複雑・ファジー小説
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- もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
- 日時: 2014/01/03 18:25
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
作者の今叫びたい一言 『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)
序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114
土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123
オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140
【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】
・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145
【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】
・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』
クリックどうもありがとうございます。
おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。
どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。
私の名前はヒトデナシと申します。
“自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”
1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。
2、読んでいただけるとすごくありがたいです。
3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。
“では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。
2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。
3、基本、自由である。
————と言った感じでございます。
では早速書いていきたいと思います。
楽しんでいただけると幸いです。
・登場人物・・・主要人物 >>119
黒川陣営 >>120
リバース陣営 >>121
DDD教団陣営 >>122
・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62
・用語説明・・・>>63
コメントを下さった優しい読者様
・月葵様
・八重様
・秘密箱様
・エストレア様
・小枝様
・るるこ様
・春野花様
・陽様
・修道士。様
・檜原武甲様
・李々様
・ちぇりお様
・95様
・グレイ様
・H様
・007様
———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————
【序章、日常編】
表紙→>>12 (八重様)
挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
第6幕 >>89 (るるこ様)
第15幕 >>125 (るるこ様)
第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113
あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114
【第2章、闇人(やみびと)と天使編】
プロローグ >>124
第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132
第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160
第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165
第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176
第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186
第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194
第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204
第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210
第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216
第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217
------------ サブストーリー -------------
『交差する二人』・・・>>29 >>30
(300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)
『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
(600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)
『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
(1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)
『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
(1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)
『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
(1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)
『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
(1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)
『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
(2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)
『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
(トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw
黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)
『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
(2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)
------------名誉、歴史--------------
・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)
・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)
- Re: もしも俺が・・・・。『危険な二人。』 ( No.198 )
- 日時: 2013/09/09 21:34
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
————第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』————
「パート1。」
「————おいおい……なんだありゃ……。」
リバースが到着したと同時に始まったルエの暴走。高らかに笑うガロン。
目の前で雷にも似た光を放つルエを前に霧島は頭をフル回転させた。
明らかに、今のルエは正常ではない。それは分かる。だがしかし————
「霧島君、ここは協力しましょう。」
ふとリバースの一人の小さい女性が丁寧な口調で言った。確かリオという愛称だったか。
リオは今暴れ出そうとしているルエの姿とガロンを交互に見て、
「僕達はガロンを担当します。霧島君は目の前の人をお願いします。」
「お願いっつったってなぁ……あれをどうやって止めろと————」
「すみません。時間がないのでさっそく始めます————。」
霧島の返事を聞くことなく、リオは地面に手を付け、静かに叫ぶ……。
「『全植物操 (ツリーマインド)』……!!」
瞬間、霧島とリオの間には植物の壁がそびえ立っていた……!!
榊とリオとガロン、霧島とルエという風に分散され、木々はさらに周囲から生えてくる。
木々はうねりを上げ、ガロンとルエを無数の木々で縛り、左右に分散させた。
リオはグングンと遠くなっていく双方を確認し、植物の壁の向こうにいるであろう霧島に、
「手を組まれては厄介なので離しました。そちらの処理は頼みます————。」
と言い残して、二人はガロンが飛んで行った方向へと早々と向かった……。
ポカーンと口を開けたまま、状況の流れが速すぎていまいちついていない霧島は、
「ええーいちきしょうがッ!!」
とりあえずルエを止めるためにルエが飛んで行った逆方向へと移動する……。
————そして今、霧島は一人で必死にルエを止めている……。
バリバリと雷の様な音を鳴らし、暴走するルエは正直強かった。
肉弾戦を得意とする霧島はルエに近づいて説得やら何やらを試みようとしたのだが、
ルエの操る雷にも似た光がまるで矢のように自分に飛んでくるのだ。
今の霧島は『能力』を使えない。スタミナ切れだ。
そして『能力』を使うと相変わらず後遺症が後々になって訪れる。
症状は頭痛。ダルさなどだ。一般的に言う熱と同じ症状だ。
もちろん今の霧島はその後遺症でかなり辛い状況だ。動きも鈍い。
接近はおろか説得さえもさせてくれない。回避で精一杯だ。
「……ちッ……勘弁してくれよルエちゃん……。」
相変わらずルエの周囲には雷が取り巻いていて、それが高速の矢のように飛んでくる。
当たれば多分無事では済まない。今の俺だと死ぬかもしれない。
黒川も水島もキルもいない。自分しか、今は動けない……。
「くそッ……男霧島、自爆覚悟で突進するしか……————」
「霧島ぁぁぁ!!!!!」
覚悟を決めかけていた霧島の背後から聞きなれた声がする。間違いない……。
こんなタイミングで現れる主人公補正マックスの奴なんてあいつしかいない……!!
「……ッ!! おせえんだよッ、黒川ぁぁ!! 死ぬかと思ったわッ!!」
霧島が半ば逆ギレ風に言いながら振り向くと、30m先には黒川と水島がいた。どうやら無事でよかった。
それでなければ、自分が必死に戦った意味がないというものだ……。
「……アアアアアアアアアッッ!!!!!!」
突如、ルエは奇声にも似た声を上げた。霧島は知ってる。それは攻撃の合図。
ルエの周囲がバリバリと音を立て、眩いほどの光が視界を覆う……。
「しまッ————」
霧島が危険を教えるのには遅かった。すでにルエは攻撃態勢に入っている。
ルエの右手には光の矢のようなものが握られており、今にも放たれようとしている。
狙いは……霧島の後ろにいる二人だ……!!
「逃げろッ、二人ともぉぉッ!!!」
霧島が叫んだと同時に放たれた光の矢は、霧島の隣を通り過ぎる。
それは真正面に二人の元へ伸びていき、地面を抉る。
「……————!!」
黒川は間に合わない、と判断した。
今からシャイニングブレイドやら出しても弾けないだろう。無力化するのは難しい。
咄嗟に黒川は水島を抱き寄せて、背中を向けた。
自分よりも彼女を守る事が先決。これで死ぬなら仕方がない……————!!
「————はあああああああっッ!!!!!!」
突如、大きな咆哮と共に何かと何かがぶつかる音がした……。
ギリギリと音がする。鉄の音。そして何かが弾かれる音。
光り輝く光の矢は放たれた方向とは違う方向に飛んでいき、地面に落ち、破裂した。
破裂したと同時に爆発した光景は、まるで原子爆弾が落ちたかの様だった……。
とはいえ、黒川達に傷は無い。不思議に思い、振り返ると————
「————大丈夫か、黒川、水島。」
キラリと光る剣を片手に持った、キル・フロートがそこにいた……————!!
- Re: もしも俺が・・・・。『ルエの暴走。』 ( No.199 )
- 日時: 2013/09/10 18:35
- 名前: エストレア ◆p0imGsDc06 (ID: 6U1pqX0Z)
これはやばい…マジでやばい…。
キルナイス! と、リアルで言ったエストです!
というか、ルエの暴走がまだ止まらない! お願いだ四人とも! ルエを止めてくれ!!
今のあの子には、誰でも敵にしか見えてないから!!
黒川君達を守ったキルくん、素敵です!
このまま突っ走れ!(!?
次回もドキドキしながら待ってます!
体調に気を付けて、執筆頑張ってください!
- Re: もしも俺が・・・・。『ルエの暴走。』 ( No.200 )
- 日時: 2013/09/11 19:49
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
返信数200まで行きましたね。ありがとうございます。
これからも精進いたしますのでご愛読の方よろしくお願いします!!
"エストレア様"
今回はルエとキルの二人が主人公ですからね。目立ってもらおうと思いますw
そうですね、今のルエちゃんには周りを見る余裕も、暴走を抑えつける余裕もないようです。
さて、はたして物語はどのように展開されていくのか、お楽しみいただければと思います。
キル君イケメンです。黒川君が今回空気なのは私は気にしません。←おい
コメントの方ありがとうございます。執筆の方頑張りたいと思います。
- Re: もしも俺が・・・・。『ルエの暴走。』 ( No.201 )
- 日時: 2013/09/11 19:56
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
「パート2。」
間一髪のところだった。もしもキルの到着が遅れていれば、黒川達は死んでいた。
とはいえ、キルも気絶していたはずだが、どうやら自力で立ち上がったらしい。
自力で、というよりかは、ルエの暴走を感じ取ったが故みたいだったが。
「————すまない。助かった、キル。」
「助けてくれてありがとね。キル君。」
素直に礼を言う黒川と水島にフッと静かに笑いかけ、「気にするな。」とだけ言った。
霧島も近くに来て黒川の胸辺りをゴツンと殴った。
正直痛かった。だがその表情は安堵に満ちたものにも見えた。
「ひやひやさせんなコンニャロウが。」
霧島も本気で心配したようだった。黒川にしてみれば霧島の方が心配だったのだが。
とはいえ、「すまない。」と一言短く礼を言い、そして周りに聞こえない程度に耳元で小さく、
「……どうやら助けられたな。ありがとう霧島。愛奈を助けてくれて。」
「……はっ、何の事だか。」
馬鹿な霧島も何の事を言われているかは分かった。きっとガロンとの事だろう。
多分霧島が能力を使った事は知らないだろうが、それは伏せといてもいいだろう。
水島は一瞬見たみたいだが、多分その後気を失って覚えてはいないだろう。
とはいえ、霧島は素直に礼を言われて恥ずかしくてとぼけたが、黒川にはそれで十分だった。
「……さて、問題は————」
黒川は問題のルエの方に向き直った。ゆっくり雑談している場合ではない。
今のルエは完璧に自我を失っている。それは誰の目に見ても分かる。
問題は原因だ。なぜああなったのかが疑問に思うところだ。
多分今解放されてるあの力が、『聖なる力』とやらでいいはずだ。
だがどうすれば止められる? どうすれば止まる?
キルに説明を求めてみたが、帰ってきた答えは至極簡単な答えだった。
「————力づくで止める。これしかない。」
と、言う事らしい。
霧島納得の簡単な一言なので有難いと言えば有難いが、はたして可能なのか。
今のルエは今までの何倍も強いと思われる。ただでさえ強いのに、だ。
こちらもかなり消耗している。霧島はもちろん、キルも万全ではない。
黒川はそれなりに万全に近いが、一人だけでは心もとない。
とはいえ、これしか方法がないならやるしかないのだが……。
「……愛奈。どうやら戦闘になりそうだ。さっきみたいに攻撃を食らう可能性もある。
————安全な場所で隠れててくれ。私達はルエを止めてくる。」
黒川はポンと水島の頭を撫でて言う。水島は確かに足手まといになってしまう。
近くにいて守り切れる自信がない。だからそれならここにいない方が危険性は減少する。
水島は一瞬戸惑いの表情を浮かべたが、すぐに黒川の意図を理解した。
「……うん。分かった。気を付けてね、黒川君……。
————あと、今度死にかけたら今日の晩飯は抜きですから。覚悟してね。」
「……了解した。かならず無事に帰る。」
黒川は微笑して言った。飯抜きはごめんだ。愛奈の作る飯は世界一美味だ。
だからこんなところでお預けを食らうわけにもいかないな……!!
「……霧島、キル。ルエを力づくで止めるぞッ!!」
「あいよぉ!!」
「ああッ!!」
黒川の合図とともに、互いにその場に分散する……。
黒川は真正面を走り抜け、拳を握りしめてルエへと一直線に走り出す。
霧島は右から弧を描くかのごとく走り抜け、ルエに向かって大きく跳躍する。
キルは左から軽やかなステップを刻みながら、右手に持つ剣をギュッと握り絞める。
その姿を見てか、ルエはいきなり周囲の光を自身の周辺に竜巻のように集める。
光が忙しなく周辺を飛び回り、グルグルと高速回転を始める。
それはすぐに球体の形になり、ルエの姿が球体の中へと閉じ込められる。
まるで殻に閉じこもっているカメの様な状況だ。だが、
「かんけぇねぇ!! ブチ破るッッ!!!!」
すでに跳躍してゆっくりとルエの上空から降下していた霧島は身体を捻り、横に旋回する……。
黒川は右手を握りしめ、ゆっくりと後ろに引く……。
キルは剣を両手に握り、頭上に高く持ち上げる……。
「『目を覚ませぇぇルエええええッッッ!!!!!!』」
一斉に咆哮し、一斉に光の殻に向かって攻撃を放つ……!!
霧島は上空から回転で威力を高めた上段蹴りを、
黒川は正面から渾身の右ストレートを、
キルは上段に構えた剣を勢いよく振り下ろしたッ!!
各々の攻撃を光の殻は通すまいと防御した。ギリギリッと擦れる音が鳴り響く。
どうやらこの殻の表面は光が高速でうごめいているようで、まるでカッターの様だった。
打撃で攻撃をした黒川と霧島は切り裂かれた手の甲と足にかなりの痛みが走る。
苦痛の顔を浮かべながらも、負けまいと拳を押し込む。しかし、
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァ!!!!!!」
中のルエが奇声を上げたかと思うと、周囲に衝撃波が巻き起こったッ!!
三人はいとも簡単にその身体を吹き飛ばされ、真空波が身体を切り裂く。
無残にも身体を吹き飛ばされた三人は各々が苦痛の声を上げた。
殻を破る事も叶わない。ルエには声が届かない。
身体も正直限界に近い。これではルエに逆に殺されてしまうのではなかろうか。
「……ふっ、参った……打つ手なしか……」
思わず黒川は苦笑して呟いてしまった。本当にどうしようもないかもしれない。
今もまだルエは殻の中。しかも周辺には突風が吹いている。
否、むしろ力を溜めているようにも見える。何かしようとしているのだろうか。
とはいえ、このままやられるのを待つのも癪だ。せめて全力を出し切って————
「ルエちゃんッッ!! 目を覚ましてッ!!」
瞬間、黒川は背筋が凍る思いをした。
聞きなれた声はルエの周辺から聞こえる。しかも、殻のすぐ近くでだ。
いや、彼女は避難しているはず。あそこにいるわけがないのだ。
でも自分の視覚は嘘だと伝えてはくれない。聴覚は正常であった。
遠目でも分かる。あそこにいるのは————
「————愛奈ッッ!!!!!」
黒川は走り出していた。一刻も早く、彼女の元へ。
だけど彼女は戦おうとはしていない。もっとも合理的で、平和的な解決方法、
水島愛奈が友達であるルエを説得しようと試みているのだ……————!!
- Re: もしも俺が・・・・。『ルエの暴走。』 ( No.202 )
- 日時: 2013/09/12 12:44
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: LqhJqVk8)
ヒトデ様お久しぶりですっ!!!
忘れ去られているはずの月葵です!
9月に復活していたのですね…良かったですー(涙)
ちなみに私は8〜9月の今まで再試地獄真っ盛りだったわけで……トホホ。
話は変わりまして……久しぶりに読みましたが、やはりヒトデさんの文章は読みやすいですねー。
って、強っ!? ガロン強っ!! ていうかエストレア様のルエちゃんも暴走して……!
つ、続きが気になりすぎてどうしy(殴蹴
……毎度(?)すみません。
そういや私、オリキャラ…計5人も投稿しちゃいましたよね……投稿しすぎてすみません……
あ、『結風 遥』のキャラですが、能力とかはっきりしない部分があったと思うので(それにコードブレイカーの話入れちゃってますし)変更しておきます。
キャラのことで何か分かりにくい所とかあればどんどん言ってくださいね!
ではでは更新頑張ってください! 毎日応援しますから!(いらんっ
それでは〜!
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