二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 13章 イリスvsチェレン 1 ( No.36 )
日時: 2011/07/31 19:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「イリス!」
N、シザンサスとともにカゴメタウンへと向かうイリスは、道中の12番道路にて聞き覚えのある声を聞く。
「チェレン……!」
声の主はイリスの幼馴染のチェレンだった。チェレンは鳥ポケモンに乗ってイリスを発見したようで、徐々に下降してくる。
「イリス、君は一体何をしてるんだ。僕らに一言もなしにカノコタウンから出て行って、僕らがどれだけ……」
「チェレン、ストップ!分かったから、ごめん。何も言わずにいきなり出て行ったのはあやまるよ!」
イリスはチェレンの延々と続く説教が始まる前にストップをかける。ちなみにチェレンの説教時間は最長六時間。一日の四分の一も使って説教を喰らった事がある。
「……まあ、僕はいいけどね。でも君の弟子はひどく憤慨してたよ」
「あー……確かに怒ってるよな、ミキちゃんなら……」
イリスは困ったような顔になる。
「それでイリス。何故君とNは一緒にいるんだ。そしてその人は誰だい?」
チェレンはNとシザンサスを交互に見て、イリスに問う。
「Nとはまあ、もう敵じゃないんだよ。今は仲間さ。で、こっちが」
イリスはシザンサスに振る。
「……シザンサスよ」
シザンサスはしかめっ面で短く名乗る。なにか機嫌が悪そうだ。
「……?」
イリスはそんなシザンサスを見て首を傾げる。機嫌が悪い理由が分からないのだろう。
「……まあいいか。イリス、僕は君の弟子から君を連れて帰るように言われている」
「え……?」
「だから君をカノコタウンに連れて帰る」
「ちょ……ちょっと待って。僕はまだ帰る気はないし、帰りたいともおもってない……」
イリスは帰宅を拒否し始める。新しい旅はこれからだという時に連れて帰らされてはたまったものではないからだ。
「……だろうね。そういうと思って、一つだけ条件がある」
チェレンの言葉にイリスは一瞬呆け、チェレンは口を開く。
「新しい旅で手に入れたポケモンのみでの僕とのバトル。それで君が勝てば、君を連れて帰るのを諦める」



と、いうわけで、イリスとチェレンの幼馴染バトルが始まった。方式は三対三の普通のシングルバトル。ローカルルールとして、お互いに新しく捕獲したポケモンのみを使ってのバトルだ。
「イリス君!頑張ってね!」
イリスはシザンサスの声援を聞き、ボールも構える。
「……なんか僕、あの人に嫌われてる気がするんだけど、気のせいかな?」
チェレンはイリスにしか聞こえない声量で問う。
「どうだろうね。正直、僕も君の事が気に入らないというか、嫌悪しているように見えるけど」
「やっぱりそうかな……。それじゃ、始めようか。僕の一番手はこいつだ、ヒメグマ!」
チェレンが最初に繰り出すポケモンは、頭に三日月模様のある小さく可愛らしいポケモン。小熊ポケモンのヒメグマだ。
「ヒメグマ……ノーマルタイプか。ならどのポケモンを出しても大差はないか。出て来い、メリープ!」
イリスの一番手は電気タイプのメリープだ。
「先攻はもらうよ。ヒメグマ。切り裂くだ!」
ヒメグマはメリープに向かって一直線に走り出し、鋭い爪で切り裂く。
「なかなかの攻撃力だね……。メリープ、体当たり!」
メリープはヒメグマに体当たりし、引き剥がして距離を取る。
「スピードスター!」
そして無数の星を放ち、ヒメグマを切り裂く。
「ヒメグマ、騙し討ちだ!」
ヒメグマはメリープに向かって走り出し、大きく腕を振りかぶって爪の一撃を放つ……と思いきや、思い切り空振ってしまい、隙だらけになる。
「今だメリープ!体当たり!」
メリープは隙だらけのヒメグマに向かって走り出し、体当たりをしようとする。
しかし、ヒメグマはすぐに身を翻し、メリープに爪の一撃を喰らわせる。
「メリープ!」
メリープは大きく吹き飛ばされ、体勢を大きく崩す。
「ヒメグマ、深追いはしないよ。ビルドアップだ」
ヒメグマは追撃せず、筋肉を増強して能力を高める。
「騙し討ちとは、よく言ったものだね。メリープ、電撃波!」
メリープは電撃の波を放ち、ヒメグマを攻撃する。メリープの電気ショックは電撃波へと昇格したのだ。
「くっ、騙し討ち!」
「電撃波だ!」
ヒメグマはメリープの正面で派手にすっ転ぶと思わせて切り裂き、メリープはその後電撃の波を喰らわせてヒメグマを吹っ飛ばす。
「切り裂く攻撃!」
ヒメグマはメリープに接近し、爪を振りかぶって切り裂く。
「追加で岩砕きだ!」
ヒメグマはさらに拳を握り、力を込めてメリープに叩きつけようとするが
「メリープ、コットンガード!」
メリープは綿に包み込まれ、ヒメグマの拳の衝撃を吸収してしまう。
「電撃波!」
そしてその綿を突き破る電撃の波を放ち、ヒメグマを攻撃。どうやらその攻撃は急所に当たったようで、ヒメグマは戦闘不能となってしまう。
「戻れ、ヒメグマ。……やるね、イリス」
「チェレンもね」
イリスとチェレンは互いに称賛し合い、チェレンは新たなボールを取り出す。
「僕の次のポケモンはこいつだ。出て来い、ユキワラシ!」
チェレンは新たなポケモンを繰り出す。
イリスvsチェレン。幼馴染二人の闘いは。まだまだ続く。



今回はチェレン登場でイリスとバトルです。そして毎度の事ながら、終わりが微妙です。では、今回は特に書くこともございませんので、あとがきはこの辺で。次回もお楽しみに。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 オリキャラ・オリ技、募集 ( No.37 )
日時: 2011/07/31 13:39
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

霧火さん

リオの設定変更、ありがとうございます。
また随分と強くなったのですね。ついに金髪のあの人に勝つとは。
なるべく早めに出したいと思います。


黒影さん

オリキャラ投稿ありがとうございます。
カモネギ……某侍少女のポケモンなんですね。
なるべく早めに出したいと思います。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 オリキャラ・オリ技、募集 ( No.38 )
日時: 2011/07/31 15:16
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: cebg9jtM)

サカキ様出てるしw
つかチェレンすごいですね。六時間説教ってそう出来るものじゃねーぞ!


すいません、ムントの変更点があるので、こちらに書き直しても大丈夫でしょうか?

Re: 14章 イリスvsチェレン 2 ( No.39 )
日時: 2011/07/31 15:19
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

チェレンが繰り出したのは雪傘ポケモンのユキワラシ。黒い一頭身の体に雪傘を被った氷タイプのポケモンだ。
「ユキワラシ、氷の礫!」
ユキワラシは小さな氷の塊——礫をいくつか作り出し、メリープに向けて飛ばす。
「結構速いな……メリープ、体当たり!」
メリープはユキワラシに向かって走り出し、体当たりを放つが
「ユキワラシ、影分身だ!」
ユキワラシはいくつもの分身を作り出し、メリープの攻撃を避け、メリープを惑わす。
「粉雪だ!」
そして一斉に粉雪を吹かし、メリープを攻撃する。実際にダメージを受けるのは実体が放つ粉雪のみなので大きなダメージはないが、それでも居場所が分からないのはキツイ。
「だったら……メリープ、電撃波!」
メリープは波状の電撃を放つ。電撃は分身を次々と消していき、最後には本体を捉えた。
「電撃波は絶対に当たる必中技。いくら分身を出そうとも、避ける事はできない!」
「……そうか。ユキワラシ、氷の礫!」
ユキワラシはいくつもの氷の礫をメリープに向けて発射する。
「メリープ、コットンガード!」
メリープはその礫をコットンガードで防御。しかし
「頭突きだ!」
コットンガードが解けたユキワラシ瞬間、ユキワラシが頭を突き出して強烈な頭突きをメリープに見舞い、吹き飛ばした。
「メリープ!」
メリーを見れば、目を回して倒れていた。戦闘不能だ。
「戻れ、メリープ。……氷タイプなら、リープンは出せないか。それじゃあ次はお前だ、ブイゼル!」
イリスの二番手は水タイプのブイゼルだ。
「ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルは水流を身にまとい、高速でユキワラシに突撃する。
「ユキワラシ、頭突きだ!」
ユキワラシも頭突きで返し、ブイゼルを吹っ飛ばす。
「氷の礫!」
そして追撃の氷の礫。効果はいまひとつだが、出が早いので追撃にはピッタリだ。
「くっ、水鉄砲!」
「粉雪!」
ブイゼルは口から勢いよく水を発射するが、ユキワラシは粉雪を吹いてそれを凍らせる。
「ユキワラシ、影分身!」
そして影分身を作り出し、ブイゼルを惑わす。ブイゼルはメリープのような必中技を覚えていないので、影分身に対して十全な対応ができない。
「粉雪だ!」
ユキワラシは四方八方から粉雪を吹く。威力は大した事ないが、凍るような冷たさに、ブイゼルの体力は削られていく。
「ブイゼル、回転しながらソニックブーム!」
ブイゼルはその場で一回転し、その際に尻尾から連続で衝撃波を飛ばす。それにより多く分身が消え、大分絞り込めた。
「アクアジェット!」
ブイゼルは片っ端からユキワラシの分身を消していき、遂に本体への攻撃に成功する。
「そのまま泥爆弾だ!」
さらにブイゼルは泥を凝縮した塊をユキワラシにぶつけ、ダメージを与える。
「ぐっ、ユキワラシ、怯むな!氷の礫!」
ユキワラシは氷の礫を放つが、礫は明後日の方向へと飛んで行き、ブイゼルには当たらない。どころか接近され、至近距離からソニックブームを喰らってしまう。
「泥爆弾は相手の命中率を下げる事がある技。そのユキワラシの目にも泥が入って、前がよく見えてないんだよ。ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルは水流を身にまとい、高速でユキワラシに激突して吹き飛ばす。
「……戻れ、ユキワラシ」
チェレンは戦闘不能となったユキワラシをボールに戻す。これでチェレンの手持ちは残り一体だ。
「それじゃあ行くよ、これが僕の最後のポケモンだ。出て来い、ファマー!」
チェレンの最後のポケモンは、目玉のある赤い球体に、その上にも小さな目玉のある球体が付いているポケモンだ。
火薬ポケモン、ファマー。炎タイプ。
「炎タイプならブイゼルの方が有利、このまま勝たせてもらうよ。ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルは水流を身に纏ってファマーに直進する。しかし
「ファマー、日本晴れ!」
ファマーは燃える太陽のような球体を天高く打ち上げる。すると突然日差しが強くなり、日照りが起こる。
「高速スピンだ」
そしてファマーは高速で回転して、向かって来るブイゼルを弾き飛ばす。
「日本晴れはその時の天候を『日差しが強い』状態にする技。『日差しが強い』状態だと、水タイプの技は半減、そして炎タイプの技の威力が上がる。ファマー、炎の渦!」
ファマーは竜巻のような燃える炎の渦でブイゼルを囲み、閉じ込める。
「火の粉だ!」
そしてファマーは火の粉を連射し、身動きの取れないブイゼルにひたすら攻撃を続ける。すると遂にブイゼルは力尽き、その場に倒れこんでしまう。
「ブイゼル……くっ、戻れ」
イリスは悔しそうにブイゼルをボールに戻す。これでイリスの手持ちも残り一体だが、残っているのは草タイプのリープン。炎タイプのファマーとは分が悪い。
「でも、やるしかない……頼むぞ、リープン!」
イリスは意を決し、最後のポケモン、リープンを繰り出す。
「やっぱりリープンだね。君のポケモンのチョイスパターンから出すポケモンの順番を捻ってみたけど、大当たりだ」
どうやら最後のバトルががリープンvsファマーになるようにチェレンが仕向けたようだ。
「さて、これで最後だ、イリス」
チェレンは勝利を確信した眼で、イリスを見据える。



今回は前回に引き続き、イリスとチェレンのバトルです。チェレンの切り札はファマー、正直姿の描写が難しかったので、参照のをご覧になられた方が分かりやすいかと。ちなみに氷の礫の礫は、つぶて、と読みます。知っている方もいるでしょうが、一応念のため。では、次回はイリスとチェレンのバトル第一回、決着です。お楽しみに。

Re: 15章 イリスvsチェレン 3 ( No.40 )
日時: 2011/07/31 17:56
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「リープン、モイスカット!」
リープンは葉っぱに含まれる水分を増幅して水を纏わせ、ファマーを切り裂く。しかし
「ファマー、高速スピン!」
弱点を突いたにも関わらずファマーには大ダメージを与える事ができず、ファマーは反撃の高速スピンをリープンにぶつける。
「やっぱり。日本晴れはキツイな……」
そう、今の天候は『日差しが強い』状態。この状態だと水技の威力が半減してしまう。そして
「ファマー、火の粉!」
炎技の威力が上がる。
ファマーの放った火の粉はリープンを襲い、かなりのダメージを与えた。
「くっ、リープン、風起こし!」
リープンは葉っぱを振って猛烈な風を起こす。それによってファマーの動きを止め、体力を少しずつ削っていく。
「ファマー、炎の渦!」
しかしそれも一時の間だけで、ファマーは渦状の炎を放ち、リープンを攻撃する。
幸いな事に、ファマーは攻撃系の能力が低い。なので効果抜群の技と言えど、何発かは耐えられる。
しかし、それでも大ダメージを受け、瀕死寸前まで追い詰められるのには変わりがない。
「リープン、葉っぱカッター!」
リープンは鋭い葉っぱを無数に飛ばし、ファマーを切り刻む。その量やスピードは通常よりも強化されていて、特性深緑が発動しているのが分かる。
「それでも、効果いまひとつであんまり効かないのな……」
そう、このファマーは攻撃力は高くないが、その分防御力に秀でている。なので効果いまひとつとはいえ、深緑で強化されている葉っぱカッターを喰らっても平然としていられるのだ。
「ファマー、火の粉だ!」
「かわせリープン!」
ファマーの放つ強化火の粉を、リープンはジャンプで回避する。リープンは素早さが高く、回避能力も高いのでなんとかここまで切り抜けることができているが
「避けてばっかじゃ、ジリ貧だな……」
イリスがそう呟いている間にも、ファマーは日本晴れで強化された火の粉を発射してくる。リープンは身を捻ってそれをなんとかかわす。
「くっ、モイスカット!」
リープンは葉っぱの水分を増幅させて水を纏い、ファマーを切り裂く。
「ファマー、高速スピン!」
しかしファマーは効果抜群の攻撃をものともせず、体を高速で回転させてリープンに激突し、吹っ飛ばす。
「そろそろ決めるよ。ファマー、炎の渦!」
ファマーは渦状の炎を放ち、リープンを取り囲もうとする。
「!リープン、あれに捕まったら終わりだ!かわせ!」
リープンはとにかく動き回って炎の渦をかわしていくが、渦はリープンを追い、時には追加で発射されたりと、リープンを追い詰めていく。そして
「リープン!」
リープンは遂に炎の渦に閉じ込められてしまった。
「さあ、これで止めだ。火の粉!」
ファマーはリープンに向けて最大火力の火の粉を放つ。
「リープン、抜け出せ!」
リープンは炎の渦から抜け出すとするが、何分相性が悪いため、リープンは身動きしただけでやられてしまいそうである。そのためリープンは動けない。
そして火の粉がリープンに迫る。その時だった

リープンの体が輝く光に包まれ、その姿を変えていく。

「これは……進化か!」
リープンが進化した姿は、爬虫類のようであるのは変わらず、首と両腕にはピンク色の体毛が生え、葉っぱが大きくなっている。
進化したリープンは大きな葉っぱの一振りで火の粉を振り払い、もう一振りして炎の渦を吹き飛ばす。
「凄い……」
イリスは図鑑を取り出し、名前を調べる。
「リーティンっていうのか……」
ついでに技も調べると、リープンの時に覚えていた技は大胆にも全て一新されていた。
「よし、リーティン、マジカルリーフ!」
リーティンは葉っぱを振り、薄い念力で覆われた葉っぱを無数に飛ばし、ファマーを切り刻む。
「燕返し!」
そしていつの間にかファマーの目の前に接近しており、葉っぱを振るって切り裂く。
「くっつ、ファマー……」
「止めだ。グラスミキサー!」
最後にリーティンは葉っぱを高速で回転させて木の葉の渦を作り出し、ファマーを飲み込んで地面に叩きつける。
「ファマー!」
渦が消えると、ファマーは眼を×にして倒れていた。
「勝った……」
つまり、この勝負はイリスの勝ちである。


バトルの後、チェレンはイリスと二、三言はなして去っていってしまった。
「ところでシザンさん。つかぬ事をお聞きしますが」
「なに?」
「チェレンの事を嫌ってたように僕は見えたんですが、実際の所どうなんですか?」
イリスは言い難そうな事をズバッと聞く。これがイリスの長所であり、短所でもある。
「あー……。……旅に出た時、父親に反対されたって、話したよね」
「はい」
「でね、父親に似てるんだ」
「チェレンが?」
コクリとシザンサスは頷く。
「……ま、何も言いませんよ、僕は」
イリスはそこで話を切り上げ、歩を進める。カゴメタウンへと向けて。



今回は本編ちょっとだけ短めです。なのであとがきは頑張って書きますので、よろしくお願いします。今回、遂にイリスのリープンが進化しました。進化して技が全て新しくなりましたが、まだ一つだけ出てない技があります。それは次回あたりに出ますかね。では、次回はカゴメタウン。遂にあの人達が混濁の使者に現れる!?それっぽい事を言いましたが、そんなに大袈裟ではありません。では、次回もお楽しみに。


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