二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 第二回? オリキャラ募集 ( No.156 )
- 日時: 2013/03/20 16:39
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ガイア・男・25歳
容姿:橙色の髪にベージュ色の軍服、その上には灰色のコートを羽織っていて、胸の部分にはプラズマ団の紋章が刻まれたバッジを付けている。
性格:自信家で高圧的、敵がなんであれ臆さず向かって行く。喋り方がやや古風。名目上、プラズマ団のリーダー。
序列:7P団最弱。
備考:ガイア地縛隊を率いている。
名前の由来:ギリシャ神話の大地の女神、Gaiaから。
手持ちポケモン
ハサーガ・♂
技:大地の怒り、ドラゴンバイト、悪の波動、トライアタック
特性:威嚇
ガルラーダ・♂
技:ブレイブバード、熱風、凍える風、サイコキネシス
特性:石頭
トノッパー・♂
技:シグナルビーム、エアスラッシュ、悪の波動、飛び跳ねる
特性:複眼
カモドッグ・♂
技:ダストシュート、アクアテール、辻斬り、濁流
特性:水のベール
ザート・女・25歳
容姿:ガイアとほぼ同じ容姿。相違点は髪が肩ほどまで伸びていることと、体つきが女体である事。声はかなりハスキー。首にはキュレムの首を模した刻印が刻まれている。
性格:ガイアとほぼ同じ。
序列:7P団最強。
備考:ガイアが解放した真の姿。
名前の由来:砂漠を意味する英単語、desertから。
手持ちポケモン
ハサーガ・♂
技:潜る、ぶち壊す、怒りの炎、ドラゴンバイト
特性:威嚇
ガルラーダ・♂
技:ブレイブバード、鋼の翼、卵爆弾、殻を破る
特性:石頭
トノッパー・♂
技:攪乱飛行、エナジーボール、エアスラッシュ、殻を破る
特性:複眼
カモドッグ・♂
技:ダストシュート、アクアテール、シャドークロー、殻を破る
特性:水のベール
- Re: 78章 罠 ( No.157 )
- 日時: 2011/08/16 20:17
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
イリスは無数の罠が張り巡らされた植物園を進んでいく。
時には罠を避け、罠を外し、罠を壊し、罠に掛かりながら進んでいく。
(なんかこの罠の仕掛け方、誘導されている気がするな……)
仕掛けられた罠は目に見えるものもあれば見えないものもあるが、、基本目に見える所を避けて進めば、あなり掛かる事はない。
植物園を進んで十分ほど経つと、大きな池が見えてきた。
池には蓮などの花や水草が浮いていて、なかなか趣がある。
だがそんな感想も、敵がいれば台無しだ。
「よう、英雄。やっと来たな、待ちくたびれたぜ」
迷彩柄の服に漆黒のコート、髪は緑色で無造作に跳ねている。そしてベルトのバックルには、プラズマ団の紋章が刻まれている。
敵とは、7Pが一人、フォレスだ。
「お前もこっちに来いよ」
フォレスは池の所にいて、イリスを手招きする。
大きな池には大小あわせていくつかの岩があり、そのうちの二つは水際にあり、平らで人が乗れそうな大きさだ。現にフォレスはそこに立っている。
「今回俺は、お前を叩き潰すためだけにこのフィールドを用意したんだ。さあ、お前もそこの岩に乗ってポケモンを出しな」
フォレスが指差すのはフォレスが立っている場所とは反対側の足場。
「…………」
イリスは疑念を持ちながらも、恐る恐るその足場に向かって、一歩踏み出す。
最初の一歩目ではなにもなかった。なのでイリスは気が緩んでしまい、もう一歩踏み出し、罠に掛かる。
「!?」
突如、イリスの足首に何かが絡み付いてきた。青緑色の、植物の蔓のような何かだ。
蔓はイリスを水中に引っ張り込もうとする。その力は尋常ではないほど強く、まともな足場でないイリスが踏ん張る事もできなかった。
「ぐぁ……フローゼル!」
イリスは水中に完全に引き込まれる前にフローゼルを出し、牙で蔓を噛み切らせ、地上へと這い上がる。下手したら死んでいたかもしれない。
「あーあ、失敗しちまった」
フォレスは至極残念そうにうな垂れる。
「な、なんだ今のは!」
イリスはフォレスに激しく抗議するが、フォレスはヘラヘラと笑っていた。
「知りたきゃ教えてやるよ。こいつがこのトラップマスターことフォレスの切り札にして隠し玉。滅多に見れねえワイルドカード」
フォレスはとにかくもったいぶって、その切り札とやらの名を呼ぶ。
「現れろ、アルデッパ!」
その瞬間、水中より化け物が現れた。
いや、正確にはポケモンなのだが。
そのポケモンは2mを遥かに超える大口を開けた食虫植物のようで、触手か蔓のような手と指は原型があるものの、足はもうただの触手だ。
水草ポケモン、アルデッパ。草・水タイプのポケモンだ。
「……あのまま水中に引きずり込まれてたら、僕は今頃あのでかい口のなかで生涯を終えてたってわけか……」
イリスの額からは冷や汗が噴き出している。まあ、アルデッパの恐ろしい相貌を見て、さらに殺されかけたと言っても過言ではないのだから、別段おかしな事ではないが。
「本当はそのつもりだったが、そうもいかなくなった。だから正攻法で攻めるとするぜ」
言ってフォレスは、指をパチンと鳴らす。
「なっ……!?」
すると、空から惑わしポケモンのコクジャクが、地中からドリルポケモンのサンドリルが、後ろの茂みからサーベルポケモンのマカドゥスが現れた。
「言っておくが、逃げるはなしだぜ。どうしても家に帰りたいなら、こいつら全員を倒してからだ」
俗に前門の虎、後門の狼と言う諺があるが、これはそれどころではない。
上から孔雀、下から鼠、後ろはサーベルタイガー、目の前は怪物と、異形揃いで囲まれている。
「でも、やるしかない……!」
言ってイリスは、ボールを三つ取り出し、三体のポケモンを繰り出す。
「出て来い、モココ!キルリア!メタゲラス!」
コクジャクにはモココ、サンドリルにはキルリア、マカドゥスにはメタゲラスを、それぞれぶつける。
そしてアルデッパの相手は、フローゼル。
「どうせお前も、上下と後ろの三体には指示を出さないんだろ。だったら僕もそれに則って、アルデッパにはフローゼルをぶつけてやるよ」
つまり、フォレスはアルデッパにのみ指示を出し、他の三体には指示を出さない。複数のポケモンに、同時に指示を出すというのは結構高度な事なのだ。だからフォレスはまず、目の前のフローゼルを、次に他の三体を倒すつもりなのだ。
まあ、なにはともあれ。まず第一戦はフローゼルvsアルデッパだ。
「フローゼル、アクアジェット!」
フローゼルはまず、激しい水流を身に纏ってアルデッパに突撃する。威力は四分の一だが、まずは最初が肝心だ。
「氷の牙!」
フローゼルは氷結した牙を伸ばし、アルデッパに突き刺す。アルデッパは水タイプが混ざっているので効果抜群ではないが、それなりには効いているだろう。
「アルデッパ、パワーウィップ!」
アルデッパは触手を伸ばし、フローゼルに叩きつけようとするが、フローゼルは俊敏な動きでその触手をかわす。
「ツヴァイテール!」
そしてフローゼルはアルデッパの隙を見つけ、硬化させた二又のを叩きつけて攻撃。
しかし
「今だアルデッパ!捕らえろ!」
アルデッパは両手と触手、大きな口までもを利用して、フローゼルを捕まえた。フローゼルはその束縛から逃れようとするも、アルデッパは放さない。
「逃げようってんなら無駄だぜ。俺のアルデッパの束縛は捕まったら最後、もう逃れる事は出来ないからな。さあ行くぜ。アルデッパ、パワーウィップ!」
アルデッパは触手を一本伸ばし、捕らえたフローゼルの体に何度も叩きつける。
パワーウィップは草タイプ技の中でもトップクラスの威力を持つ技だ。そんな威力で、しかも効果抜群の攻撃をフローゼルが耐えられるはずも鳴く、六発目にて戦闘不能となってしまった。
「さあ英雄、ここからが本番だ。俺様名物罠掛け地獄、たっぷりと味わってもらうぜ」
フォレスは暗い森で獲物を見つけた獣のように、眼光を光らせる。
今回はフォレスとイリスのバトル、開幕です。しかしイリスはフォレスの卑劣な罠によって三体のポケモンが使えず、フローゼルも早速戦闘不能です。では次回もこのバトルの続きを書きたいところですが、次回はミキとハンゾウのバトルです。では、次回をお楽しみに。
- Re: 79章 引継 ( No.158 )
- 日時: 2011/08/16 23:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「カミギリー、シザークロス!」
「ゴキブロス、銀色の風!」
場所は同じく地下植物園、そこに急遽仮設された丸太小屋。
そこではミキとハンゾウがバトルをしていた。
ゴキブロスは素早い動きでカミギリーの攻撃をかわし、銀色の風などで攻撃しつつ能力を上げている。
ゴキブロスのスピードとカミギリーのスピードを比べると、ゴキブロスの方がやや速い。
どうやらカミギリーは、進化するとスピードが落ちるタイプらしい。
「毒突き!」
「甘い!影分身!」
ゴキブロスは毒を帯びた腕を突き出すが、カミギリーはいくつもの分身を作り出してゴキブロスの攻撃を避け、ゴキブロスを惑わす。
「宿木の種もあるでな、そう長々と戦ってはいられん。決めるぞカミギリー、辻斬り!」
ゴキブロスを包囲するようにして現れた分身は、一斉にゴキブロスに向かって斬り掛かる。
確かにダメージを受けるのは実体の攻撃だけだが、こうして囲まれればどれが本体だか分からず、かわしようがない。
ゴキブロスはカミギリーの一太刀を喰らい、戦闘不能となる。
——と、思われた。しかし
「む……?」
ゴキブロスの姿は消えていた。跡形もなく。
「ゴキブロスの技、バトンタッチ」
ふと、ミキは呟くように言う。
「私のゴキブロスは、カミギリーの攻撃を受ける前にバトンタッチを発動したよ。バトンタッチは自分を他のポケモンと交代させる技。そしてそのカミギリーの相手をするのはこのポケモン。出て来て、カブトプス!」
ミキが繰り出したのは甲羅型の頭部に細い胴と四肢、そして何よりも目を引くのは銀色に煌く両腕の鎌。
甲羅ポケモンと分類される古代のポケモン、カブトプスだ。タイプは岩・水。
「……カブトプスか。確かにそのポケモンならば拙者のカミギリーには相性で勝る。だがそれだけだ。見たところそのカブトプスは捕まえて、ないしは進化させて間もないと見える。そのような未熟なポケモンでは、如何に相性で勝っていようと熟練された拙者のカミギリーには敵わぬよ」
「そうだろうね。確かに、素のカブトプスがそのカミギリーに勝っているのは、相性だけ」
ミキは『素の』という部分を強調して言う。
「だからそのカミギリーに対抗するための、バトンタッチなんだよ。バトンタッチはただ交代させるだけじゃなく、交代したポケモンの能力変化も引き継ぐ。ゴキブロスが上げた能力は銀色の風による追加効果が三回。つまり、今のカブトプスは全能力が2,5倍に跳ね上がってるよ!」
「……!」
それは、確かに脅威だ。
ポケモンとは、それだけでもう完成した固体だ。それに攻撃力や防御力がさらに高まれば、その力は計り知れない。
「さあ行くよ。カブトプス、メタルニッパー!」
カブトプスは通常の二倍異常の敏捷性でカミギリーに接近し、その鋭い鎌で三度斬り裂く。
「ストーンエッジ!」
そして続け様に鋭くとだった岩を連射し、カミギリーを攻撃しようとする。
「ぬぅ、カミギリー、影分身!」
だがしかし、カミギリーは無数の分身を作り出し、ストーンエッジを避ける。どんな技でも、当たらなければ意味がないのだ。
「だったらこれで、燕返し!」
カブトプスは鋭い眼光で本物のカミギリーを探し当て、鋭い鎌を振るって水色の体を斬り裂く。効果抜群なのでカミギリーは大ダメージを受け、後一押しといったところだ。
「カブトプス、止めのアクアテール!」
カブトプスは針のように先端が尖った尻尾を振るい、カミギリーを吹っ飛ばす。勢いよく壁に叩きつけられたカミギリーは静かに目を閉じている。戦闘不能だ。
「戻れ、カミギリー。主は責務を果たした」
ハンゾウは労いの言葉とともに、カミギリーをボールに戻す。
たびたび思うが、プラズマ団——中でも特に上位ランクの者は結構ポケモンを大事にしている。誰しもゲーチスの野望に塗りたくられているわけではないようだ。
「……ふむ、そのカブトプスを倒すのは少々骨が折れそうだな。だがそれはそれで戦いようはある。人であれポケモンであれ、大抵の生物は視覚なくしては、まともに戦う事などできぬ」
そう言ってハンゾウは次のボールを構える。
「そうして何も見えぬ間に、闇を見つつ闇に落としていく……モアドガス、出陣だ!」
ハンゾウの二番手は毒ガスポケモンのモアドガス。
紫色の風船のような形をした頭が三つある、奇妙なポケモンだ。
「一応忠告しておいておこう。そのカブトプスの力があれば、この小屋の壁を斬り裂いて外に出る事が出来よう」
「……なにが言いたいんですか?」
疑念の顔で、ミキはハンゾウに問う。
「今から使う技は、密室で使えば生物を殺める事ができるでな」
そう言ってハンゾウは、モアドガスに指示を出す。
「モアドガス、毒煙幕!」
モアドガスは体中の穴から紫色の煙幕のようなものを放ち、視界を塞ぐ。ハンゾウは見えているのかもしれないが、ミキとカブトプスは一寸先すら見えない。
「毒煙幕……毒素を含む煙幕を発生させる技だね……確かに密室で使えば危険だけど、それはあなたも同じ事でしょ」
ミキは姿が見えないハンゾウに向かってそう言う。
するとハンゾウはどこから喋っているのか分からない話術で、返答してくる。
「拙者は忍の者だ。忍とは諜報、暗殺、工作活動を得意とする者。特に暗殺では、よく毒を用いる。自分のポケモンが毒を放つなら、その血清くらいは持っている」
普通はそうだろう。持っていなかったのはいつかのマッドサイエンティストだけだ。まあ、彼の場合は老いぼれていたから抗体が作れなかっただけだが。
「目を封じ、毒で弱らせ、闇に蝕む。これぞ忍の真髄よ」
ハンゾウの静かな声が、小屋の中に響く。
……今回、何を書けばいいか迷っています。いつも僕は執筆中に『あとがきにはこんな事を書こう』と決めたりしているのですが、こうしてあとがきにまで着く頃には、何を書こうとしていたかを忘却しています。まあ、そういう事を書くだけでそれなりに行を埋める事は出来るんですけどね。では、次回はイリスとフォレスのバトルです。お楽しみに。
- Re: 80章 破壊 ( No.159 )
- 日時: 2011/08/17 09:47
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「あとはお前だけが頼みだ、出て来い、リーティン!」
イリスvsフォレスのバトル。
イリスが次に繰り出すのは、イリスのエースポケモン、リーティンだ。
「リーティン、燕返し!」
リーティンはアルデッパの傍まで急接近し、手に持つ葉っぱを振るって切り裂く。
「アルデッパ、噛み砕く!」
対するアルデッパは効果抜群の攻撃を喰らったにも関わらず平然としており、その大きな口でリーティンにかぶり付く。
「そのままハイドロポンプだ!」
アルデッパはリーティンにかみついた状態で口内から大量の水を発射する。そんな事をすれば当然の如くリーティンはハイドロポンプの直撃を受け、しかも連続的なので効果いまひとつでもかなりのダメージになってしまう。
「リーティン!」
噛み砕くとハイドロポンプを喰らい、早くもリーティンの体力は底を尽きそうだ。
「俺のアルデッパの破壊力を甘く見るなよ。こいつは水の中に入れてりゃ、それだけで罠になるからな。罠に掛けるなら相手を一撃で仕留めなきゃならねえ。だから俺は、こいつを攻撃特化になるよう育てたんだ」
それはイリスにも分かる。実際イリスはアルデッパの力の片鱗をその身で感じたが、アルデッパの力は途轍もないものだった。
「さあ、罠掛け地獄はまだまだ続くぜ。アルデッパ、パワーウィップ!」
アルデッパは触手を伸ばし、リーティンに叩きつけようとするが、リーティンは軽快な身のこなしでそれをかわしていく。
「リーティン、マジカルリーフ!」
そしてリーティンはアルデッパの攻撃をかわしながら念力でコーティングされた葉っぱを無数に放ち、アルデッパを切り裂く。しかしアルデッパは耐久力も高いのか、はたまたただ鈍いだけのか、まるで効いているようには見えない。
「だったらこれでどうだ。アルデッパ、足場を片っ端からぶち壊せ!」
アルデッパは水中に潜ってしまう。すると次の瞬間、リーティンが乗っていた足場が砕け散った。リーティンはなんとか隣の足場に移ったが、下手すれば水中に落ち、そのままアルデッパにやられていただろう。
「成程……このフィールドも、お前に有利になるようセッティングされたわけか……」
普通に考えれば分かる事だ。
水中に潜むアルデッパと水辺で戦って、地上に住むポケモンが勝てるわけがない。足場を壊され、水中に引き込まれればまず間違いなくやられてしまうのだから。
「そういうこった。だから俺は、アシドから報告があったフローゼルを警戒してたんだが……とるにたらない雑魚だったな。アルデッパ、ぶち壊す!」
アルデッパは再度水に潜り、リーティンが乗っている足場をぶち壊す。
リーティンは次々と足場を移していくが、アルデッパは片っ端から破壊していく。
そしてついに、リーティンは最後の足場に乗り、アルデッパはそれをぶち壊す。
「こうなれば一か八か……リーティン、グラスミキサー!」
ぶち壊すの衝撃を受けて上空へと吹っ飛ばされたリーティンは、体力が減る事で発動する特性、深緑で威力の上がった木の葉の渦をアルデッパにぶつける。
「やったか……?」
渦の影響で水飛沫が舞い、アルデッパの姿がよく見えない。しかし徐々にシルエットが見えてきて、その姿も明らかになる。
「た、倒れてない……」
そう。アルデッパは、まだ戦闘不能ではない。
「もうネタ切れか? だったらこれで止めだ。アルデッパ、ハイドロポンプ!」
アルデッパはもう足場のない池に落下してくるリーティンに向かって、大量の水を発射して攻撃し、地面の所まで吹き飛ばす。
「リーティン!」
地面に叩きつけられたリーティンは目を回している。戦闘不能だ。
「お? 後ろの方も終わったみたいだな」
フォレスがそう言い、イリスは振り返る。するとそこには、倒れたモココ、キルリア、メタゲラスの姿があった。
「さてと、んじゃま。最後の仕掛けを作動させるか……アルデッパ」
フォレスに呼ばれたアルデッパは水中に潜り、その仕掛けとやらを作動しているようだ。
そして
「!?」
次の瞬間、イリスが立っていた地面が崩れ始めた。イリスは崩壊して出来た暗闇へと、吸い込まれていく。
「あばよ、英雄。暗い地面の中で一生を終え、森の飯になっちまいな」
植物園、丸太小屋。
ハンゾウと戦っていたミキは、かなり苦戦していた。
「モアドガス、ヘドロウェーブ!」
「ポリゴン!」
ハンゾウのモアドガスは、かなり強かった。
まず最初のカブトプスはダークリゾルブで、次に繰り出したゴキブロスは、大文字で、次のサーナイトとハンタマもダークリゾルブ、そして今し方出したポリゴンはヘドロウェーブでやられた。それも一撃で。
モアドガスは毒煙幕でこちらの隙を窺い、攻撃してくる。それにミキのポケモンは総じて防御系の能力が低めな上、毒煙幕もあるからなおさらだろう。
そしてミキの残りポケモンは、ゴルドーのみとなった。
「ゴルドー、フレアバースト!」
ゴルドーはどこにいるのかも分からないモアドガスに対し、炎の銃弾を放つが
「モアドガス、ダークリゾルブ!」
炎の銃弾はモアドガスには当たらず、モアドガスはその身に纏った闇のオーラを放ち、ゴルドーの体を蝕んでいく。
だがしかし、ゴルドーは気力を振り絞ってその一撃を耐え切り、まだ戦闘不能ではない。
「ほう、耐えたか。しかし耐えても良い事などないぞ。次の一撃で決める。モアドガス、ヘドロウェーブ!」
モアドガスは瀕死寸前のゴルドーに向かって、毒液の波を放つ。
もはや絶体絶命だと思われた、その時。
小屋が激しく燃え上がった。
「む、何事だ!」
小屋を燃え上がらせる炎は赤い炎ではなく、不気味な青紫色の炎だ。
そしてミキはこの炎を見たことがある。
「やっと見つけたよ、強そうな敵」
そしてその炎の中から出て来た人物は
「リオさん……」
今回はイリスvsフォレス、イリスは敗北してしまい、奈落の底へと突き落とされてしまいました。まあ、ここでイリスが死んだら物語が終わっちゃうので、勿論生きてますけどね。逆にミキの方は大ピンチ、かと思いきや今まで登場してなかったリオの登場です。これにはちゃんと理由があったりします。では、次回はイリスとフォレスの戦いを決着、ついでにラストにはフレイも登場させてあげたいと思います。では、次回もお楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 第二回? オリキャラ募集 ( No.160 )
- 日時: 2013/03/28 02:27
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
フォレス・男・22歳
容姿:無造作に跳ねた緑色の髪に、保護色となる迷彩柄の服、闇に紛れる漆黒のコートを着ていて、ベルトのバックルにはプラズマ団の紋章が刻まれている。左腕にはキュレムの左翼を模した刻印が刻まれている。
性格:やや乱暴な口調。トラップマスターを自称しており、罠を使って自分に有利な地形で戦うが、フレイ曰く『詰めが甘い』。レイに気があるようで、たびたびアクションを起こすが素気無く無視されている。フレイとは昔からの付き合いらしく、よく一緒にいてプラズマ団内では血縁者ではないかと噂されている。ちなみにリーダーシップは皆無。しかし不本意な好意を寄せられることがしばしば。
序列:7Pでは三番目に強い、解放すれば序列五位。
備考:フォレス森樹隊を率いている。
名前の由来:森を意味する英単語、forestから。
手持ちポケモン
アルデッパ・♂
技:パワーウィップ、スプラッシュ、噛み砕く、自然の力
特性:浮遊
マカドゥス・♂
技:ダイヤブラスト、雷、磁力線、大地の怒り
特性:避雷針
サンドリル・♂
技:ドリルライナー、ストーンエッジ、シザークロス、ぶち壊す
特性:砂隠れ
コクジャク・♂
技:サイコバーン、エアスラッシュ、悪巧み、電磁波
特性:鋭い目
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