複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
日時: 2014/01/03 18:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)

   作者の今叫びたい一言  『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)


   序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114

   土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
   ↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123

   オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140



 【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】

・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145


 【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】

・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』









   クリックどうもありがとうございます。


  おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

  どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。

  私の名前はヒトデナシと申します。



 “自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


  1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

  2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

  3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




 “では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。

  2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。

  3、基本、自由である。



  ————と言った感じでございます。



  では早速書いていきたいと思います。

  楽しんでいただけると幸いです。



  ・登場人物・・・主要人物 >>119
          黒川陣営 >>120
          リバース陣営 >>121
          DDD教団陣営 >>122


  ・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62

  ・用語説明・・・>>63




   コメントを下さった優しい読者様


 ・月葵様 
 ・八重様
 ・秘密箱様
 ・エストレア様
 ・小枝様
 ・るるこ様
 ・春野花様
 ・陽様
 ・修道士。様
 ・檜原武甲様
 ・李々様
 ・ちぇりお様
 ・95様
 ・グレイ様
 ・H様
 ・007様



    ———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————


【序章、日常編】 

  表紙→>>12 (八重様)
  挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
      第6幕 >>89 (るるこ様)
      第15幕 >>125 (るるこ様)


   第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
   第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
   第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
   第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
   第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
   第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
   第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
   第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
   第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
   第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
   第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
   第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
   第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
   第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
   第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113

   あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114


【第2章、闇人(やみびと)と天使編】

  プロローグ >>124


   第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132

   第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160

   第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165

   第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176

   第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186

   第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194

   第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204

   第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210

   第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216

   第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217




    ------------ サブストーリー -------------


  『交差する二人』・・・>>29 >>30 
  (300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)

  『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
  (600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
  (1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)

  『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
  (1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)

  『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
  (1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)

  『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
  (1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
  (2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
  注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
  お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)

  『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
  (トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
  よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw 
  黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
  なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
  ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)

  『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
  (2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
  劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)




------------名誉、歴史--------------


・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)

・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)

Re: もしも俺が・・・・。 ( No.23 )
日時: 2013/02/12 23:55
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

     ————第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』————




       「パート1。」





   ————時は過ぎゆく。変わらずに、誠実に。


  朝のイジメ騒動は無事落ち着きを取り戻し、
  後始末はこの学校の風紀を守る、風紀委員会が引き受けてくれた。

  後始末といっても、別に病院に連れて行く、とかではなく、
  風紀委員室で質問攻めと説教をされるだけなのだが。
  まぁ悪いのは向こうであるので、自業自得である。


  無論、私達も他人事ではないのだがね。


  「ああ、黒川と霧島。君らは後で風紀委員室に行くようにな。」


  と、花狩先生は苦笑して言った。

  毎度毎度これでは、さすがの先生も呆れてしまったのだろう。
  結果的には下級生を助けたとはいえ、暴力を振るった事には変わらない。

  上級生ほどではないにしろ、まぁ質問攻めは覚悟しておくべきだな。



    で、だ。現状を言うとだな————。


  昼休みを迎えた私達は、重い足取りで風紀委員室に向かい、
  風紀委員と重い空気の中、ソファーに座って向かい合っている、


  それが今の状況である……。





  「……またですか、貴方達は。よっぽどの暇人なんですね。」



  私達の前に座る風紀委員会のメンバーである女性は、ふうっ、ため息を吐き、私達を軽蔑の目で見る。



  「いや〜、そんな目で見ないでくださいよ。今回は仕方なくやっちゃたのよ。」

  「貴方は以前もそのまた以前も、そんなことを言っていたと思いますが? 霧島勇気。」

  「うっ、覚えていたのね。白九しろくちゃん……。」



  白九と呼ばれる女性は、睨むような目で霧島を見つめる。バカ野郎。今ふざけたら撃ち殺されるぞ?


  ————彼女の名前は、『光 白九 (ひかり しろく)』。

  風紀委員会の副リーダーを務めており、私達と同級生でもある。
  髪はショートヘアーで、黒川くんと同じく、学校配布の制服をきっちりと着こなしている。

  実力は折り紙つき。どこからともなく現れて、刑罰を与える。
  その姿から、『影の断罪者』と通り名が付くほどだ。
  愛用のライフルを彼女は肌身離さず持っている。いつ事件が起きても制裁を与えられるように。

  私達は毎度、喧嘩の仲裁を行ってはここに連れてこられており、
  毎度彼女に質問攻めを食らう形になっているのだ。



  そんなこんなで、私達は現在怒涛の質問攻めを食らっているのだ。

  霧島は深いため息をつき始めるが、そんな姿を見ても白九の口と手は止まらない。
  私達の質問に対しての答えを細かくノートに書き留めているのだ。相変わらずマメな人だ。




  「————そろそろ許してやったらどうだ、白九? 
   彼らは今回もイジメの仲裁に入っただけなんだろ?」



  そう言いながら私達を見て、白九の隣にストンと座った女性。

  黒い髪を男と見間違えるほど短く切っており、同じく制服を着こなしている。身長は165cm程か。


  彼女の名は、『伊月 蓮 (いづき れん)』。私達より一つ上の先輩だ。

  軍人に憧れているせいか、男勝りな部分が目立つ。
  軍事オタクという噂もあるらしいが、実際のところは定かではない。



  「蓮先輩にしては甘いですね。“他人に厳しく 、自分に厳しく”が、モットーな蓮先輩が。」

  「別に。さっきの奴らが全面的に悪いのは確かだからな。
   こいつ等が問題を起こしたわけじゃないしな。」



  このシーンだけ見れば、『蓮先輩、優しい!!』なんて思うかもしれない。


  だがそれは違う。むしろ彼女は、白九以上に怖いし、白九以上に厳しいお方だ。

  問題を起こした奴には徹底的な罰を与える。例を挙げると、ハードな筋トレをさせる、などだ。
  問題を起こした生徒によると、腕立て伏せを300回やれと強要された、という報告も受けている。
  なぜ罰として筋トレをさせるのかは分からないが、一つ言えることがある。彼女は鬼だ。



  「それにな、白九。今日は隊長がこいつ等に用があるらしい。だからもういいってよ。」

  「リーダーが、ですか? 珍しいですね。何の用でしょうか?」



  白九は聞くが、「さぁ?」と首を傾げ、それ以上は何も言わず、
  蓮は持参のミネラルウォーターに口を付ける。

  リーダー? まさか風紀委員会のリーダーが私達に? 一体何のようだ?
  直々に呼ばれるような事をしたとは思えないが。まさかの説教か?




  「なぁ黒川、確かお前、リーダーって奴と面識あったよな? どんな奴なんだ?」



  霧島は私の耳に小声で呟く。ヒソヒソ声なので白九達には聞こえてないみたいだ。
  まぁ確かに、私は一度面識がある。一年の時に一度、な。

  そういえば、霧島は初めてだったか。


  そうだなぁ、強いて言うのであれば————


  その時、風紀委員室の扉が開いた……。

  入ってきたのは、これまた制服をきっちり着こなした、長身の男性。



   「あ、隊長。お疲れ様です。」



  蓮も白九もソファーからスッと立ち上がり、敬礼を行う。

  身長は190cm程。髪は現代では珍しい、前に思いっきり突き出た黒色のリーゼントヘアー。
  瞳の色は緑。顔は綺麗に整った、かなりのイケメンである。


  そう、彼こそこの風紀委員会のリーダーなのだが、
  そうだな、彼の事を霧島にも分かるように、一言で言うのなら、





   「オウ、シロク、レン。お疲れ様なのデース。」







     ————彼は、『外国人』なのである。



  その割には日本語はペラペラなのだが、カタコトになることも多い。



   「……リーダー。彼らに用があるのは本当ですか?」


  白九は男性に尋ねる。男性を何度も頷きながら、


   「イエスイエス。ワタシは彼らに話があるのデース。」




   と、陽気に答えた。


  相変わらず以前と変わっていないようだ。
  初めて会った時もこの様に陽気な男であった。

  常に余裕を感じられる。
  このような部分が風紀委員会の頂点に立つ所以なのかもしれない。



   「さて、クロカワ。そしてキリシマ。今日は来てくださって感謝なのデース。」



  男はスッと頭を下げ、手を胸に当て、綺麗な姿勢でお辞儀をする。
  彼のそんな姿に、こちらもかしこまってしまう程だ。そして・・・



  「まずは自己紹介を。ワタシの名前はイエガ—。よろしくなのデース。」



   イエガ—と名乗る男は、私達を見てニコッと笑った————。


Re: もしも俺が・・・・。 ( No.24 )
日時: 2013/02/06 13:46
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

        「パート2。」




   ————『イエガ—・ヴェルグレス』。彼のフルネームだ。


  私の知る情報では、彼はアメリカから来た留学生だ。

  日本とは異なり、今も戦争や紛争とは無縁といい難い国で、
  彼は戦争の極意を叩きこまれ、育ってきた。

  10歳の頃にはすでに戦場に赴き、10歳とは思えないほどの数々の功績を残した。
  結果、彼はいつしか、大統領の側近でボディガードをするほどの地位に上り詰めた。

  アメリカでは、彼を知らぬ者はいない程有名人なのである。


   ではなぜ、そんな彼がこの学校にいるのか?


  理由は私も知らない。おそらく何かしらの目的があるのには違いないが。
  そんな恐ろしい実績を持ち、見た目ではそのようには見えない男が、今まさに自分たちの前にいる……。




   「オウ、失礼。用件は手短に済ませマショウ。ユーたちも暇ではないデショウから。
    シロク。レン。そんな固い敬礼は早くときなさーい。そんなにかしこまらなくても結構デース。」



  イエガ—は敬礼をしている白九と蓮の前を通り過ぎ、自分専用の椅子に静かに座る。
  白九と蓮も言われたとおりに敬礼を解き、スッとソファーに座る。



   「それで? 俺達に用件ってなんなのよ、リーダーさん?」

   「君ッ……!! 態度を————」



  霧島の礼儀の全くない言動に、蓮はムッとして言うが、それを遮るようにイエガ—は、


   「よいのデース、レン。」と言って、なだめる。


  イエガ—と蓮は二人とも3年生。つまり同級生なはずである。
  だが、同級生といった関係には見えない。むしろ上下関係がはっきりしている。

  私としてはこちらの謎にも興味があるのだが、まぁまずはあっちの『用件』とやらが先だ。





   「ではさっそく話マショウ。単刀直入に言いマース。



    ————二人とも、風紀委員会に入りマセンカ?」





  イエガ—はニコッと笑って言う。それとは対照的に、「ええッ!?」と声を荒げて驚く白九と蓮。

  無論、声こそはあげなかったが、驚いたのは私達も同じだ。
  霧島なんて、先ほどから開いた口が一向に塞がらないほどだ。

  とはいえ、これはまた予想外の勧誘だ。まさか風紀委員会のリーダーが直々の勧誘とは、な。


  だがまぁ、向こうの考えなど大体見据えている。



   「狙いはなんだ? 私達の行動の制限か? 

   ————それとも、風紀委員会なりの私達の『拘束』か?」



  黒川は静かに、けれど圧力をかけるようにイエガ—を一心に見つめて尋ねる。
  白九と蓮は私の失礼な言動をスルーするほど、先ほどのイエガ—の勧誘の言葉に唖然としていた。



   「……クロカワ、ユーの冷静な分析能力には驚かされマス。デスガ、少し違いマス。」



  “少し”……か。一応全否定はしないのだな。意外にあっさりしているな。
  まぁ、この『余裕』ほど怖いものはないのだがな。



   「ユー達のやっていることは、『一般生徒』である限りは、
    どれだけの理由があっても暴力になってしまいマス。

    だからここに呼び出されているのは————お分かりデスネ?」



  そんなことは呼び出されるたびに、耳にタコが出来るほど聞かされているから知っているさ。

  いくら『粛清』とカッコつけても、正当防衛と言い張っても、拳を振るった事実は変わらない。
  私だって本来ならば、口頭で解決したいさ。だが、相手はそこまで単純ではない。
  だから、振るわざるを得ない。たとえ暴力と言われようとも、人を救うために。



   「本来ならば、それは風紀委員会の仕事デース。これも分かりマスね?

    結論を言いマショウ。風紀委員会に入れば、ユーたちの行動は正当化されマス。

    つまり、好き放題に今までのことが出来るという事デス。
    これほどの好条件な話はないと思うのデスガ?」




  そうだな。その通りだよ。笑えるほどに正当で、理にかなった話だよ。



  ————だが違うのさ。お前達風紀委員会と、私達の『粛清』は根本的に違うのさ。

  隣を見ると、霧島もはぁ、とため息をついている。さすがのバカも、この話は理解できるようだ。


  そうさ、私達は『あえて』風紀委員会には入らないのさ。

  確かに風紀委員会は学校だけでなく、『町』の治安も守る組織。それはイジメも例外ではない。
  だが、彼らの行動は『広範囲』すぎる。ゆえに小さな問題には最小限にしか干渉しないのだ。
  この場合、その小さな問題というのは、先ほどの上級生のイジメも含まれる。

  風紀委員会はこのような『小さな問題』を見落としがちなのだ。



   「知っているか? 生徒達が一番恐れ、気にする問題は『イジメ』だ。

    生徒を守ることが風紀を守る事なら、
    そんな重要な問題である『イジメ』を後回しにしてはいかんだろう。

    そんな大事な事に気づかない、名だけが立派な治安組織に、私達の『正義』は扱いきれんよ。」


   「そういうこった。俺達はだからどこにも属さない。俺達が守りたいのは、苦しんでいる生徒達だ。
    仮にそっちに入っちまったら、本当に守りたいもんが守れなくなる。それだけは勘弁だ。

    風紀委員は大人しく綺麗な仕事をやってろ。汚れ役は俺らが引き受けてやるからよ。」




  そう、これが私達の真っ直ぐな気持ちであり、絶対に曲げない信念だ。

  たとえどれだけ風紀委員会に罰を受けようと関係あるまい。
  私達はすでに、それを覚悟の上で実行してきたのだから……。




   「……ふぅ、参りマシタネ。ここまでハッキリ言われてしまっては仕方ありマセン。
    ここは大人しく引きマショウ。これ以上の勧誘は無駄デショウから。」



  イエガ—は手を頭に当て、やれやれといった表情で息をつく。
  白九も蓮も、黒川達の言葉に何も言えず、拳を握ってただ唇をかみしめるだけであった。

  もしかしたら、彼女達が一番分かっていたのかもしれない。

  『小さな問題』を後回しにして、肝心の問題にキチッと向き合っていなかった事を。
  だが、それを踏まえたうえで風紀委員会に所属しているということは、

  彼女達もまた、学校の治安を守るために動いているのも確かなのであろう。



   「せっかく勧誘を頂いたのにすまないな。キツイことを言ったが許してほしい。
    だが、風紀委員会がいることでこの学校の治安が成り立っていることも確かだ。

    だから感謝はしている。ありがとう。それでは————」



  そう言い残し、黒川と霧島は速やかに風紀委員室を出ていった。




  残った風紀委員会の三人に、なんともいえない重い空気だけがのしかかった。
  しばらくの無言が続いた後、ふとイエガ—が口を開く。




   「困りマシタネ。『正義』同士は相いれない、そういう事デスか……。」



  イエガ—は近くに合ったコーヒーを口にした後、コトンと机に置き、元の位置に戻す。



   「シロク、レン。言わなくても分かっていマスネ?」


  白九と蓮は少し俯いた後、コクンと頷く。イエガ—の表情が少し真剣なものに変わった気がした。




   「もしも彼らが今後喧嘩を仲裁した時、容赦は要りマセン。

    彼らもろとも鎮圧しなサイ。これがワタシ達の『正義』でもあるのですから。

    元々、喧嘩の仲裁は風紀委員会の役目。
    喧嘩の仲裁の『仲裁』もまた、ワタシ達の役目デスから————。」




   イエガ—は外を見つめる。その瞳は、なぜか物寂しそうなものに見えた————。


Re: もしも俺が・・・・。 ( No.25 )
日時: 2013/02/16 11:51
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



      「パート3。」





   「————黒川、これでよかったのか?」



  重苦しい空気だった風紀委員室を出て、二人は解放感を味わいつつ、
  自分の教室に戻る廊下で、霧島がふと口を開く。

  分かっている。これで私達は正真正銘、風紀委員会にとっての『敵』になったのだから。

  私達が暴力を振れば、彼らは容赦なく介入してくるだろう。
  以前はなんだかんだで、私達がやったことが『悪い事』ではなかったため、罰も軽いモノであった。

  だが、私達が暴力を『無断で』振るっている事実は変わらない。
  これだけでも、風紀委員会の粛清の『対象』となりうるのだから。




   「今度はもしかしたら、あの白九と一戦やり合うかもしれんぞ、霧島?」

   「げッ、それは勘弁!! 楽しそうだが、女が相手だとどうもなぁ……。」




  冗談半分、本気半分で黒川が言うと、苦笑して霧島は答える。
  粛清の対象になるって事は、私達も粛清を受けるという事だ。
  つまりまぁ、それもあり得ないことではないのだ。

  まぁ、もしそうなりそうなら、私達が出来る最善の策は、『逃げる』だ。
  別に勝てないから、ではない。罪を軽くするため、だ。

  もしも私達が風紀委員会と一戦交えれば、それは確実に『悪い事』になってしまう。
  私情で暴力を振るう輩と変わらない、ということだ。



  それは私達の正義に反する行動だ。控えなければな————。




   「あ、黒川君、霧島君。風紀委員会の呼び出しの用は終わったの?」



  教室に戻る廊下の途中で、本を両手に抱えた水島が声をかける。
  三冊ほどの本を抱えている。相変わらず本が好きなのだな。



   「あ〜腹減った。黒川、飯食おうぜ〜。」



  霧島の腹のタイマーがうるさく鳴り響く。かくゆう私も、腹が減って仕方がない。
  なんせ昼休みを迎えたと同時に風紀委員室に向かったのだ。昼飯は食べてない。



   「あっ、そのことなんだけど。紫苑さんと柿原君が、二人の分の飯も買っておいたから屋上に来てだって。」

   「紫苑ちゃんと召が? ナイス、じゃあ行こうぜ!!」



  霧島の先ほどまでの重い足取りはどこへ行ったのやら、と思わせるほどの軽い動きで先行する。

  ふと、黒川は水島が本しか持っていない事が気にかかった為、質問をする。



   「水島は飯を買ったのか? 見たところ持っていないみたいだが……?」

   「ううん、屋上に置いてきたの。それで図書館で本を借りた後、黒川君達を迎えに行こうと思って。」

   「今に至る、ということだな。」



  水島はニコッと笑って頷く。前にいる霧島は昼飯が楽しみすぎて、鼻歌を歌っている。

  屋上に行く途中の階段のところで、水島の持つ本が気になったため、



   「水島、その本は私が持とう。重いだろう? 階段だと辛いだろうしな。」

   「えっ、でも悪いよ。それに……重いよ?」

   「だったらなおさらだ。気にするな。私も興味があるしな。」



  水島が申し訳なさそうな顔をしているが、私はスッと水島の持つ本を持つ。

  ふむ、思った以上に重くない。問題ないな。
  水島が「ありがとう。」と礼を言ってきたので、私はニコッと笑顔で返す。

  本当は水島の「ありがとう。」が可愛すぎて心臓がバクバクだということは内緒だ。
  あくまで紳士に、冷静でいるのが私のスタイルだからな。


  “それにしても、様々なジャンルの本があるな。”


  推理小説、ファンタジー系小説、そして恋愛小説。
  最後の恋愛小説というのは意外であった。水島もこういうのを読むのか、と。


  ……まさか、すでに意中の人がいるとか!? いや、それはない、たぶん。


  それにまだ分からない。あくまで推測にすぎない。質問するわけにもいかないしな。紳士だからな。
  そうだ、余計な詮索はいけない。プライベートに踏み込むのはダメだ。紳士だからな。


  そう、紳士だからな。紳士……紳士、しん————








  ————————。








    “…………それとなく聞いてみるか。”




  結局、人は一度火が付いた好奇心には逆らえない、
  欲望に満ちた存在なのだと、黒川は当時語った。


  その後、屋上に着いた私達は、紫苑と召に合流し、束の間の昼休みを楽しんだのであった————。












   ————そしてその後、黒川達の授業は平穏に進んでいき、下校時刻になった頃であった。



  学校から1km程離れたビルの頂上で、学校を一心に見つめる人の姿。人影は3人。

  騎士が被る様な白い兜を着け、白いマントを背中に羽織る。
  そのマントには、丸の中に星形が赤く書かれた紋章が大きく描かれている。

  風でパタパタとマントを揺らし、一人がふと兜越しから呟く。



   「彼が、話に聞いていた黒川か。情報だと、今日彼は『力』を使うみたいだが?」



  1km先の学校の一室にいる、黒川を見てそう呟く。声からして男のようだ。


   「みたいだな。奴が、『あいつら』の言う例の『鍵』ってやつか? そうは見えないがな。」



  もう一人が答える。こちらも男のようだ。低音の声がどこか大人らしさを感じる。


   「間違いはない。とにかく、『あいつら』の言うとおり世界を崩壊させる元凶となりうるならば、

             最悪は始末するしかないな。」


   「だが、それが本当かも定かじゃないだろ。様子を見て、本当なのかを確認するしか————」




  そこで、男は会話を中断する。『何か』を感じ取ったのだ。男は辺りを見回し、




   「……どうやら『あいつら』の登場みたいだ。」



  男はふと後ろに振り返る。それにつられて他の二人も振り返る。

  そこには、黒く、まるで闇に包まれてるかのような、空間が姿を現す……。


    そこから出てきた、一人の『バケモノ』……!!









    「————何の用だよッ、『DDD教団』ッ!!」







     そして時の歯車は、動き出す————。








       ————————第3幕 完————————


Re: もしも俺が・・・・。 ( No.26 )
日時: 2012/12/07 16:39
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode





     ---------- いきなり!? 『もしも』会議 -----------



  ヒトデナシ(後、ヒ)『ええ、皆様。初めまして。私、ヒトデナシと申します。』

  黒川(後、黒)『おはようございます、こんにちは、こんばんわ。黒川だ。』



  ヒ『ということで、いきなり!?、という反応のお方がほとんででしょうが、始まります。』
  黒『いや、何が始まるのだ?』
  ヒ『え? だからさ、まぁその、なんだ、企画モンですよ。』
  黒『これが・・・か?』
  ヒ『え? いや、これじゃないよ!? これはあくまでお知らせみたいなもんだから。
    あれだよ、ドラマの途中に流れるニュース速報みたいなやつだよ。』
  黒『ややこしいな。じゃあこれは企画ものとは関係ないのだな?』
  ヒ『イエス。これはまぁ、文字数で言うなら1000文字以内には終わるつもりだから。』
  黒『すでにこの時点で400字に達したのだが・・・。』
  ヒ『マジ? じゃあ急ごう!! さっそく説明だ。黒川よろしく!!』
  黒『私がするのか!?』




  黒『さて、では説明させていただこう。
    まずは、300参照突破に関して礼を言わせていただこう。ありがとう。

    でだ、今回その300参照突破を記念して、
    ここは一つ、本編では触れられない秘密の物語を書きあげようという事になった。

    意味が分からない? つまりサブストーリーみたいなものだ。
    例えば、なぜ黒川は水島に好意を抱いているのか、などな。

    ・・・自分で言ってて恥ずかしいよ。言わせないでくれよ。

    と、いうことだ。300参照突破ごとに書いていくことになったから、
    気になるという方は読んでみるといい。面白いかもしれないぞ?』





  黒『・・・終わったぞ。』
  ヒ『ナイスだ!! 良い演説だったぞ?』
  黒『・・・やれやれだ。今度はお前が書き上げる番だぞ?』
  ヒ『任せろ!! ネタはすでにある。』
  黒『ほお? つまりすぐにでも投稿可能か。』

  ヒ『ただし・・・頭の中にな。(キリッ)』


  黒『・・・・・・・・・・・・・・ほお? つまり?』
  ヒ『ちょっち原稿書いてくるわ。』
  黒『・・・手短にな。ちなみに嬉しい報告を言っておこう。』
  ヒ『なんだ?』





  黒『1000字以内で収まったぞ。』
  ヒ『ビンゴ!! と、いうことでサラバだ。』


Re: もしも俺が・・・・。 ( No.27 )
日時: 2012/12/07 16:57
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: qgJatE7N)

なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?

そろそろ、あの伝説のサブストーリーが読めるのかァァァァァ!!?

新キャラも続出で嬉しいですw 最後らへん不穏だけど。
そして、何か私の絵の影響かしら? 水島ちゃんが本持っているシーンは、と過剰意識してみるw


とにかく、300突破おめでとうございます!
これからも応援してるので、くれぐれも体調にはお気をつけを!!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。