二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 435章 牧場 ( No.600 )
日時: 2013/01/04 01:02
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 サンギ牧場。
 ここは元々草原だった場所で、自然とポケモンや人間が集まり、今のような牧場となった。
 北側には広い雑木林となっており、その奥の奥に、二人の少女が向かい合っていた。ミキとフレイだ。
「二人っきりになったからもうぶっちゃけちゃうけどさー、あたしね、実は君のこと注目してるんだよー?」
「……注目?」
 ミキは訝しげな視線をフレイに向けるが、構わずフレイは続けた。
「そそー。波長が合うっていうのかなー? なーんか君を一目見た時から、友達になれそうな感じがするんだよねー」
「……残念だけど、少なくとも私はプラズマ団とは友達にはなれないよ。それは、兄さんやリオさんや、師匠たちの意志に背くことだから」
「そっかー……でも、そーいうところが好きなんだなーあたしはねー」
 フレイはここまで乗ってきたメタグロスの上でゴロゴロしつつ、袖から出したボールを掴む。
「フォレスはいつもあたしのことをトロいとかノロマとか言うからさー、今回はちゃんと本気で戦おうと思うんだー……対戦形式も、手っ取り早く三対三にしようよー」
 言いながら、フレイの右腕が鈍く光る。その光景にミキは少し怯んだが、すぐに気を取り直してボールを握り込む。
「まーまー、そんじゃあプラズマ団の境界を刻んでいくよー。ニートン、出番だよー」
 フレイが繰り出したのは、怠けポケモンのニートン。人型でぷっくりとしたぬいぐるみのような体型はフレイと対照的だが、気だるげなオーラは似通っている。
「ニートンはゴーストタイプ。なら、出て来て、カミギリー!」
 対してミキが繰り出したのは、悪・虫の複合タイプをもつカミギリー。タイプ相性では有利なポケモンだ。
「先手はあげるよ、というよりニートンは動く気ないっぽいから、そっちから来てくれないと困っちゃうなー」
 フレイはいつもの調子で先制権を譲る。どうやら解放すると、テンションも安定するようだ。
「それじゃあお言葉に甘えて。カミギリー、辻斬り!」
 カミギリーは二対の腕を構えてニートンに突っ込み、通り間際に四度切り裂いた。
「跳び膝蹴り」
 が、しかしすぐにニートンの反撃が繰り出される。ニートンは振り向き様に膝を突きだし、カミギリーを蹴り飛ばした。
「っ! カミギリー、サイコカッターだよ!」
 吹っ飛びながらもカミギリーは、空中で態勢を立て直して念動力を固めた刃を飛ばすが、
「ウッドハンマー」
 樹木の力を込めたニートンの拳で、刃を粉々に粉砕される。
「まだまだこれから、シャドーパンチだよー」
 さらにニートンは拳を振るい、ロケットパンチのように影の拳を発射。必中技であるためこれをカミギリーは避けられず、直撃を喰らう。
 効果はいま一つのはずだが、予想以上のダメージを受けた。
「これが、師匠の言ってた解放状態か……やっぱり強い。カミギリー、鋼の翼!」
 カミギリーは薄い翅を開くと、それを鋼のように硬化させてニートンに突撃する。
「迎え撃ってー、跳び膝蹴り」
 ニートンもカミギリーが突っ込んで来るのに合わせて強烈な膝蹴りを繰り出すが、カミギリーは膝蹴りの瞬間に高度を上げてその一撃を回避した。すると、
「おぉ!?」
 ニートンは勢い余って地面に激突してしまう。
 跳び膝蹴りは攻撃が失敗した時にダメージを受けてしまう技。そのためニートンは、自ら手痛いダメージを被ってしまった。
 しかもその直後、カミギリーの鋼の翼がクリーンヒット。ニートンは体力をごっそり削られてしまった。
「まだまだ! サイコカッター!」
「きっついなー。ウッドハンマー」
 カミギリーが飛ばす二つの刃を、ニートンは樹木の力を込めた両腕を振るって粉砕する。
「シャドーパンチ」
 そして続け様に影を纏った拳を放つ。シャドーパンチは高速でカミギリーに向かっていく。
「辻斬りで斬って!」
 しかしその拳は、カミギリーの爪で切り裂かれてしまう。さらにカミギリーはそのままニートンに向かっていく。
「今度はさっきみたいなヘマはしないよー。ニートン、ウッドハンマー」
 ニートンは拳に樹木の力を込めて振るう。その一撃はカミギリーの爪とぶつかり合い、そのまま吹っ飛ばす——
「カミギリー、襲撃!」
 ——かと思いきや、カミギリーはすぐに身を退いてニートンの背後に移動。四つの腕をフルに使った連撃を叩き込む。
「続けて辻斬り!」
「そう何度もやらせないよ。ウッドハンマー」
 ニートンは樹木の力が宿った拳で反撃しようとするが、如何せん動きが鈍い。背後に拳が届く頃には、カミギリーの斬撃と回避行動は既に終わっていた。
「うーん。やっぱりニートンじゃきっついなー。まーそれはしょうがないかなー?」
 体力もかなり削られて劣勢となっているニートンを見て、フレイはそう呟いた。
「カミギリー、鋼の翼!」
 しかしカミギリーの猛攻は止まらない。薄い翅を硬化させ、ニートンへと突っ込んでいく。
「跳び膝蹴りじゃあよけられるし、ウッドハンマーも同じかなー? シャドーパンチだと効き目が薄い……じゃ、この辺でいきますかー」
 フレイはゴロゴロ転がって仰向けになり、バトルが始まってからほとんどその場から動いていないニートンに指示を出す。

「ニートン、大欠伸!」

 突撃してくるカミギリーに向かって、ニートンが取った行動は、欠伸である。それも大口を開けた欠伸で、傍から見れば間抜けなところを晒していると同時に、隙だらけである。
 しかし、そんな隙はこの技にとっては些末なもの。なぜなら、ニートンがその欠伸をした次の瞬間、カミギリーは地面に落下したのだから。
「え……カミギリー!?」
 カミギリーは目を閉じて地面に横たわっている。眠り状態になってしまったようだ。
 ミキが困惑する中、フレイはいつものゆるい調子で口を開く。
「大欠伸は相手を眠り状態にしちゃう技だよ。そんでもって、眠り状態はポケモンが最も無防備な状態の一つ……ニートン、跳び膝蹴り!」
 ニートンはゆっくりとした歩調でカミギリーに歩み寄ると、首根っこを掴んで空中に放り投げる。そして片足で跳び上がると、もう片方の足の膝をカミギリーの腹に突き込んだ。
「さーてお次は、シャドーパンチだよ」
 空中に打ち上がったカミギリーに、ニートンはさらに影の拳を放つ。
「ウッドハンマー」
 次にニートンは大きくジャンプし、樹木の力を宿した両拳を合わせ、振り下ろす。
 カミギリーはその一撃を喰らい、地面にめり込むほど叩き付けられる。しかし、まだこれだけでは終わらなかった。
「これでフィニッシュ、跳び膝蹴り!」
 ニートンは空中で片膝を下に向けて折り曲げ、着地点をカミギリーに定めて落下する。
 落下の勢いが加わった跳び膝蹴りをまとに受け、カミギリーはさらに地面にめり込んだ。もう起き上がる気配はなく、完全に戦闘不能だった。
「うぅ……戻って、カミギリー」
 ミキは苦い表情をしつつ、カミギリーをボールに戻す。
 対してフレイは、にへらーと笑いながらメタグロスの上でゴロゴロしていた。
「いやー、あんまり落ち込まなくてもいいよー? 君のカミギリーも結構強かったしさ。まー、大欠伸が上手くはまったから勝てたようなもんだしー、あんま気負わないでー」
 なぜか敵に慰められてしまうミキ。フレイの口調からは本気で慰めているのか、それともただからかっているだけなのかは判断つかないが、しかしミキの矜持に傷がついたのだけは確かだ。
(相手は七人中の六番目。兄さんは四番の人と戦ってるんだ……師匠も二番の人に奮戦してた。まだ、負けてられない……!)
 ミキの胸中で一つの思いが駆け回り、次のボールを強く握り込んだ。



 ここはタチワキシティ北部に位置する、イッシュ唯一の映画レジャー施設。その名もポケウッド。
 昼夜を問わず映画作成、鑑賞のために賑わっているこの施設の中、仏頂面で闊歩する一人の少女がいた。
 厚底のブーツを履いてもなお小柄な体躯、黒いタンクトップの上に青と紫の肩だしワンピース。短めの銀髪は前髪を頭頂部付近で縛っており、背中には黒と紫を基調とした毒々しいデザインのワーロックベース。
 少女は不機嫌そうに唇を尖らせている。
「ったく、あのオヤジ……いつもいつも船長の仕事ほっぱらかして。一度シメないと分からなのかっての」
 そんな誰かのことを毒づきながら歩を進めていくと、不意に腕のライブキャラスターから着信音が鳴った。
 彼女は苛立ちながら回線を開くと、そこには焦げ茶色の髪をポニーテールにした少女……のような顔をした男。イリゼだった。
 少女はイリゼの顔を見るや否や、パァッと表情が明るくなっていく。
「おー、なに、イリゼじゃん? どーしたのさ急に。ここ最近まったく音沙汰なかったけど」
『悪いが、ちっと急ぎの用だ。お前に頼みごとがある』
「イリゼの頼みなら大抵のことは引き受けるけど、なに?」
『詳しくは後でメール入れるが、まあ簡単に言うとだな』
 イリゼは少し間をおいて、

『俺の息子をぶっ飛ばしてくれ』



今回はミキ対フレイ、そして人気急上昇中の彼女の登場です。かなり短くなってしまいましたが、文字数がやばいのでご了承ください。さてもう予告に入りますが、次回も今回のように誰かのバトルを入れつつ、伏線を張る感じになります。では次回もお楽しみに。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——お知らせです—— ( No.601 )
日時: 2013/01/04 13:27
名前: プツ男 (ID: DN0pvQeX)

あけましておめでとうございます!.....もう三ヶ日終わってしまいましたが......
今年も執筆頑張ってくださいね!よろしくお願いします!

勝手な思い込みだとは思いますが、なんだか最近フォレスが常識人に思えてくるんですよね.....一番の常識人だったと思っていたエレクトロもなんだかだんだんおかしくなってきていますし.....

ここでツユサとウズメの過去を入れましたか。ずいぶんと設定をややこしくしてしまったのを暗示で解決とは......さすが白黒さん!.......すいません
フォレスですら(?)2人の評価があんな風だと、エレクトロを除く7P全員からの評価も低そうですね。

そしてなんだか、イリゼがイリスをボコボコにするフラグを順調にたてていますね.....ミヤマやモスギスのときといい、イリゼってすごい顔が広いですね....このままじゃあ、そのうちチャンピオンとかけしかてきたりしそうな予感がします

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——お知らせです—— ( No.602 )
日時: 2013/01/04 14:48
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

プツ男さん

 あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いいます。
 とりあえず今年の目標は、来年までにこの作品を完結させることです。応援ありがとうございます。

 一応、7Pの大半は登場初期から性格が微妙に変わっている……はずです。

 謝る必要はないですよ。むしろ過去設定ができたお陰で使いやすくなったくらいです。
 どうでしょうね……基本的に7Pクラスになってくると、他の部隊の部下についてはあんまり気にしない傾向がありますので。アシドとか記憶すらしていないような気がします。

 イリスはまだイリゼのメッセージに気付いていませんので、それが分かるまでとことん妨害する気なんでしょうね、彼。
 イリゼの顔が広い理由はそのうち明らかにしますが、まあ、もうアデクと親密な間柄ですし、今更チャンピオンの一人二人引き連れても……いや、流石にそれはおかしいですか。

Re: 436章 鋏 ( No.603 )
日時: 2013/01/04 22:54
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 リオとエレクトロのバトルは、現状リオが優勢だった。
 というのも、エレクトロのファントマはリオのプリンと相性が悪かったのだ。
 このファントマは、黒い霧で相手の視界を奪って戦うことが前提となっているため、その霧を吹き飛ばされると実力を発揮できない。
 たとえば煉獄、この技は命中率が低いが、高威力かつ命中すれば確実に相手を火傷状態にする強力な技だが、命中率がかなり低い。しかしファントマは、それを黒い霧で相手の視界を塞ぎ、行動を制限することで間接的に命中率を上げている。
 けれどプリンは吸い込んだ空気を吐き出すことで黒い霧を吹き飛ばすため、その戦法も使えない。
「まともに通るのは神通力ぐらいですか……シャドーボールは効果がありませんし、ここは開放的すぎる。選択を誤りましたか」
 エレクトロが呟いた次の瞬間、ファントマはプリンに投げ飛ばされて地面に激突。そのまま戦闘不能となってしまった。
「お戻りなさい、ファントマ。今回は相手が悪かっただけです、気に病まず」
 慰めるように、エレクトロはファントマをボールに戻した。
「私のファントマを倒したくらいで、いい気になってはいけませんよ。ファントマは私の手持ちでは最弱、加えてフィールドもファントマにとっては不向きな場所でした。次はこうは行きません」
「悪いんだけど、ただの言い訳にしか聞こえないわよ」
「言い訳かどうかは、次のポケモンを見て決めてくだされば結構です」
 言ってエレクトロは次のボールを出し、ポケモンを繰り出す。
「戦の時間です、ハッサム!」
 エレクトロの二番手はハッサムだ。全身を赤い鋼鉄で包み込み、両手は大きなハサミとなっている。
「プリン、地球投げ!」
 プリンはハッサムを投げ飛ばそうと、先手を取って特攻をかけようとするが、
「ハッサム、バレットパンチです」
 プリンが動くよりも速くハッサムはプリンの正面に移動しており、閉じたハサミを拳のように突き出してプリンを殴り飛ばす。
「! プリン!」
「続けてアクロバット!」
 プリンが吹っ飛ばされる中、ハッサムは俊敏な動きでプリンの背後に回り、またもハサミの一撃を叩き込む。
 ハッサムの特性、テクニシャンと、道具を持っていない状態なら威力が倍になるアクロバットの相乗効果で、プリンへのダメージは相当なものとなった。
「くっ、プリン、一旦ハッサムの動きを止めましょう。ベルカント!」
 プリンは息を吸い込み、思わず聞き惚れてしまうような歌声を発する、その直前に、
「させません、バレットパンチ!」
 ハッサムの弾丸のような拳がプリンを捉えた。
 プリンは吹っ飛ばされて地面をバウンドするが、まだ戦闘不能ではない。
「意外と耐えますね。ですがもうすぐ終わりです。ハッサム、虫食い!」
 ハッサムはプリンの下へと駆け、赤いハサミを開いてピンク色の体を喰らうように挟み込む。
「プリン、逃げて! がむしゃら!」
「無駄ですよ。ハッサム、バレットパンチです!」
 プリンが最後の抵抗としてがむしゃらな攻撃を繰り出すが、その前にハッサムはプリンを空中に放り投げる。そしてその直後、弾丸のようなハッサムの拳がプリンを吹き飛ばし、遂にプリンは戦闘不能となった。
「ありがとう、プリン。ゆっくり休んでて……」
 リオはプリンをボールに戻す。結局、ハッサムには一撃も与えることができなかった。
「このハッサムは、私の手持ちの中で最も近接戦闘に優れています。物理技をメインとするポケモンでは、倒せませんよ」
 エレクトロの穏やかな口調の中に、ハッサムの強さに対する信頼がありありと感じられる。それほど自身があるのだろう。
 一方リオは、このハッサムをどう倒すか思案していた。
(相性から考えると圧倒的にシャンデラを出すべきなんだろうけど、ハッサムの残る一つの技が分からないし、相手のエース、ドルマインに対抗できる火力を持つのもシャンデラくらい。なによりここでハッサムを出したのには何か意味があるような気がする……あとはドラドーンか。でも、ドラドーンはもう少し休ませておきたいし、ハッサム相手じゃ小回りが利かなさすぎる。となると——)
 リオは一つのボールを握り締め、次なるポケモンを繰り出す。
「次はこのポケモン。出て来て、リーフィス!」
 リオの二番手は観葉ポケモン、リーフィス。ガラス鉢のような体から緑色の頭と葉っぱが伸びている。タイプは草と水だ。
「ほぅ、リーフィスですか。ここはシャンデラを出すと読んでいたのですが、アテが外れてしまったようです」
 その言い分から察するに、やはりエレクトロはハッサムにシャンデラ対策の技を覚えさせていたようだ。この読み合いは、リオの勝利と言えるだろう。
 だが、
「リーフィスは草と水タイプ。バレットパンチのダメージは半減できますが、こちらには虫食いとアクロバットがあります。さて、防御の高いリーフィスと言えど、どこまで耐えられるでしょうか」
 エレクトロの言うとおりだ。タイプ相性ではリーフィスはハッサムに不利。普通に戦っても倒すことは出来ないだろう。
「……リーフィス、ハイドロポンプ!」
 先に動いたのはリーフィスだ。リーフィスは勢いよく大量の水を噴射する。
「かわしなさい、バレットパンチです」
 ハッサムは弾丸が飛ぶようなスピードでハイドロポンプをかわし、そのままリーフィスを殴りつけた。が、効果はいまひとつなため大きなダメージにはならない。
「大成長!」
「アクロバットです」
 リーフィスはすぐに大量の根っこを呼び出して攻撃するが、ハッサムの俊敏な動きでその攻撃はあっさりかわされる。さらにハッサムのハサミによる一撃が、リーフィスの脳天に叩き込まれる。
「そのまま虫食い」
 さらにハッサムはリーフィスの本体——ガラス鉢に覆われた柔らかい体——にハサミを伸ばす。
「しまっ……! リーフィス、大地の怒り!」
 リーフィスは大地を鳴動させ、大量の土砂を吹き出し、自分もろともハッサムを吹き飛ばした。
 思いもよらぬ奇襲だったにもかかわらず、ハッサムは空中で態勢を整え、静かに着地。逆にリーフィスは、受け身も全く取れず地面に叩き付けられる。
 そのままゆっくりと体を起こすリーフィスの体には既に幾重もの傷がついているが、あのまま弱点にハサミを入れられるよりもずっとマシだろう。肉を切らせて骨を守るというやつだ。
「上手くダメージを軽減しましたね。しかし、そう何度も同じ手は通用しませんよ。ハッサム、アクロバット!」
 瞬時にハッサムの姿が消える。気付いた時にはハッサムはリーフィスの真上におり、ハサミを構えて攻撃の準備をしていた。
「そう何度も喰らったりはしないわ! リーフィス、ハイドロポンプ!」
 ハッサムのハサミが繰り出されるよりも速くリーフィスの水流が発射され、ハッサムを押し飛ばす。
「続いて大成長!」
「毟り取るのです。虫食い!」
 地中から這い出た大量の根っこが怒涛の勢いでハッサムに向かっていくが、ハッサムはガチガチと両手のハサミを鳴らして襲い掛かる根っこを毟り取っていく。
「大地の怒り!」
 地道に根っこを削っているハッサムに、リーフィスの大地の怒りが炸裂。ハッサムは大きく吹っ飛ばされ、宙を舞う。
「チャンスよ、ハイドロポンプ!」
 そこにリーフィスの大量の水流が放たれるが、
「ぶち壊す」
 ハッサムは凄まじい気迫を発しながらハサミを突き出し、全ての水流を四方八方に散らしてしまう。
「ハイドロポンプが……!」
 まさかの一撃にリオは戦慄する。恐らく、今の技がシャンデラ対策なのだろう。一発でリーフィスのハイドロポンプを消し飛ばしてしまうほどの威力なのだから、もしシャンデラが効果抜群となる今の技を受けていたらと思うと、ゾッとする。
「この程度はまだまだ序の口ですよ。ハッサム、バレットパンチです!」
 地に降りたハッサムはそのまま高速でリーフィスに接近し、ガラス鉢の体を殴りつける。
「ぶち壊す!」
 さらに連続してハサミを叩き付ける。一撃一撃がかなり重く、破壊力のある攻撃だ。
「引き剥がしてリーフィス、大地の怒り!」
 このままではまずいと思ったのか、リーフィスは地面から大量の土砂を噴射するが、
「同じ手は通用しないと言ったはずです。ハッサム、アクロバット!」
 ハッサムの俊敏な動きを前では、大地の怒りはハッサムを捉えられない。ハッサムはぐるっとリーフィスの周りを一周すると、同じ位置に戻ってきてハサミの一撃を見舞う。
「虫食いです」
「させない! ハイドロポンプ!」
 ハッサムは続けてハサミを伸ばすが、リーフィスも水流を放って今度こそハッサムを押し退ける。
 ここに来て、リオに焦りが浮かぶ。薄々感づいていたが、このハッサム——
(強い……!)
 ドルマインばかりに目が行っていたが、思わぬ強敵に、リオは歯噛みするのだった。



やべぇ、ハッサム強ぇ……なぜか書いているうちにハッサムがやたら強くなってしまいました。ちなみにアクロバットとテクニシャンは、効果の発動順番が云々でテクニシャンの効果が適用されないそうですが、白黒はよく分からなかったので、本作ではどちらも発動する仕様です。いやー恐ろしい威力ですね。それでは次回も誰かのバトルをする予定です。お楽しみに。

Re: 437章 弾丸 ( No.604 )
日時: 2013/01/05 11:08
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「バレットパンチ!」
 ハッサムの弾丸の如き拳が飛び、リーフィスのガラス鉢のような体に叩き込まれる。
「続いてぶち壊す!」
 さらにハサミによる連撃が繰り出され、リーフィスは心身ともに軋みを上げる。如何に耐久型のポケモンとはいえ、これだけ攻撃を受ければそうもたないだろう。
「リーフィス、大地の怒り!」
 リーフィスは大地を鳴動させて地面から土砂を吹き出し、ハッサムを引き剥がそうとするが、
「無駄ですよ、アクロバットです!」
 土砂が噴出されるのに合わせてハッサムは跳び、後ろからリーフィスを攻撃。
「ハッサム、ぶち壊す!」
 さらに重たいハサミの一撃も叩き込む。
「くぅ……大地の怒り!」
 リーフィスは自分の周囲を取り囲むように大地から土砂を吹き出し、今度こそハッサムを引き剥がす。
「ハイドロポンプ!」
「バレットパンチです!」
 宙に舞ったハッサムを撃ち落とすべくリーフィスは大量の水を噴射するが、なんとハッサムはその大量の水を一瞬だけ足場にし、そのまま弾丸の如き速度でリーフィスに接近。拳を叩き込む。
「ぶち壊す!」
 加えて凄まじい気迫を発する重量感のある一撃。
 このハッサムは、体が重いわりにかなり俊敏な動きをする。実際の素早さはそれほど高くないのだろうが、バレットパンチとアクロバットで高速接近し、そのまま強力な技を叩き込むのだから、相当厄介だ。
「もう一度ぶち壊す!」
 ハッサムは重たく強力なハサミによる一撃を、リーフィスのガラス鉢の体に叩き込む。ガラス鉢は軋みを上げ、今にも砕けてしまいそうだ。
「さらにぶち壊す!」
「ハイドロポンプ!」
 ハッサムがまたもハサミを振り上げると、リーフィスは勢いよく水流を発射してハッサムを押し飛ばす。
「大成長よ!」
 そして次に地中から大量の根っこを呼び出し、それらを操ってハッサムを襲わせるが、
「ハッサム、バレットパンチです!」
 根っこの群れを軽く跳び越し、ハッサムはリーフィスのガラス鉢を弾丸の拳で殴りつける。
「そろそろ終わりにしましょう。ハッサム、ぶち壊す!」
 ハッサムはハサミを大きく振りかぶり、鬼気迫る勢いで全身全霊、フルパワーの重たいハサミの一撃をリーフィスのガラス鉢に叩き込んだ。
 すると次の瞬間、リーフィスの本体を防護していたガラス鉢の体が、粉砕した。
 ガラスの破片が宙を舞い、リーフィスは弱点となる本体を晒して吹っ飛ばされる。
「リーフィス!」
 リオは叫ぶ。リーフィスも地面に打ちつけられてなお立ち上がろうとするが、しかし、それを許さないものがいた。
 ハッサムだ。
「虫食い」
 ハッサムは両手のハサミを開き、弱点となるリーフィスの緑色の体を挟み込む。
 するとリーフィスは甲高い声で絶叫し、ぐったりと倒れてしまう。戦闘不能だ。
「……リーフィス、戻って」
 暗い顔で、リオはリーフィスをボールに戻す。ちらりとハッサムを見遣ると、疲労はしているだろうがまだまだ戦えるように見える。
「ふふ、貴女があまりにも小癪な手を使うものですから、少々手荒く攻めてみました」
 見るとハッサムの体には、蔓のような植物が巻き付いていた。これは宿木の種、この種を植え付けられたポケモンは、少しずつ体力を奪われるのだ。
 リーフィスがあれほどのハッサムの猛攻に耐えられたのも、この宿木の種による影響が強い。
「恐らくハイドロポンプの中にでも仕込ませていたのでしょう。なので、持久戦に持ち込まれる前に決めさせて頂きました」
 そう言った直後エレクトロは、やはり十割は難しいですか、今回は九割五分が限界というところでしょう、と呟く。
 なんにせよ、ハッサムがぶち壊すを覚えているというのならシャンデラを出し難い。バレットパンチやアクロバットなど、あまり高くない機動力を補うような技まで持っているのだから、尚更だ。
「となると、次はやっぱりこの子……出て来て、ドラドーン!」
 リオの三番手は、神龍ポケモンのドラドーン。通常個体を超える10m以上の巨体で、その姿は見るものを圧倒する。
 だが、
「ドラドーン、ですか。かなりの巨体のようですが、我々の仲間にはドランという者がいます。彼のドラドーンは、そのドラドーンを超える巨躯です。驚くには値しません」
 エレクトロは至って冷静に言葉を発した。それだけ余裕があるのだろう。
「……ドラドーン、凍える風!」
 ドラドーンは文字通り凍えるような風を吹き放つが、その出力が尋常じゃない。凍える風というより、いっそ吹雪という方が正しいくらいの勢いだ。
「ハッサム、バレットパンチです!」
 しかしハッサムはそんな風など気にする風でもなく、軽く突き破って弾丸の如き拳をドラドーンの顎に叩き込む。
「アクロバット!」
 続けて頭まで移動し、脳天にハサミを突き込んだ。
「振り払って! 凍える風!」
 巨体故に衝撃には強いのか、ドラドーンはハッサムを体から揺り落とし、そのまま凍える風を吹きつける。
「もう一度!」
 さらにドラドーンは凍える風を吹きつけて攻撃。効果いまひとつのためそれほど大きなダメージを与えられないはずだが、それでもドラドーンは続けた。
「また何か考えているようですね。ハッサム、バレットパンチ!」
 ハッサムは凍える風が吹き荒ぶ中、弾丸の如きスピードでドラドーンに接近し、閉じたハサミを拳のように振るって顔面を殴りつける。
「続けて虫食い!」
「吹き飛ばして! ハリケーン!」
 ハッサムが開いたハサミを突き出す最中、ドラドーンは災害のような突風を放ってハッサムを吹き飛ばし、地面に叩き付ける。
「今よ、ドラゴンプレス!」
 そして地面に仰向けになっているハッサム目掛けて急降下し、そのまま押し潰す。その巨体をいかんなく発揮した攻撃だ。
「ハッサム、抜け出しなさい。ぶち壊す!」
 ハッサムは不自由ながらもハサミをドラドーンに叩き付けるが、威力が足らず、ドラドーンが動く気配はない。
 ドラドーンの特性は威嚇、よってハッサムの攻撃力は下降し、物理技の威力が下がっているのだ。
「これで決める! ドラドーン、炎の牙!」
「ならば牙ごとへし折りなさい。ハッサム、ぶち壊す!」
 ドラドーンは一度巨体を浮かし、炎を灯した牙を剥いてハッサムに襲い掛かる。ハッサムも凄まじい殺気を発しながら重たいハサミの一撃を突き出して対抗する。
 双方の技が激突してしばし競り合うが、やはりハッサムの攻撃力が下がっていたために押し負け、ドラドーンの炎の牙がハッサムの赤い体に喰い込んだ。
 リーフィス戦でのダメージも少なくはなく、さらに四倍弱点の炎技を受けてハッサムは遂に戦闘不能となった。
「お戻りなさい、ハッサム。……ふむ」
 エレクトロはハッサムをボールに戻し、顎に指を添えて何か思案するような仕草をする。
「やはりどうしても全力が出ないですね……仕方ありませんか。このままバトルを続行しましょう」
 ぶつぶつと何かを呟き、エレクトロは次のボールを構えた。
「では、参りますよ。飛翔の時間です、トロピウス!」
 エレクトロの三番手は、トロピウスだ。竜脚類のような体にヤシの葉の翼。草と飛行の複合タイプを持つポケモンで、ドラドーンには及ばないまでも通常個体より大きなサイズを誇るが、
(トロピウス? ドルマインじゃなくて? こっちには凍える風、ハリケーン、炎の牙まであるのに……)
 ドラドーンの覚えている技のほとんどは、トロピウスの弱点となるタイプ。リオはあえてそれをアピールし、ドルマインを誘い出すつもりだったのだが、完全に外れてしまった。
「大方、私のドルマインを誘い出し、後に控えるシャンデラのために少しでも削っておくつもりだったのでしょう。貴女は以前、私のトロピウスを見ている。消耗したドルマインと、タイプでは有利なトロピウスをエースのシャンデラで一気に攻め落とす作戦なのでしょうが、それくらいはお見通しです」
 どうやらエレクトロは、自分が手の内を晒していたことを含め、リオの考えを読んでいたらしい。この読み合いでは、エレクトロが一枚上手だった。
「いや、でも、タイプとしてはドラドーンが有利なのは同じ。ここでトロピウスを倒せば、二対一でドルマインとのバトルが進められる」
「さて、そう上手く事が運ぶでしょうか。言っておきますが、私のトロピウスはハッサムとそれほど変わらない実力です。戦い方こそ異なりますが……それに、相手のポケモンを見ているのはこちらも同じ。シャンデラの対策をしておいて、ドラドーンの対策をしない理由はないと思いますが、いかがでしょう?」
 悠然とした態度のエレクトロ。その余裕に気圧されそうになりながらも、リオは自身を奮い立たせ、拳を握り込む。
(負けられない……負けたくない……!)
 その思いが、今のリオを動かしている感情であった。 



今回も前回に引き続き、リオ対エレクトロのバトルです。いやー、やっぱりハッサム強いですね。タイプで勝ってるとはいえ、あの硬いリーフィスを下してドラドーンも手負わせています。さて、文字数もヤバめで書くこともなくなってきたので、次回予告でも。次回も誰かのバトルになるのでしょうが、たぶん今回みたいに引き続きリオ対エレクトロになりそうな感じです。ではでは、次回もお楽しみに。


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