複雑・ファジー小説

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もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
日時: 2014/01/03 18:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)

   作者の今叫びたい一言  『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)


   序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114

   土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
   ↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123

   オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140



 【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】

・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145


 【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】

・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』









   クリックどうもありがとうございます。


  おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

  どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。

  私の名前はヒトデナシと申します。



 “自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


  1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

  2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

  3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




 “では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。

  2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。

  3、基本、自由である。



  ————と言った感じでございます。



  では早速書いていきたいと思います。

  楽しんでいただけると幸いです。



  ・登場人物・・・主要人物 >>119
          黒川陣営 >>120
          リバース陣営 >>121
          DDD教団陣営 >>122


  ・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62

  ・用語説明・・・>>63




   コメントを下さった優しい読者様


 ・月葵様 
 ・八重様
 ・秘密箱様
 ・エストレア様
 ・小枝様
 ・るるこ様
 ・春野花様
 ・陽様
 ・修道士。様
 ・檜原武甲様
 ・李々様
 ・ちぇりお様
 ・95様
 ・グレイ様
 ・H様
 ・007様



    ———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————


【序章、日常編】 

  表紙→>>12 (八重様)
  挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
      第6幕 >>89 (るるこ様)
      第15幕 >>125 (るるこ様)


   第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
   第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
   第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
   第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
   第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
   第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
   第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
   第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
   第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
   第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
   第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
   第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
   第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
   第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
   第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113

   あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114


【第2章、闇人(やみびと)と天使編】

  プロローグ >>124


   第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132

   第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160

   第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165

   第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176

   第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186

   第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194

   第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204

   第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210

   第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216

   第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217




    ------------ サブストーリー -------------


  『交差する二人』・・・>>29 >>30 
  (300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)

  『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
  (600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
  (1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)

  『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
  (1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)

  『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
  (1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)

  『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
  (1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
  (2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
  注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
  お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)

  『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
  (トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
  よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw 
  黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
  なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
  ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)

  『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
  (2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
  劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)




------------名誉、歴史--------------


・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)

・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)

Re: もしも俺が・・・・。『作者黙認、稀に見るカオス回。』 ( No.178 )
日時: 2013/09/01 20:11
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)


お久しぶりでございます。毎度おなじみ、ヒトデナシです。
9月になりました。夏が過ぎ、秋の季節になりました。

さてさて、久々の復帰になりますね。そして久々の執筆再開。
執筆は約4か月ぶりですか。留守期間が長いですねw

またここから一歩ずつ、ゆっくりと進んでいくことにしましょう。
更新はゆっくりになるでしょうが、応援していただければ幸いです。

さぁ、頑張りますよ。ええっと……


 ……小説ってどう書くんでしたっけ?ww←久々なのでど忘れw



 “95様へ”

返信が遅れてしまい申し訳ございません。ただいま戻りました。

温かいお言葉をありがとうございます。
これからまたゆっくりですが執筆しようと思いますので、応援していただければ幸いです。

Re: もしも俺が・・・・。『作者黙認、稀に見るカオス回。』 ( No.179 )
日時: 2013/09/01 20:18
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: MuUNITQw)

やっと復活しましたか…………。
冨樫かよ、と思うような休載期間を経て……


めっちゃ待ってたんですよぉぉっぉぉぉぉぉ!!


お久しぶりです!! ただいま体調絶好調の火矢八重です!!

更新楽しみにしてますから、半年も待たせないでくださいよー!?

ではでは! お体に気を付けて!

Re: もしも俺が・・・・。『作者黙認、稀に見るカオス回。』 ( No.180 )
日時: 2013/09/01 20:18
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

お久しぶりです。貴方の作品はとても参考になるので再開はとても楽しみです。

 あまり、オリキャラの方も出しにくいようですし、オリキャラ募集になったら完全なオリキャラを投稿させてください。

応援しています。では失礼。

Re: もしも俺が・・・・。『作者黙認、稀に見るカオス回。』 ( No.181 )
日時: 2013/09/01 20:26
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)


    ————第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』————


        「パート1。」



 最悪の犯罪集団、DDD教団。
 かつて世界を破滅へと導こうとした、最低最悪の犯罪集団。

 人間という下等な存在よりも一歩前に進んだ存在達が集結するその組織は、
 幾度となく人類に立ちふさがる最大の敵になるのだった……!!



  「————3年ぶりだなぁ。記憶してるか? お前と俺の『因縁』をよぉ……。」


 ガロンはゆっくりと歩を進め、一歩ずつルエに近づいていく。
 だが、そんな悠長な歩を許す程、ルエの隣に立つキルの心は広くはなかった。
 背中から背負っていた剣を抜くと、威嚇するように剣先をガロンに向ける。


  「それ以上、ルエに近づくな。近づけば、斬るぞ。」

  「ほぇー、怖い怖い。でも足が勝手に前に進んじゃうのよねぇー。」


 口笛を吹いて、ガロンは楽天的に言葉を発した。無論、歩みを止めることなく。
 それを警告の無視と受け取ったキルは、それを許す程甘くはなかった……!!


  「……近づくなと、言ったはずだッ!!!」


 瞬間、キルはその場で大きく踏み込んで、ギュンと音を鳴らして突撃する……。
 瞬時にガロンの目の前に立ち、容赦なくその手に握る剣をガロンに向けて振るうッ!!

 何度も高速で切り裂き、剣筋が見えぬほどの高速の斬りをお見舞いする。
 しかし、その剣の全てはあっさりとガロンの身体を避けていった。

 否、避けたんじゃない。避けられたのだ。ガロンによって。
 キルの剣筋は素人の類のモノではない。研ぎ澄まされた、会心の剣筋だ。
 常人ならば決して見切れぬほど、高速で正確だ。しかし、ガロンはさらに『正確』だった。
 一つ一つの剣筋を完璧に見切った上で、全てを紙一重で躱しているのだ。

 しかも一歩もその場を動かず、身体を柔軟に動かすだけの最小限の動きで、だ。



  「ぐッ……!! なんつうふざけた動きを————」

  「————こらこらー。無駄口を叩いてる場合かね、若者君?」



 ガロンがニヤリと笑ってそう言った瞬間、キルの身体は強制的に地面に叩きつけられた……。

 キルの攻撃を躱した瞬間の隙を狙って、ガロンはフッと軽くジャンプをして、
 瞬時にキルの頭に振り下ろす様にして、渾身のかかと落としを食らわせたのであった……!!


  「ぐッ……ああぁぁ……」


 地面がビキビキと割れ、軽い地震が起きたかのように大地が揺れる。
 頭にキーンと響くような不協和音が響く。頭が破裂する程痛い。
 たかが、かかと落とし一発を貰っただけだというのに、立ち上がるのが辛いほどだ。

 この男、この細身の体にどこまでの力があるというのか……。


  「おおーいいねぇ。おじさんの攻撃をまともに食らって意識あんのは珍しいわ。
   とはいっても、悪いねぇ。おじさんはルエに用があるから、君は死んでくれるかな?」


 地面にうずくまるキルの頭上から、ガロンはニヤリと笑みを零した。
 まるで殺しを楽しむかのような表情をしたガロンは、子供の様に無邪気だった。

 そうしてガロンは片足を上げ、キルの頭に狙いを定めて、その足を振り下ろす瞬間————




  「————テメエッ、無視してんじゃねぇぞゴラァアア!!!!」



 そう雄たけびを上げたのは、すでにガロンの背後を取っていた霧島だった。
 右手に渾身の力を込めて、疾風の如く右ストレートをガロンの顔面に振りぬいた……!!


  「忘れてるわけねぇじゃねぇか。なにせ————」


 ガロンはクルンと瞬時に霧島の方に向き直り、そのストレートを回避する。

 とはいえ、これは異常だった。あまりにも異常すぎる身体能力だった。
 霧島の右ストレートはプロボクサーに引けを取らぬほどの一級品である。
 速度、重み、正確性、どれをとっても申し分ない。ゆえに回避はかなり困難である。

 しかしガロンは背後を取られたうえで、なおかつ片足を振り上げた状態で、
 霧島の方に向き直し、そして紙一重で回避したのだ。明らかに異常である。


  「————俺のデザートだからな。あっはっはっは。」

  「にゃろッ……なんつう野郎だ。俺のストレートをこうも簡単に躱すかよ……!!」



 霧島は思わず悔しさの言葉を漏らしたが、そんな事を考える余地もなかった。
 ガロンは霧島のストレートを躱した後、振り上げていた片足で、高速の前蹴りを放った!!

 だが、霧島もそこまで柔じゃない。両手を交差させ、最大の防御でその前蹴りを受け止める。
 が、それでもかなりのダメージが圧し掛かった。ガロンの攻撃が『重すぎるのだ』。



  「ぐぬッ……がッ……」


 霧島は思わず痛苦の声を漏らしながら、3メートル程吹き飛ばされた。
 だがなんとか防御のおかげで、片膝を突く程度のダメージで済んだ。

 これをまともに受けていれば、軽く意識を持ってかれたと思うと全身がゾッとする。


  「くッ……マジでつえぇぜ……。人間かよ……?」

  「ま、超人って奴かねぇ。普通の人間ではないというのは確か————」


 瞬間、ガロンは言葉を切って、フッとしゃがんだ。

 そして直後、ガロンの真上には高熱の刃が頭上すれすれを通り過ぎて行ったのだった。
 なぜしゃがんだのか、その理由は至極簡単だった……。


 ————シャイニングブレイドを持った黒川が、後ろから奇襲をかけたからだったッ!!

 黒川は霧島との会話に意識がそっちに向いているのを狙って、
 渾身の水平斬りでガロンを焼き斬ってやろうと考えていたのだが、それも躱されたのだった。

 奴が人間でないのは分かっていた。だからこそ、初めから全力で行った。にもかかわらず、



  「……ッ!! これも躱すのか……!!」

  「殺気を殺しきれてないねぇ。それじゃあ、奇襲は成功しねぇよ、ぼっちゃん。」


 黒川は驚嘆の言葉を掛けつつ、さらに追い打ちするようにシャイニングブレイドを振り下ろす!!
 振り下ろす高温の刃をスルリと躱しつつ、ガロンは黒川の腹部に重い膝蹴りを放つ……!!


  「ガぐッ…………うぅ……」


 カランカランとバトンが落ちる音が鳴り響く。
 黒川の手からシャイニングブレイドがするりと落ち、地面に転がった。
 そして直後、黒川は両膝を突き、腹部を押さえて地面に頭を付けた。

 気絶はしていない。が、ダメージが大きすぎる。立てなかった。



  「……さてさて、これでお邪魔虫はいない感じ?」


 ガロンは辺りを見渡して不敵に笑ってそう呟いた。
 キル、霧島、黒川は共にかなりのダメージを受けていた。


 ……唯一まだ続行できるのは霧島ぐらいのものだったが、霧島は足が動かなかった。

 本能的に感じたのだろうか。コイツは強すぎる、と。
 3対1でもこの実力差。とてもじゃないが、『このままでは』敵わない。


  “『解放』すればなんとかなるが……しかし……”


 霧島の思考はそれで止まった。今の自分にはそれが『出来ない』理由がある。
 そして何より、それを嫌う自分がいる。プライドが許さなかった。

 だからこうして見てるだけしか、この時の彼には出来なかったのだった……。



  「キル君、霧島君、黒川君ッ!!」


 水島が皆の安否を確認するように叫ぶ。かろうじて、皆生きてはいる様だ。
 とはいえ、三人でも相手にならない相手に、私がどうこうできるわけがない。

 せめてルエちゃんを守りたい……だけど、どうすればいいの……?



  「お、そちらの嬢ちゃん、かなりの上玉だねぇ。」


 ガロンのなめまわす様な視線に、水島は肩が震えるほどの悪寒を感じた。
 とはいえ、ガロンの言葉にピクリと肩を震わせたのは、水島だけではなかった。
 今まで腹部を押さえて地面に顔を付けていた黒川も、震えるほど悪寒を感じていた。
 身体を無理やり起こし、ガロンにキッと睨む。


  「……おいッ……彼女に手を出すんじゃない……ッ!!」

  「んあー? やーだね、だって可愛いもん。襲っちゃお。」

  「……ッ!!」


 黒川の言葉を無視して、ガロンは水島に歩み寄っていく。
 だが、その隣にいるルエが黙っているわけがない。瞬時に水島の前に立って構える……。


  「待てッ!! 用は私だけのはずだ。彼女に手を出すなぁッ!!」


 ルエは思い切り踏み込み、瞬時にガロンとの距離を詰め、レイピアによる高速の突きの連打を放つッ!!

 ガロンはその姿を不敵に笑った後、



  「わりぃなルエ。お前にはちと眠っててもらうぜい————。」



 目に留まらぬスピードで、ルエの目の前から姿を消した……。
 無論、レイピアの攻撃は全て空を切っていく……。



  「なッ……————」


 消えたと思って驚いたルエであったが、実際は消えたわけではない。
 ガロンが超スピードでルエの背後に回っただけに過ぎなかった。そして、

 ガロンは軽い手刀でルエの首裏をトンと叩く……。



  「あっ……」


 という情けない声と共に、ルエの思考が停止していく。
 深い闇が襲ってくる。深い眠りが襲ってくる。
 抗っても、強制的に目蓋が落ちていく。身体も、意識も……。

 そしてルエは、地面に前のめりに倒れて気絶した……。レイピアも音を立てて消えていった。



  「ルエちゃんッ!!」


 水島の声もルエには届かなかった。ルエの意識はすでに深い闇の中だった。
 そしてそんなルエを微笑して見届けた後、ガロンは再び水島の方に向き直った。


  「……これで邪魔者はいねぇなぁ。嬢ちゃん」

  「……ッ!!」


 ガロンはまたもニヤリと笑い、スッと手を伸ばしてきた。
 その手の追跡に抗う様に、水島は後ろへと後ずさっていく。


  「なぁに、優しくするって。ちょーっと大人の遊びをするだけだって……」

  「……いやッ……助けて……黒川君……」

  「さっきのぼっちゃんかい? わりいが寝てるよ。助けは来ねぇ。」


 ガロンの手がついに水島の手首を捉えた。何度振りほどこうとしても、その手は離れない。
 逃げ場を失い、水島はただただ黒川の名を呼ぶしかなかった……。



  「黒川君……黒川君……ッ!!」

  「忘れさせてやるよ。俺がもっと楽しい事を————」



 瞬間、ガロンの背後からとてつもない殺気を感じた……!!

 それを察知したガロンは、瞬時にそちらに向いた。
 そして同時にガロンは咄嗟に、その場を超スピードで離れた……。

 離れた瞬間、水島の目の前を通り過ぎる一筋の閃光の如く一閃。
 見慣れた光、シャイニングブレイドの輝き。そしてその手に持つのは、



  「黒川君ッ……。」

  「……無事か、愛奈。」



 穏やかな表情であるが、殺気を漂わせた黒川だった。
 その右目に、あの時と同じ金色の瞳を宿して……!!


  「……えへへ。怖かった。」

  「心配するな。俺が守る。」

  「うん……信じてる……。」


 水島は自分の胸でギュッと拳を握り、お祈りするように瞳を閉じる。
 黒川は微笑してそれを見届けた後、クルリと振り返ってガロンの方を見た。

 ガロンは驚いてる様子だった。それでも、陽気な表情は崩さないが。




  「————なるほど、お前さんが『覚醒種』だったか。」



 ガロンは殺気を向けてくる黒川に嬉しさを感じつつ、歓喜の笑みを零した……————。






Re: もしも俺が・・・・。『作者黙認、稀に見るカオス回。』 ( No.182 )
日時: 2013/09/01 20:42
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)


久々に気合い入れて書いたら8000字強になってしまったw
分割しても4500字。入らないじゃないか……ww


 ……にしても、私は本当に幸せ者ですね。

待っててくれる読者様や尊敬する作者様達が私を待っててくださるとは……。
本当に嬉しい限りです。頬を伝う涙が温かく、キーボードが少し濡れてますw



 "八重様"

ただいま帰りました。……というか、早すぎません!?ww
私はてっきり誰にも気付かれることなく、寂しく執筆するつもりでしたが、
まさかいきなり見つかってしまうとは。本当、貴方様には驚かされますw

お久しぶりでございます。お待たせしてしまい申し訳ございません。
出来るだけ失踪しない様に善処は致しますw 書きたい気持ちはありますしね。

その内八重様の臆病も見に行きますね。溜まってるでしょうからw
コメントありがとうございます。執筆頑張りますね。


 "檜原武甲様"

お久しぶりです、檜原武甲様。ただいま戻りました。
お褒めの言葉を頂き恐縮です。私も貴方様の執筆を参考にさせてもらっていますw

もちろんでございます。確かに今オリキャラの方を出し切れてないのでその内よろしければご投稿いただけると嬉しい限りです。

温かいコメントをありがとうございます。その内罪シリーズも見させていただきますね。応援ありがとうございます。

 


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