複雑・ファジー小説

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もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
日時: 2014/01/03 18:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)

   作者の今叫びたい一言  『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)


   序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114

   土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
   ↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123

   オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140



 【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】

・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145


 【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】

・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』









   クリックどうもありがとうございます。


  おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

  どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。

  私の名前はヒトデナシと申します。



 “自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


  1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

  2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

  3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




 “では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。

  2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。

  3、基本、自由である。



  ————と言った感じでございます。



  では早速書いていきたいと思います。

  楽しんでいただけると幸いです。



  ・登場人物・・・主要人物 >>119
          黒川陣営 >>120
          リバース陣営 >>121
          DDD教団陣営 >>122


  ・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62

  ・用語説明・・・>>63




   コメントを下さった優しい読者様


 ・月葵様 
 ・八重様
 ・秘密箱様
 ・エストレア様
 ・小枝様
 ・るるこ様
 ・春野花様
 ・陽様
 ・修道士。様
 ・檜原武甲様
 ・李々様
 ・ちぇりお様
 ・95様
 ・グレイ様
 ・H様
 ・007様



    ———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————


【序章、日常編】 

  表紙→>>12 (八重様)
  挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
      第6幕 >>89 (るるこ様)
      第15幕 >>125 (るるこ様)


   第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
   第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
   第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
   第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
   第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
   第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
   第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
   第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
   第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
   第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
   第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
   第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
   第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
   第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
   第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113

   あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114


【第2章、闇人(やみびと)と天使編】

  プロローグ >>124


   第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132

   第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160

   第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165

   第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176

   第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186

   第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194

   第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204

   第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210

   第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216

   第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217




    ------------ サブストーリー -------------


  『交差する二人』・・・>>29 >>30 
  (300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)

  『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
  (600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
  (1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)

  『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
  (1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)

  『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
  (1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)

  『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
  (1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
  (2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
  注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
  お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)

  『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
  (トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
  よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw 
  黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
  なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
  ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)

  『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
  (2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
  劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)




------------名誉、歴史--------------


・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)

・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)

Re: もしも俺が・・・・。『鍵。』 ( No.193 )
日時: 2013/09/08 20:38
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)


こうしてコメントを拝見する度に、待っててくださった人達に感謝の気持ちでいっぱいになります。
ではさっそくコメントを丁寧に返していきましょう。


 "007様"

お久しぶりでございます。私もほんの数日前に戻ってきたばかりですよw
こちらこそ遅い帰りになってしまいました。お持ちいただいてありがとうございます。
なんと、この長い小説を読み直してくださったとは……感激です。

誕生日が明後日ですか!! という事は明日ですか。それはおめでたい。
気の利いたサプライズプレゼントは出来そうにありませんが、ぜひとも祝わせてください。おめでとうございます。

そうですね。私ももうすぐ誕生日を迎えるわけですが、良い9月をぜひとも過ごしたいですね。

黒水は相変わらずイチャコラしてますw ハッピーエンドをぜひとも願っていてください。
温かいお言葉をありがとうございます。その気持ちに全力で答えていきたいと思います。
いえいえ、オリキャラが良すぎるのですよw おかげさまで書いていて楽しいです。
葉隠君もそうですし、頂いたオリキャラも積極的に使っていきたいと思っています。
その時はまたよろしくお願いいたします。お待ちしております。

P.S. 実はすでに登場させる場所を決めているのですw もう少々お待ちくださいねw


 "るるこ様"

お久しぶりでございます。るるこ様。ただいま帰りました。
いやはや、驚きが隠せませんよ。まさかるるこ様とまたこうして出会える日が来るとは。
るるこ様と私は運命の赤い糸でつながってますから←おい

ガロンさんはかなりのチートキャラにしてますw かなりの達人です。
私自身、強すぎるキャラってタイマン性能がどえらく強い人だと思ってますからね←自論w

そうなんです。実は霧島君は能力者なのです。
るるこ様に惚れてもらえるとは……代わりなさい霧島君←え
本当に天使ですね。あの二人はw

色々ごちゃごちゃしていて最初は頭がついていかないかもしれないですねw
とはいえ、面白い展開になる事は保証します。変態的な意味で←

ありがとうございます。執筆の方精一杯頑張らせていただきます。


Re: もしも俺が・・・・。『鍵。』 ( No.194 )
日時: 2013/09/08 21:16
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)


         「パート3。」


 ————別に身体を痛めつけられたわけではないが、何かしら攻撃されている。

 どうやら金縛りにも似た攻撃の様だ。リオはギリッと歯を食いしばる。


  「……遅かったなぁ。遅刻だぜ遅刻。」


 ため息を吐きながら、ガロンはやれやれと愚痴をこぼす。
 ガロンが事前に呼んでいた援軍の様だ。こいつらもDDD教団か。


  「ごめんねぇ〜。化粧してたら遅くなっちゃったぁ。」

  「お嬢が裸で出陣するとか言わなきゃもっと早かったと思うんじゃが……」

  「だってね〜若、裸なら服選ぶ必要ないじゃない。」

  「だからといって服脱いだらただの変態じゃろ。オレに襲われたいのか」

  「きゃあ〜、若のへんた〜い。」


 そんな若干下ネタの話を挟んでくる援軍とやらが、やっと二人の視界に入ってきた。

 一人目は、身長175cmの大人びた女性。金髪赤目。派手な化粧をしている。
 ピンクメッシュが入っていて、センターわけのポニーテル。両サイド編みこみにしている。
 太ももに刺青が入っており、踊り子のような服装をしており、露出がかなり多い。
 右足にレッグホルダーをつけていて、裸足だった。
 アクセサリーをたくさんつけており、ヘソと眉のピアスが特徴的であった。
 女性特有の胸の膨らみは相当大きい。ほとんどの人が憧れそうだ。
 会話から推測すると、どうやら服を脱いで出撃したがるような変態の様だ。

 そんな奴に攻撃されたのかと思うとリオは少しだけイラついた。


 二人目は、身長180cmでツンツン頭をした男性。色は白金に赤メッシュが入ってる。
 青緑色の目をして、小麦色した肌、山吹色とトマト色っぽいチャイナ服を着ている。
 両肩から胸辺りまで鳳凰の刺青が入っている。腕にサポーター的なのをつけていた。
 会話から推測して、この隣の女性と親しそうな雰囲気を感じる。セクハラをするぐらいには。
 とはいえ、どことなく普通の人間と雰囲気が違うのは何故だろうか。

 二人はガロンの前に立つと、軽く挨拶を交わした。友達と挨拶を交わしている様な感じだ。


  「莉紅ちゃん、相変わらず仕事してくれるじゃない。いらなかったけどな。」

  「あ〜ら、素直に礼の一つも言えないのかしら。ガロンちゃん。

  ところで、ガロンちゃん。アタシ達なにすればいいの〜? コスメ買いに行きたいんだけど。」


  「……相変わらず自由なこって。」



 この莉紅と呼ばれている女性のフルネームは、『王莉紅 (おう りく)』。

 見た目通り派手でかなりの露出狂ではあるが、これでも王女様なのだ。
 この世界ではないが、この女とは別の異世界で出会った。
 彼女は別世界では王国の第一皇女であり、そしてその世界での狂乱の台風の目であった。
 ほぼ彼女が王国を支配していると言われるほどの力、魅力を持ち合わせており、
 その腕を評価し、ガロンがわざわざ出向いてスカウトした、というのが初めての出会いだった。

 スカウトすれば彼女は喜んでついてきた。なぜなら、彼女も望んでいたからだ。
 退屈な日々、退屈な毎日に愛想を尽かしていた。
 試しに王国を支配しようも、いまいち楽しくはない。すぐに飽きた。
 DDD教団のやろうとしている事に興味を持ち、今はこうしてここにいる。


 ちなみに、もう一人の男は、『鳳広炎 (ほうこうえん)』。

 こいつは莉紅をスカウトした時に一緒にいた付き人みたいな奴だ。
 とはいえ、こいつは莉紅によって召喚された、『式神』と呼ばれる生体だ。
 『式神』はいわば、召喚した主に忠誠を誓う部下みたいなものらしいが、そうは見えない。
 確かに忠誠を誓っている様だし、この莉紅以外の命令は一向に聞かない。
 天界人らしく莉紅となんらかの契約を交わしているらしいが、詳しい事は知らなかった。
 とはいえ、腕は確かだ。ガロン自身もそれに関しては信頼を抱いている。

 ガロンはため息を吐くと、リオと榊に背中を向けて、どす黒い闇の空間を出現させる。


  「とりま、俺の用件は済んだ。ルエもこの調子なら完成まで大丈夫だろ。暴走も時期止まる。
   だから移動すっぞ。他の場所に行って別の準備を始めるぞ。」

  「え〜、コスメは〜? ……というか、この子たちはいいの? 殺さなくて」


 その瞬間、二人は悪寒を感じた。恐怖にゾッとする感覚が身体を駆け巡る。
 確かに今のままではまずいッ……。動けないままだったら、簡単に殺される……。


  「あほか。今殺したら楽しみが減る。ほっとけ。」

  「ふあーい。」

  「……。」


 莉紅は軽い返事をしたが、広炎に関しては無表情の無返事と来た。
 なぜならコイツは莉紅以外の命令はスルーしやがるからな。



  「……後、広炎に命令してくれや。俺の命令を聞きやしないんだからよ。」

  「ふあーい。広炎。分かった?」

  「……お嬢が望むのなら。」

  「……ッ!! ちとまてやコラァ!!」


 思わず叫んだのは憤怒した榊だった。普通は見逃されることは幸運だと思うべきなのだろうが、
 ここまでコケにされて、同情で見逃されることにはいかんせん許せないものがある。


  「まだ勝負は……ッ……終わってねぇだろうがッ!!」


 榊は動かないと分かりながらも必死に抗う。まるで時間が止められているかのようにピクリとも動けない。
 そんな榊を見て、クスッと莉紅は悪戯っぽい笑みを浮かべる。


  「あ〜ら、状況を飲み込めてないようねぇ〜」

  「……お嬢」


 スタスタと榊に不用意に近づく莉紅の後ろをピタリと広炎がついて行く。
 動けないとは分かっているが、一応の保険である。
 莉紅が榊の前に立つと、挑発するかのように莉紅は榊の顔を撫でて、自身の顔を近づける。


  「感謝しなさいよね〜。二人とも殺されずに済んだんだからさぁ。」

  「……殺さなかったら後悔するぜ。かならずお前らは俺が殺す。」

  「うふふ。威勢良いクソガキね。次いったら、本当に殺すわよ」


 莉紅の一瞬発した殺気にリオは一瞬ゾクッとした。まるで死神に睨まれたようだ。
 榊は相変わらずこの不利の状況でも一歩も引く気はない。希望を捨てる気もない。
 だが、この莉紅という女がここまで近くにいて殺すチャンスだというのに、身体は動かない。
 一体どんな魔法を使っているのか。正直状況を整理できない。カラクリも分からない。


  「お嬢。そろそろ……」

  「分かってるわよ。」


 莉紅は後ろについていた広炎をさっさと抜き去って、ガロンの元へと戻る。
 その後ろ姿を追った後、広炎はもう一度榊の方に向き返った。


  「……まだ何か用かよ、エロ紳士。」


 皮肉めいて言った言葉に腹を立てるかと思ったが、意外にも冷静だった。
 広炎は特に変わった表情を見せず、無表情で、



  「……忠告じゃ。小僧、出すぎた真似をするな。……死ぬぞ」

  「……ッ!!」



 とだけ言い残し、広炎も莉紅の後を追った。
 広炎と莉紅は早々とガロンの出現させた異次元の空間に入っていった。
 最後にガロンは動けない二人にニヤリと笑いかけた。

 何も出来ない俺達に向けて、あざ笑うかのように……。




  「また会おうや、リバースの諸君————。」



 それだけを言って、ガロンは異次元の空間に飛び込んでいった。
 ガロンが飛び込んだ後、異次元の空間はうねりを上げ、そして消滅した。
 無論、ガロンとあの二人の姿はすでにおらず、もぬけの殻だ。


  「……。」


 奴らが消えた後、すぐに金縛りは解けた。今は身体が自由に動く。
 リオも榊もしばらくは立ち尽くしたままだった。自分達の完敗だった。
 あのまま殺されても可笑しくはなかった。むしろ勝ち目などあったのだろうか?


  『出過ぎた真似をするな。……死ぬぞ』


 目の前であの男に言われた言葉。相当の達人だったに違いない。雰囲気で分かった。
 多分動きを封じられていなくても、俺達に勝ち筋があったのか疑うぐらいだ。
 榊は、歯軋りをした。心の内面で憤怒した。そして思い知らされた。
 力の差を。実力の差を。目の前に立ちはだかる壁の巨大さが身に染みて分かった。

 奴らは強い。俺達ではたして本当に勝てるのか……?



  「……くそが……くそが……」


 ポツリと呟いた。意識して出た言葉じゃない。悔しいから、無意識に出る言葉。
 それを徐々に大きくなり、気付けば榊は地面を思い切り殴っていた。
 地面を殴った拳の痛みが、榊の身体に染み、悔しさがさらに込み上げる。



  「……榊君、行きましょう。」


 その場に座り込む榊の横には、いつの間にかリオがいた。
 相変わらず冷静な口ぶりで、今の榊とは対照的のように見えた。


  「……悔しく……ないのかよ?」

  「……悔しくないわけがないでしょう。」


 榊の質問にリオは空を仰いで言った。だけど、と言葉を紡ぐ。


  「このまま立ち尽くしていても仕方ありません。帰還しましょう。

  ————そして強くなりましょう。彼らに負けない様に……。」



 時々リオが自分よりも年下だという事を忘れる。こいつはまだ9歳だ。
 にも関わらず、しっかりしている時はしっかりしてやがる。
 そうだ。ここで立ち尽くしていても仕方がない。リオの言うとおりだ。

 次に会う時は、負けない。勝って、必ず倒す……。



  「……帰還するぜ、リオ。」

  「了解です。」



 榊は重い身体を起こし、リオと共にリバースの本拠地へと帰還した————。



      ————————第21幕 完————————

Re: もしも俺が・・・・。『危険な二人。』 ( No.195 )
日時: 2013/09/08 21:29
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: MuUNITQw)

黒川君が殆ど二連続でミスディレしてる件について。
主人公なのに…ルエだって大変なのに……主人公なのに。

新たな敵キャラは、中国の悪女を思い浮かべますねww
敵キャラで気に入ったのって初めてじゃなかろうか……w

水島ちゃん出てこなかったけど莉紅サマ出てきたのでよかったですbb
なんか盛大なるバトル放置で莉紅サマにすべてを取られたw

更新お疲れの出ませぬよう。
最近勉強してないのに人に教えてばっかいる困った火矢八重でした……勉強せな。

Re: もしも俺が・・・・。『危険な二人。』 ( No.196 )
日時: 2013/09/08 23:14
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

お久しぶりです。檜原武甲です。

 榊和が登場していたので驚いていました。彼の能力について記述していなかったので、記述したいと思います。黒川君などの強い人がいるのに、和だけ能力を隠していたらつまらないだろうと思いまして……

名前 榊和サカキカズ
能力 制限解除リミット・キャンセル……一時的に体の限界を無くすことができる能力。回復力や柔軟性、機動力、視力などの限界を無くして限界を無限にする。ただし、一つ限界を解除するとその間、感情を一つなくすことになる。あまりに限界を解除することになるとなんも考えることもできなくなる。


こんな能力でした。

 鍵とはいったいなんでしょうかねぇ。気になります。DDD教団の方もものすごく強そうですしどうなることやら。

 正直、貴方の表現力がほしいです。

頑張ってください。

では失礼。

Re: もしも俺が・・・・。『危険な二人。』 ( No.197 )
日時: 2013/09/09 21:16
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)


 "八重様"

黒川君は今回主人公にしては影が薄いのでご了承ください。。w
ルエちゃんがヒロイン、キル君が主人公ですから←おい

実は私も気にいっております。確かに中華っぽい感じですね。
それにナイスバディですしね。うん、最高ですね。←

水島ちゃんは次の回で大活躍するから……←震え声
莉紅ちゃん動き止めるとか羨ましい。身体触り放題じゃないっすか←

コメントありがとうございます。執筆頑張らせていただきます。
本音出てますぜ、姉さんw 勉強の方頑張ってくださいね。


 "檜原武甲様"

お久しぶりでございます。来てくださって光栄でございます。
なんと、わざわざ本当にありがとうございます。ありがたく追加させていただきます。

これはまた、非常に面白く使い勝手のある能力ですね。
戦闘の幅も広がりますし、榊君には暴れていただく予定だったのでこれで容赦なく暴れてくれるでしょう。
それはそうと……能力名がカッコいいのも中々グッドですねw

『鍵』の意味、そしてDDD教団との戦闘も今後さらに激化します。
いえいえ、自分の表現力などまだまだだと思います。むしろ貴方様から学ぶことの方が多いですからw

コメントありがとうございます。執筆の方頑張らせていただきます。


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