土砂を噴出してカンカーンを止めようとするが、カンカーンは土砂を突っ切ってメタゲラスに激突し、吹っ飛ばした。
「メタゲラスを吹っ飛ばすなんて、凄い攻撃力だな……」
「当然だ。カンカーンは俺のポケモンの中でも、攻めの中核だからな。そんじゃ一発かましたところで、戻れカンカーン」
「え?」
イリゼはなんと、フレアドライブを一回使用しただけで、カンカーンをボールに戻してしまう。
「なに驚いてんだよ。そもそもカンカーンは場に日照りを起こしてくれりゃ十分なんだ。威力が高すぎてフレアドライブも連発できないしな。だからこうして頻繁に入れ替えねぇと、すぐにスタミナ切れちまう。んでもって、交代先はこいつだ。ぶちかませ! リーフィア!」
交代で繰り出されたのは、新緑ポケモン、リーフィア。シロナが所持していたグレイシア同様にイーブイから進化するポケモンで、草タイプだ。
「草タイプなら……メタゲラス、メガホーン!」
メタゲラスは鋼鉄の角を構え、リーフィアに向かって駆け出す。メガホーンは虫タイプの技なのでリーフィアには効果抜群。大ダメージが期待できるが、
「かわせ、リーフィア」
リーフィアはいつの間にかメタゲラスの背後に回っており、メガホーンを回避していた。そして、
「リーフブレード!」
葉っぱとなった尻尾を振るってメタゲラスの装甲を切り裂く。ダメージはそれほど大きくないが、あまりのスピードにイリスは呆然としていた。
「速すぎる……まったく見えなかった」
メタゲラスはともかく、傍から見ていたイリスにすら視認が困難なスピード。それに対してイリゼが口を挟む。
「当然だ。なんたって、俺のリーフィアの特性は、葉緑素だからな。それに素早さを重点的に育ててある。攻撃に関しては、こっちで補強できるしな。剣の舞!」
リーフィアは数歩下がって、剣のような鋭く力強い舞を踊る。それにより、リーフィアの攻撃力は一気に二倍に膨れ上がった。
「リーフブレードだ!」
「メガホーンで迎え撃て!」
リーフィアが攻撃するより早く振り向き、メタゲラスは角を突き出すが、そこにはもうリーフィアはおらず、側面から葉っぱで切り裂かれた。
「もういっちょ行っとくか。リーフィア、剣の舞!」
再び剣の舞を行い、攻撃力を上げるリーフィア。
「だったらこれだ! 全方位にストーンエッジ!」
メタゲラスは周囲に鋭い岩を浮かべ、狙いを定めず全方位に射出する。これではリーフィアも避けきるのは難しいだろう。実際、リーフィアは襲い掛かる岩を避けようとしない。だがそれは、避けられないからではなく、避ける必要がないからであった。
「リーフィア、バトンタッチ」
突如、リーフィアはイリゼのボールの中に吸い込まれていく。
「っ! バトンタッチ……!」
ボールに戻されるリーフィアを見て、イリスは慄く。それはバトンタッチの効果、そして今のリーフィアがその技を使用する影響を理解しているからだ。
「おうよ。じゃあ行くぜ、俺の次のポケモン」
イリゼは戦慄するイリスをよそに、次のボールを構える。
イリス対イリゼ、親子対決は、まだ始まったばかりだ——
イリゼリベンジバトルその一。イリゼは見て分かるように晴れパです。しかも剣の舞を二回積んでバトンタッチというえげつないことをしています。さて、今回は文字数がちょっとヤバめなので、あとがきもこの辺で。それでは次回、イリゼリベンジバトルその二です。お楽しみに。
- Re: 478章 悪鬼 ( No.697 )
- 日時: 2013/02/18 00:08
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ぶちかませ! オニゴーリ!」
リーフィスのバトンタッチで交代されたのは、顔面ポケモン、オニゴーリだ。手も足もない顔だけのポケモンで、非常に強面だ。
「オニゴーリ……? 氷タイプか」
カンカーン、リーフィスに続くポケモンなので、晴れの恩恵を受けるポケモンだと思っていたが、氷タイプではむしろ炎技の威力が上がるため、晴天には弱いはず。イリスはそう思っていたが、イリゼがその考えを否定する。
「氷タイプだから晴れに弱いとか、そういう考えは安易だぜ。ロキの野郎には馬鹿だの考えなしだのさんざ言われたが、俺だって考える時には考える。まあ、とりあえず見てけや。オニゴーリ、ウェザーボール!」
オニゴーリは目の前に白い球体を作り出す。そしてそれをメタゲラスへと発射するのだが、なんと球体は発射される直前に燃え上がった。
「なっ!? メタゲラス、大地の怒り!」
咄嗟にメタゲラスは土砂を噴き出し、火球を相殺する。本来なら耐えて反撃に出るつもりだったが、見るからに炎タイプの技っぽい攻撃だったので、相殺せざるをえなかっただろう。
そして、分かった。確かにオニゴーリは晴れの恩恵を受けないわけではなかった。
「ウェザーボールは天候によってタイプが変わり、同時に威力も上昇する技だ。天候を軸にするとタイプが偏りやすいからな。こういう少し捻ったタイプのポケモンも必要ってわけだ。そんじゃ次だ次だ、オニゴーリ、地震!」
オニゴーリは顔面の顎に当たる部分を激しく地面にぶつけ、強力な地震を引き起こした。
「くっ、もう一度大地の怒りだ!」
再び地面を踏み鳴らし、地震を相殺する。
「メタルブラスト!」
そして鋼鉄の光線を発射するが、空中に浮いているオニゴーリという一点を狙うため、簡単に避けられてしまう。
「ウェザーボールだ!」
そして横に回ったオニゴーリは、日照りの力を得た火球を生成し、メタゲラスに向けて発射する。
「メタルブラストじゃ間に合わない……ストーンエッジ!」
メタゲラスは振り向いてからでは遅いと判断し、その状態のままオニゴーリのいる方向に向けて鋭く尖った岩を射出し、火球を相殺した。
「今度こそ! メタルブラスト!」
そしてオニゴーリに標準を定めると、鋼の光線を発射。しかし、
「かわして地震だ!」
オニゴーリは下降してメタルブラストをかわすと、地面を激しく揺らす地震を放つ。
「メタゲラス!」
地震はメタゲラスに効果抜群。しかもバトンタッチで二回分の剣の舞が加算されるため、その攻撃力は相当なものだろう。メタゲラスの防御が高いとはいえ、一撃だけで相当削られる。
「反撃だ! ストーンエッジ!」
メタゲラスは周囲に鋭い岩を浮かべ、照準をオニゴーリへと定める。だがその時にはもうオニゴーリは動いていた。
「残念だが当たらねぇぜ。地震だ!」
オニゴーリは飛来する岩を回避しつつ、地面を揺らして地震を引き起こし、メタゲラスを攻撃する——はずだった。
「残念だけど、当たっちゃうよ。それだとね」
「あ?」
イリスが発言した直後、オニゴーリの真下の地面から、鋭く尖った岩が無数に飛び出し、オニゴーリを貫いた。
「なぁ!?」
効果抜群に加え、自分からぶつかりにいったオニゴーリも、その一撃で大ダメージを受けてしまう。
「ちっ、フェイントを入れやがったな……!」
「まあね。真正面からじゃ当たらなさそうだから、こうして死角から狙うしかなかったんだ。じゃあ次、メタゲラス、ストーンエッジ!」
今度は普通に鋭い岩を射出するメタゲラス。オニゴーリも普通にその岩をかわしていくが、また下から襲われては敵わないと見たのか、無闇に地震を繰り出してはこない。
「そろそろか……オニゴーリ、ウェザーボール!」
オニゴーリは正面に火球を生成し、メタゲラスへと発射する。
「もう一度、メタゲラス、ストーンエッジ!」
メタゲラスも火球を相殺すべく、鋭い岩を射出。火球と岩は衝突し、共に消滅する——はずだった。しかし、
火球が岩を飲み込み、メタゲラスに直撃した。
「なっ……メタゲラス!」
幸い威力は減衰されたようだが、それでも効果抜群の攻撃には変わりがない。しかもオニゴーリは、休む間もなく攻撃を続ける。
「地震だ!」
地面を揺さぶる衝撃波が放たれ、メタゲラスに襲い掛かった。しかし、思ったよりメタゲラスへのダメージは小さい。
(……? なんだろう、地震の威力が落ちてる?)
このダメージの低さはそう考えるのが妥当だろうが、しかしオニゴーリは自分の攻撃力を下げるような行動は取っていないし、それはメタゲラスも同じことで、逆もまた然り。ダメージが変動するようなことは起こっていないはずだ。
もう少しで真相に辿りつけそうだったが、イリゼがそれを許さない。
「ウェザーボール!」
オニゴーリは火球をメタゲラスへと発射。メタゲラスも、ストーンエッジでは相殺できなかったため、今度は違う手で出る。
「メタルブラスト!」
鋼のエネルギーが凝縮された光線を放ち、火球の相殺を試みるが、メタルブラストとぶつかり合うと火球は四つほどに割れ、それぞれがメタゲラスに襲い掛かった。
(やっぱり、ウェザーボールの威力が上がってる……でも、なんでだ。オニゴーリもメタゲラスも、今までただ攻撃してただけなのに。ただ時間が経過してるだけで能力が変動するはず……ん? 時間の経過……?)
ふとイリスは何かが引っかかったが、その時、またオニゴーリが動き出した。
「オニゴーリ、地震だ!」
「っ、大地の怒り!」
地震を引き起こすオニゴーリに対して、メタゲラスは地面を踏み鳴らして土砂を噴き出し相殺する。そしてその隙に、イリスは図鑑を開いた。
(オニゴーリの特性は……これか)
検索した結果を見ると、イリスはすぐに図鑑を閉じる。ひとまず、疑問は解決した。
「でも、根本的な問題の解決にはならないな……メタゲラス、メタルブラスト!」
メタゲラスはオニゴーリに向き直り、光線状の鋼を発射するが、
「無駄だぜ。オニゴーリ、ウェザーボール!」
オニゴーリがすぐさま火球を放ってメタルブラストを打ち消し、そのまま残った炎がメタゲラスに襲い掛かる。
「大地の怒りだ!」
だがメタゲラスもすぐに地面を踏み鳴らし、土砂を噴出。炎をすべてのみ込み、オニゴーリも巻き込んだ。
「オニゴーリ! これくらいでへばんなよ! 地震!」
「もう一回、大地の怒りだ」
オニゴーリは地震を繰り出すが、大地の怒りで相殺されてしまう。
「メタゲラス、ストーンエッジだ!」
メタゲラスは周囲に鋭い岩を浮かべ、オニゴーリに向けて一点集中で射出する。
「迎え撃て! ウェーザボール!」
対するオニゴーリも火球を放つが、今度は岩を飲み込まず、互いに相殺された。
「地震だ!」
「大地の怒り!」
再び地震と大地の怒りがぶつかり合うが、今度は地震の方が僅かに上回り、大地の怒りを貫通してメタゲラスにダメージを与える。
「だったらこれで……ストーンエッジ!」
メタゲラスも負けじと鋭い岩を続で射出。
「かわせオニゴーリ!」
オニゴーリは襲い掛かる無数の岩を回避しようとするが、動きが鈍く、かわし切れない。
「オニゴーリ、ウェザーボール!」
「メタルブラスト!」
オニゴーリの火球とメタゲラスの光線がぶつかり合うが、今度はメタルブラストが火球を飲み込み、そのままオニゴーリに直撃した。
「攻撃で負け始めたな……」
ぼそりとイリゼが呟き、イリスもその言葉を拾う。
「ムラが強すぎるんだよ。言っとくけど、メタゲラスはまだやれるよ」
「当然。そうでなきゃ面白くねぇ……つうか、気付いたか。オニゴーリの特性に」
「まあね。はっきり言って厄介だよ、その特性……ムラッ気は」
ムラッ気とは、一定時間経過すると能力が一つ上がり、同時に違う能力が下がるという特性だ。オニゴーリの攻撃力が上がったり下がったり、急に素早さが落ちたりしたのも、その特性の影響だ。
「どうも今回は耐久ばっかり上がりやがる……攻撃で負けるなら、しゃあねぇ、あれをやるか。オニゴーリ、地震!」
「効かないよ! メタゲラス、大地の怒り!」
オニゴーリは地面に顎を叩き付け、地震を引き起こす。メタゲラスも同時に地面を踏み鳴らし、大量の土砂を噴射した。
攻撃が下がっているのか、地震は大地の怒りに打ち消され、残った土砂がオニゴーリを飲み込む。しかしオニゴーリは、すぐに土砂の中から飛び出て来た。そして、
「絶対零度!」
ピキピキと、メタゲラスの周囲が凍り始めた。
「まずいっ……メタゲラス!」
鈍重なメタゲラスはその場から動くこともできず、次の瞬間、完全に凍りつく。
イリゼ戦その二。今度はオニゴーリです。今回は特に書くこともないのですが、どうしましょう。そういえばイリゼって今まで何体もポケモン出してますけど、たぶん、この小説の中で一番持ってるポケモンの数が多いんじゃありませんかね? 勿論、手持ちとして判明している範囲ですけど。言われてみれば手持ちポケモンって六体までなので、普通にイリスは超過してますね……所持ポケモン、とかした方がいい気がします。それでは次回、イリゼ戦その三です。このバトルはどのくらい長引くかな……ともあれ、次回もお楽しみに。
- Re: 479章 日照 ( No.698 )
- 日時: 2013/02/18 02:03
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「先手は取られたか……戻って、メタゲラス」
イリスは絶対零度で戦闘不能となったメタゲラスをボールに戻す。先手は奪われてしまったものの、まだまだ挽回は可能だ。
「次は頼んだよ、エルレイド!」
イリスの二番手はエルレイドだ。オニゴーリはムラッ気で能力が上がっているものの、体力はもう残り僅かだろう。あと一撃二撃で倒せるはずだ。
「じゃあとりあえず、影討ち!」
エルレイドは影の中に潜り込み、オニゴーリの背後を取る。そして鋭い刃を振り下ろす——
「オニゴーリ、大爆発!」
——が、その直前にオニゴーリが光を発し、大爆発を起こした。
「っ! エルレイド!」
エルレイドは爆風で大きく吹っ飛ばされたが、ギリギリのところで大爆発の直撃を避けたようで、ダメージは思ったより少ない。
「よくやったぜ、オニゴーリ。ひとまず一体だ」
イリゼはオニゴーリをボールに戻す。そして、次の繰り出すのは、
「ぶちかませ! リーフィア!」
リーフィアだった。
「またか……!」
このリーフィアの厄介な所は、葉緑素で上昇した素早さと、剣の舞、そしてバトンタッチだ。素早いので攻撃は当たらず、その間に剣の舞で攻撃力を上げ、バトンタッチで引き継ぐ。戦い難い相手だ。
「エルレイド、アイスブレード!」
エルレイドは両肘の刃を氷結させ、リーフィアに斬りかかるが、
「かわして剣の舞!」
リーフィアはサッと残像が残るようなスピードで後ろに下がり、斬撃を回避。そして剣のように鋭く舞い、攻撃力を高める。
「だったらこれだ! 影討ち!」
エルレイドは影の中に潜り込み、リーフィアの背後を取る。後ろからの攻撃なら、リーフィアでも対応が遅れるだろうと読んだのだが、
「残念だったな。リーフィア、電光石火!」
リーフィアも高速で跳び上がり、そのまま落下。エルレイドに衝突する。
「こっちだって先制技はある。こういう時のためにな」
したり顔で言うイリゼだが、リーフィアがエルレイドから離れない。それを訝しく思い、覗き込むと、
「なっ……!」
エルレイドは両肘の刃で、リーフィアの前足をホールドし、動きを止めていた。
「……さて、とりあえずリーフィアは捕まえた。エルレイド、放り投げてアイスブレード!」
エルレイドは捉えたリーフィアは空中に放り投げた。空中ではいくらリーフィアでも動くことは出来ない。その隙に、エルレイドは凍てつく刃を振るうが、
「ちっ、バトンタッチ!」
リーフィアはボールに戻り、エルレイドの刃も空振りした。
「本当ならもう一回くらい舞う予定だったんだがな。ま、しゃーねーか。さて、そんじゃあこいつの出番だな。ぶちかませ! カンカーン!」
イリゼが繰り出したのは、先発で出て来たカンカーン。今の日照りの原因でもあるポケモンだ。
「バトンタッチされたか……でも、カンカーンの攻撃にさえ気を付けてれば、なんとかなるはずだ……」
剣の舞で上がるのは攻撃のみ。なのでこちらも攻撃を打ち込んでいれば、オニゴーリのように能力を変動されない限り普通に倒せるはず。
「エルレイド、まずはサイコバレットだ!」
エルレイドは念力を固めた銃弾を生成し、カンカーンへと乱射する。
「カンカーン、こっちもサイコバレット!」
カンカーンも同じく念力の弾丸を乱射し、エルレイドと激しく撃ち合う。
しかし決着はすぐに着いた。いくらエルレイドがタイプ一致で銃弾を発射しようと、カンカーンは剣の舞で攻撃力が二倍になっている。なので量も威力もカンカーンの方が上回り、エルレイドはいくつもの銃弾に貫かれた。
「フレアドライブ!」
さらにカンカーンは、激しい爆炎を纏って突撃してくる。晴れの恩恵も受け、その火力は尋常ないほど大きい。
「あれを受けるのは無理だな。エルレイド、影討ちでかわすんだ」
カンカーンのフレアドライブを真正面から受けても、押し負けるのは目に見えている。なのでエルレイドは影の中に潜り込み、背後からカンカーンを攻撃しようとするが、それも失敗した。
なぜなら、カンカーンの纏う炎が膨大過ぎるため、近づけないのだ。刃を振るうほどのリーチはすべて炎が支配している。
「近付けないか……だったらサイコバレット!」
エルレイドは再び念力の弾丸を連射してカンカーンを攻撃。今度はフレアドライブが終了した直後だったため、ダメージを与えることが出来た。
「マグナムパンチだ!」
そしてそのまま、大砲のような勢いで地を蹴り、拳を繰り出すが、
「甘ぇよ、ぶち壊す!」
カンカーンも同時に動いており、全てを破壊するかのような殺気を発しながらエルレイドとぶつかり合うが、呆気なくカンカーンがエルレイドを押し飛ばした。
「くっ、影討ち!」
吹っ飛ばされながらも影に入り込み、カンカーンの背後を取るエルレイド。そして刃を振るうが、
「後ろだ! ウッドハンマー!」
振り向き様に繰り出されたカンカーンの一撃をまともに受け、エルレイドはまたも吹っ飛ばされる。
「エルレイド! 大丈夫か?」
エルレイドは辛うじて立っているが、もう戦闘不能寸前だ。剣の舞で攻撃力が倍加しているカンカーン相手、防御の低いエルレイドではやはり少々荷が重かったようだ。
「休ませるな、カンカーン! ウッドハンマー!」
ヒレを握るように丸めて樹木の力を込め、カンカーンはエルレイドに殴り掛かる。
「エルレイド、マグナムパンチ!」
エルレイドも同時に拳を突き出すが、カンカーンの方が圧倒的に攻撃力が高い。すぐに押し負けてしまった。
「とどめだカンカーン! フレアドライブ!」
一度下がったカンカーンは、すぐに爆炎を纏ってエルレイドに突撃する。激しい熱気と火の粉がトレーナーのところまで来るほどの炎だ。まともに受ければひとたまりもないだろう。
「エルレイド、フレアドライブは絶対に喰らうな! 影討ち!」
エルレイドは影に潜り込み、突っ込んで来るカンカーンを素通りしてカンカーンの背後から出て来る。このまま攻撃しても炎で遮られるので、フレアドライブが止まるまで待とうとしたが、それがいけなかった。
「カンカーン、戻ってこい!」
カンカーンは突然、尻尾を地面に叩きつけた。するとその衝撃で地面が割れ、カンカーンは炎を纏ったまま後方へと戻ってくる。つまり、
「しまった——エルレイド!」
カンカーンはエルレイドに再び突撃してくる。
爆炎を纏った突撃を受けてエルレイドはなす術もなく吹っ飛ばされ、壁に激突。戦闘不能となった。
「う、くっ……よくやったよ。戻って、エルレイド」
イリスはエルレイドをボールに戻す。エルレイドはやられたが、同時にカンカーンの体力も削れたので、よしとする。
「戻れ、カンカーン」
だがイリゼも、カンカーンをボールに戻した。フレアドライブやウッドハンマーで削れたダメージを少しでも回復させるためだろう。
「ぶちかませ! リーフィア!」
そして交代で出て来たのは、やはりリーフィアだ。
「やっぱりこのリーフィアが厄介だ……となると」
リーフィアを一瞥し、イリスはボールを一つ手に取る。そして、そのボールを天井高く放り投げた。
「頼んだよ、ウォーグル!」
イリスの三番手はウォーグルだ。機動力ではリーフィアにも負けていおらず、弱点も突ける。
「ウォーグル、まずはビルドアップ!」
まずウォーグルは、筋肉を増強して能力を高める。すぐに決めないのは一撃に賭けているから、そしてリーフィアが剣の舞で攻撃力を上げ、そのまま押してくることも考えられるからだ。
「リーフィア、剣の舞!」
案の定、リーフィアは剣の舞を踊って攻撃力を倍加してきた。
「ビルドアップ!」
「剣の舞!」
続けてウォーグルはさらにビルドアップするが、リーフィアも同じように剣の舞を踊り続ける。
「流石にこれ以上はまずいか……? ウォーグル、ブレイブバード!」
攻め時と見たウォーグルは、炎のような膨大なエネルギーを身に纏い、超高速かつ凄まじい勢いでリーフィアへと特攻をかける。が、しかし、
「バトンタッチ」
リーフィアはボールに戻ってしまい、ブレイブバードは相手がいないため中断された。
「やっぱり戻るのか……!」
「ああ、やっぱり戻るんだぜ。それがリーフィアの役目だからな。さて、そんじゃあ次だ」
リーフィアと交代で、イリゼは新たなポケモンを繰り出す。強大で神秘的な力を持つポケモン。それは、
「ぶちかませ! カイリュー!」
イリゼ戦その三です。にしてもリーフィア強すぎません? 剣の舞をバトンで引き継いでるだけなのに、なんかかなりやばいことになってますよ? いやそれより、攻撃力が上げられたオニゴーリやカンカーンの猛攻を受け続けていたメタゲラスやエルレイドの方が凄いのかな? まあそれはともかく、イリゼの四体目のポケモンはカイリューです。最近、夢特性を手に入れて強化されたカイリューです。白黒はカイリュー自体はそこまで好きじゃないのですが、BW2を通じて神速が大好きになりましたもので、神速を使えるカイリューにも少なからず好意的になりました。いいですよね、神速。どういうわけか神速でウインディが大活躍しました。主にチャンピオン戦のオノノクスで。ともあれ、イリゼのカイリューがどのように戦うのかは、次回をお楽しみに。
- Re: 480章 海龍 ( No.699 )
- 日時: 2013/02/18 16:58
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
イリゼが繰り出したのは、ドラゴンポケモン、カイリュー。ずんぐりとした巨体に似つかわしくない小さな羽と触覚、腕もやや短めだ。
「カイリューか……ドラゴンタイプの最終進化系ってことは、かなり強いんだろうな……」
外見は優しそうな顔つきをしているが、警戒を強めるイリス。
「とりあえず、剣の舞もあるし、能力を上げてから攻めるよ。ウォーグル、ビルドアップ!」
ウォーグルは筋肉を増強させ、攻撃と防御を高める。
「カイリュー、ドラゴンダイブ!」
そしてカイリューも動き出した。カイリューは天井付近まで飛ぶと、龍の力をその身に纏い、ウォーグル目掛けて急降下してくる。
「かわしてブレイブバードだ!」
ウォーグルは突っ込んで来るカイリューを避けると、カイリューの背後に回った。攻撃直後で動けないカイリューの後ろは隙だらけだ。
「行け、ウォーグル!」
そのまま燃え盛る炎の如きエネルギーを纏い、勇猛果敢にウォーグルは突撃する。そして、ビルドアップを三回掛けしたブレイブバードが、カイリューの背に直撃するが、
「炎のパンチ!」
カイリューはすぐさま振り向き、炎を灯した拳でウォーグルを殴り飛ばした。
「なにっ、ウォーグル!」
日照りで威力が上がった炎のパンチでウォーグルは吹っ飛ばされ、壁に叩き付けられる。
それよりもカイリューの反撃速度が異常だ。三回もビルドアップを使用したウォーグルのブレイブバードをまともに受けて、あれほど素早く反撃に出るなどおかしい。イリスがそう思っていると、
「一発限りだから教えといてやるよ。俺のカイリューの特性はマルチスケイル。初撃に限り、カイリューは如何なるダメージも半減する。だからビルドアップを三回掛けていようが、関係ねぇんだよ」
「そうなのか……」
いやしかし、それでもビルドアップの強化はあるので、マルチスケイルがあったとしても十分驚きなのだが。
けれどマルチスケイルが発動するのは体力が満タンの状態。つまり、二度目はないのだ。
「ウォーグル、ブレイククロー!」
ウォーグルは頑強な爪を構え、カイリューに特攻する。カイリューの攻撃力は三倍に膨れ上がっているが、防御力に変化はない。なので、攻撃する側に立てばビルドアップで攻防共に上昇しているウォーグルの方が有利だ。
「甘いんだよ。カイリュー、十万ボルト!」
ウォーグルが突っ込んで来る中、カイリューは超高電圧の電撃を放ってウォーグルを牽制する。十万ボルトは特殊技なのでビルドアップの影響を受けない。剣の舞の影響も受けないが、それでもウォーグルからしたらかなり痛手になるので、電撃の回避に努め、無理には攻めない。
「エアスラッシュ!」
続けてカイリューは空気の刃を連続で飛ばす。一発一発が大きく、数もそこそこ。イリスのリーテイルとシズイのマンタインの中間と言ったところか。
「かわしてビルドアップ!」
飛来する刃をかわし、ウォーグルはさらにビルドアップする。これで攻撃と防御は共に三倍。
「カイリュー、十万ボルト!」
「ウォーグル、かわして鋼の翼!」
カイリューの放つ電撃を避けつつ、翼を鋼鉄の如く硬化させ、ウォーグルは突っ込む。
「ちっ、迎え撃て! 炎のパンチ!」
ウォーグルが繰り出す翼に対し、カイリューも炎の拳を突き出す。
能力の上昇値は共に同じなので、日照りの恩恵を受け、なおかつタイプ相性でも勝る炎のパンチが鋼の翼を押し切った。
「次だ! ドラゴンダイブ!」
カイリューは天井付近まで上昇すると、龍の力を身に纏い、吹っ飛ばされつつあるウォーグル目掛けて急降下した。
「かわしきれない……ビルドアップ!」
回避は不可能。ならばとウォーグルは筋肉を増強。ドラゴンダイブに備える。
そしてウォーグルが背中から壁に激突した直後、カイリューもそこに凄まじい勢いで突っ込んできた。
「ウォーグル!」
カイリューは飛び立ち、ウォーグルが取り残された状態で壁が崩れ落ち、ウォーグルはそれに巻き込まれる。
「今のは効いただろうが、どうだ……?」
しばらく崩れた壁際を見ていた二人。そして突如、崩落した岩石の山が動いた。
ガラガラと積み上がった岩が再度崩れていき、そして、ウォーグルが勢いよく岩の中から飛び出す。
「ウォーグル……! 無事だったか!」
ビルドアップを五回も掛けた甲斐があった。三倍以上に膨れ上がったウォーグルの物理能力は、岩の崩落やカイリューのドラゴンダイブすらも耐え切るほど強靭になったのだ。
「よし、なら最後まで上げ切るぞ! ビルドアップ!」
「させるか! カイリュー、十万ボルト!」
ウォーグルが再び筋肉を増強しようとすると、そこに電撃が飛び、やむなくビルドアップを中断し、ウォーグルは上昇した。
「これ以上ウォーグルの能力を上げられたらこちも困るんでな。マルチスケイルも種切れだし、あんまでかいのも喰らいたくねぇ。カイリュー、エアスラッシュだ!」
ウォーグルを追いかけるようにカイリューは空気の刃を飛ばす。ウォーグルとてビルドアップの影響を受けない特殊技は喰らいたくないので、旋回するように刃をかわしていく。
「連続で十万ボルト!」
カイリューは今度はあえて狙いを定めず、四方八方に電撃を飛ばしまくる。狙いを定めない攻撃というのは存外かわすのが難しく、ウォーグルも何発か少しだけ掠ってしまった。
「くっ、ビルドアップ!」
「させねぇつってんだろ! エアスラッシュ!」
電撃が止んだ頃合いを見計らってビルドアップしようとするが、そこにカイリューの飛ばした空気の刃が飛来。ウォーグルは切り裂かれ、怯んでしまった。
「やばい……ブレイククローだ!」
ダメ元でイリスはブレイククローを指示する。あわよくば頑強な爪で電撃を切り裂こうと思ったのだ。
だがその淡い期待も功を奏す。ダメージを完全に零にすることは出来なかったが、ウォーグルの爪は確かに電撃を切り裂き、四方八方散らした。それにより、ウォーグルへのダメージも微々たるものだ。
「よしっ! いいぞウォーグル! 今のうちにビルドアップ!」
電撃を捌き、ウォーグルは筋肉を増強させる。これでウォーグルの攻撃と防御はマックス四倍。生半可な攻撃や防御ではまず対応できないだろう。
「ちっ、結局最後まで上げられちまったか……まあいい。カイリュー、十万ボルト!」
「かわして鋼の翼!」
カイリューは高電圧の電撃を放つが、ウォーグルはそれを回避。そのまま翼を鋼のように硬化させ、カイリューに突っ込む。
「迎え撃て! 炎のパンチ!」
カイリューも拳に炎を灯し、ウォーグルの翼と激しく競り合う。
鋼の翼の威力が四倍になっても、日照りとタイプ相性で押し勝つことは出来ない。しかしそれでも、今度は互いに弾き合った。そして、
「鋼の翼!」
ウォーグルは弾かれた勢いを利用し、その場で一回転するようにもう片方の翼をカイリューに叩き付けた。
「なっ、カイリュー!」
鋼の翼はそれほど高威力の技ではない。しかしビルドアップを六回も掛けた今は別。防御力を上げていないカイリューはその一撃で壁まで吹っ飛ばされた。
「これで決める! ウォーグル、ブレイブバード!」
ウォーグルは全身に燃え盛る炎のようなエネルギーを纏い、勇猛果敢にカイリューへと特攻をかける。
ウォーグルと同じように壁が崩れ落ちて岩の下敷きになったカイリューは脱出が遅れ、気付いた時にはもうすぐそこまでウォーグルが迫っていた。
「くそっ……ダメで元々、カイリュー、炎のパンチ!」
カイリューはすぐに拳に炎を灯し、ウォーグルに向かって殴りかかる。しかしウォーグルのブレイブバードを、日照りがあるとはいえ炎のパンチで相殺できるはずもなく、カイリューはウォーグルの突撃を受け、地面にめり込んだ。
「カイリュー!」
その上さらに壁が崩れ落ち、カイリューは戦闘不能となる。
「よくやったぜ、カイリュー。戻っとけ」
イリゼはカイリューをボールに戻す。
イリスにとって、ここでカイリューを倒したのもいいことだが、なによりビルドアップを六回も掛けられたことが大きいプラスだ。これなら相手がカンカーンだろうがリーフィアだろうが、有利に戦える。
「ふん、もう少しとっておきたかたんだが、しゃーねぇか。化けモンみてぇな攻撃と防御を手に入れたウォーグルを止めるには、こいつしかいねぇ」
そしてイリゼが手に取った五つ目のボール。イリゼはそれを放り投げ、次なるポケモンを繰り出した。
「ぶちかませ! エルフーン!」
出て来たのは、自身よりも大きな綿を背負ったポケモン。風隠れポケモン、エルフーンだ。
「エルフーン……?」
イリスはその選出に疑問符を浮かべる。それはそうだろう。草タイプのエルフーンは、飛行タイプのウォーグルとは相性が悪いのだから。
しかしイリゼは不敵な笑みを見せ、
「しっかり見てろ。バトルは力だけじゃ決まらねぇってことを、この俺がみっちり教えてやるよ」
イリゼ戦その四です。イリゼのカイリューは例によってマルチスケイルでした。それとイリゼの五番手はエルフーンです。いいですよねエルフーン。白黒も好きです。強いだけではなくあのもふもふが……まあそれは置いといて。次回はイリゼ戦その五。エルフーンのもふもふがどんな活躍をするか、お楽しみに。
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