複雑・ファジー小説

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もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
日時: 2014/01/03 18:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)

   作者の今叫びたい一言  『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)


   序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114

   土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
   ↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123

   オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140



 【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】

・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145


 【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】

・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』









   クリックどうもありがとうございます。


  おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

  どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。

  私の名前はヒトデナシと申します。



 “自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


  1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

  2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

  3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




 “では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。

  2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。

  3、基本、自由である。



  ————と言った感じでございます。



  では早速書いていきたいと思います。

  楽しんでいただけると幸いです。



  ・登場人物・・・主要人物 >>119
          黒川陣営 >>120
          リバース陣営 >>121
          DDD教団陣営 >>122


  ・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62

  ・用語説明・・・>>63




   コメントを下さった優しい読者様


 ・月葵様 
 ・八重様
 ・秘密箱様
 ・エストレア様
 ・小枝様
 ・るるこ様
 ・春野花様
 ・陽様
 ・修道士。様
 ・檜原武甲様
 ・李々様
 ・ちぇりお様
 ・95様
 ・グレイ様
 ・H様
 ・007様



    ———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————


【序章、日常編】 

  表紙→>>12 (八重様)
  挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
      第6幕 >>89 (るるこ様)
      第15幕 >>125 (るるこ様)


   第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
   第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
   第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
   第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
   第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
   第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
   第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
   第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
   第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
   第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
   第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
   第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
   第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
   第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
   第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113

   あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114


【第2章、闇人(やみびと)と天使編】

  プロローグ >>124


   第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132

   第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160

   第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165

   第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176

   第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186

   第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194

   第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204

   第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210

   第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216

   第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217




    ------------ サブストーリー -------------


  『交差する二人』・・・>>29 >>30 
  (300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)

  『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
  (600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
  (1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)

  『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
  (1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)

  『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
  (1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)

  『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
  (1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
  (2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
  注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
  お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)

  『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
  (トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
  よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw 
  黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
  なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
  ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)

  『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
  (2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
  劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)




------------名誉、歴史--------------


・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)

・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)

Re: もしも俺が・・・・。『オリキャラ、アンケート募集中。』 ( No.158 )
日時: 2013/03/31 12:24
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



はい、どうもでございます。底辺の作者、ヒトデナシでございます。

たくさんのオリキャラのご応募に幸せを感じると同時に、
「ぐぬ、このキャラ、ここでどうやってどう生かすべきか……ぐむむ、」

……と、ニタニタしながら悩む毎日を送っておりますw 関係ない話でした。失礼しました。ww


さてさて、今回乗せようと考えたのは、なんと『黒水SS』です!!
いやー、皆様待っていた方も多いと思いますがね。 ←気のせい。

だが、驚くべきはそこではない。問題はもっと他にあります。



————それは、これは私ではなく、『他の作者様が書いた』という点である。




    …………なん……だと……!? ←一人で驚愕www


はい、そうなんです。これから下に書くSSは、
私が尊敬する作者の一人、『火矢 八重様』が執筆したモノでございます。
いやー、正直驚きましたw 度肝を抜かれましたねw

確かに私は、「皆様もぜひ、黒水のSSを妄想しちゃってください!!」
と、生意気にも言いましたが、まさか文章にする神がいるとは思いませんでしたw

と、いう事でさっそく、八重様の描いたSSをこちらに投稿しておきたいと思います。
八重様、本当にありがとうございました!! では、どうぞ!!







  『黒水ss By 火矢 八重様』
(※黒川と愛奈たんがであったばかりの話。甘くないよ! 何か微妙に暗いよ! キャラ崩壊してるよ!!w)




 ————夕焼けで赤く照らされた道には、真っ黒な自分の影が映っている。


 自分の影を踏まなければ、俺は帰路にたどり着くことは出来ない。けれど今は、その足を進める事が、私はとてもとても憂鬱だった。

 特に悲しいことも、辛いこともなかったハズだ。
 下級生がカツアゲにあっているのを見て、止める為に上級生と殴り合いはあったが、それは何時ものことだ。
 なのに、どうして今日は、こんなにも足が重いのだろう。


 独りは、慣れている。
 そう、誰も居ない家に帰るのは、別に苦痛じゃない。一人暮らしを俺は、結構楽しんでいる。
 親が居なくていい、という風には考えないが、この気に入っている生活は、きっと親が居れば手に入らなかったモノだと思う。どんなに分かりが良くても、毎日ケンカじゃ親を心配させてしまう。
 だから、いい。心配してくれる人も居ないままで。これでいい、のに。

 寂しいと、帰りたくないと想っている自分が居る。



  「……かわ君、黒川君!」


 は、と、我に帰った。
 横には、何時の間にいたのだろう。傍には、つい最近知り合った、水島愛奈が立っていた。
 水島の両手には、大きな買い物袋がある。どうやら、お使いに行った帰りらしい。


  「あっ……水島」

  「どうしたの? ずっと突っ立ってるけど……」


 ずっと?
 水島の言葉に戸惑った私は、思わず聞き返した。
 水島はそれに気付いていないのか、「うーんと……五十分ぐらいは立ってたと思うよ」という。


  「私が買い物に行くときにもすれ違ったんだよ。そろそろ帰ろうって思った時も、黒川君同じ場所で突っ立っていたから、どうしたんだろうって」


 水島の言葉に、俺は絶句する。
 そんな時間をかけても、俺は家に帰りたくないのか、と。
 どうしたの、と再び聞く彼女に、俺は、いやまあ、と言葉を濁した。家に帰りたくない、と素直に認めるのが嫌だった。
 認めてしまえば、寂しさを抑えていた理性が、崩壊すると思ったから。
 ここで認めてしまえば、もう、寂しさに見てみぬフリをすることが出来なくなると思った。
 けれど水島は納得しないようで、私の顔を見つめる。気まずくて、本音を吐き出しそうだったから、俺は水島に気付かれないように、視線を逸らしていた。
 やがて、水島が、「……買い忘れたかも」と呟いた。


  「黒川君! 私が戻るまで、絶対に動いちゃだめだよ?」

  「え?」


 俺が聞き返す時には、水島はもう既に走っていた。
 重そうな買い物袋を、必死に揺らしながら。
 その小さな背中を見て、俺は少し、不甲斐なさを感じた。
 私は、一人は楽だといいつつ、寂しくて家に帰りたくなくて、立ち止まっている間、
 彼女は、家族の為に、あの大きな買い物袋に、沢山沢山詰めていたのだろう。
 どんなに重くても、一人で、あのか細い腕で、足で、帰路を辿ろうとした。
 俺とは大違いだ。
 そっとついたため息は、夕日の光に照らされていく。




 ————彼女が戻った時、俺は二度目の絶句をした。

 何故なら、彼女は、今さっき持っていた量の三倍ものの買い物袋を持ってきたのだ。多すぎたのだろう、膨らんだ白いビニール袋を背負って歩く彼女の姿は、聖女(サンタマリア)というよりも——コカ・●ーラの赤いサンタさんの姿そのものだった。
 よたよたと歩く水島を見ていられなくなった俺は、彼女の元に駆け寄った。


  「だ、大丈夫か、水島!」

  「……大丈夫、買い忘れの分です、これ」


 ドスン、と買い物袋を置く彼女の顔は、少し青ざめていた。
 いや、絶対に買い忘れの量じゃないこれ!! ——そんなツッコミは、彼女の次の言葉によって、飲み込んだ。


  「黒川君!」

  「は!」


 珍しく水島が鋭い声を上げた。思わず俺は、姿勢を正す。
 キ、と水島が更に珍しく真剣な顔をしたので、俺は一体彼女がどんな言葉をいうのかと——期待と好奇心と微妙な恐怖があいまじって、構えた。
 一体、何を言うんだろう。というか、どうするんだろう。
 そして水島は、ハッキリとした口調でこういった。




 「今晩の料理は、おなべです!」

 「…………は?」


 思考が、固まった。
 予想外すぎる言葉だった。


  「だから、おなべです」


 けれど、俺の反応に構わず、おなべ嫌いじゃないよね? と水島は聞く。
 いや、そうじゃなくて。



  「……なんで急に水島家の献立を? というか、その買い物の量——」

  「え? これは勿論——黒川君の分だけど?」



 ……は?

 益々要領が得なくなった俺に、水島はいう。
 ゆっくりと、ゆっくりと。



  「おなべは、大勢で食べた方が美味しいよ」



 そうでしょう?
 そういってから、彼女は、フワリ、と笑った。



 最近、知り合った黒川君が、橋のところでずっと立ってた。
 買い物が終わっても、黒川君は同じところに立ったままで。ちょっと心配になって、黒川君の顔を覗いてみた。
 黒川君の顔は、纏う雰囲気は、何時も正直。
 更に夕日に照らされたせいか、それはどんなに誤魔化しても、判ってしまった。


 ————寂しいって、いえばいいのにって思った。

 そうしたら、黒川君を慕う人が、必ず助けてくれるのに。
 なのに彼は、弱さを決して受け容れない。認めているけれど、受け容れない。

 彼は、良い意味でも悪い意味でも、頑固だ。
 風紀委員に目を付けられても、自分の手が血で汚れても、自分の正義を突き通す頑固さも、でも寂しさをいけない、と思っている頑固さも。
 横顔は、全てを物語っている。彼のことをよく知りもしない私でも、判るぐらいに。

 その寂しさが、どうしても、放っておけなかった。

 真っ赤な夕日が、彼女の頬を、目を、髪を照らした。
 それは、優しくて、ぼんやりとしていて、でもとても暖かそうで。
 触れたら消えてしまいそうなその人は、それでも確かに笑っていた。

 綺麗だと思った。
 幸せの象徴だとも、思った。



  「うちにおいでよ。おなべ、美味しいよ」


 そう続ける彼女を見て、ふと思った。


  『そんな悲しそうな顔をしなくていいんだよ……?』


 血を、シミ一つないハンカチで拭ってくれた水島の声が、頭の中で反響する。
 水島は、私の孤独に立ち入るようなことはしていない。
 それでも、彼女は色んなことが判ってしまう子だった。
 それを、決して「気のせい」とか、「そんなハズはない」と思い直さない。気のせいじゃない根拠も確証もない、不安定な感受性のハズなのに、彼女は恐れずにいるのだ。現にあの時、「別にたいしたことではない」とハッキリいっておけば、彼女が私に向ける疑いは簡単に崩れた。
 私は、そんな恐ろしいことは出来ない。

 救われたような気がした。
 上手くいえないけれど、でも確かに救われたような気がした。


  「……半分、持つよ」

  「あ、ありがとう。でも、買い物袋は一つだし……」

  「片方を、持つから」


 強引に奪うような感じで、俺は片方の持ち手を持つ。
 微かに、彼女の柔らかい手が触れた。



 全身が熱くなったのは、夕日のせいだ。
 涙腺が壊れそうになったのも、きっと夕日のせいだ————。



    ———————— Fin ————————

Re: もしも俺が・・・・。『火矢 八重様のSSを掲載。』 ( No.159 )
日時: 2013/03/31 22:19
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



        「パート2。」



  柿原はさらに話を続けた。現段階しっている全ての有力情報を。

  ゾンビの世界に行き、そこで起こった事。
  葉隠と出会い、共闘し、この世界に連れてこられた事。


  ————そして、ここからが紫苑が知らない事実だ。


  柿原も源次から聞いた話なので、本当に目にしたわけではないが、
  葉隠が狙っていた『ハロンド』もまた、DDD教団の一員だったという点だ。
  それを聞いても、紫苑はさほど驚きはしなかったが、問題は次だった。

  そのハロンドは、普通の人間とはかけ離れた力を持っているらしい。
  頭を吹き飛ばされても、全身を細切れにしても死なない不死身の身体。

  そして……ハロンドの目的が、この世界を『破壊する事』である事……!!

  それを源次から聞いた時は、耳を疑ったものだ。
  そして一つの疑問が出てきた。なぜ源次はここまでDDD教団に関して詳しいのだろうかと。
  源次はまるで以前から面識がある様な口ぶりだった。
  なので詳しく色々源次から聞こうと思ったのだが、源次はそれ以上教えてはくれなかった。

  そしてその後も、柿原達三人は『異世界のゆがみ』を捜索しているのだとか……。



   「————こんなもんかなー。俺達の今までの経緯。」



  柿原が言い終えると同時に、黒川のシャープペンを動かす手を止めた。

  とはいえ、全員が驚いた表情をしていたのは見なくても分かった。
  世界を『破壊する事』。それがDDD教団の目的でもあるということだからだ。
  本当は柿原も言うのをためらったものだった。
  何より、源次に言われていたのだ。この事をあまり他言するべきではないと。
  それは配慮でもあった。源次なりの、そして紫苑に対しても。
  紫苑だって女の子だ。恐怖の一つや二つ、覚えることだっていくらでもある。
  にも関わらず、わざわざこの事を言えば、無駄な恐怖を植え付けることになるかもしれない。

  それに源次としては、柿原も含め、二人をDDD教団との戦闘に参加させるのを避けたかった。
  いくら付き合ってもらっているとはいえ、二人はあまりにも事情を知らなすぎる。
  そんな二人とDDD教団と関連性を持たせることを、源次はためらったのだ。
  とはいえ、柿原にはしつこく聞かれたので、仕方なく話したようだったが。


  ————だが、もう二人、いや、ここにいる全員はすでに覚悟を決めていた。

  だからこそ、こうして会議を開き、これからの事を話し合っているのだ。
  DDD教団は確かに危険な組織。特殊部隊に任せておけば、全て丸く収まるかもしれない。
  だが、それを彼らは一人もそんなことを望まない。
  見ているだけは嫌だ。自分達にも出来ることをしようと、皆で決意したのだ。

  そして止める。奴らの野望を。奴らの破壊を。

  その覚悟があってか、そんな話を聞いても、皆が身じろぎすることはなかった。
  むしろ分かっていた、といった表情で頷いていた。
  柿原が心配だった紫苑の反応も、いつも通りに陽気で笑顔だった。
  内心ではホッとしつつ、源次の心配は杞憂で終わったなぁとそんな事を考えた。

  と、柿原がその思考を止め、ふと視線を黒川に移すと、
  すでに柿原の言った事を数十枚に渡ってギッシリと書き留められていた。
  霧島はその文字の羅列を見て、思わず嫌そうな顔をしていた。



   「なるほど、紫苑の言う『異世界のゆがみ』はそういうことだったのか。」


  黒川は納得したように言うと、紫苑は元気に何度も頷いた。
  今の話だと、異世界のゆがみは世界の危険と取る事も出来る。
  現にジョジョの世界にも危機が迫っていたし、DDD教団も関係していた。
  ミストとセルダーク。奴らもDDD教団の一員なのだから。


  昨日黒川は紫苑の依頼の元、『ジョジョの世界』へと訪れた……。
  そこにも『異世界のゆがみ』が出現していたらしく、紫苑がそれに気づいたからだ。

  そこで知ったのは、思いもよらない事であった。
  『もしもの世界』である異次元に裏組織であるDDD教団の出現。
  裏組織であるDDD教団がなぜこんなところにいるか謎だったのだが、
  柿原の情報でなんとなく分かった。つまり最終目的は、『世界の破壊』。
  理由は知らないが、奴らは世界を破壊しようとしている。



   「私達は正直あまり話すことはない。ほとんど柿原の言った事と類似する。
    まぁ一応、資料をまとめてきた。口頭で言うよりこっちで見た方が早い。」



  黒川は自分でまとめた資料の何枚かを柿原と紫苑に渡す。
  文字数はそこまで多くはないので、二人が苦労することはなかった。
  それはそうだ。主に記載されているのは、ミストとセルダークの事、セインの事だ。


  ただ……『覚醒種』の事は書いていない。

  セルダークやミストの言ったその言葉、奴らを驚愕させるほどの言葉。
  自分がその『覚醒種』かもしれないという事実は、黒川しか知らない。
  もちろんその『覚醒種』とやらがどんなものなのかは知らない。
  だから不確定要素でもあった為、教える事をあえて避けたのだ。

  その内解明しなければならない。このまま放置しておくことも出来ない。
  とはいっても、今は仕方ないので記憶の奥底にしまっておくことにした。


  ちなみにこの世界へと飛ばされたセインは、現在この学校に在住している。

  つい昨日、セインの意識が回復したようだった。
  その時付きっ切りで面倒を見ていた花狩先生は一瞬飛び退いたようだったが、心配はなかった。

  セインは、記憶を失くしていた。
  記憶を失くしていたというよりは、『操られていた記憶』が無い様だった。
  ジョジョの世界で暴れていた事、セルダークという謎の存在の事。
  だがそれ以前の記憶はあるようだった。セインが普通の暮らしをしていたころの記憶だ。
  ジョジョの世界ではなく、他の世界に住んでいたようだった。
  いわばティアナの世界と一緒で、マニアックな世界ではあるが、確かに存在した世界。
  そこで何不自由なく自由な生活をしていたようだった。

  花狩先生は全てを告げた。操られていた時の知る限りの記憶を。
  無論ジョジョの世界で大暴れしていたことは多少抑え目で伝えた。
  はっきりといってしまうと、ショックでどうなるか心配だったからだ。
  真実を知ったセインは、最初は驚愕したが、すぐに悔しそうな表情をした。

  自分が操られていた真実。スタンドという訳の分からぬ力。
  何もかも変わってしまった現状。見知らぬ世界に飛んだ事実。

  とはいっても、それは数分の事だった。
  仕方ない事と分かると、意外とあっさりと割り切った。

  今はこの世界で生きるしかない。
  そう思うと、セインはもう気持ちが切り替わっていた。
  せめてもう、ジョジョの世界での悲劇をもう繰り返さない。

  自分が蒔いた種は、自分でケリをつけるとそう決めたのだった……。




   「————セイン君はポジティブな人間だったよ。良い子だったよ。

    だからこそ、こんな子を利用したセルダークって奴が許せないねぇ。」



  花狩先生は一層重みを乗せて言うと、黒川達は頷いた。



   「セインは今無事なのか?」


  黒川が訪ねてみると、花狩先生はゆっくりと頷いた。



   「ああ、今も元気に在住しているよ。」

   「そうか……それならよかった。」



  黒川はとりあえずホッとして息を吐いた。
  まだセインと接触すらしていないので、その内挨拶ぐらいは済ませておきたいなと思う。


  ————と、ある程度話を言い終わったところで、紫苑が「はいはーい!!」と手を上げた。

  皆が視線を移してみると、紫苑の机にタロットが広がっていた。
  どうやら占っていたようで、その結果が出たのだろうかと全員が息をのんだ。



   「新しい『異世界のゆがみ』情報だよぉー!!」



  紫苑が叫ぶと、全員がやっぱり……といった顔をした。
  あのタロットでなぜそんな異世界のゆがみ情報が分かるのか実に謎である。
  そこまで万能なのだろうか、タロット占いというのは。興味深い。



   「えっとねぇ、昨日実はボク、もう一つ見つけたんだぁ。だから計二か所。

    ……てことで、黒川クン、さっそく話なんだけどぉ————」


   「分かってる分かってる。」



  紫苑の言いたいことは分かった。
  つまりその内の一つの異世界に行って、世界の危機を止めてきてくれとそういうことだ。
  紫苑達には異次元を越えることが出来る源次がいるので、一つは任してもいいだろう。
  黒川と同じ能力を持っている源次とやらが非常に気になるところではある。
  しかし今はいいだろう。今は柿原達を任せることにしよう。

  それよりも問題は……





   「……愛奈、俺は————」



  何より水島の事が心配だった。
  それはそうだ。水島の心はまだ癒えてはいないだろう。

  あの日、黒川は死なないと約束し、絶対に水島を守るとも誓った。
  それを水島は受け止めてくれたし、今も信じてくれている事であろう。
  それでもきっと怖いはずだ。それでも黒川は行かなければならない。

  なぜなら行かなければ、世界の危機は進行するに違いない。
  DDD教団を止められるのは、今は私達しかいないのだから……。




   「————分かってるよ黒川君。私も……覚悟を決めたから。」

   「……ありがとう。」



  水島は微笑んで言ってくれた。危険だと分かっていても、許してくれた。
  だからこの約束だけは、絶対に裏切ってはならない。
  水島を悲しませないためにも。笑顔を奪わないためにも。

  しかし水島は「でも……」と話を続けた。



   「でも……私も行かせて? 黒川君と……一緒にいたいから。」

   「水島……しかし……」

   「危険なのは分かってる。でも……見てるだけなんて出来ないから……。」

   「…………分かった。俺がかならず君を守る。」

   「黒川君……。」



  黒川が微笑むと水島も微笑み返した。和やかな雰囲気が二人を包み……


  と、思ったら、花狩先生があえて大きく咳き込んだ。
  二人の世界から現実に戻された二人は、顔を紅潮させて俯いた。




   「……ラブラブだねぇ二人。もうあれか、一線越え————」

   「ゴホンゴホンッ!! と……とにかくッ!! さっそく紫苑、異世界の特定を頼む!!」



  花狩先生の言葉を無理やりさえぎり、黒川は紫苑に言った。
  これ以上花狩先生に口を開かせれば何を言い出すか分からないからだ。
  紫苑は「オッケー!!」と元気よく返事をして、さらにタロットをめくる。

  何枚かめくった後、紫苑はうーむと唸った。何やら思案顔である。




   「堕天使……魔法……聖なる力……?」

   「……? どういうことだ?」



  黒川が尋ねると、紫苑はうーんと唸った後、言葉を絞り出した。



   「黒川君の行ってもらう世界のキーワードだねぇー。」

   「アバウトだな…………って————」



  黒川は何かに気づいた。

  自分の右隣りで深くソファにもたれかかり、いびきをかいている少年。
  情けない顔を浮かべ、深い深い夢の中に沈んでいる。




   「…………。」

   「……勇気の奴、暇すぎて眠ったぞー先生。」



  柿原が欠伸をしながら言うと、花狩先生は半ば諦め気味に、



   「いやー……まぁ寝かせとけ。どうせ霧島君が聞いたって分かんないっしょ?」



  と、言った。それには全員が同意見だった。全員が満場一致で首を縦に振った。
  間抜けな顔をして寝ている霧島に、とても内容が理解できるとは思わなかった。

  とにかく、と黒川は話を強引に戻す。




   「とりあえずそのキーワードで扉を開けば、目的の場所に行けるのだな?」

   「イエス!! 高須クリニックー!!」

   「紫苑……元気だな。」



  黒川が苦笑して言うと、紫苑はニコニコして頷いた。
  そんな黒川をなぜかジド目で水島は見ていたが、なぜかは全くわからない。



   「黒川君、ニヤついてる。」

   「いや……あのなぁ愛奈……」


  どうやら嫉妬をしている様だった。可愛いからいいけども。
  とはいっても、意外と水島が嫉妬深い事に驚きだ。可愛いけども。




   「……ゴホン!! とにかく、じゃあ私達はそちらに行く。紫苑達はもう一か所を頼む。」

   「分かったぁー!!」



  黒川達の行先が決まったところで、花狩先生が少し真剣な表情で言葉を発した。



   「やっぱり……危険を承知でいくんだな?」



  低く妙に威圧感を含んだ言葉は、霧島以外の4人を真剣な表情に変えた。
  黒川が死にかけた事もあり、事の重大さ、危険さが身に染みて分かった。
  つまり行けば死に直面する可能性もあるのだ。軽い気持ちで行くべきではない。

  だけど、彼ら彼女らの覚悟は決まっていた。
  危険と分かっていても、戦わなければならない。
  このまま世界が危険に落ちていくのを黙って見ていられないからだ。

  4人は互いに見合わせた後、一度コクリと頷いた。
  その表情に迷いはなかった。むしろすがすがしい表情をしていた。

  それを花狩先生は読み取ったのか、穏やかな笑顔を浮かべて、




   「————分かった。……よし、じゃあ生きて帰ってこいよテメエらァ!!」

   「————はいッ!!」




  霧島以外の4人が元気に返事をした瞬間、霧島は驚いて飛び上がり、






   「……んあ……何……————?」




  という情けない声を出して、ようやく目覚めたのだった————。




Re: もしも俺が・・・・。『異世界に突入!!』 ( No.160 )
日時: 2013/04/01 19:12
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode




         「パート3。」



  ————太陽が昇り始め、朝日が辺りを照らし始める。

  時刻で言うと朝の6時頃。まだほとんどの住民が夢の中にいる時間帯だ。
  早起きしている人なら、すでに起き始めて活動しているが、そんな人をほとんどいない。

  そんな朝にも関わらず、『この世界』は人口的な光に照らされて明るかった。
  照明が辺るところにあり、朝の6時だというのに、昼の様だった。
  機械文明、魔力文明という、最先端の文明を走るここは、他よりも幻想的であった。
  ファンタジーと思わせるほど、この世界では魔法が当たり前だった。
  ビルに囲まれ、空にはタイヤもついていない空中移動が可能な『車』が音もなく飛び回っている。

  道路という概念がなく、信号という概念もない。
  ただ自動で全て動き、人工知能で判断するAIが付いている車は、
  いわば人のいらない空飛ぶタクシーみたいなものだった。
  当然事故になるという事もない。機械が何もかも自分で判断するのだから。

  そしてここは、魔法が当たり前に使われる世界。

  魔法ライセンスと呼ばれる許可証が存在し、それを持つ者だけが魔法の使用を許される。
  当然許可証を得るのは難しい試験を突破しなければ獲得できないものの、
  持っている者は『魔術師』として高い評価を得ることが出来るのだ。
  その『魔術師』と呼ばれる存在は、ほんの一握りしかいない。数で言うと数十人。
  それほどライセンスを取るのは、狭き門であると言えるのだ。


  ……そんな世界で、漆黒に身を纏う男は棒立ちしていた。

  上下黒色の長シャツとズボンを身につけ、黒色の眼鏡が不気味に光る。
  そして背中に漆黒のマント。背中のマークに、赤い文字で『D』と刻まれている。

  天を仰ぎ、一息ついてから辺りをゆっくりと見渡した。
  まだそこまで人はいないとはいえ、静かとも言えなかった。
  男は『この世界』の住人ではないため、詳しくはないのだ。



   「ああー……仕事かったりー。でもなぁ、『アイツ』は俺の管轄だから放置も出来ねぇし……。」



  男ははぁ、とため息をついた。深く、めんどくさそうに。
  ふとその時、男のポケットが音を立てて震えた。
  震えたのは携帯で、間隔ごとにリズムよく震える。

  どうやら電話の様で、男はボタンを押すと、耳に近づけた————。



   「————あーい、もしもーし。こちらガロンっすわぁ。」



  男、ガロンは気だるそうに語りかけた。
  電話の相手は、同じDDD教団の仲間だった。多分『作戦』の最終確認だろう……。



   『キャハハ、ガロン、どーおそっちはぁ?』



  電話の主は女性だった。甲高い笑い声が一層ガロンのやる気を削ぐ。



   「……元気だねぇ。おじさんはそんな元気ないわぁ……。」



  ため息を一つ吐き、ガロンは答えた。
  特徴的な笑い声がチャームポイントな彼女は、その笑い声を盛大に発揮して言葉を紡ぐ。



   『キャハハハ!! 褒め言葉だわ。こっちも準備オッケーよん。』

   「さようでございますかっと。わざわざ報告せんでいいぜぇ?」

   『釣れない人。ちょっとは嬉しそうにしなさいよー。』

   「あー嬉しいー。ちょううれしー。」



  ガロンが棒読みに近い風に言うと、向こうから笑い声が飛んできた。
  向こうの電話の主は上機嫌の様で何よりだと、ガロンは羨ましそうに思った。



   『あー、そういえばぁ、一つだけ報告ぅー。』



  ふと電話越しの女性が、陽気に言った。まるで無邪気に喜びを表す子供の様に。
  そして理由はなんとなく分かった。それは……大概戦闘の事だ。






   『————『リバース』が来るわよー。こっちにも、そっちにもね。』

   「……はっはっは、そうかいそうかい。いいねいいねぇ。やる気出たわぁ。」



  ガロンは思わず、ニイッと不敵な笑みを浮かべた。

  ガロンの思惑通りだ。やっぱり戦闘の事だった。
  『リバース』が来る。それはつまり、奴らとの『戦争』だ。
  戦闘が大好きなガロン、そして電話の女性にとってはこれほどテンションの上がるものはない。
  それはDDD教団全員に共通する、一種の闘争本能でもあるのだ……。



   『って事で、お互いに楽しもうねー。じゃ、ちゃおちゃお。』



  それだけ言い残し、電話越しから切られた音がツーツーと鳴り響く。
  ガロンは数秒固まった後、携帯をポケットにねじ込んだ。

  そして……震える様に笑った。身体を震わせて、全身で喜びを表現した。
  まるで身体が躍るようにガロンを震わせ、高ぶらせる……!!



   「来た来た……きたきたきたよ……この時がよぉ……。」



  両拳を可能の限り握り絞める。ギリギリとすさまじい音が鳴る。
  目はランランに輝かせ、笑みが溢れる様にこぼれ出す。




   「早く来いよぉ……『リバース』。本気の殺し合いを始めようぜい……?」



  我慢が出来ない身体を押さえられない。今にも人を無尽蔵に殺してしまいそうだ。
  とはいえ、一旦落ち着かなければ。なぜなら、その前に『仕事』がある。
  「いけねぇ」、と一言言うと、ガロンは無理やり闘争を抑え込んだ。

  そして冷静になり、自分のまずやるべきことを再認識する。
  『アイツ』が……聖なる力がついに来るべきところまで来た。
  ここからは俺が大変になるなぁと思いながらも、ガロンはため息一つしなかった。
  失敗は許されない。一つ一つ、順序を『歩ませなければ』ならない。


  そして最後は……俺の命を使って————








   「————待ってろよぉ……『ルエ』ぇ!!」





  ガロンは『アイツ』の名を呼び、高らかに笑い声をあげた……————。



      ————————第17幕 完————————

Re: もしも俺が・・・・。『ガロン、再び。』 ( No.161 )
日時: 2013/04/01 23:02
名前: るるこ (ID: DTH1JhWe)


こんばんは〜|電柱|・ω・`)ノ  更新早くてうれしいです( *´ω`*)
前回の絵喜んでいただけてよかったです^^かか飾ってもらえてる…だと!?Σ(・ω・ノ)ノ!
ありがとうございます゜(ノД`゜)゜。
あ、黒水のキッス動画…後で下さいね…!←
よっしゃ!砂浜おっかけっこしましょうね!私これでも運動得意なんですよ…フフ

ちょwww調教からの黒川君ドS説www下ネタwwくっ…変態属性が覚醒してしまう!!
姫スタイルやべぇww可愛すぎて禿げました。(髪が…!!)水島たん…お主やりおるな…!!ツンデレキター!黒川君羨ましい、切実にうらやまし。モテ期羨ましい!!

うおお続きが気になる展開…!!<●><●>
黒川君と源次先輩の同じ能力…ますます気になりますね!源次先輩っていったい…!
かっき—先輩がお真面目に話していらっしゃる…これは動画に…!!((すみません
くっそう!黒水め!!いちゃこきやがって…!!末永く爆発しろ。゜(゜´Д`゜)゜。
セイン君無事でよかった、よかった!!\(^o^)/

ガロンきたあああ!!うわああリバース…!!とうとうくるんですね!戦闘楽しみにしてます(σ´∀`)σ
うわあああルエちゃんきた!これは全裸正座でPCの前で待ってますね!!^^b←


ssの方も読みました^^ちょっと黒水可愛すぎだろ…反則ですぜ…//^P^//
読んでて2828しました///あーもう…かわいすぎだろ!!おなべ!!!

オリキャラ募集…だとぅ!?だ、出していいのかな;;?(震え声)

では!更新楽しみにしてます!!

Re: もしも俺が・・・・。『ガロン、再び。』 ( No.162 )
日時: 2013/04/02 16:00
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode


 “るるこ様”へ

どうもでございます!! いやはや、まだまだですw なにせ参照記念が追いつきませんものw
あれはね、萌えましたねw 大事に飾らせてもらってますよぉ、えへへーww
もちろんですとも!! あれですね、秘蔵の映像ですので宅急便で送りますね♪w
よっしゃ!! 捕まえたるぜいッ!! ……なん……ですと……!?ww
あれか、実はウサイン・ボルト並みのスピードをお持ちであるとか……!?ww

変態回でしたね今回はwww ふふふ、るるこ様の変態属性を引き出して差し上げましょうw
姫スタイルはこれからいつどこで登場させようかと悩み中w サブストーリーになりそうですかねぇww 
ツンデレはね、小説に一人はいるよね。ww モテ期か……私にもそんな時期があったものです。ww

源次先輩は謎多いですねぇw 読者様を焦らしていくスタイルですねw
かっきー先輩ワロタwww リア充爆ぜろですね、分かりますw
セイン君をどのタイミングで出そうかなぁと模索中。そろそろ出番かなとww

そうです、戦闘狂の皆様お待たせしましたw ←作者以外いねぇよw
こっからかなーりバトル展開になります。もうね、ゴッチャゴチャになりますよ?ww
甘ーい展開はさておいて、熱いバトルを楽しみましょうw
ルエちゃん来ますぜ!! ……ぜ……全裸……? るるこ様の……全裸……!?

注、ここから変態の妄想劇です。

(お……落ち着け俺。るるこ様にばれない様にるるこ様の家に侵入すれば、全裸を拝める。
ティッシュは……三箱持ってる。カメラも二つ。デジカメ二つ。財布の中にブツを一つ……。
……よし!! 待っててくださいるるこ様!!)

その後、ヒトデナシの姿を見た者は誰もいなかった……。


……ゲフンゲフン。コメ返しコメ返し……ww
八重様のSSいかがでしたでしょうか? 楽しんでいただけたなら幸いですw
作者もビックリするほどの出来でしたw いや、作者以上でしたねww

あったりまえでぇぇーーーいい!!! るるこ様バッチコぉぉーーい!!ww
と、いうわけで、ぜひとも大歓迎でございますw どうぞお気軽にお願いしますw

コメントありがとうございました!! 執筆頑張りますね!!


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