二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 538章 死神 ( No.790 )
日時: 2013/03/22 19:49
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 テッカニンがやられ、レイの残りポケモンは半分。レイは次のボールを手に取る。
「おいでなさい、ヨノワール!」
 レイの三番手は、手掴みポケモン、ヨノワール。
 死神のような姿をしており、暗褐色の体に黄色いライン。胴体には恐ろしげな顔のような模様があり、大きく口が開いている。足はなく、頭部には黄色いアンテナが立っている。
「ヨノワールか……なら普通に戦った方がいいな。ブーバーン、ジオインパクト!」
 ブーバーンは全身に銀色のオーラを纏い、ヨノワールに突っ込んでいくが、
「ヨノワール、地震です!」
 ヨノワールも拳を地面に叩きつけて地震を引き起こし、衝撃波でブーバーンを吹っ飛ばす。テッカニンとのバトルで疲弊していたブーバーンは、効果抜群の一撃を喰らって戦闘不能となった。
「ぐっ、戻れブーバーン」
 ザキは悔しそうにブーバーンをボールに戻す。
「ヨノワールはゴーストタイプ。地震があるとはいえ、あいつじゃぁな……」
 しばし逡巡し、ザキは三体目のポケモンが入ったボールを取り出す。
「やっぱこいつか。出て来い、エレキブル!」
 ザキの次なるポケモンは、雷電ポケモン、エレキブル。
 ずんぐりした黄色い体に黒い縞模様、二又の黒い尻尾は電気コードのようになっており、背中にはコンセントの差し込み口に似た模様もある。
「……地震を持つヨノワールに対して、電気タイプのエレキブルですか」
「まあな。残る一体はそいつにはきついし、地震ぐらいどうにでもなる」
「そうですか。では見せてもらいましょう、ヨノワール、地震!」
 ヨノワールは再び拳を地面に叩き付け、強力な地震を引き起こすが、
「エレキブル、地震だ!」
 エレキブルも足で地面を踏み鳴らし、地震を発生させる。お互いの地震がぶつかり合うが、攻撃力ならエレキブルの方が高いので、エレキブルの地震が押し勝ちヨノワールを襲った。
「ワイルドボルト!」
 間髪入れずにエレキブルは駆け出し、全身に弾ける電撃を纏ってヨノワールに突撃する。
「くっ、サイコパンチです!」
「ウッドハンマーだ!」
 念力を纏った拳で引き剥がそうとするヨノワールだが、エレキブルも樹木の力を宿した拳を振るい、ヨノワールを殴り飛ばす。
「地震!」
 そして再び地震を引き起こし、ヨノワールを追撃。
「もう一発行くぞ! 地震だ!」
「させません! ヨノワール、サイコパンチ!」
 エレキブルが三度地震を引き起こそうとするも、ヨノワールは素早く念力の拳を飛ばしてエレキブルを攻撃し、地震を中断させる。
「怒りの炎です!」
 そして今度は口から燃え盛る憤怒の炎を放つ。炎は怒り狂うように蠢き、エレキブルを襲う。
「ちぃ、振り払えエレキブル! ワイルドボルト!」
 エレキブルは弾ける電撃を身に纏い、怒りの炎を吹き飛ばしてヨノワールに突貫する。
「止めますよヨノワール。地震!」
 ヨノワールも急いで地震を引き起こし、エレキブルの纏っていた電撃を吹き飛ばして動きを止める。
「サイコパンチです!」
 そしてすぐさま念力の拳を飛ばして攻撃。
「怒りの炎!」
 ヨノワールの攻撃は止まらず、ヨノワールは大きく口を開き、憤怒の業火を放とうとするが、
「させるかよ! エレキブル、グランボールダ! ヨノワールの口を塞げ!」
 エレキブルは地中から大小様々な岩石を浮かび上がらせる。そして、それらの岩石を一斉にヨノワールの口の中へと詰め込んだ。
「っ! ヨノワール!」
 口を塞がれて、ヨノワールは怒りの炎を出せず、動きも鈍っている。
「エレキブル、地震だ!」
 エレキブルは地面を揺らし、発生した地震をヨノワールに直撃させて吹き飛ばした。
「くぅ、ヨノワール、こちらも地震です!」
 地震を受けた衝撃で炎と岩を吐き出したヨノワールは、態勢を立て直し、地震を引き起こして反撃に出るが、
「お前の地震なんざ敵じゃねぇんだよ! エレキブル、もう一発地震!」
 エレキブルも同じように地震を繰り出す。
 双方の衝撃波がぶつかり合うが、勝敗は既に出ていた。エレキブルの地震が打ち勝ち、そのままヨノワールに襲い掛かる。
「ワイルドボルト!」
 ヨノワールが怯んでいる隙に、エレキブルは激しい電撃を身に纏い、ヨノワールへと突貫する。
「怒りの炎です!」
 ヨノワールは口から憤怒の業火を放つが、エレキブルはその程度では止まらず、業火を突き抜けてヨノワールに激突した。
「追撃だ! ウッドハンマー!」
「ヨノワール、サイコパンチ!」
 エレキブルの樹木の力を込めた拳と、ヨノワールの念力を纏った拳がぶつかり合うが、素の攻撃力だけでなく技の威力でも負けているヨノワールは、エレキブルに押し切られて殴り飛ばされてしまう。
「くっ、怒りの炎!」
 吹っ飛ばされながらも、ヨノワールは口から怒りの炎を放とうとする。しかし、
「グランボールダで塞げ!」
 エレキブルがそれを許さない。地中から飛び出した無数の岩石がヨノワールの口を塞いでしまう。
「今だ! ワイルドボルト!」
 岩石を詰め込まれた時が攻め時と見たのか、エレキブルは電撃を纏ってヨノワールへと突っ込んでいく。
「ヨノワール、喰らいつく!」
 対するヨノワールは、口の中に詰め込まれた岩石を、あろうことかそのまま顎の力で噛み砕いてしまった。同時に、口の中で溜まっていた怒りの炎が噴射される。
「地震です!」
 そしてすぐさま地面を殴りつけ、地震を引き起こし、エレキブルの電撃を吹き飛ばして動きを止める。
「っ! エレキブル!」
 直後、動きの止まったエレキブルにヨノワールの吐き出した炎が直撃。口の中で圧縮されていた分、勢いと威力が多少なりとも上がっていたようだ。
「んだよ今の……喰らいつくっつーか、噛み砕くだな、ありゃ」
 ヨノワールの口には岩を詰めとけば有利になると考えていたザキだが、怒りの炎の威力が変に上がってしまったため、一概にそうとも言えないようだ。それに喰らいつくでも噛み砕くでも、詰めた岩を砕かれてしまえば、この手はもう使えないだろう。
「エレキブル、ワイルドボルト!」
 エレキブルは弾ける電撃を纏ってヨノワールへと突っ込んでいくが、
「ヨノワール、地震です!」
 ヨノワールも地震を放ち、エレキブルの動きを止めてしまう。
(またか……!)
 エレキブルが突っ込もうとすれば、地震で動きを止める。そしてすぐに追撃が飛んでくる。
「怒りの炎!」
 直後、ヨノワールの口から憤怒の炎が放たれ、エレキブルに直撃。エレキブルの身を焼き焦がしていく。
「振り払え! ワイルドボルト!」
 エレキブルは再び電撃を纏って炎を振り払い、そのままヨノワールへと突っ込んでいく。最初に距離を詰めたので、次に地震を繰り出す余裕はないはず。だが、
「ヨノワール、喰らいつく!」
 逃げるどころかヨノワールはエレキブルに向かっていき、大きな腹の口を開いてエレキブルに齧り付いた。
「なっ……!? エレキブル!」
 完全に動きを止められた。腕ごと喰らいついて来たため、エレキブルは纏った電撃でしか抵抗ができない。その電撃も、ヨノワールには大した効果はない。
「ヨノワール、今のうちに決めてしまいましょう。怒りの炎!」
 ヨノワールはエレキブルに喰らいついたまま、口から怒り狂うように燃え盛る憤怒の業火を放つ。
 そんなことをすれば当然、エレキブルは至近距離から業火の直撃を、しかも逃げることも打ち消すこともできずに喰らってしまう。
「エレキブル!」
 情け容赦なくエレキブルを焼き焦がしていく業火。両腕を封じられ、身動きの取れないエレキブルがヨノワールから脱する方法は——
「これしかねぇ……! エレキブル、グランボールダ!」
 エレキブルは身を焦がされながらも大きく咆哮する。すると、地中から大小様々な岩石が浮かび上がる。
 これらの岩石は、ヨノワールの口を塞ぐためのものではない。ヨノワールの口は、もうエレキブル自身が塞いでいるようなものだ。
 なのでエレキブルは、浮かび上がらせた岩石を、ヨノワールの体に向けて一斉に放つ。
「っ、ヨノワール、耐えなさい!」
 ガガガガガッ! と痛々しい音が響き渡り、ヨノワールは岩石に身を打たれる。防御もせずグランボールダの直撃を何発も喰らっては、相当なダメージになる。そのため遂にヨノワールは、エレキブルを解放してしまった。
「くっ、逃がしましたか。ならば再び捕えるだけです! ヨノワール、喰らいつく!」
「させるかよ! 今度はそのままぶっ飛ばしてやる! エレキブル、ワイルドボルト!」
 ヨノワールは大口を開けて、霊界に誘う死神の如くエレキブルに襲い掛かる。
 エレキブルは激しく弾ける電撃を身に纏って地面を蹴り、ヨノワールへ突貫。
 両者の大技がぶつかり合うが、結果は淡泊だった。
 競り合うことなどなくエレキブルがヨノワールを吹き飛ばし、ヨノワールは戦闘不能。だが、エレキブルもワイルドボルトの反動で力尽きてしまった。
「……戻れ、エレキブル」
「ヨノワール、戻ってください」
 ザキとレイは同時に倒れたポケモンをボールに戻す。これで、お互いにポケモンはあと一体。
 レイは最後のボールを握り締め、ぼそりと呟いた。
「……なぜ」
 こんなにも感情が揺さぶられるのだろう、と。
 この怒りにも似た感情は、どうしてもあ頃を思い出す。今のレイを形作る、忌まわしきあの時を——

Re: 539章 連破 ( No.791 )
日時: 2013/03/22 23:13
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「戻って、ポリゴンZ」
 ミキはポリゴンZをボールに戻す。これで初めてミキのポケモンが戦闘不能にされたわけだが、残り三体でフレイのストータスを削りきれるかどうかは、怪しいところだ。
「それでも、今度こそは勝つって決めたんだ……出て来て、カブトプス!」
 ミキが繰り出すのはカブトプス。攻防共に、ストータスとは非常に相性が良い。
「カブトプス……そっかー、なんでカブトプスを出したのか不思議に思ってたけど、ステルスロックがあったんだねー」
 フレイは地面に撒かれた鋭い岩を見遣り、言う。
「相手のタイプに応じてダメージ量が変化するのがステルスロックの特徴だけど、そのダメージは固定ダメージに近いからねー。ガードの堅いストータスを少しでも削っておきたかったわけかー」
 フレイの言うことはズバリ的中していた。ストータスは登場時に鋭く尖った岩を踏みつけており、ダメージを受けている。
 しかしそのダメージも、ストータスにとっては微々たるもの。まだまだスタミナは残っている。
「ストータス、大地の怒り!」
「カブトプス、スプラッシュ!」
 ストータスは大地を鳴動させ、地面から大量の土砂を噴射する。
 だがカブトプスも全身に水流を纏い、降りかかる土砂に突貫。そのまま土砂を突っ切り、ストータスに激突する。
「メタルニッパー!」
 そして続け様に鎌を振るってストータスを三度切り裂く。しかし、
「ジャイロボールだよ!」
 ストータスもその場で高速回転し、接近して攻撃を仕掛けてくるカブトプスを吹き飛ばした。
「グランボールダ!」
「っ、メタルニッパーで切り落として!」
 ストータスが浮かべる岩石を、カブトプスは片っ端から切り落としていく。だが四方八方から飛んでくる岩を全て捌くことは不可能で、何発かは掠めるように喰らってしまった。
「今度はこっちの番だよ! カブトプス、ストーンエッジ!」
 グランボールダの連撃が止まると、今度はカブトプスも鋭く尖った岩を無数に浮かべ、ストータスに向けて射出する。
 ストータスは逃げも隠れもせず、襲い掛かる岩の直撃を全て喰らったが、岩は突き刺さらず、ストータスの硬い甲羅の前では全て砕け散ってしまう。
「うぅ、もう一度ストーンエッジ!」
 効果抜群の攻撃が通じない事に怯んでしまうが、それでもカブトプスは尖った岩を連射する。
「ジャイロボール!」
 だが今度はストータスも高速回転して襲い掛かる岩を全て粉砕し、
「大地の怒り!」
 そして地面から大量の土砂を噴射。
「スプラッシュで突き抜けて!」
 広範囲に放たれる土砂は、カブトプスでは回避は困難だ。なのでカブトプスは水流を纏い、飛沫を散らしながら土砂に突っ込んでいく。
 水流を盾に土砂を突き抜けると、カブトプスは全身全霊でストータスに激突。大地の怒りを突っ切ったために威力は減衰しているものの、四倍の弱点を突いた攻撃はストータスには相当効くはずだが、
「何度も言うけど、そのくらいじゃあたしのストータスは倒せないよ。ストータス、ジャイロボール!」
 ストータスはその場で高速回転し、カブトプスを吹き飛ばす。その姿は、やはり大ダメージを負っているようには見えない。
「ほらほら、もっとガンガン攻撃しないと、いつまでたってもストータスは倒せないよー? 噴火!」
 ストータスは甲羅の中で熱く煮え滾る石炭を、爆炎と共に噴出する。放物線を描きながら、さながら溶岩のように大量の石炭がカブトプスへと降り注ぐ。
「カブトプス、スプラッシュ! とにかく耐えて!」
 カブトプスは全身に水流を纏って防御態勢を取る。これほどの量の石炭を避けきれるとは到底思えないので、ここはとにかく防御しかない。
(それにしてもこの噴火、さっきと威力が全く変わってないような気がする……)
 気のせいだと思いたいが、もし本当に威力が変わっていないのなら、今までストータスに撃ち込んだ攻撃は全て効いていなかったことになってしまう。
 噴火の炎がカブトプスを飲み込んだ。スプラッシュで纏った水流は瞬く間に蒸発してしまい、カブトプスの体は焼き焦がされていく
「カ、カブトプス……!」
 炎が消える頃、カブトプスはまだ立っていた。気休めのスプラッシュが効いたのか、タイプ相性で威力が四分の一になっていたからなのかは分からないが、それでもまだ戦闘不能ではない。
「戦闘不能じゃなければ、まだ戦える。カブトプス、ストーンエッジ!」
 カブトプスは周囲に鋭く尖った岩を無数に浮かべ、ストータスに向けて発射。全弾命中させる。
「スプラッシュ!」
 そして続け様に水流を纏い、ストータスに向かって突貫し、激突する。二連続で効果抜群の攻撃を叩き込んだ、しかも一回は四倍の弱点を突いてだ。ストータスの体力は確実に削れているはず。
 だがしかし、そんなことはストータスには関係ないのだ。

「ストータス、大地の怒り!」

 次の瞬間、カブトプスの真下の地面から大量の土砂が噴射され、カブトプスは宙を舞った。
「カブトプス!」
 反撃の大地の怒りを喰らい、吹っ飛ばされるカブトプス。長い滞空時間の後、カブトプスは落下して地面に叩きつけられる。
「……戻って、カブトプス。ありがとう」
 ミキは戦闘不能となったカブトプスをボールに戻す。
「残念だけど、ちょっとやそっと削ったくらいじゃーあたしのストータスには関係ないんだよねー。そもそも、ストータスの硬度を見る限り、まだそんなに体力減ってないだろうしー」
 眠たげな表情で笑みを浮かべ、意味深なことを言うフレイ。
 そんなフレイに対し、ミキは次のボールを取り出した。
「次は頼んだよ、ハンタマ!」
 次に出て来るのはハンタマ。二連戦での疲れは、もう十分に取れただろう。
「ハンタマ、マッハパンチ!」
 ハンタマは場に出て早々に飛び出し、ストータスの顔面を殴りつける。
「もう一度、マッハパンチ!」
 一度着地し、今度はアッパーカットのように拳を叩き込み、
「マッハパンチ!」
 そのまま宙返りするようにストータスの頭上から拳を突き込む。
 効果抜群の三連続攻撃。だがやはり、この程度ではストータスも怯まない。
「ストータス、ジャイロボールだよ!」
 ストータスはその場で高速回転し、ハンタマを引き剥がす。
「大地の怒り!」
「かわしてサイコバレット!」
 そして地面から土砂を噴出し、ハンタマを追撃しようとするが、大振りな技では俊敏なハンタマを捉えられず、かわされて念力の銃弾を撃ち込まれる。
「シャドーパンチ!」
 ハンタマは影を拳に乗せて飛ばし、ストータスに撃ち込む。が、効果は非常に薄い。
「やっぱりシャドーパンチじゃダメだよね……ハンタマ、マッハパンチ!」
 地面を蹴り、刹那の内にストータスへと接近したハンタマは、鋭い拳をストータスに突き込む。
「もう一度、マッハパンチ!」
 そしてもう片方の拳で顔面を殴り追撃。ストータスは頭を少し揺らすだけで、まったく動じない。
「引き剥がすよストータス、ジャイロボール!」
 ストータスはその場で高速回転し、ハンタマを弾き飛ばそうとするが、
「後ろに下がって! サイコバレット」
 ハンタマも素早く後退してジャイロボールを回避。念力を固めた銃弾を無数に生成し、マシンガンの如くストータスに撃ち込む。
「連続でマッハパンチ!」
 続いてハンタマはストータスに急接近し、拳をストータスに叩き込む。そして次の瞬間には側面に回り、さらに拳を突き出す。さらにその次の瞬間には背中から、拳で殴りつける。
 目まぐるしく立ち位置を変え、ハンタマはストータスの全身を次々と殴打していく。
 だが、
「ジャイロボールだよ!」
 ストータスは高速回転し、強引にハンタマを引き剥がした。さらに、
「大地の怒り!」
 地面から大量の土砂を噴射して、ハンタマを追いかける。けれども、放たれた土砂はハンタマを捉えない。
「マッハパンチ!」
 ハンタマは高速で動き回って土砂をかわし、ストータスに次々と拳を叩き込んでいく。一発一発は小さいが、手数で攻めるハンタマが出来るのは、確実に攻撃をかわし、確実に攻撃を入れることだ。
「ブレイズキック!」
 時折炎の蹴りを入れながら、ハンタマは手数でストータスを攻める。
 そんなハンタマを見て、フレイは呟く
「んー、流石に鬱陶しいなー……こうなったら、あれ、やっちゃおっかー」
「……っ」
 ぞわりと、ミキの背筋に冷たいものが走る。すぐにハンタマへと指示を出そうとするが、遅かった。

「ストータス、噴火!」

 ストータスが放ったのは、必殺級の破壊力を誇る大技、噴火。しかしその放ち方が、今までと違っていた。
 まず放物線を描いていない。目標を定めてそこに注ぎ込むような攻撃ではなく、噴水のように周囲に撒き散らすかのような噴射だ。
「これって……!」
 ミキは見た瞬間に理解する。この放ち方では、ハンタマでもかわせない。ストータスを中心とした円形に降る爆炎は、ストータスとハンタマ、双方のポケモンを容易く呑み込む。
「ハンタマ!」
 噴火の炎に飲み込まれ、ハンタマはあっという間に身を焼かれる。見るまでもなく、ハンタマは戦闘不能となった。
「あ、ぅ……戻って、ハンタマ」
 ミキはハンタマをボールに戻し、次のボールを手に取った。
 これが、ミキの最後のポケモンだ。

Re: 540章 受難 ( No.792 )
日時: 2013/03/23 13:34
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 たびたび言われていることではあるが、7Pレイの過去は壮絶の一言に尽きる。7Pはそもそも過去に何かしらの確執や因縁などがあるものなのだが、その中でも彼女は、人間としてずば抜けている。
 今でこそその容姿や手腕はプラズマ団でも評価されている彼女だが、昔は違った。過去の彼女を一言で表すのなら『奴隷』だろう。
 彼女は元々、とある地方のとある街に住む、ごくごく一般的な少女だった。家が貧困しているという点では普通ではないと言えなくもないが、しかしそれも許容の範囲内だろう。
 その頃の彼女は、貧困しているという自覚がなかった。というのも、彼女の両親が、彼女に負担をかけまいとして、貧しいと思わせないように振る舞っていたからである。
 そんな貧しくも平和な時間が続いたある時、彼女の家庭に異変が起きた。
 最初の異変は、母親がいなくなったことだ。彼女も不審に思って父親の尋ねた。父親は出稼ぎに出た、と答えた。
 その答えを鵜呑みにして、納得した彼女だが、同時に自分たちの家庭が貧しいことに気付いた。
 その頃の彼女は健気な少女だ。貧しいと分かっても、その規模がどの程度なのかは分からない。けれど、自分も家族の一員として何か出来るのではないかと思い、父親言った。

「わたしにも、なにかできることないかな?」

 その一言で、父親は大いに喜んだ。母親がいなくなってから、どこか腹立たしげにしていた父親が、初めて笑顔を見せた。その笑顔も鵜呑みにして、彼女は自分にできることがあると知り、喜んだ。
 自分にも、家族のために出来ることがある。子供なりに彼女は喜び勇んで、父親の言うことを何でも聞いた。その結果——

 ——彼女は売り飛ばされた。

 最初は、少しの間、父親と離れるだけだと思っていた。父親もそう言っていたし、その言葉をそのまま受け取っていた。すぐに戻って来ると、父親は言ったのだ。だが結局、父親は戻ってこなかった。それ以前に、レイは全く知らない地へと連れて行かれた。
 最初はどこかの屋敷の使用人として、次はある鉱山の労働力として、その次は個人の所有物として。たらい回されるように様々な場所を転々とした。
 最初は父親を信じていた彼女だが、じきに悟った。父親は借金か何かがあって、貧困から抜け出すために自分を売ったのだと。母親もそれに耐え切れなくなって、夜逃げしたのだろうと。
 最終的に母親は逃げ延び、父親は娘を売った金でどうにかしたのかもしれない。けれど無知だった自分は、奴隷として人権を剥奪され、したくもないことを延々とやらされている。
 しかも成長するにつれ、彼女の美麗な容姿がそのことに拍車をかける。今の英雄と同じ年齢になる頃には、彼女の買い手は男に絞られていた。
 奴隷市場でオークションにかけられ、買い取られるとそこで絶望の日々が始まる。しばらくすると、飽きられたのか、それともそういうシステムなのか、また奴隷市場に戻る。そしてオークションにかけられて、また別の誰かの所有物となる。
 そんな時間が延々と続いた。十歳にも満たない少女は七年間、奴隷的立場というものがどういうものなのか、その身を持って知り尽くしてしまった。
 最も傷ついた人などと称される彼女だが、それは大袈裟どころかまだ大人しいくらいだ。今の時代、ここまで残酷な扱いを受けた者はそういないだろう。現に彼女は、心身ともに数多の傷を負った。人格が歪んでしまうほどの傷を、無数に刻まれた。
 そんな彼女が初めて奴隷としてではなく、人間として買い取られたのは、彼女が自分が買われた数を数えるのを止めて、しばらくしてからだった。
 彼女を買い取ったのは、とある組織の総統。不可思議な恰好をした大男だった。

「おやおや、話には聞いていましたが、これは酷い。よくここまでの傷を受けて、人としての理性を保っていられるものです」

 男が第一声に発したのは、そんな言葉だ。
 今まで、彼女を労わるような言葉をかける者も何人かいたが、それは最初の上っ面だけだ。幼少期はそんな言葉をかけられただけで簡単に騙されたが、今はもう、何も信用していない。
 なのだが、この男は、今まで相手にしてきた男とはどこか違う感じがする。そもそも人間として、どこか外れているようにすら思えてくる。

「Nも相当人として壊れてはいますが、あなたはそれ以上ですね……いや、あなたの場合は、壊されたと言うべきでしょうか」

 言いたい放題言ってくれる男だが、言っていることは的を射ている。それに、もし見当違いのことを言っていようが、レイは反論できない立場にあり、またするつもりもない。
 レイが黙っていると、男はここからが本題だとばかりに、言葉を発する。

「あなたには、力を貸して頂きたい」
「力を、貸す……?」

 一瞬、意味が分からなかった。今までそんなことを言われたことは、一度もなかったからだ。

「ええ、力です。あなたには強い力が眠っている。それは生まれついての才覚なのか、それとも今までの受難による憎悪なのか、それは定かではありませんが、それでもあなたには、世界を変えるに値する力が備わっているのです」

 男は両手を広げ、まるで演説でもするかのように続けた。

「ワタクシは世界を変えるため、強大な力を秘めた人材を探しています。あなたの存在もその過程で知り、今こうして接触しているのです。あなたも身を持って知っているでしょう? この世の闇、穢れきった世界を。真実も理想もないまぜとなった、混濁した世界を! ワタクシはそのようなものが許せない。この世界を支配し、この世の悪を正していくのです」
「…………」

 大袈裟だと思った。確かに彼女は、まだ成人すらしていない身でこの世界の暗部と言えるような部分を嫌というほど見てきたが、世界を変えたい、支配したいなどと思ったことはない。
 だがそんな彼女に構わず、男はさらに言葉を紡ぐ。

「あなたも感じたことはありませんか? 憎悪の念を抱いたこと、復讐心に駆られたこと、破壊衝動に見舞われたこと……挙げればキリがありませんが、あなたから沸き上がる負の感情を、どこかにぶつけたいと思ったことはありませんか?」
「……別に」

 口でそういうものの、まったくないというわけではなかった。奴隷としての扱いを受けるうちに、彼女の心は完全に閉ざされた。絶対零度の如く、彼女の心は凍り付いている。よっぽどのことがなければ、負の感情など溢れはしない。

「ともあれ、ワタクシはあなたの力を欲しているのです。ですが強制はしません。ワタクシに付いていくかは、あなたが決めることです。勿論、ワタクシの力となるというのなら、それ相応の対価は払いましょう」

 強制はしない、というが、彼女に選択肢なんてない。ここでこの男の申し出を断れば、彼女は奴隷市場に逆戻りだ。それを分かっていて、この男はこんなことを言っているのだろう。
 彼女が選ぶのは、正体不明の謎の男に付き従うか、人を物としか思わない下郎に従事するかの二つだ。
 彼女は俯いて黙っていたが、やがてゆっくりと口を開く。

「……さっき、対価を払うと、言いましたか」
「ええ。あなたが望むものなら、なんであろうとあなたに授けましょう。ただし、ワタクシに従うという条件付きですがね」

 そんなことは言われるまでもなく分かっている。なので男の言葉を聞き流し、彼女は自身の体を男に晒す。

「……体の、傷」

 人間には様々な嗜好が存在する。その嗜好を満たすことに従事してきた彼女の体は、傷だらけだった。
 切傷、裂傷、刺傷、挫傷、咬傷、擦過傷、挫滅傷、熱傷、凍傷、電撃傷、打撲——全て挙げればキリがないが、彼女の体には顔以外の全身くまなく様々な傷跡が残されていた。現代の医学ではどうしようもないほどの傷。女体とは思えないほどその身はボロボロで、よく今まで生きてこられたと、正常に発育できたものだと思うほど酷い傷だった。

「この傷、治せます、か……?」

 無理。普通ならそんな言葉が返ってくるだろうし、彼女も自分で言ってこの傷が治るとも思っていない。正直、治そうとも思っていなかった。
 だが、男は、

「ええ、いいですとも。傷の治療ですね」

 と、答えた。

「ワタクシの組織には優秀な科学者がいます。その程度の傷なら、跡も残さず完治することでしょう」

 予想だにしない返答だったが、これで彼女と男の契約は締結された。
 以後彼女は、プラズマ団という組織でレイと名付けられ、やがて7Pという上位の立場に座することとなる。
 戦う奴隷として英雄なる者たちと争ってきた彼女は、その戦いの最中、押し留めていたはずの感情が流れ出てしまった。だからか、彼女は英雄たちに対して、過度な嫌悪感を抱くようになる。
 特に暴君と呼ばれる同世代の男。彼と戦っていると、無性に苛立ちが募り、奴隷としての記憶が蘇る。
 苛立つから記憶が蘇るのか、記憶が蘇るから苛立つのか、彼女には分からない。だが彼が彼女の心をかき乱す存在であることははっきりしている。
 けれど同時に、認めたくはないが彼には少し期待していた。あの男に対して抱いた淡い期待は儚く散ったが、もしかしたら彼は違うかもしれない。無駄だと思いつつも、そう感じてしまう。
 彼なら、自分が求めているかもしれない何かを、教えてくれるかもしれない——

Re: 541章 自然 ( No.793 )
日時: 2013/03/23 17:57
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「クレセリア、サイコキネシス」
「アルデッパ、自然の力!」
 クレセリアは強力な念力を念波として発射し、アルデッパは大口を開けて大量の水を噴射する。
 双方の技がぶつかり合い、激しく競り合う——かに思われたが、結果は水流が念波を容易く突き破った。
「……いくらクレセリアが攻撃向きじゃなく、雨も降っているとはいえ、ここまで簡単に破られるとは思わなんだ。これはどういうことかな?」
 今の結果に納得がいかなかったらしいロキは、そんな事を言い出す。それは単にアルデッパの特攻が高かったの一言で片づけられるのだが、しかしフォレスが返した答えは違った。
「俺も伊達にトラップマスターなんざ自称してるわけじゃねえんだよ。自然地形は俺の味方、草も水も砂も岩も泥も雪も氷も光も雨も、自然界に存在するもの全ては俺に味方をする。そういうこった」
 そんなフォレスの返しに、ロキは疑問符を浮かべながら首を傾げた。フォレスの言っていることが理解できないのだろう。
「? えーっと、よく分からないんだけど、つまり……君のポケモンは自然に関わる攻撃をする場合、その攻撃が強くなるって意味なのかな?」
「たぶんな。何分、最近になってアシドが計測した中途半端なデータから導き出したことだからな、俺もよく分かってないんだ。だが、俺は自然を味方につける、それは確かな事実だ」
 最後はきっぱりと断定するフォレス。対してロキは、わざとらしく肩を竦ませた。
「自然が味方、ね。それは怖いけど、マイエンプレスには、あんまり関係ないかな。なんたって彼女は月の化身なんだ、自然界とは無縁だよ」
「だった俺が叩き込んでやるよ。アルデッパ、自然の力!」
 アルデッパは自然から力を取り込み、無数の種子をクレセリアへと飛ばす。
「地形が複合してれば他の技も出せるんだ……クレセリア、サイコキネシス」
 クレセリアは強力な念力で種子を止めようとするが、止まったのは半数ほどで、残り半分はクレセリアに直撃し炸裂した。
「自然の力!」
 アルデッパはまたも自然の力を利用し、大口から大量の水流を噴射する。
「瞑想だ」
 今度は攻撃を止めようとせず、クレセリアは目を瞑って精神を集中させ、特殊能力を高める。水流は直撃したが、特防の上がったクレセリアへのダメージはそれほど大きくない。
「まだ続けるよ、瞑想」
 クレセリアは瞑想を止めず、そのまま精神を研ぎ澄ませ、さらに特殊能力を高める。能力を上げてから一気に攻めるつもりなのだろう。
「だったら速攻で決めてやる。アルデッパ、パワーウィップだ! クレセリアを引き寄せろ!」
 アルデッパは触手を伸ばしてクレセリアを絡め取り、そのまま力ずくで引っ張り込む。力では勝てないクレセリアは、簡単にアルデッパに引き寄せられてしまった。
「噛み砕く!」
 そして次の瞬間、クレセリアの体にアルデッパの牙が喰い込む。効果抜群で、普通なら致命傷を負ってもおかしくない威力の技だが、
「クレセリア、サイコキネシス。アルデッパを引き剥がすんだ」
 防御の高いクレセリアにとって、タイプ不一致の効果抜群の攻撃程度なら余裕で耐えられる。クレセリアは瞑想で威力の上がっているサイコキネシスで、アルデッパの顎を強引に開かせる。
「シグナルビーム」
 そしてクレセリアはカラフルな光線を発射。クレセリアとは対照的に、至近距離から瞑想で威力の上がった効果抜群の攻撃を喰らい、アルデッパは大ダメージを負ってしまうが、
「アルデッパ、スプラッシュ!」
 大ダメージを受けたとは思えない切り返しで、アルデッパは水流を纏った腕をクレセリアに叩き付ける。思わぬ反撃に、クレセリアの態勢が少し崩れた。
「もう一発叩き込め! スプラッシュ!」
 アルデッパは続けてもう片方の腕をクレセリアに叩き込む。態勢を崩されていたので、クレセリアは飛沫を散らしながら吹っ飛ばされた。
「追撃だ、自然の力!」
 フォレスの指示を受け、アルデッパは怪物が叫ぶような咆号を上げる。が、それだけで何も起きない。
「……? 不発かな?」
「違う。そろそろ来るはずだ」
 ロキの言葉をフォレスが否定した直後、暗雲からは雷鳴が鳴り響き、激しい稲妻がクレセリアへと襲い掛かる。
「っ、サイコキネシス」
 咄嗟にクレセリアは念動力を放とうとするが、時既に遅し。クレセリアの抵抗は間に合わず、稲妻に貫かれた。
「……雷って、自然の力にはないはずの技だけど?」
 ロキは引きつった笑いを浮かべる。
 自然の力は、発動する地形によって効果の変わる技。例えば水上で使用すればハイドロポンプ、草原などで発動すれば種爆弾、といった具合に、発動時の自然地形に左右される技だ。その技の種類はパターン化され、数が決まっている。
 だが、そのパターン化された技の中に、雷は存在しない。つまりフォレスのアルデッパは、自然の力では使えないはずの技を使用したことになる。
「だから言っただろ、自然は俺の味方だってな。お前が降らせた雨も自然の一部。雨の恩恵を受けるのは、お前だけじゃねえ」
 天候が雨だから、それになぞらえた自然現象である雷が使用できる。それが、フォレスの言い分だった。
「はぁ……もう、なんでもありみたいだね」
「なんでもってほどじゃねえよ。あくまで俺が味方につけられるのは自然だけだ。それ以外のもんに関しちゃ、専門外だな。つっても、お前も察しているように自然現象を操るだけでも十分強いがな。雨なら雷、水上ならハイドロポンプ——だが、他にこんなこともできる。アルデッパ、自然の力!」
 アルデッパは自然から力を取り込み、咆号をあげる。すると次の瞬間、湖の水面が揺れ、湖底の泥を巻き上げながら大波としてクレセリアに迫る。
「濁流……同じ水上でも、技を使い分けられるのか。クレセリア、サイコキネシス」
 今度はクレセリアの念動力も間に合い、襲い掛かる濁流をシャットアウト。ノーダメージでやり過ごすが、
「アルデッパ、パワーウィップ!」
 次の瞬間、アルデッパの触手がクレセリアに叩き付けられる。
「自然の力だ!」
 続いてアルデッパは自然の力を利用し、雨雲から激しい稲妻を落とす。雨中での雷は必中なので、クレセリアは回避できず稲妻に貫かれた。
「やれやれ、これは参った。地形を利用して戦うというか、これじゃあ自然そのものが敵だよ。イリゼ相手ならソーラービームが飛んできそうだ……クレセリア、シグナルビーム」
 クレセリアはなんとか態勢を立て直し、カラフルな光線を発射。鈍重なアルデッパは光線を避けることができず、直撃を受けてしまう。
「確かに攻撃は強力だけど、攻撃一辺倒な感は否めないね。これは、耐え切ってから攻め込めば勝機はあるかな? クレセリア、瞑想だよ」
 クレセリアは静かに目を閉じ、精神を研ぎ澄ます。だが、そこにアルデッパの魔手が伸びる。
「耐え切れればな! アルデッパ、パワーウィップ!」
 アルデッパの触手がクレセリアに巻きつき、そのまま勢いよく引っ張り込まれる。
「噛み砕く!」
 そして大口を開けたアルデッパは、クレセリアに齧り付いた。クレセリアの防御が高いと言っても、いつまでも耐えられるわけではない。クレセリアの体力も削られてきた頃だろう。
「スプラッシュで吹き飛ばせ!」
 一旦クレセリアを解放すると、アルデッパは水流を纏った腕をクレセリアに叩き付け、水飛沫と共に吹き飛ばす。
「やってくれるねぇ。クレセリア、サイコキネシスだ」
「自然の力!」
 クレセリアは空中で態勢を立て直すと、強力な念波を飛ばす。アルデッパも自然の力を借りて大量の水を噴射するが、流石に瞑想で特攻が二倍以上に膨れ上がったクレセリアのサイコキネシスは止められず、多少威力を減衰させるだけで直撃を喰らった。
「くっ、ならもう一度だ! 自然の力!」
 砲号を上げ、アルデッパは地面から植物を成長させる。ぐんぐん伸びていく植物はクレセリアに絡みつき、体力を吸い取っていく。
「ギガドレインか。クレセリア、サイコキネシスで剥がすんだ」
 幸いクレセリアは特防が上がっているので、ダメージはほとんどない。念動力で絡みつく植物を引き千切り、束縛から脱する。
「瞑想」
 そして目を瞑り、精神を集中させて特殊能力を高める。これで特攻、特防共に通常の三倍だ。
「また瞑想かよ、流石にそろそろきついな……アルデッパ、自然の力」
 アルデッパはまたしても自然界の力を取り込んで、自身の体を成長させる。
 その様子を見てフォレスは、やや落胆したように溜息を吐いた。
「やっぱ雨じゃあ成長が限界か。欲を言えば蛍火が良かったんだが、高望みし過ぎか」
「蛍火なんて発動されたらボクが困っちゃうよ。それにしてもその自然の力、攻撃から回復から補助まで発動するなんて、随分といろんなことをこなすじゃないか。その汎用性の高さは反則級だよ?」
「伝説のポケモンで来るお前には言われたくねえよ」
 本音か軽口か、そんな言葉を交わす二人。お互いのポケモンはかなりダメージを負っており、この戦いもじきに決着だろう。
「ふふ、それじゃあ、雨の中マイエンプレスに戦い続けさせるのも悪いし、そろそろ終わらせてもらおうかな」
「やってみろ。そう簡単にやられてやる俺とアルデッパじゃ、ねえけどな」
 そして二人は雨の中、それぞれのポケモンに指示を出す——

Re: 542章 爆炎 ( No.794 )
日時: 2013/03/23 22:46
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「最後は頼んだよ、フィニクス!」
 ミキが最後を任せるのは、不死鳥ポケモン、フィニクス。
 紫色の体に、赤く燃え盛る炎の翼を持つポケモン。その姿は不死の鳥にも龍にも見え、いずれにせよ神聖かつ神秘的な空気を醸し出している。
「やっぱフィニクスなんだねー……君の最後の力、見せてもらおっかー」
「言われなくても! フィニクス、ダイヤブラスト!」
 フィニクスは出て来て早々に動き出した。流れるような素早い動きでストータスに接近すると、翼を羽ばたかせ、白く煌めく爆風を放つ。
「もう一度、ダイヤブラスト!」
「ジャイロボール!」
 フィニクスは連続でダイヤブラストを放とうとするが、二度目はストータスのジャイロボールで弾かれる——かに思われたが、爆風により生じた衝撃波を受け、ストータスの回転は途中で止まってしまった。
「……?」
 その様子を見てミキは疑念を抱く。何かストータスに異変が起こっているように感じた。
 だがフレイは、
「つっよいねー、そのフィニクス。ポリゴンZに匹敵するくらいの特攻なんじゃないのー?」
「え? うん、まあ……」
 確かにフィニクスは特攻を徹底的に強化し、ミキの手持ちではポリゴンZと並ぶほどの火力を誇っている。
 けれどポリゴンZはストータスに決定打を与えられなかった。四倍の弱点を突いたハイドロポンプでさえ、ストータスには通用しなかったほどだ。それがフィニクスのダイヤブラストなら通じるというのは奇妙である。
 何かがおかしい。ミキは直感的にそう感じた。
「行っくよーストータス、グランボールダ!」
 けれどもストータスは攻撃を止めない。地面から大小様々な岩石を浮かび上がらせると、それらをフィニクス目掛けて一斉に放つ。
「っ、ハリケーン!」
 フィニクスは翼を大きく羽ばたかせ、竜巻の如き暴風を巻き起こす。それによりフィニクスに向かってきた岩は風で飛ばされ、そのままストータスへと襲い掛かる。
「まった擬似的な岩タイプ攻撃……鬱陶しいなー」
 とはいえ、やはりその程度ではストータスにまともなダメージを与えることなど不可能。ミキもこれで削ろうなどとは思っていない。
「ストータス、もう一発グランボールダ!」
「ハリケーンで吹き飛ばして!」
 ストータスが再び浮かび上がらせる岩石に対し、フィニクスは事前にハリケーンを放って迎撃態勢に入る。しかし、
「っ!? フィニクス!」
 無数の岩はフィニクスの真下から飛び出し、次々とフィニクスに直撃する。効果抜群の直撃を連続で受け、フィニクスは早々に致命傷を負ってしまう。
「流石に真下はフィニクスでも対応できないよねー。囲って攻めるだけがグランボールダじゃないんんだよー」
 間延びした口調でフレイは言う。今のは完全にミキのミスだ。
「うぅ、だったら早くこのダメージ分を取り返さなきゃ。フィニクス、接近して! ダイヤブラスト!」
 フィニクスは滑空するようにストータスへと近付くと、宝石のように煌めく爆風を放ち、ストータスに直撃させる。
「大地の怒りが通じないのが辛いなー。ストータス、グラン——」
「ダイヤブラスト!」
 フレイの指示が終わるより早く、フィニクスは煌めく爆風を放ってストータスを攻撃。そして、

ザリッ

 ストータスの足元から、そんな音が聞こえてきた。空耳でも幻聴でもない。これは確実に、ストータスが後ずさった音だ。
(効いてる……?)
 後ずさったということは、それだけフィニクスの攻撃を受け切ることが出来なかったということ。退いた距離は短いが、今まで効果抜群の攻撃を何発も撃ち込んでも全く動じなかったストータスを、ほんの数cmでも動かしたのは快挙と言ってもいい。
 だがミキは困惑するばかりだ。ポリゴンZのハイドロポンプやカブトプスのスプラッシュなど、四倍の弱点を突く技で攻撃した時に全く動きを見せ無かったストータスが、フィニクスのダイヤブラストで後ずさるなど、どう考えてもおかしい。フィニクスの特攻は、現段階ではポリゴンZとほぼ同程度。突く弱点の数も、技の威力もダイヤブラストはハイドロポンプに劣っている。ならば当然、ハイドロポンプの方が大きなダメージを与えられるはずだ。なのに、ストータスに効いているのはダイヤブラスト。
(そういえば、最初に撃ったダイヤブラストより、それ以降に撃ったダイヤブラストの方が効いているような……)
 これは完全な憶測というか、本当にそんな気がするだけなのだが、ミキにはそんな風に見えていた。
 この時、ミキの脳裏では一つの仮説が浮かんでいた。荒唐無稽でミキ自身もありえないと思うような仮説だが、ミキが思いつくのはこのくらいだ。
 ミキはストータスに起こった異変の真実を確かめるべく、攻撃を再開する。
「フィニクス、ダイヤブラスト!」
「ストータス、ジャイロボール!」
 立て続けにフィニクスは煌めく爆風を放つ。ストータスも高速回転して衝撃波を防ごうとするが、今度はザリザリと地面を削り、明らかに後退している。
「ダイヤブラスト!」
 一際大きく翼を羽ばたかせ、フィニクスは宝石のように煌めく爆風と衝撃波を放つ。その衝撃波で、ストータスの回転は止まった。
「ハリケーン!」
 直後、またしてもフィニクスは翼を羽ばたかせ、災害に匹敵する嵐を巻き起こす。ストータスは至近距離から嵐の渦中に飲み込まれ、押されるように吹き飛ばされた。
「……やっぱり」
 ストータスが吹き飛ばされたのを見て、ミキは確信する。
「そのストータス、バトルが進むに連れて、防御力が落ちてるんだね……!」
 ミキのポケモン三体を立て続けに破ったストータス。今までストータスは強固だというイメージが強く、実際イリスやミキが最初に戦った時、彼女のストータスには手も足もでなかった。
 だが彼女はストータスを出すと、決まって早期決着を狙おうとしてきた。とはいえ彼女の性格からだらだらと引き伸ばす場面を少なからずあったが、それでも大抵のポケモンはストータスの圧倒的な火力で早々にやられることが多い。
 もしそれが、バトルが長引くことでストータスの耐久力が落ちるからだとすれば、全て辻褄が合う。ミキはそう思ったのだが、
「うーん、甘く見て四十点ってとこかなー。確かにストータスの防護力は、最初にポリゴンZとやりあった時より格段に落ちてる。でもそれは時間の経過じゃないんだー」
 フレイは足をぶらぶらさせながら、そのように答え、そして続けた。
「正確にはあたしのストータス——つーかあたしのポケモンは、体力と防御、特防が比例してるんだよ。簡単に言えば、体力が多ければそれだけそのポケモンの防御、特防は高くなり、逆に体力が少なくなると脆くなっちゃう。ニートンもメタグロスもノコウテイも、最初の方は結構頑張って耐えてたけど、後からごっそり削られちゃったっしょー? あれはそういうことなんだー」
 体力と防御力が比例する。確かに、その特徴はノコウテイとのバトルの時、顕著に表れていた。ノコウテイは体力が多かったゆえにポリゴンZの破壊光線をも耐えることが出来た。あの時フレイが言った言葉も、そのことを指していたのだ。
「でも、体力の防御力が比例するなんて、そんなことがありえるの……?」
「ありえちゃうんだなーこれが。アシド曰くあたしの能力? ってやつっぽいよー? ま、あたしはフォレスと違って、前々から薄々感づいてたけどねー」
 少しだけ以前のフレイの雰囲気を取り戻した彼女だが、すぐにその空気は霧散する。
「ちなみにね、あたしの力は体力と防御力の比例だけじゃないんだよ。ねえミキちゃん、おかしいと思わなかった? あれだけ攻撃を撃ち込んだのに、ストータスの噴火の威力が変わってなかったこととかさ」
「それは……」
 思った。あの時はストータスには全くダメージがなかったのかと心が折れかけたが、今にして思うとおかしい。
 ストータスの防御力は体力と比例する。そして今のストータスの防御力はかなり落ちている。ということはつまり、ストータスには確実にダメージが蓄積していたはずだ。
 噴火は体力が少ないほど威力が下がる技なので、普通ならダメージの蓄積したストータスでは、そこまで高火力の噴火は撃てない。にもかかわらず、フレイのストータスは威力の変わらない噴火を連発していた。
「あたしのポケモンはね、体力の関係する技の効果が働くとき、それまでにダメージを受けて下降した耐久が効果発動時のみそのまま体力として還元されるんだ……つまり」
 一旦言葉を区切り、フレイは目を閉じる。ほんの少しの間の後、フレイはゆっくりと目を開き、瞳の奥に静かな炎を灯していた。
「あたしのストータスは、いつだって最大火力の噴火が撃てるんだよ!」
 刹那、ストータスが動き出した。前傾姿勢になり、甲羅をフィニクスへと向けている。
 そして、

「ストータス、噴火!」

 直後、ストータスの甲羅から熱く燃え盛る大量の石炭と爆炎が噴射された。熱気だけで全てを溶かしてしまいそうなほど高温で、放たれる勢いも自然現象として発生する噴火と遜色ないくらいに凄まじい。最大火力どころか、今までを超える火力だ。
 勢いが凄まじ過ぎるゆえに、回避は不能。相殺なんてもってのほか。 フィニクスは、ストータスが放つ爆炎に飲み込まれた。


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