二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——お知らせです—— ( No.620 )
- 日時: 2013/01/14 18:13
- 名前: 大光 ◆HynV8xBjBc (ID: hodsxr1W)
ポケットモンスターX・Y本当に楽しみです。僕は草タイプで決定ですね。不遇タイプだろうと関係ありません。
アキラ、ザキ....。フラグみたいなのは立っているのはなんとなく分かっていましたが、本当に負けてしまうなんて....。
7Pの人気は僕の中では、フレイがダントツのトップで、二位と三位はレイとエレクトロの順で、ワーストは.......ガイアです。
何度もすみません、ソンブラの記事内容を少し追加、変更しました。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——お知らせです—— ( No.621 )
- 日時: 2013/01/14 18:44
- 名前: プツ男 (ID: DN0pvQeX)
あらららら.....アキラとザキが敗北......まぁ、相性的に不利なので、しょうがないといえば、しょうがないですかね....?レジュリアはサイコバーンと放電を持っていましたし、テペトラーじゃあ相手が悪いですよね。
更にタイミングの悪い雨......どうなってしまうことやら.......
何か、マオさんの鬱憤晴らしの仕方が少しきになりました、エレクトロでどうやって鬱憤をはらすのでしょうか?
珍しいことに、今回はプラズマ団が優勢ですね、一体何を探しているのでしょうか?キュレム関係か、古生代ポケモンの関係か、はたまたその他の何かか......
ポケットモンスターXYの任天堂ダイレクトを見ました、楽しみなんですけど、僕、3DS持っていないんですよね.....これを期に買ってみましょうかね....X・Yの由来は染色体という説もありますが、白黒さんの方の説の方が納得いきますね。
僕は最初のポケモンは水と決めているので、あのガマゲロゲみたいなのにします。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——お知らせです—— ( No.622 )
- 日時: 2013/01/14 23:34
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
大光さん
草タイプは何がモデルなのかいまいち分かりませんね……イガグリとハリネズミあたりでしょうか?
かなりしつこく言いますが、この章が一部のキャラクターの転機となる戦いが含まれる章です。まあ、因縁をつける戦いという方が正しいのかもしれませんが。
やっぱりフレイとエレクトロは鉄板ですねー。ガイアは相変わらずワースト……まあ、見向きすらされないドランよりはマシ、なのか……?
了解しました。後程確認しておきます。
プツ男さん
よく考えれば、テペトラーってレイの手持ちに対してはヤミクラゲくらいしか有利に戦える相手がいないんですよね。だったらなぜ最後まで残したという疑問が……
マオの憂さ晴らしについてはご想像にお任せします。正直、僕にも想像つきません。
今回はプラズマ団が優勢、イリスやPDO勢がアウェーとなっております。まあ、たまにはこういうのもいいでしょうというか、毎回ワンパターンだとつまらないというか、いやまあ、もっとちゃんとした理由があるんですけどね。若干ネタバレになるので今回は伏せておきます。
プラズマ団が探しているものは、そのうち明らかになります。それまでお待ちください。
僕は以前使っていたDSが寿命を迎えたので3DSに乗り換えました。
この時期に新作公表したのはたぶん、まだお年玉を残している人々に3DSを買えと言っているのでしょう。こう思うと、どんだけ売れてないんだよ3DSって感じですね。
ガマゲロゲ……あのカエルは巷ではラグラージの二の舞になるのではないかと噂されているようですが……
- Re: 444章 星 ( No.623 )
- 日時: 2013/01/15 00:15
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ドラピオン、クロスポイズン!」
「オノノクス、地震だ!」
ムントとドランのバトル、現状のオノノクスとドラピオンの戦いでは、オノノクスが優勢だった。
オノノクスはヒット&アウェイ戦法を駆使することで、ドラピオン相手に有利に立ち回っている。
「ドラゴンクロー!」
地震の衝撃で動きを止めたドラピオンに、龍の爪が襲い掛かる。紫色の装甲に深い爪痕が刻まれると同時に、ドラピオンはその場に崩れ落ちた。
「あーあ。ドラピオンも倒されちゃった」
ドランは戦闘不能となったドラピオンをボールに戻す。
「……戻れ、オノノクス」
ムントも一旦、オノノクスを戻した。そしてドランが次のボールを取り出す前に、ポケモンを交代させる。
「行くぞ、アーボスク!」
繰り出されたのは、コブラポケモンのアーボスク。大蛇のような体躯、太くがっしりした胴体には顔のような模様が浮かんでいる。
「ふぅん、アーボスク、ね。大方ドランの最後のポケモンを読んでのチョイスだろうけど、そんじょそこらの鋼タイプじゃ、この子は止められないよ」
最後のポケモンが入ったボールを握り締め、ドランは強気に出る。
「そんじょそこらの鋼タイプかどうかは、やってみれば分かることだ」
同じくムントも、クールな立ち振る舞いを崩さず、自信満々に言い返す。
「まーいーけどね。なんにせよ、このポケモンは、ドランの力の全て。エレクトロじゃないけど、ドランも解放するときはなるべく力をセーブしてるんだよ。前に英雄ちゃんと戦ったときは、解放率——解放状態で底上げされる強さの割合——はおおよそ7割、70%くらいだったけど、今回は100%で行くよ」
言ってドランは、天に供物を捧げるかのように、ボールを構えた。
「天空に臨め、ドラドーン!」
現れたのは、巨大な龍。
エレクトロのトロピウスより、モスギスのティラノスより、ガイアのハサーガより、そしてリオのドラドーンより、何よりも巨大な神の如き龍。
神龍ポケモン、ドラドーン。ドランの全ての力そのものと称される、ドラゴンポケモン。
「大きいでしょ、これで見かけ倒しなんてことはないから安心してね。ちなみに解放率を100%まで引き上げられるのは、エレクトロとドランだけなんだよ。基本的に、解放率の高さは序列に比例する。けれど序列四位のレイが引き上げられる最高率は60%が限度。これで分かるかな? ドランの強さが!」
子供のように自分の力を誇示するドラン。しかし、このドラドーンの強さは見ただけで分かる。そんじょそこらの鋼タイプどころか、その手のエキスパートが鍛えたポケモンでも、倒すことは難しそうである。
だが、
「……アーボスク、電磁砲!」
アーボスクは電磁力を濃縮した球体を生成し、ドラドーン目掛けて発射する。
「アイスバーン!」
ドラドーンも正面に凍てつく爆発を起こして電磁砲を相殺。
「あくまで戦うつもりなんだ。ま、ドラン的にはそうじゃないと困るけどね。ここで怯えて尻尾撒いて逃げられたんじゃ、たまったもんじゃないよ」
次の瞬間、ドランの纏う空気が変わった。まるで巨大な龍が咆哮を上げて威嚇するような威圧感が、そこに漂っていた。
「行くよ、ドラドーン。ハイドロ——」
ピチャン
「んー……?」
「……?」
ドラドーンが息を吸い込んだ刹那、ポケモンと共にドランが動きを止めた。いや、ドランだけではない、ムントとアーボスクも、その音を聞き、一時停止する。
聞こえたのは、水の滴るような音。それが何度も何度も鳴り響き、やがて連続した音の集合となる。
その状況をそのまま言ってしまえば、雨だ。
突如として、コンビナートは豪雨に包まれた。
「雨だと……!」
今この状況で雨に降られることは、ムントとしては嬉しいことではない。ポケモンが弱体化するからという理由ではない。むしろ逆だ、ポケモンが強化されるのだ。
そう、今まさに発射の態勢に入っている、ドラドーンのハイドロポンプが。
「恵みの雨とは正にこのことだね。ドラドーン、やっちゃって! ハイドロポンプ!」
ドラドーンは大きく吸い込んだ空気と共に、大量の水を噴射する。その速度、水量、勢いは凄まじいの一言に尽き、ともすればイリスの、激流が発動したダイケンキのハイドロカノンに匹敵する威力の水流だ。
「くっ……メタルブラスト!」
アーボスクも鋼を撃ち出してハイドロポンプにぶつけるが、パワーが違いすぎる。競り合うことなくメタルブラストは水流に押され、アーボスクを吹き飛ばした。
「ヘドロウェーブだ!」
「ハリケーンだよ!」
アーボスクも負けじと毒液の大波を放つが、ドラドーンが放つ災害級の嵐でヘドロウェーブは全て散らされてしまう。
さらにハリケーンはそのままアーボスクにも襲い掛かり、コンビナートのタンクへと押し飛ばしてしまう。
タンクに大きなへこみができ、アーボスクは落下しないまま、戦闘不能となった。
「ぐっ……戻れ、アーボスク」
ムントはアーボスクをボールに戻す。これでムントの手持ちはあと一体だが、
「残るはオノノクスだね。ドラピオンが与えたダメージが全快してるとは思えないから、同じドラゴンタイプでもドランが有利かな?」
ドランはそう言うが、この場合は体力や傷がどうこうの話ではない。
ドラドーンの巨躯もさることながら、今は雨天状態でハイドロポンプの威力が上がり、しかもドラドーンはアイスバーンを覚えている。誰がどう考えても、オノノクスが圧倒的に不利だ。
「行くぞ、オノノクス!」
しかし、たとえ相性や体格で不利だったとしても、ムントが一度始めた戦いを投げ出すことはない。オノノクスも同様だ。
「やっぱり戦うんだね。言っておくけど、もう君に勝ち目はないよ。だってドランは本気で、ドラドーンもいる。オノノクス一匹じゃ、どう足掻いたって勝てっこない」
「どうだかな……」
ムントは短く返す。
ドランの言うことは概ね正しい。オノノクス一体で、13mを超えるほど巨大なドラドーンを倒すのは困難だ。
しかしそれでも、ムントには勝算がないわけではなかった。
「オノノクス、龍の舞!」
オノノクスは龍の力を増幅させる舞を舞って、攻撃力と素早さを高める。
「能力を上げて対抗するつもりかな。何度も言うけど無駄だよ、ドランのドラドーンには勝てない。アイスバーン!」
ドラドーンは凍てつく爆発を引き起こし、冷たい爆風と衝撃波を放つ。ドラゴンタイプのオノノクスが喰らえば一撃でも致命傷になりかねないが、
「龍の舞!」
龍の舞で能力を上げ、衝撃波をかわす。爆風まではかわせないが、ダメージは少ない。
「ならこれはどう? ハイドロポンプ!」
「龍の舞から地震!」
続けてドラドーンは大量の水を噴射する。オノノクスには効果はいまひとつでも、相当な威力であることには変わらないので、この攻撃も受けたくない。
なのでオノノクスは龍の舞で後ろに下がり、地震で地面を隆起させる。追ってくるハイドロポンプを隆起させた岩で防ぐが、すぐに破壊されるのは目に見えているので、
「瓦割り!」
両手を使った手刀を振り下ろし、なんとか水流を受け切る。
「やるねぇ、じゃ次はこれ! ハリケーン!」
今度は嵐。雨雲すらも吹き飛ばす勢いで、ドラドーンは激しい突風を放つ。
「龍の舞だ!」
オノノクスはやはり龍の舞で能力を上げ、三倍に膨れ上がった素早さを存分に生かし、コンビナートを縦横無尽に駆け回り、ハリケーンの隙間を縫うようにかわしていく。
そして、ハリケーンが止んだ瞬間を狙って、オノノクスも攻撃に転じる。
「オノノクス、ドラゴンクロー!」
タンクやクレーンの上を跳び、ドラドーンのもとへと一気に跳躍。そして龍の力が込められた爪を振り下ろした。
効果抜群で二倍、龍の舞で三倍、計六倍に膨れ上がったドラゴンクローは、如何に屈強なドラゴンポケモンでさえも地に降ろす一撃となる——はずだった。
「ふーん、で? おしまい?」
ドラドーンは通常の六倍の威力にもなる龍の爪を受けてもなお、天に君臨するように飛んでいた。
「なっ……に……!」
流石のムントも驚きを禁じ得ない。とはいえドラドーンもダメージがないわけではないはずだ、ただ戦闘不能にできなかっただけで。
「それが君の全力? だったら今度は、ドランの全力を見せてあげるよ。……ドラドーン!」
ドランがその名を呼ぶと、ドラドーンはさらに天高く舞い上がり、そして、持ちうる力の全て、最大限のパワーで最大の攻撃を放つ。
「流星群!」
天空から降り注ぐのは、無数の流星。この星すらも消し去ってしまうのではないかというくらい大きく、強い星々が、正に星の数ほど降り注ぐ。
如何に龍の舞で素早さを上げていようと、その一撃——否、無数の連撃をオノノクスがかわせるはずもない。
よってオノノクスは、数多の星、流星の群れに飲み込まれたのであった。
今回はムントvsドランです。というか、ドランが強すぎる。エレクトロの比じゃないですねこれ。反省します……ともかく、ドラドーンはドランの手持ちの中でもずば抜けた存在なのです。流星群を撃たれたムントのオノノクスがどうなったかはお察しください。それではあとがきはこの辺で。次回もこんな感じで誰かのバトルの続きです。次回もお楽しみに。
- Re:用語一覧 ( No.624 )
- 日時: 2013/01/15 02:18
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
『用語』
『キュレムの刻印』……キュレムの氷を削り出し、その氷によって刻まれた刻印のこと。7Pが各々の肉体の一部に刻んでおり、潜在的な力や能力を押さえつけている。また刻印に封じた力を解き放つこともできる。その際、刻印から濁った光が発せられる。
『キュレムの刻印の解放』……7Pが行うことのできる行為。通称、解放状態。いわゆる7Pの本気で、刻印によって封じられた潜在的な力、能力を解き放つことでポケモンバトルにおける戦闘力を格段に跳ねあげることができる。
『解放率』……解放した7Pが、どれくらい封じた力を引き出せるかの割合。7Pの強さの序列は、この解放率の高さに比例する。100%の力を引き出せるのはエレクトロとドランの二人のみ。
『相互関係』……ポケモンの強さとトレーナーの意志の強さが比例するということの証明。ポケモンはトレーナーの思いをキャッチすることで、理論上ではありえないほどの強さを発揮することができる。各地方のチャンピオンや四天王、またそれに匹敵するトレーナーなどのポケモンは、大抵の場合はこの相互関係が働いている。
『運命を変える能力』……現時点での詳細は不明。7Pのアシドが膨大なデータから導き出した真実の英雄イリスが有すると思われる能力。アシドのデータから推察されたことによると、ポケモンが育つ最高の能力値を限界突破する、他人の運命を変えて別の道を歩ませるといった力がある模様。なお、イリスの弟子であるミキにだけはこの力は働いておらず、イリスとの付き合いの長さに関係なく力の影響の受けやすさには個人差がある。
『道具』
『ライトストーン』……真実の白き龍、レシラムが封印されている石。現在は動きがない。
『ダークストーン』……理想の黒き龍、ゼクロムが封印されている石。現在は動きがない。
『境界の水晶』……虚無の凍てつく龍、キュレムを復活、操作する濁った水晶。ただし復活と操作を同時に行うためには膨大なエネルギーが必要なため、ガイア曰く使えるようになるのは冬になってから。
『カセット』……プラズマ団が戦力増強のために製造している古生代ポケモンのパーツの一つ。7Pアシドが徹底的にチューンアップしており、カートリッジと呼ばれる17のタイプの力が込められたデータをインストールさせ、どんなものでも滅する兵器にしようとしている。
『組織』
『PDO(プラズマ団壊滅組織)』……プラズマ団の悪事を防ぎ、組織を解体しようとする組織。いつ頃から立ち上げられた組織なのかははっきりしていないが、本格的に活動を始めたのは一年前で、プラズマ団が表立った活動を始めたのとほぼ同時期。イッシュの様々な街に支部が存在し、それぞれの支部はほとんど独立しているので分かりにくいが、規模はかなり大きい。力も相当なもので、次期ジムリーダー候補と囁かれるものや、イッシュのチャンピオンを倒したものなど、かなりの戦力を保有する。しかし7Pの存在から、現在はヒウン支部、セッカ支部を中心としたトップクラスの精鋭たちがメインとなって活動している。
『PDOヒウン支部』……統括はリオ、統括補佐はキリハが務めている。PDO最大の支部であり、戦力も最も強大と思われる。しかし拠点としていたビルがプラズマ団の強襲により倒壊。現在は更地となっており、構成員は別支部に配属され、キリハはリオ宅に居候中。
『PDOセッカ支部』……統括代理はザキ(しかし実質、統括扱い)、統括補佐はミキ。正式な統括はザキとミキの父親、ロキ。ヒウン支部に次ぐ戦力の支部だが、実際の規模はさほど大きくない。
『プラズマ団』……一年前は理想の英雄、Nを王に仕立て上げ、その裏でゲーチスが糸を引き、「ポケモンは人々から解放されるべき」という主張を掲げて自分たちだけがポケモンを使って世界を征服しようと企んでいた。しかしその計画はイリスを中心とした面々が阻止。しかしゲーチスは7Pを中心とした秘匿の団員でプラズマ団を構成し直し、混濁の使者と呼ばれるキュレムの力を用いた武力制圧を目論む。
『7P(セヴンプラズマ)』……一年前のプラズマ団七幹部の後任。しかしその戦力は七幹部など足元にも及ばないほど強大。基本的に現在のプラズマ団は7Pがメインとなって活動している。各7Pはそれぞれコードネームを与えられ、体のどこかにキュレムの刻印が刻まれている。また7Pはそれぞれ特色を持った独自の部隊を有している。
『直属部下』……7Pが何らかの理由により直々に配属している部下の総称。7Pが率いる各部隊のトップに位置し、人数は部隊によってまちまち。しかし大抵の場合は一人が多い。制服やプラズマ団シンボルの着用義務が免除される。部下に据える理由は、いたら便利だから、気に入った、放っておけない、勝手についてきた、なんとなくなど、実に様々なである。
『ガイア地縛隊』……7Pガイア率いる部隊。主な役割はプラズマ団の頂点であるゲーチスの護衛と拠点防衛。そのためあまり外で活動を起こさない。
『ドラン神龍隊』……7Pドラン率いる部隊。しかしほとんど機能しておらず、何かあった時のための予備の部隊。唯一直属部下が存在しない部隊でもある。
『エレクトロ聖電隊』……7Pエレクトロ率いる部隊。所属団員数が最も多く、最大規模の部隊。これといった特色はないが、戦闘や他の部隊のサポートが主な役割。エレクトロの統率力が高いため纏まった組織だが、直属部下クラスの癖が強い。また直属部下の人数も最も多い。「全てを晒さない」がモットーで、エレクトロを含め団員は早計に全力を出さないようにしている。
『レイ氷霧隊』……7Pレイ率いる部隊。所属団員が全て女性で、レイのカリスマで機能している部隊。諜報、工作、破壊活動などが主な役割。任務達成率は七部隊随一。
『フォレス森樹隊』……7Pフォレス率いる部隊。毒邪隊ほどではないが統率の乱れた部隊で、フォレスの悩みの種の一つである。地形の整備や装置の設置などを行い、これから行われる任務を円滑に遂行するための下地作りが主な役割。疎まれているアシドと違い、フォレスは完全に部下に舐められているが、団員のほぼ全員が「自分に有利な地形を作る」というフォレスの意向に賛同している。
『フレイ焦炎隊』……7Pフレイ率いる部隊。最も個性的な部隊で、組織として必要のないようなスキル、時代錯誤な能力や道具など、独特な空気の流れる部隊である。主な役割はその個性を生かした、他の部隊では行えない局地的な任務遂行など。レイとはまた違ったフレイのカリスマで機能している部隊であり、団員仲は良い。
『アシド毒邪隊』……7Pアシド率いる部隊。研究、開発、実験などが主な役割で、完全に裏方である。戦闘能力は七部隊の中で最弱だが、直属部下クラスになるとそれなりの力はある。統率者が自己中心的なため、かなり統率の乱れた部隊。直属部下を除いて全団員はアシドのことを疎ましく思っている。しかしアシドは何かしらの命令を下す以外は団員に干渉しないため、研究や実験を好むものからすれば悪くない環境らしい。
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