二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 18章 強化 ( No.46 )
日時: 2011/07/31 22:49
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「さてはて、どちらから参りますか? 私はどちらからでも、もっと言えば両方一遍に掛かって来ても構いませんが?」
エレクトロは余裕の表情で不敵に笑う。ちなみにエレクトロは現在、トロピウスに乗っている。
「リオさん、僕は前に一度だけ、あいつに会った事があるんですが……どうにも、他の奴らとは雰囲気が違いますよ。たぶん、7Pの中でもトップクラスの実力者です」
「言われなくとも分かるわ。強者の気がビンビンする」
リオはエレクトロを見上げつつ言う。
「来ないのですか? 一応言っておきますが、私はあなた方を足止めする役割があります。恐らく、仲間の一人が今交戦中——もしくは計画を遂行している所でしょう。あなた方が攻めてこないのは、私にとっても好都合な事です」
エレクトロは丁寧な口調だが、重圧を感じる。バトルも強そうだが、話術にも長けているらしい。さすが7P(セヴンプラズマ)、底が知れないと言った所か。
「ですが、私も戦いたくないと言えば嘘になります。そちらが来ないのであれば、こちらから行きますよ」
エレクトロとトロピウスが臨戦態勢に入る。その時だった

「変な叫び声が聞こえたから来てみれば、お前かよ」
「リオ、ここにいたのか。探したよ……」

PDOメンバー、ザキとキリハが現れた。
「ザキさん、キリハさん……何でここに……?」
「言ったろ。変な叫び声が聞こえたから来たって」
イリスの叫び声である。意外なところであの絶叫は役に立ったというわけだ。
「で、どうやらこっちにも幹部クラスの大物がいるらしいな」
ザキが呟く。
「予期せぬ援軍ですか。四人で私に挑むのですか? 少々きつそうですが、私は構いませんが?」
エレクトロは四対一という絶望的にも思える状況にありながら、まだ余裕がある。
「ケッ、お前なんかに四人がかりで挑むこたぁねえ」
「イリス君、今すぐ北へと向かってくれ。実はそこにも幹部クラスのプラズマ団がいて、僕らに協力してくれたトレーナーが戦ってる。救援に行ってくれ」
どうやら北側にも7Pがいたらしい。
「分かりました。キリハさん達も、お気をつけて」
そう言ってイリスは階段を駆け上がっていく。その途中、PDOメンバーとエレクトロの会話が聞こえてくる。
「四人ではなく三人で来ますか。それならこちらも三体のポケモンを出させて頂きましょう。行きなさい、ハッサム、ファントマ」
エレクトロが繰り出したのは、はさみポケモンのハッサムと幻影ポケモンのファントマ。
ハッサムは赤い光沢のある体に両手のハサミ、背中には飛べなさそうだが羽がある。タイプは虫・鋼タイプ。
ファントマは紫色の火の玉のようで、周りには小さな炎の破片が纏わり付いている。タイプは炎タイプ。
「僕らだって、この一年、暇を見つけつつトレーニングを積んできたんだ。如何に相手が7Pでも、そう簡単には倒されないよ。出て来い、ペガーン!」
「そうだ。妹ばっかりいいとこみせて、俺はほとんど出番がなかったからな。その雪辱を糧にして強くなった。行け、テペトラー!」
若干一名言っている事がおかしいが、二人ともそれぞれ新たなポケモンを繰り出す。
キリハのポケモンは神話に出てくるペガサスのようなポケモン。跳ね馬ポケモンのペガーン。エスパー・飛行タイプ。
ザキのポケモンは腹に×マークの付いている直立した河童のようなポケモン。河童ポケモンのテペトラー。水・格闘タイプ。
そしてリオは場に出ているシャンデラに引き続き戦ってもらう。
イリスはいかにも屈強そうなポケモン達を見て、ここは大丈夫だと思い、カゴメタウンの北を目指す。



「確かに強力なポケモン達ですね。しかし、それでも制限ありで十分戦えるレベルですか」
「あぁ? てめえ、意味不明な事言ってんなよ。俺達三人を相手にした瞬間、お前の負けは確定してんだ」
ザキの挑発交じりの言葉に、エレクトロは軽く微笑む。
「笑ってしまいましたが、失笑ですね。あなた方がいくら気張った所で、私に敵うはずないですよ。何故なら——」
エレクトロは一拍置き、言い放つ。
「私は7P最強ですからね!」



イリスはカゴメタウン北の、一番高い場所へと来た。そこでは誰かが戦っているようで、爆発音が聞こえる。
「げっしゃ!」
イリスが階段を上り終えてすぐ、目の前に全身真っ黒で黄色の輪っか模様があるポケモンが転がってくる。
(げっしゃ……月紗?)
イリスはげっしゃというのが、目の前に転がっているポケモンだと理解する。
そして不謹慎なのは重々承知の上、そのポケモンを図鑑で調べる。
「ブラッキーっていうのか……」
そこでイリスは顔を上げる。そこには二十歳を迎えていないくらいの二人の女性がいた。
片方の女性は茶色いセミロングの髪に、黒い瞳。白いブラウスの上に蒼い上着を着ていて、下のスカートも蒼色。そして右手首には金色のブレスレットをつけている。
もう片方は地面に着きそうなほど長い青色の髪、氷のように冷たい水色の瞳に、簡素な水色のワンピースを着ている。
そして、プラズマ団の紋章が入ったヘアピンをつけている。
「7P……!」
イリスはプラズマ団の方を睨む。するとプラズマ団も目線を合わせてきた。
その眼は氷のように冷たく、氷柱のように鋭く心に突き刺さる眼だった。



今回はいろいろありました。PDOメンバーズとエレクトロの戦い。新たな7Pの登場……あれ?そんなにいろいろない?……まあよしとします。今回は黒影さんのオリキャラも登場しましたが、名前までは出てきてなく、ほとんど容姿だけですね。では、次回はオリキャラと敵キャラを使いつつ、話を進めましょう。お楽しみに。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 オリキャラ・オリ技、募集 ( No.47 )
日時: 2011/07/31 23:04
名前: 霧火 (ID: ezAGn.q4)

本編とは関係ないんですが、リオがシンオウ地方で仲良くなった人達について設定に追加しました。
あとリオのポーチの中身についても少しだけ追加しました。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 オリキャラ・オリ技、募集 ( No.48 )
日時: 2011/07/31 23:06
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

霧火さん

イリスの反応は昔読んだ小説の、急激な変化をした人に対する反応、を参考にしてみました。それにしても、リオも変わりましたね。書いている側からもそれが伝わってきますよ。

キャラ崩壊してませんでしたか……良かったです。正直ちょっと冷や冷やしてました……

アデクはもう歳なのでともかく、ミキやベルだったら反応が面白そうですね。今後の展開の参考になります。

リオ、遂にシンオウを制覇してしまいましたか。これはもう単身でプラズマ団のアジトに乗り込んでも大丈夫な気さえしますな。
追加情報もありがとうございます。


パーセンターさん

ムントの設定変更、ありがとうございました。

ムントの服の刺繍、サザンドラからオノノクスに変わったんですね。やっぱり敵の切り札の刺繍は嫌だったんですね。

Re: 19章 氷女 ( No.49 )
日時: 2011/07/31 23:55
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「げっしゃ、戻って」
茶色い髪の女性が、げっしゃというニックネームらしいブラッキーをボールに戻す。見た感じ戦闘不能ではないようだが、かなりのダメージを受けていた。戻して正解だろう。
そしてそれと同時にプラズマ団——7P(セヴンプラズマ)の方もポケモンを戻す。
「……あなたは?」
茶髪の女性がイリスに尋ねる。
「僕は、イリスといいます。キリハさん……PDOという組織の人に、ここで戦っている人がいるから救援に行ってくれと頼まれて来ました」
「そうですか……ありがとうございます。私はユウナです。よろしくね」
女性——ユウナは可愛らしい笑顔でそう言う。だがそぐにその顔も、真剣なものとなる。
「……一人増えましたね。まあ、別に構いませんわ。一応名乗ってあげましょう、わたくしは7Pのレイ」
7Pのレイは丁寧な口調で言うが、エレクトロのように礼儀正しいとは言えない。その声は凍てついていて、氷柱のように鋭く、こちらを冷たく突き刺すような声だ。
「二人になったという事は、ダブルバトルになるのかしら……?」
レイはボールを二つ出しつつ言う。
「……ユウナさん、ポケモンはまだいますか?」
「いるけど……本当に戦わないといけないの……?」
イリスはその言葉を聞き、少し戸惑う。どうやらユウナは平和主義な所があるようで、バトルする気満々、というわけではないようだ。
「ユウナさん、僕はまだあなたと知り合ったばかりであまり偉そうな事は言えないですが、それでも今は戦うべき時です。ここで戦わなくては、被害は拡大します。それに、皆戦っているのに自分が戦わないなんて……倫理的にどうでしょう」
イリスの言葉でユウナは少々戦意が出てきたのか、ボールを握り締める。
「うん、分かった。あまり気は進みませんが……戦うとします。出て来て、イヴ!」
ユウナが繰り出したのは、薄紫色のしなやかな体躯と二又に分かれた尻尾を持つポケモン、太陽ポケモンのエーフィだ。先ほど戻した月光ポケモンのブラッキーとは、進化元が同じのようだ。
「じゃ、僕はこいつかな……出て来い、リーティン!」
イリスが繰り出すのは発芽ポケモンのリーティンだ。まだ進化して間もないが、それでも新しい手持ちの中では最強だ。
「……出て来なさい、テッカニン、ヨノワール」
レイが繰り出したのは、忍ポケモンのテッカニンと、手掴みポケモンのヨノワールだ。
テッカニンはセミのような姿をしており、羽を高速で羽ばたかせて飛んでいる。かなり速そうだ。
ヨノワールは黒い体には目も足もなく、腹に口のような黄色い切れ込み模様と目玉模様がある。こっちは逆に鈍そうだ。
「……イリスさん、イヴが能力を上げるまで、あの二匹を引き付けてくれませんか?」
ユウナは小声でイリスに耳打ちする。
「それは……どういった作戦で?」
「私のイヴはあまり打たれ強くないので、前線で戦うのには向かないんです。だから、準備を整えて一気に攻めます」
イリスはそれを聞いて少し考える。イリスにはこのユウナという女性の強さが分からないので、なんともし難い。しかし
「分かりました。じゃあ、その作戦で行きましょう」
「……ありがとう」
作戦会議が終わると、イリスは真っ先に動いた。
「リーティン、かまいたち!」
リーティンは空気の渦を作り出し、葉っぱを振って風を切り裂く真空の刃を飛ばす。
「テッカニン、見切りよ……」
テッカニンはかまいたちの軌道を見切り、素早い動きでそれらを全てかわす。
「イヴ、影分身」
そしてイヴ(エーフィ)はその隙に影分身を作り、攻撃を当たり難くする。
「……呆れましたわ。わたくしに回避率上昇の技なんて効きませんよ。テッカニン、燕返し。ヨノワール、シャドーパンチ」
テッカニンは超高速でエーフィに直進し、鋭い爪で切り裂く。ヨノワールは影を纏わせた拳を、ロケットパンチのようにして撃ち出す。
「リーティン!」
リーティンは飛び上がり、葉っぱを盾にして燕返しとシャドーパンチを受ける。
「グラスミキサー!」
そしてリーティンは葉っぱを高速で回転させて木の葉の渦を作り出し、テッカニンとヨノワールを巻き込もうとする。
「テッカニン、避けなさい……」
しかしテッカニンはそれを避け、渦に巻き込まれたのはヨノワールだけだった。ヨノワールはそのまま地面に叩きつけられ、結構なダメージを受ける……はずだった。
「全然効いてない……!?」
見ればヨノワールは平然としていて、ノーダメージと言っても良いくらい余裕だった。
「わたくしのに限らず、ヨノワールは堅いのですよ……。そのくらい、常識ですわ。テッカニン、連続切り……」
次の瞬間、テッカニンは消えた。
そしてリーティンの肩に切り傷ができる。いや、肩だけじゃなく、足、腕、背中と、どんどん傷ができていく。そしてその傷も徐々に深くなっている。
「こ、これは……!」
イリスは理解した。つまり、テッカニンは残像も残らないほどの超スピードで動き回り、リーティンを連続で切り裂いているのだ。しかも、そのスピードは攻撃する都度上がっているようにも見える。いや、見えないから感じる、と言った方が正しいか。
「テッカニンの特性加速による高速の——光速の連続切り、じっくりとその体で味わってもらますわ……」
レイの冷たい声が、イリスの心を凍結させる。



今回は7Pのレイとのバトル、そして黒影さんのオリキャラ、ユウナとの共同戦線。黒影さん、キャラ崩壊などの不備があればお申し付けください。なんだか今回は、希望通りのキャラではないきがしてならないのですが……。では、次回予告ですね。次回は……まあ、分かると思いますが、レイとのバトルの続きです。お楽しみに。

Re: 20章 援軍 ( No.50 )
日時: 2013/03/02 03:36
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: u.mhi.ZN)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「テッカニン、燕返し……」
テッカニンは連続切りでリーティんを切り刻んだ後、鋭い爪で再度リーティンを切り裂く。
「くっ、リーティン、燕返し!」
「見切り、そしてシャドーパンチ……」
テッカニンは燕返しの軌道を見切ってかわし、ヨノワールがその際にできた隙を突いてシャドーパンチを喰らわせる。
「イヴ、瞑想」
そしてイヴ(エーフィ)は瞑想をしている。
イリス達の作戦は、まずイヴが能力を上げ、その間はリーティンが二体を引き付ける。そしてイヴの能力が十分高まった所で、一気に攻めるのだ。しかし
「テッカニン、メタルクロー……」
テッカニンは爪を鋼鉄のように硬化させてリーティンを切り裂く。そのスピードは残像すら残らないほどで、以前戦ったメイルというトレーナーのアーケオスも相当速かったが、それを遥かに超え、さらに加速していくスピードだ。
「ヨノワール、ダイヤブラスト……。テッカニン、連続切り……」
ヨノワールは宝石のように輝く白色の光線を撃ち出し、テッカニンはリーティンを光速で切り刻む。
「くっそ……かまいたち!」
「影討ち……」
リーティンは空気の渦を作り出し、そこから風を切り裂く真空の刃を放つ。しかしテッカニンは影に入り込んでそれをかわし、リーティンを背後から襲う。ヨノワールには効果がないので効いていない。
「ヨノワール、サイコキネシス……。テッカニン、連続切り……」
ヨノワールは念動力でリーティンの動きを封じる。そしてそこへテッカニンが無防備のリーティンを光速で切り刻む。一撃一撃は軽いものの、それが積み重なってくると、かなり大きなダメージになる。
「リーティン、マジカルリーフ!」
「テッカニン、見切り……」
リーティンは必中技を放つが、テッカニンは見切りでそれを回避し、ヨノワールは堅くダメージがほとんどない。
「流石に、ヤバイな……!」
リーティンはもともと耐久型のポケモンではない。なのにこれだけ攻撃を喰らって立っているのがもう奇跡のようなものだ。
「まあ、相手の攻撃力がさほど高くないのが、幸いだな……」
そう、テッカニンもヨノワールも、それぞれ素早さと防御系統に特化にしているが、実はそれ以外の能力は大した事がない。なので持久力の低いイリスのリーティンも、まだ戦い続けることができるのだ。
「リーティン、グラスミキサー!」
リーティンは葉っぱを高速で回転させ、木の葉の渦を作り出し、テッカニンとヨノワールを巻き込もうとする。
「テッカニン、かわして燕返し……。ヨノワールはシャドーパンチよ……」
テッカニンはもう視認できない動きで瞬間移動の如く渦をかわし、リーティンを切り裂く。それによって体勢を崩したリーティンに、ヨノワールは拳に込めた影をロケットパンチのように撃ち出す。
「ぐぅ……」
イリスは呻き、チラリとイヴの方を見る。イヴはまだ瞑想中で、能力を上げているところだ。
「もうちょっとかな……リーティン、燕返し!」
「影討ち……。ダイヤブラスト……」
リーティンは葉っぱを振ってテッカニンを切り裂こうとするが、テッカニンは影に潜ってそれをかわし、背後からリーティンを襲う。それだけならすぐに燕返しで反撃できたが、そこでヨノワールが宝石のように輝く白色の光線を発射し、リーティンを吹き飛ばす。
「そろそろ終わり……テッカニン、メタルクロー……」
テッカニンは爪を鋼鉄のように硬化させてリーティンに迫る。恐らくそれを受ければ、リーティンはやられるだろう。その時だった。

「イヴ、スピードスター!」

無数の星がテッカニンに襲い掛かり、切り刻む。
「……!?」
レイはいきなりのスピードスターとその威力に驚いている。それもそうだろう、たった一回の攻撃でテッカニンが戦闘不能になったのだから。いくら防御力の低いテッカニンといえど、効果抜群でない限り一撃でやられるというのはそうそうない。
「くっ……ヨノワール、放電……!」
ヨノワールはイヴも攻撃対象に決めたのか、バチバチと弾ける電撃を放出する。
しかし、その直前にヨノワールは何かの攻撃を受け、倒れる。
「イヴの未来予知……言わば、時間差攻撃です」
これでレイのポケモンは戦闘不能イリス達の勝利……と思ったのも束の間だった。

「コクジャク、電磁波!」

どこからか弱い電磁波が放たれ、イリスとユウナはその場に倒れ伏してしまう。体が麻痺したのだ。
「がっ……!」
「うぅ……」
どこから攻撃されたのかとイリスは頑張って首を上げる。すると上空には、翼に眼があり、体が壺のようなポケモン。そしてそれに掴まっている緑色の髪の男。男は迷彩柄の服の上に真っ黒なコートを羽織っていて、ベルトにはプラズマ団の紋章がある。。
「7P(セヴンプラズマ)が一人、フォレス」
男——フォレスは短く名乗ると、あまり恐くはないが怒りの形相で叫ぶ。
「おいお前ら!俺のレイさんにこれ以上手出ししてみろ!明日から義手義足ないと生活できない体にすんぞ!」
フォレスはやけにハイテンションで叫んでいる。
「フォレスうるさいー」
そしてフォレスの背後——というか背中から少女がニョキッと顔を出す。
「そんな近くで叫ばないでよー」
少女はいかにもやる気がない、眠たげで無気力なオーラをかもし出しつつ言う。
「黙っとけ。レイさんがやられているのに、指をくわえて見ていられるか!」
「黙るのはフォレスだよー。……ああ、自己紹介しなきゃねー。あたしはフレイ、7Pだよー」
少女は長く赤い髪をロングポニーテールにしており、格好は淡いピンク色の浴衣だ。背中に差してある団扇に、プラズマ団の紋章がある。
「…………」
レイは援軍が来たというのに、まるで気に入らないとでも言うような顔をしている。
「さあレイさん、掴まって下さい」
フォレスはレイに向かって手を伸ばす。どうもこのフォレスという男、レイに対する態度だけが随分と違う。
「ああ、いや。まず先にこいつらを始末しましょうか」
そう言うとフォレスは地面に降りてイリス達を睨み付ける。
「さあ、レイさんに手を出した罪は大きいぜ。お前らはここで影も残さず消してやるよ」
フォレスはイリス達に迫ってくる。
イリス、絶対絶命のピンチである。



微妙な終わりな気もしますが、文字数の関係上、こうなってしまうのです。今回は7Pが三人も出てきました。まずはルーに相等するレイ、リンに相等するフォレス、そしてレドに相等するフレイ。……見事に全員性格が全く違いますね、フレイとレドに至っては真逆ですし……。では、今回ラストはイリス達が大ピンチ。次回どう切り抜けるのか、お楽しみに。


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