二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 第二回? オリキャラ募集 ( No.186 )
- 日時: 2011/08/21 15:13
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: cebg9jtM)
もすww
そんでもって九十二、三章のタイトルww
ゲームそっくりですねwモスギスは大好きです。
しかもそのもすの見た目に反してバンギラス強いし。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 第二回? オリキャラ募集 ( No.187 )
- 日時: 2011/08/21 16:35
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html
パーセンターさん
92章と93章のタイトルはパッと思いついたものにしました。
そっくりですか、よかったです。実はあまり自信なかったんですよ。僕もモスギス好きです。
もすはふざけててもバンギラスの強さはふざけてません。強いです。
- Re: 94章 幻覚 ( No.188 )
- 日時: 2011/08/21 19:39
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html
霞掛かる14番道路を進んでいるうちに、イリスはふと違和感を感じた。
「どうしました、師匠?」
ミキはイリスが立ち止まったので、何事かと声を掛けてくる。
「さっきから……全く先に進んでない気がする」
「なに言ってるんですか。れっきと進んでますよ。足だって動いてますし」
とミキが反論すると
「そうじゃなくて、そう、迷路とかで言う所の、同じ場所をぐるぐる回っているような気がする、ってやつ。それの、直線版だよ。ミキちゃん、ゴルドーを出して」
ミキは促されるまま、火の鳥のようなポケモン、ゴルドーを出す。
「霧払いは覚えてないだろうけど、この辺だけでいいから吹き飛ばしてみて」
「はい。ゴルドー、お願い」
するとゴルドーは翼を羽ばたかせ、霧を吹き飛ばそうとするが、霧は消えない。
「やっぱりか……どうも、ここに閉じ込められたっぽいね」
「別に閉じ込めてなどいませんよ」
イリスが事も無げに呟くと、霧が濃い前方より、人影が見える。そして
「私の目的は、あなた方を閉じ込める事ではありませんので」
その人物は、7Pが一人、エレクトロだ。
肩まである黄色い髪に、執事服。プラズマ団の紋章が入った手袋までしている、7Pのまとめ役。
そしてその横には、人魂のようなポケモン。幻影ポケモンのファントマだ。
「私の目的は、あなた。英雄のお弟子さんですからね」
エレクトとはミキを指差し、言い放つ。
「英雄さん、あなたは自分では知らないと思いますが、英雄というのはその運命を背負う代わりに、力を得る事ができるんです」
「……力?」
身構えていたイリスは、エレクトロの言葉を反芻する。
「ええ、元プラズマ団の王であるNは、ポケモンと話せたとか。そのような力です。そして英雄はその力を得て、周りにも影響を及ぼす」
エレクトロは続ける。
「そこで私は英雄に最も近く、最も影響を受けているであろうあなたの弟子をプラズマ団の拠点に連れて帰り、調査させて頂きます。ご心配なく、私は女性を乱暴に扱ったりはしないので。まあ、調査をするのはアシドですから、どのような苦痛を受けるかは分かりかねまして、その先は保障できませんが」
それではどっちにしろ、連れて行かれたら終わりである。
「……弟子を守るのも師匠の務め。そんなに少女誘拐犯及び監禁、暴行の罪で国際警察に行きたいなら、まずは僕を倒してからにしてもらえるかな」
イリスは一歩踏み出し、ボールを構えた。やる気のようだ。
「ふむ、まあこうなる事は想定済み。良いでしょう、この7P最強の名を持つエレクトロが、お相手いたします。ファントマ」
エレクトロはファントマを呼び、戦闘態勢を取らせる。どうやらファントマで戦うようだ。
「炎タイプが相手なら、このポケモンだ。出て来い、フローゼル!」
イリスのポケモンは、水タイプのフローゼル。タイプ相性的に、ファントマには有利だ。
「では、行きます。ファントマ、催眠術」
ファントマは一瞬でフローゼルの目の前まで行くと、フローゼルの両目を凝視し、眠りへと誘う。
「フローゼル、氷の牙!」
フローゼルは眠りにつく寸前に氷結した牙を伸ばしてファントマに突き刺し、攻撃。効果はいまひとつだが、ファントマはエレクトロの下へと後退した。
「成程、レイ、アシド、フォレス、フレイを退けただけはありますね。では次はこれです。ファントマ、シャドーボール!」
ファントマは黒い影の球体を作り出し、フローゼルに向かって発射する。
「フローゼル、かわしてアクアジェット!」
フローゼルは横に跳んで影の球を回避し、激しい水流を身に纏ってファントマに突撃。効果抜群なので、かなりのダメージだろう。
「煉獄です!」
ファントマは自分と同じ紫色の炎を竜巻のように放ち、フローゼルを攻撃。
「フローゼル、煉獄は簡単にかわせる!ジャンプしてテラーソニック!」
フローゼルは跳躍して煉獄をかわし、素早く腕を振って黒い衝撃波を放つ。衝撃波はファントマに直撃し、大ダメージを与える。
「まだですよ。神通力!」
ファントマは念動力とは違う、神々しき力でフローゼルの動きを止め、地面に叩き落す。
「フローゼル!」
フローゼルはまだ戦闘不能ではないが、体が動かせないらしい。
「ファントマの神通力に捕まったら最後。自力では抜け出せません。煉獄です!」
ファントマは紫色に燃える紅蓮の炎を放ち、フローゼルを包み込む。
「フローゼル……!」
炎が消えると、フローゼルはまだ戦闘不能ではなかったが、かなりダメージを受けていた。流石は煉獄、と言ったところか。
「では、これでフィニッシュです。シャドーボール!」
とファントマが影の球を撃ち出し、フローゼルに当たる直前
フローゼルは水を纏った尻尾で、その球を切り裂いた。
「!」
そしてそのままフローゼルはファントマに急接近、気合を込めた拳を叩き込み、地面をへと叩き落す。
「今のは、アクアテールに……気合パンチ……新しい技を覚えたのか!」
どうやらそうらしい。そしてフローゼルの気合パンチを喰らったファントマは、目を回している。戦闘不能だ。
「戻りなさい、ファントマ」
エレクトロはファントマをボールに戻し、気付けば周りの霧も晴れている。どうやらさっきまでの霧は、ファントマの幻覚だったようだ。
「ふむ、これは予想外です。恐るべき英雄の成長、とでも言いますか」
エレクトロは淡々とそう言い、少しだけ、微笑む。
「それでは、そろそろ本腰を入れましょう」
今回はイリスvs7P最強、エレクトロのバトルです。まあ、短かったですけどね。そして最後の最後でフローゼルがアクアテールと気合パンチを習得。あ、ちなみに気合パンチはあにめ版を参考にしているので、絶対に後攻になるような事はないです。攻撃を喰らえばキャンセルという設定も、半分くらいないです。では、次回は本気になったエレクトロとのバトルです。お楽しみに。
- Re: 95章 本腰 ( No.189 )
- 日時: 2011/08/29 00:55
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html
「英雄さん、あなたはトレーナーの強さとポケモンの強さの関係、俗に相互関係と呼ばれるものをご存知ですか?」
唐突に、エレクトロはそんな事を言い出した。
「相互関係……トレーナーが強ければ、その分ポケモンも強い。ポケモンの力はレベルだけでなく、トレーナーの意志の強さも反映される、ってやつか?」
「ええ、その通りです」
相互関係とは、この世で最も強いであろうトレーナー、チャンピオンの強さを解明すべく発見された事象で、トレーナーの意思の強さに比例して、その強さがポケモンにも反映され、ポケモンが強くなるという考えだ。
しかしこれはまだ科学的には証明されておらず、様々な説がある。一番有力な説は、トレーナーの意思の強さに比例して無意識のうちに体から放出される波動をポケモンがキャッチし、力に変えている、という説だ。
「それを私達プラズマ団は、科学的に証明してみせました。その一番有力な説は正解でしたよ」
「……それが、どうした」
凄い事ではあるが、今それがどのような意味を持つのか、イリスには分からない。
「私達の7Pの強さは、ジムリーダーを倒せる程度です。この強さは前任の7幹部となんら遜色のない強さです。しかし、その程度ではダメなのです」
エレクトロはまたも唐突にそう言い出す。
「はっきりと申し上げましょう。今まで私達が戦ってきた力。それは、自らの力を抑えた状態で戦っていたのです」
「な……!」
つまりそれは、今まで手加減して戦っていたようなもの。7Pは本気ではなかったという事だ。
「私達は既に、氷の龍、キュレムと接触しています。まあしかし、かのポケモンは封印されていて、氷を一つ、摘出する事しかできませんでしたけどね」
そう言いつつ、エレクトロはプラズマ団の紋章が入った手袋を外していく。
「しかしそれで十分なのです。摘出された氷を尖らせ、私達7Pは体の各部位に、刻印を刻みました。それは境界の刻印と呼ばれ、私達の力を抑制するものとなりました」
手袋を全て外し終えたエレクトロは両手の甲をイリスに向ける。
「ではお見せしましょう。今から、私は力を解放します」
そう言うと、エレクトロの両手の甲が、光った。黄色と灰色を混ぜたような色で。
よく見るとその刻印とやらは形がちゃんとあり、エレクトロの両手の甲には手……いや、二本の爪みたいに刻まれている。
「刻印が刻まれる部位は人によって異なります。私の場合は両手の甲、刻まれたのはキュレムの両手です」
光は収まったが、エレクトロの両手に刻まれた刻印は、濁った黄色と、色が付いている。
「では、始めましょうか英雄さん。貴方の力も、そんなものではないでしょう?」
言ってエレクトロはボールを取り出す。そして口調も、少し変わっているような気さえする。
「……分かったよ、やってやるさ。出て来い、デンリュウ!」
イリスは先ほどの戦いで傷ついたフローゼルを戻し、代わりにデンリュウを繰り出す。
「それでは私も。戦の時間です、ハッサム!」
エレクトロが繰り出したのは、赤い体に両手がハサミとなったポケモン、ハッサム。
「デンリュウ、一気に行くぞ!炎のパンチ!」
デンリュウは拳に炎を灯し、ハッサムに殴りかかる。
しかし
「ハッサム、メタルクロー!」
ハッサムは鋼鉄のハサミを閉じた状態でデンリュウの懐に潜り込み、ハサミで殴るようにデンリュウを吹っ飛ばした。
「で、デンリュウ!?」
地面に落下したデンリュウは、目を回して戦闘不能になっていた。
(なんだ今のハッサムのスピードとパワー……あんなの、強いなんてもんじゃないだろ……!)
「お分かり頂けたでしょうか。これが私の本気です。まあ、解放状態に限れば、私の力はプラズマ団で三番目ですけどね」
「え……?」
エレクトロの言葉を疑ってしまうイリス。つまり、解放すればエレクトロよりも強い7Pが、あと二人はいるという事。いやそれ以前に、他の7Pだって解放すれば相当強くなるはずだ、圧倒的な強さがあるはずだ。
そしてここで、イリスはエレクトロが相互関係について話してきた意味を理解した。
つまりエレクトロ達は自らの力を抑制する事で、ポケモン達の力も抑えていたのだ。
「まだ戦いますか? 私としては、もう諦めるべきだと思いますがね。貴方がいくら気張ったところで、今の私には勝てません。貴方のお弟子さんは、頂いていきます」
そう言ってエレクトロが足を踏み出す。その時だった。
「ブーバーン、オーバーヒート!」
上空から爆炎ポケモン、ブーバーンが現れ、辺り一体を焼き尽くすような爆炎を放つ。
「くっ、何者ですか!」
ハッサムが炎に包まれる中、空中より降りてきた、というより落下してきたのは
「ザキさん!?」
「兄さん!?」
PDOセッカ支部統括にして、ミキの実兄、ザキだった。
「おい、そこの執事服着たモヤシ」
「私の事ですか?」
コクリと頷くザキ。
「てめえ、人の妹誘拐してどうするつもりだ? 返答すれば焼くぞ」
何を言っても、焼く事は免れないらしい。
「ふふ、どうやら貴方も、私の邪魔をするようですね。良いでしょう、久しぶりに解放して、私でも少し興奮してしまっていますからね。少しはしゃいでしまいましょう」
炎が消えると、そこに立っていたのはハッサムだった。
「では、プラズマ団の境界を、刻みましょう」
今回はエレクトロが本気になりました、ハッサムはデンリュウを一瞬で倒してしまい、ブーバーンのオーバーヒートを喰らっても倒れません。分かりにくかった人のために、境界の刻印についてざっくりと説明します。境界の刻印はキュレムの氷を氷柱みたいに尖らせて、それで刺青のようにキュレムの体の一部を模した刻印を刻むのです、結構グロいです。そして刻印で封じられた力を解放すれば、超パワーアップします。まあ、こんなとこですかね。分からない所があれば、いついつでもお聞きくださいな。では、次回はザキとエレクトロのバトルになるか、お楽しみに。
- Re: 96章 時間 ( No.190 )
- 日時: 2011/08/28 12:55
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html
「ハッサム、辻斬り!」
「ブーバーン、十万ボルト!」
ハッサムはブーバーンに向かって走り出すが、ブーバーンはハッサムを近寄らせない。
「気合球だ!」
ブーバーンは腕の先から気合を凝縮させた球を発射し、ハッサムを攻撃。しかし異様に素早いハッサムには、その直線的な攻撃は当たらない。
「ふふ、次はこの技です。ウッドハンマー!」
「ケッ、サイコキネシス!」
ハッサムは閉じたハサミに樹木の力を凝縮させ、ブーバーンに叩きつける。
しかしブーバーンにウッドハンマーは効果いまひとつ、かなりのダメージを与えたのは確かだが、倒すまではいかず、ブーバーンは反撃の念動力をぶつけてハッサムを吹っ飛ばした。
「おまけだ、オーバーヒート!」
ブーバーンはさらに全てを焼き尽くすような業火を放ち、ハッサムを炎に包み込む——
「ハッサム、襲撃です!」
——事は出来なかった。
ハッサムはオーバーヒートをかわし、ブーバーンの背後に回りこんでハサミによる一撃を繰り出し、ブーバーンを襲撃する。
「ブーバーン!」
ブーバーンはウッドハンマーのダメージもあり、戦闘不能となってしまった。
「くっ、戻れブーバーン」
ザキはブーバーンをボールに戻す。
それにしても、ハッサムの強さは規格外だった。まずブーバーンのオーバーヒートを喰らっても耐え切る防御力、効果いまひとつであるウッドハンマーと襲撃と二撃でブーバーンを倒してしまう攻撃力、そしてハッサムではありえないような素早さ。
これが、解放状態のエレクトロの力なのだろうか。
「次はお前だ。出て来い、エレキブル!」
ザキの二体目は、雷電ポケモンのエレキブルだ。
「行くぞエレキブル、まずは地震だ!」
エレキブルは地面を踏み鳴らし、大きく揺さぶって衝撃波を放つ。
「ハッサム、かわしてメタルクローです!」
ハッサムはその地震を跳躍して回避し、上空から閉じた鋼鉄のハサミによる一撃を繰り出す。
「掛かったな。炎のパンチ!」
エレキブルは電気コードのような二本の尻尾を巧みに操ってハッサムの腕を絡め取り、身動きを取れなくさせる。そしてその隙に。炎の灯した拳をハッサムの腹に叩き込む、吹っ飛ばす。
流石のハッサムもオーバーヒートに炎のパンチ、弱点を連続で突かれて体力が尽き、戦闘不能となった。
「戻りなさい、ハッサム……ふむ、不意討ちのオーバーヒートが効いたようですね。しかし次はそうは行きませんよ。さあ飛翔の時間です、トロピウス!」
エレクトロが次に繰り出すのは、フルーツポケモンのトロピウスだ。
「トロピウス、ダイヤブラスト!」
トロピウスは口腔より宝石のように輝く白色の光線を発射し、エレキブルを攻撃。
「エレキブル、かわして炎のパンチだ!」
エレキブルは意外と素早い動きで光線をかわし、炎を灯した拳をトロピウスの体に叩き込む。
効果抜群だが、しかしトロピウスにはあまり効いていないようだ。
「トロピウス、ドラゴンダイブです!」
トロピウスは翼を羽ばたかせて飛翔し、上空より勢いをつけてエレキブルに突っ込む。
「これは避けきれねえか……エレキブル、ギガスパーク!」
エレキブルは巨大な電撃の球を作り出し、突っ込んでくるトロピウスにそれをぶつける。
トロピウスはその巨大な電撃の球を突っ切ってエレキブルに激突したが、ダメージを受け威力は減衰されたようで、エレキブルはそこまで大きなダメージを受けなかった。
「行くぞエレキブル、ウッドハンマー!」
エレキブルは拳に樹木の力を込め、トロピウスの顔面に叩きつける。
「さらに炎のパンチ!」
続けて炎を灯した拳でトロピウスの顔面を殴って攻撃。
「ふふ、その程度の攻撃では、私のトロピウスは倒せませんよ。トロピウス、生い茂る!」
トロピウスは大きな雄叫びを上げる。すると地面に生えている草が急成長し、エレキブルを捕らえ、覆っていく。
「くっ、これは……」
「これでエレキブルは動けないでしょう。放っておけばあとは植物がそのエレキブルの体力を削ぎ落としてくれますが、ここは自らの技で止めを刺すのが礼儀。トロピウス、ハリケーン!」
トロピウスじゃ翼を大きく羽ばたかせ、猛烈な風を巻き起こす。そしてその風はエレキブルに直撃し、エレキブルは植物を引き千切りながら吹っ飛ばされていく。
「エレキブル!」
吹き飛ばされたエレキブルは近くに生えていた木の幹に激突し、目を回している。戦闘不能だ。
「もう終わりですか? PDOというのも、案外大した事ないですね」
ザキを嘲笑うようにエレクトロは言う。
「くっ……」
一応ザキにはまだ一体、戦えるポケモンがいる。しかしそのポケモンでは、きっとトロピウスは倒せないだろう事は分かる、分かってしまう。
「終わりというなら、私は任務を遂行させていただきます。貴方の妹さんは、頂きますよ」
そう言ってエレクトロはトロピウスに何か指示を出す。するとトロピウスは地ならしを起こしながらミキへと迫っていく。
「ぐっ、待ちやがれ!」
ザキがトロピウスに向かって走り出そうとした、その時
トロピウスは空から落ちてきたポケモンに、押し潰された。
「!? トロピウス!」
まさかの事態に、エレクトロだけでなく、ザキもイリスもミキも唖然とする。
すると、上空からまた違うポケモンが、舞い降りてきた。
「まったく、ザキ、君って奴は本当に向こう見ずの鉄砲玉だな。妹絡みになると、リオ以上に無鉄砲だ」
舞い降りてきたのは
「キリハ……」
PDOヒウン支部統括の、キリハだった。
今回はザキとエレクトロのバトルでしたが、見事にザキはやられてしまいました。一応手持ちにはテペトラーとデルビルがいる設定ですが、テペトラーはタイプ的に不利、デルビルはレベルが低く論外です。そして後からよくよく考えてみると、エレクトロの発言、なんだか変態っぽいですね。まあ、本人は気にしないでしょうけど。では次回はキリハがエレクトロとバトル……になったら、エレクトロ連戦ですね。まあ、その辺はいろいろと試行して、とりあえずは、次回もお楽しみに。
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