二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 430章 毒暴走 ( No.590 )
- 日時: 2012/12/31 00:41
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ザングース、まずは剣の舞だ!」
最初に動いたのはザングースだった。ザングースは剣のように鋭く力強く舞い、攻撃力を増強する。
「続けて毒々だ!」
さらに猛毒を生成し、掌に集める。それをエルレイドへと投げつけるのかと思いきや、
ザングースはその毒を、自分の身体にこすり付けた。
「!」
イリスは目を見開く。当然だ、毒々で相手を毒状態にするのは戦術としてよくあることだ。しかし、自ら進んで毒状態になるというのは、常識を逸している。
そこで下っ端は自慢げに言った。
「ふん、俺のザングースの特性は、毒暴走。毒状態の時に攻撃力が上がるんだよ。見てみろ」
下っ端に示されてザングースを見ると、ザングースは毒に侵され苦しそうにしているが、その顔は憤怒の形相で、攻撃的な視線をエルレイドにぶつけていた。
「それじゃあいくぜ。ザングース、シャドークロー!」
ザングースは爪に影を纏わせて突っ込んで来る。スピードは意外と速い。
「アイスブレードで迎え撃て!」
エルレイドも刃を凍結させて斬りかかるが、ザングースは俊敏な動きでエルレイドの後ろに回り、影の爪で切り裂いた。
効果抜群に加え、剣の舞と毒暴走で強化されたザングースの攻撃力は相当なものだろう。エルレイドは思わず片膝を着いてしまう。
「休ませねえぜ! シャドークロー!」
「くっ、影討ち!」
続けて繰り出される攻撃を、エルレイドは影に潜って回避。そのままザングースの背後に回って刃を振るうが、効果はない。とりあえずシャドークローをかわすための影討ちだ。
「アイスブレード!」
「シャドークロー!」
エルレイドはそのまま凍てつく刃を繰り出すが、同時にザングースも影の爪を突き出し、互いに鍔迫り合いのような姿勢となる。
だが、ザングースの方がエルレイドより僅かに強く、エルレイドを跳ね飛ばした。
「追撃だ、空元気!」
ザングースは態勢を崩したエルレイドに向かって突っ込んで来る。空元気は状態異状の時に威力が二倍になる技。タイプ一致に加えて剣の舞と毒暴走もあるので、その一撃を受けてはひとたまりもないだろう。
「サイコバレット!」
エルレイドは念動力の銃弾を乱射してザングースを引き剥がす。直撃はしなかったため、ダメージは薄いようだ。
「にしても、なんて攻撃力だ」
思わずイリスは呟く。下っ端だと思って甘く見ていたが、トレーナーとしてはなかなかの強者だ。プラズマ団の中でも上位の強さというのは伊達ではないようだ。
「もう一度サイコバレット!」
「空元気だ!」
エルレイドは念動力の銃弾を乱射し、ザングースも鋭い爪で次々と銃弾を弾き飛ばしていく。
「シャドークロー!」
「マグナムパンチ!」
続いて影の爪と拳がぶつかり合う。先のアイスブレードでは押し負けたが、タイプ補正が入ったマグナムパンチなら力は互角。お互い大きく後ずさった。
「チィ、空元気だ!」
ザングースは気力を振り絞ってエルレイドへと突貫する。
「近寄らせるな、サイコバレット!」
エルレイドも念動力の銃弾を連射するが、ザングースは銃弾を弾きながら迫ってくる。
「だったら……サイコバレットだ!」
エルレイドはまたもサイコバレットを放つが、それはザングースにではない。ほぼ真上、やや前方斜め上に向かって、念動力の銃弾を連射する。
「どこを狙っている! ザングース、空元気!」
遂にエルレイドはザングースの接近を許してしまい、ザングースの爪が振りかぶられる。
「マグナムパンチ!」
エルレイドも大砲の如き勢いで拳を突き出すが、今度はザングースが押し勝ち、エルレイドを吹っ飛ばす。
「これで決める! ザングース、シャドークロー!」
ザングースは影の爪を構えてエルレイドへと走る。
「エルレイド、全力でマグナムパンチだ!」
対するエルレイドもすぐさま態勢を立て直し、大砲どころかミサイルのような勢いで拳を突き出す。
ザングースの爪とエルレイドの拳がぶつかり合い、エルレイドが押し勝った。ザングースはあえなく吹っ飛ばされる。
「くっそ、まだだ! ザングース、空元気!」
毒状態で疲弊しているにもかかわらずザングースはまだ戦闘不能になっておらず、気力を振り絞って特攻をかけるが、
「いや、悪いけどもう終わりだ。上を見てみなよ」
イリスは人差し指で上を指した。エルレイドは既に、構えを解いている。
「は? 上?」
下っ端は訝しげに顔を上げると、そこに広がっているのは、弾幕。念動力を固めた銃弾の雨だった。
これはカトレア戦でも見せた、サイコバレットによる時間差攻撃。スピードと運動エネルギーがプラスされた銃弾は重く、今のザングースでも弾くのはそう容易ではないだろう。
「何ぃ!?」
下っ端の顔は驚愕と恐怖に染まっている。次の瞬間にはザングースはサイコバレットの雨に貫かれ、戦闘不能だ。
「ザングース!」
案の定、ザングースは地に伏してしまった。完全に戦闘不能である。
これで下っ端は撃破したので、あとは、
「出て来いデンチュラ」
イリスはデンチュラを繰り出した。デンチュラは瞬く間に下っ端に接近し、電気を帯びた糸で下っ端を麻痺、昏睡させ、身動きを取れないようにする。
「ふぅ、これで一段落だな」
イリスは額を汗を手の甲で拭いつつ、少女に歩み寄る。
「君、大丈夫? 怪我とかない?」
「大丈夫、だけど……」
少女の目がリオルに向く。リオルはぐったりとしており、かなり弱っているようだ。
「うーん、バトルでダメージを受けているだけだから、ポケモンセンターに行けばすぐ回復するけど……」
今この街は、プラズマ団によって半ば占拠状態だ。ポケモンセンターも、ほぼ利用不可能だろう。
なのでイリスは、リュックサックから念のためにと常備していたオレンの実を一つ取り出す。回復量は少ないが、ないよりマシだろう。
「とりあえず、これを。ここは危険だから、もう家に戻った方がいいよ。他にポケモンは?」
少女は木の実を受け取って、礼を言いつつも首を振る。
「ありがとう。ポケモンは、このリオルだけしかいなくて……」
少女はか細い声で言う。
さっきの下っ端は上位に位置する強さらしいが、他の下っ端だってそこそこ戦えるはず。となるとプラズマ団が闊歩している街中に、戦えるポケモンのいない少女を一人で出すのは危険だろう。
「なら……出て来てウォーグル」
イリスはさらにウォーグルを出す。さらにデンチュラにも目配せし、
「ウォーグルは空から、デンチュラは物陰から、この子をエスコートしてくれ。もしプラズマ団に襲われそうになったら、なんとしてでも守るんだよ」
エスコートというかボディーガードだが、二匹ともコクリと頷き、ウォーグルは飛び立って空中へと羽ばたいていった。
「それじゃあ、僕はまだやることがあるから、気を付けてね」
イリスは残るエルレイドをボールに戻し、その場から立ち去ろうとするが、
「あ、ありがとう……待って!」
少女は思い出したようにイリスを引き留めた。イリスはゆっくりと振り返る。
「ん? なに?」
「あなた、名前は?」
「ああ、名前か。名前はイ——」
とそこで、イリスは思いとどまる。
「……ま、僕のことは英雄とでも呼んで」
そしてそれだけ言って、イリスは今度こそその場から立ち去った。
場所は変わってセイガイハシティ……のすぐ近くの海岸で、二人の人影が並んでいた。
一人は子供のような幼い顔立ちに、焦げ茶色の長いポニーテール。勝ち気な瞳で小生意気な少女のような姿。
言わずもがな、イリスの父、イリゼである。
その隣には、日焼けした褐色の肌。ヒレのついた青と水色のボーダーになっている水着。髪は暗い青で、白い斑点がある。首からは水泳用とともわれるゴーグルを提げており、如何にも海の男といった出で立ちである。
「なあシーちゃん」
「なんじゃいイーちゃん」
「なんかセイガイハの近くでプラズマ団がコソコソ動いてるみてーだけどよ、お前は行かなくていいのか? ジムリーダーだろ?」
「プラズマ団が本当に悪いことばしてんじゃったら、おいもそれば止めったい。けど、まだ被害は出てん。そんなら海で泳いでた方がずっと楽しいったい」
「相変わらずだなーシーちゃんはよ。ま、そこがお前のいいとこだけどよ」
イリゼはその場にごろんと寝ころび、どこまでも青い空を見上げる。
「なあシーちゃん、ちょっと頼まれごとしてくれや」
「おう。なんじゃ?」
イリゼのは頼みごとをする態度ではないが、男は内容を聞く前に気前よく引き受けた。
「俺の息子とバトルしてくれ。アデクから聞いたが、どうも俺の理想通りに育ちやがらねーんだよ、あいつ」
吐き捨てるようにイリゼは言う。
「つーわけで、ちょっくらあいつボコってくれや。シーちゃんのポケモンなら、あいつのエースもたじたじだろ」
何故か誇らしげなイリゼ。それだけこの男の実力を信用しているということだろうか。
「おう。そいじゃあ引き受けた」
「頼んだぜ」
それだけ言って、二人はその場から立ち去っていった。
今回はイリスが下っ端撃破、そしてセイガイハのジムリーダーである彼が登場です。にしても、下っ端相手に意外と苦戦しましたね。無駄に長くなってしまいました。では次回はヒオウギシティでの戦いの続きです。楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再開します—— ( No.591 )
- 日時: 2012/12/31 10:04
- 名前: プツ男 (ID: PlCYIOtu)
おお、モスギスリベンジ成功しましたね!
これで幕引き四天王バトルが終わったとなると.....順当に考えれば、次はチャンピオンですかね?予想はBBAと名高いシr.....ぎゃあああああ!!
第十五幕の「依存」の意味が分かりませんでしたが、イリゼの伝言がヒントなのですかね.....?
プラズマ団がまたなにかやらかしていますね......女の子のポケモンを奪おうとするなんて!!うらやまs(ぇ
プラズマ団も昔は宗教法人(?)だったのに.....今では完全にタチの悪い悪の組織ですね......
アシドが言っていたイリスの手持ちポケモンの能力が最高値っていうのが気になりますね.....つまりイリスのポケモンは全て6Vということですか?
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再開します—— ( No.592 )
- 日時: 2012/12/31 17:55
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
大光さん
了解です。今しがた確認しておきました。
とりあえず内容的にはねじ込めそうな感じなので、挟める時に挟んでいきたいなーと思います。
プツ男さん
これにてモスギスへのリベンジは終了です。順当に行けば次は彼女ですが、果たして……?
十五幕の『依存』は、そのうち分かるようになると思います。一応、イリゼの言葉の中にヒントはありますが、気付きますかね。
プラズマ団はまたぞろポケモン泥棒を始めました。この少女は伏線には……なるかなぁ? って感じです。
かなりオリジナル要素が強くなっていますが、これでもBW2のプラズマ団を少しは意識していたりします。
あの回はそこまで気にする必要はないのですが、分かりやすく言えば、仮にあるポケモンの攻撃力の上限が300だとすると、同じ個体でイリスのポケモンだったら上限が300を超える、みたいな感じです。実際の対戦なら完全にチート扱いされそうな能力ですね……
コメント返しついでで恐縮ですが、この場を借りて少しばかりお知らせを。
前のコメにもあるように、本作品は敵にもドラマがある、群像劇的な方向性でストーリーを進めています。なので、サブキャラでも細かい設定など(主に過去やトラウマ、目標など)があれば、ドンドン追加しちゃってOKです。
しかし、全ての設定が生かせるとは限らないです。できるだけ生かそうと努力はしますが、挟み込む余地がなかったり、使いにくい設定ならそのまま流すこともあります。
それが許せる方ならば、今まで投稿してくださったキャラクターに設定を追加、もしくは詳細を記すなどをしてくださっても結構です。むしろその方がストーリー性が増すかもしれません。
年末年始でこのスレを見ている人がどのくらいいるかは分かりませんが、とりあえずお知らせをしておきました。それでは。
- Re: 431章 実姉 ( No.593 )
- 日時: 2012/12/31 17:56
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
場所は変わって、ヒオウギシティの中心部の広場。ここではPDOヒウン支部統括にして、プラズマ団からも危険人物認定されたトレーナー、リオが幼馴染のアキラを引き連れてプラズマ団を薙ぎ払っていた。
「くっそ、倒しても倒してもキリがねぇ……つーかこいつら、前に戦った時よりなんか強くなってね? 服も違うしよ」
「私が知るわけないでしょ。でも確かに、前までとは違う感じね……!」
アキラはハサーガ、リオはドラドーンを繰り出し、わらわらと湧いてくる下っ端どもを次々と蹴散らしているのだが、その数が異常なほど多い。
「……なぁ、リオ」
「なに——あ、ドラドーン、凍える風!」
アキラの意識がリオに向いた刹那、間が悪いことに下っ端のクロバットが攻撃を仕掛けてきたが、ドラドーンの凍える風により吹き飛ばされた。
「もう、よそ見しない! ただでさえ数が多くて捌くのに手間がかかるのに」
「いや、それについては同感なんだが——ハサーガ、怒りの炎だ! ——こいつら、最初に空から見た時よりも、数多くねぇか?」
「そんなことあるわけ……?」
アキラに言われて、リオもその異変に気付いた。
プラズマ団の数が多いのは納得もできることなのだが、おしくらまんじゅうのように路地裏に密集していたり、民家の屋根の上に立ち並んでいたりして、妙ではあった。
いくらリオが最重要危険人物だとしても、たった二人のトレーナーに対してここまで人員を割くものだろうか。リオやアキラの他にも、ミキやザキだってヒオウギで戦っている。しかし今視界に広がる団員の数と、今まで倒してきた団員の数を合わせれば、その数は相当なもの。そこまでプラズマ団は戦力があるのだと言えばそれまでだが……
「……試してみる価値はありそうね。アキラ、このプラズマ団全員薙ぎ払うから、ハサーガで壁を作って。ドラドーン、ハリケーン!」
「な、ちょ、おいっ!」
アキラの制止も訊かず、リオはドラドーンにハリケーンを指示する。
ドラドーンは強力な暴風を放つ。しかも一方向ではなく、この場所全体を吹き飛ばすかのような荒々しくも強大な爆風だ。
プラズマ団たちは冗談でなくポケモンもろとも空の彼方へと吹き飛ばされていく。リオやアキラはハサーガが壁となって爆風を防いだので、吹っ飛ばされることはない。
プラズマ団は綺麗に一掃されたが、しかし、二つの影がまだそこには残っていた。今まで姿を現さなかった、二人が——
「おやおや、見つかってしまいましたか。少々軽んじて見ていましたが、最重要危険人物の幼馴染というだけあって、なかなか鋭いですね」
「あの軽薄男のことだし、どうせ女団員にでも見惚れてて気付いたんでしょ。買いかぶりすぎよ」
一人は黄色い髪に執事服を身に付けた男。7Pの一人、エレクトロ。
もう一人は緩いウェーブのかかった金髪にチャイナドレスと豪奢な装飾で着飾った女。エレクトロ率いる聖電隊の精鋭であり、リオの実姉、マオ。
そしてその二人の傍に降りてきたのは、幻影ポケモンのファントマだ。
「久しぶりね、リオ。直接会うのは何年振りかしら」
「お姉ちゃん……!」
全てを見下すような態度のマオと、険しい目つきで相対するリオ。しかしリオの瞳は、怒りや困惑よりも悲哀や悲愴で溢れていた。
「何で……昔からプライドは人一倍高かったけど、それでもまっすぐにトレーナーの道を歩んでいたのに、何で……!」
痛切なリオの言葉に対し、マオはあっさりと答える。
「貴女を倒すために決まってるでしょ、リオ。プラズマ団は根性が腐ってるような連中が大半を占める組織だけど、その力の強大さだけは認めるところ。それに、貴女が目障りでしょうがないゲーチスには、私も賛同できる」
ただ姉の言葉を聞くだけで苦しそうに呻くリオと、反対に口を開くだけで勝ち誇ったように晴れ晴れとしたマオ。こうして見れば、まるで正反対だ。
「……さて、恐縮ですが愛憎入り混じった姉妹愛は今は置いといてもらいましょう。我々の役目はあくまで貴方達の足止め、あわよくばここで屠ることです・ご容赦を」
エレクトロは隣でガン飛ばしてくるマオのことなど気にも留めず、話を進めていく。
「夢の時間です、ファントマ」
エレクトロは隣で浮いているファントマを前に送り出す。初手はこのポケモンのようだ。
「……さっきの幻は、そのファントマね」
とりあえずバトルになると気持ちを切り替えたリオが、ファントマを見てそう指摘する。
「ええ、その通りです。以前もお見せしましたが、ファントマは幻影ポケモン、相手に幻を見せることなど容易いのです。あのまま精神的に疲弊したところを襲って、制圧してしまおうと思ったのですが、思いのほか早く気付きましたね。あの時は邪魔が入ってしまいましたが、今回はどうでしょうか?」
丁寧ながらも嘲るようにエレクトロは言う。確かに以前、このファントマと戦った時はシャンデラですら歯が立たなかったほどの強敵だが、もうその対策は出来ている。
「望むところ。今度こそ、そのファントマを撃ち破ってあげる」
リオは一旦ドラドーンを戻し、取り出した新たなボールを握り締めてエレクトロをまっすぐに見る。二人は互いに火花が散るような激しい闘志を放っていた。
「……となると、俺のあいては——」
ことを静観していたアキラは、もうバトルモードに入っているリオとエレクトロから視線をマオに逸らす。
「私としては不満だけど、ここは引き下がってあげる。光栄に思いなさい、アキラ。二度もこの私と勝負できるのだから」
「悪ぃけど、今回ばかりはあんまふざけてられる状況でもないみたいだわ。無鉄砲な幼馴染がすぐそこにいる手前、恰好悪ぃとこ見せらんねぇしな」
アキラはいたって真面目——必至ともとれる顔つきで、ハサーガをボールに戻す。
「……マオ、少し離れていた方がいいでしょう。今日の私は調子が良い。解放状態に加えて九割……いえ、久しぶりに十割の力がだせるかもしれません。その余波を受けたくないのなら、十九番道路辺りで戦うのが賢明でしょう」
アキラとマオも火花を散らす中、エレクトロが手袋を外しながら忠告する。
対してマオは舌打ちし、ボールを一つ取り出した。
「出て来なさいララミンゴ」
マオが出したのは、水鳥ポケモンのララミンゴだ。
マオはララミンゴに肩を掴ませると、そのまま北の方へと飛び去ってしまう。
「って、元から期待はしてなかったが、俺は置いてけぼりかよ。飛べるポケモン連れて来ればよかったぜ」
愚痴るように息を吐いて、アキラもマオが飛んで行った方角へと走り出す。
「アキラ。お姉ちゃんのこと、頼んだよ」
「ああ……任せとけ」
二人は軽く言葉を交わし、アキラはそのまま離れていく。
これでこの場に残されたのは、リオとエレクトロの二人だけとなった。
「……さて、それではプラズマ団の境界を刻みましょう」
エレクトロの手の甲が鈍く光る。その光に照らされるだけで、気圧されるような威圧感があるが、リオは気丈になる。
「負けない。貴方には、絶対に! プリン!」
リオが繰り出したのは、風船ポケモンのプリン。胸の辺りには、ペンダントのように加工された紫色の石が付けてある。
「ほぅ、プリンですか。優秀な特性を持つポケモンですね。それに、進化の輝石……」
エレクトロはプリンが付けている石を見て呟いた。
進化の輝石とは、進化前のポケモンの防御能力を上昇させる道具。この道具の発見により、今までは『弱い』とみなされていた多くの進化前ポケモンが脚光を浴びている。
「ですが、それで私のファントマを倒せますかね。ファントマ、黒い霧です」
最初に動き出したのはファントマだ。技名通り、ファントマは口から黒い霧を大量に吐き出し、プリンとリオの視界を完全に塞ぐ。
「煉獄!」
続け様にファントマの攻撃が繰り出される。黒い霧を破って、燃えたぎる業火がプリンに襲い掛かるが、
「プリン、逆噴射でかわして!」
事前に大きく空気を吸い込んでいたプリンは大きく息を吐き出し、その逆噴射で煉獄を回避する。しかも、それだけではなかった。
「黒い霧が……」
吐き出された空気はその勢いのまま、視界を遮っていた黒い霧を吹き飛ばしてしまう。それによって、ファントマの位置も明確になる。
「地球投げ!」
プリンは勢いを殺さずにファントマに接近し、燃える体をしっかりと掴んで空中へ跳ぶ。そして落下の勢いを合わせ、ファントマを地面に叩き付けた。
7Pのポケモンならば当然レベルも高い。なら、地球投げの威力もそれだけ大きくなり、ファントマはそれなりのダメージを受けた。
「安直な策ですが、やりますね。この前と同じようには行きませんか」
「当然。それに、私のプリンの力は、まだまだこんなものじゃないわよ」
リオとエレクトロ、二人の因縁はまだまだ続く。そしてこのバトルは、そのほんの一部にすぎないのだった。
今回はリオとエレクトロ、アキラとマオのバトルフラグです。なんだか最近バトル描写が少なくなってきて、申し訳ないです。そろそろ英雄サイドとプラズマ団サイドで、各キャラの因縁も出来てきました。では次回はミキとザキについて書こうと思います。まあ急遽変更はよくあることですが。それでは次回もお楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再開します—— ( No.594 )
- 日時: 2012/12/31 19:58
- 名前: パーセンター ◆yfLQGLsmy. (ID: omqSuZTj)
モスギスといい、プラズマ団といい、とことんイリぜ戦を邪魔してくれますね。
とはいえ、話の流れをみると、プラズマ団がいなくても先にシズイと戦いそうな感じですが。
そしてシズイの登場ですね。
シズイは個人的に好きです。大らかな性格や、特有の訛り。
シズイの訛りはうちの訛った鳥使いより書くのは簡単そうですねww
とうとうエレクトロが十割ですか。前戦ったときは八割でしたね。
リオは勝てそうでしょうか…とんでもない強敵であることは間違いありませんが、是非リオやアキラには頑張って欲しいですね。
あと、ハンゾウがフレイに図らずして命を救われたことは書いていましたが、具体的に何があったのかハンゾウのところに書いておいたので、確認お願いします。
既存キャラとの関わりがほとんどないので、使いづらいかもしれませんが。
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