複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
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- もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
- 日時: 2014/01/03 18:25
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
作者の今叫びたい一言 『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)
序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114
土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123
オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140
【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】
・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145
【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】
・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』
クリックどうもありがとうございます。
おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。
どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。
私の名前はヒトデナシと申します。
“自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”
1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。
2、読んでいただけるとすごくありがたいです。
3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。
“では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。
2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。
3、基本、自由である。
————と言った感じでございます。
では早速書いていきたいと思います。
楽しんでいただけると幸いです。
・登場人物・・・主要人物 >>119
黒川陣営 >>120
リバース陣営 >>121
DDD教団陣営 >>122
・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62
・用語説明・・・>>63
コメントを下さった優しい読者様
・月葵様
・八重様
・秘密箱様
・エストレア様
・小枝様
・るるこ様
・春野花様
・陽様
・修道士。様
・檜原武甲様
・李々様
・ちぇりお様
・95様
・グレイ様
・H様
・007様
———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————
【序章、日常編】
表紙→>>12 (八重様)
挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
第6幕 >>89 (るるこ様)
第15幕 >>125 (るるこ様)
第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113
あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114
【第2章、闇人(やみびと)と天使編】
プロローグ >>124
第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132
第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160
第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165
第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176
第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186
第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194
第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204
第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210
第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216
第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217
------------ サブストーリー -------------
『交差する二人』・・・>>29 >>30
(300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)
『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
(600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)
『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
(1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)
『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
(1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)
『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
(1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)
『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
(1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)
『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
(2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)
『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
(トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw
黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)
『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
(2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)
------------名誉、歴史--------------
・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)
・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)
- Re: もしも俺が・・・・。『作者黙認、稀に見るカオス回。』 ( No.183 )
- 日時: 2013/09/02 14:58
- 名前: エストレア ◆p0imGsDc06 (ID: 6U1pqX0Z)
ガロン、チートすぎるだろお前!!(チート!?
男三人相手にしてもやられない…チートだわ…。
対策考えよう、と思ったエストです!
まず……おかえりなさい! 待ってましたよ、ヒトデさん!!
で、見たらバトルが熱くなった模様でwwww バトル物は好きですよ、だって引き込まれますから。
そして黒川君覚醒…これからどうなるんでしょう。
風邪を引いている私が言うのもなんですが、
体調管理しながら、執筆頑張ってください!!
P.S.意識を失う前に、唇か舌を噛んだりすると、痛みで現実に戻るみたいです。
- Re: もしも俺が・・・・。『作者黙認、稀に見るカオス回。』 ( No.184 )
- 日時: 2013/09/02 20:49
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
"エストレア様"
久々に執筆していて思いましたが、ガロン強すぎですねw
もしこんな強い敵キャラが自分の眼の前に現れたらどう倒そうかを試行錯誤している作者ですw
ただいま帰りました、エスト様。長らくお待たせしました。
やはり私が思い切り書けるのはバトル物ですからw 書いてて楽しかったですw
風邪ですか……。こじらせない様に気をつけてくださいね。
ありがとうございます。執筆の方マイペースに頑張らせていただきますね。
P.S、『舌を噛んで死ぬ』=即死、みたいな感じがあるようですが、実際即死することはなく、実際は出血多量でお亡くなりになるみたいなので、痛みを感じてしまうので自殺には向かないみたいですね。←何の話をしているのか
- Re: もしも俺が・・・・。『第20幕、パート1。』 ( No.185 )
- 日時: 2013/09/02 21:11
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
「パート2。」
「————なるほど。お前さんが『覚醒種』だったか。」
「————愛奈に手を出した罪はその命で払ってもらうぞ。」
キッと睨み、殺気をさらに増強させる。辺りを冷やすかのような空気が辺りを包む……。
だがそんな黒川を前にしても、ガロンは不敵な笑みを浮かべたままだ。
まるでそれでも、余裕だと言わんばかりに……!!
「わりぃが、『覚醒種』になっても変わらんと思うぜぇ。
————お前さんと俺では、強さの次元が違うからなぁ。」
「ぬかせッ、外道がッ!!!!」
黒川はフッ、と消える様に姿を消す。
常人ならこのスピードを目に追うのは無理だ。どこに行ったのかは分からない。
しかし、ガロンには見えていた。黒川が自分の上空に移動している事に気が付いていた。
「オオオオォアアアアッ!!!!」
シャイニングブレイドを地面に突き指す様にしてガロンの上空から襲い掛かる……!!
ガロンは一歩後ろに下がり、難なく黒川のシャイニングブレイドを回避した後、
「おらぁああ!!!!」
黒川の顔面に向けて、閃光の右ストレートを放つ!!
だが、その閃光の如く速いパンチを見切った上で、黒川は最低限の動きだけで躱す。
ミスト戦でも見せた、右目の金色の眼がもたらす、見切り能力だ。
「お、これを躱すか。」
「らァアアアア!!!」
その直後、黒川は右手に持ったシャイニングブレイドでガロンの顔面目掛けて横切りする!!
ビュンという風を切る音と共に迫るシャイニングブレイドを、ガロンはしゃがんで躱し、
「ならこれならどうだぁッ!?」
思い切り地面を踏み込んで威力を増した膝蹴りを、黒川の腹部付近に放つッ!!
だがさっきと違い、黒川も片足を上げた後、その蹴りを真正面から受け止めた。
ドゴンッ、という鈍い音が鳴り響き、互いの膝と膝がぶつかり合う……。
「やーるねぇ。ここまでやるとはなぁ。なら……」
「……はァ!!!」
その後さらに超スピードで黒川は姿を消す。目の前から黒川の姿が、消える。
ガロンの背後に回り、シャイニングブレイドを足元付近から振り上げる様に斬り上げる!!
だが当たる直前、ガロンも同じように姿を消した。超スピードで逃げだしたのだ。
しかし、今回のは『速すぎた』。先ほどまでのスピードとは比べ物にならない……。
「なッ……!?」
思わず黒川も驚きの声を上げた。速すぎて見えなかったのだ。
どこに行ったのか見失ってしまい、辺りを見渡していると、
「ほいっとなァ!!!」
突然、いきなり現れる様に黒川の右横から姿を現した。
黒川がすでに見つけた時には時すでに遅く、ガロンのドロップキックをまともに横腹に食らっていた。
「ぐッ……!!」という悲鳴を上げながら、黒川は10m程吹き飛ばされる。
だが瞬時に態勢を立て直し、着地してシャイニングブレイドを構える。
————ここから、ガロンはとてつもない強さを見せた。
黒川が着地したと同時に、ガロンはすでに黒川の真上にいた。
片足を上げ、先ほどキルを一発で倒した、あのかかと落としの構えだ。
それに気づいた黒川は即座にシャイニングブレイドで頭の上で防御の構えを取ったのだが、
瞬間、ガロンは上空から消えた。跡形もなく。
そしてそれに気づいた時には、ガロンは今度は自分の懐にいた……。
そう、フェイントだった。あのかかと落としの構えは、フェイントだった。
黒川のガードを頭上に集中させ、腹部をがら空きにする罠だ。
とはいっても、ガロンはさっきまで上空にいた。
にもかかわらず、その一秒も満たないうちに自分の懐へと移動するそのスピード。
ハッキリ言ってバケモノだ。ここまでのスピードを黒川は知らない……。
「ひゃっはああああ!!!!」
喜びの叫びをあげ、ガロンはおもむろに両手のパンチを黒川の腹部にぶち込んだッ!!
計6発。一発でも気絶レベルだというのに、それを6発もまともに受けてしまった。
「グッ……ガァ……ッ!!!」
それでも、黒川は戦う事を止めない。多大な血反吐を吐こうとも、だ。
シャイニングブレイドをギュッと握り、自分の目の前にいるガロンに向けて、
「オオオオオオオあああああッ!!!!」
力強く振り下ろす。そのスピードは風を切り裂く疾風の如く。
だが、その剣筋さえも、ガロンの手によって止められてしまった……。
ガロンは左手で振り下ろされる直前の黒川の右腕首を掴み、シャイニングブレイドの動きを止めた。
そして右手でまず、黒川の顔面目掛けて右フックをお見舞いする……!!
「ギッ……らああああァッ!!!」
黒川も負けじとシャイニングブレイドを握ってない方の拳でガロンに殴りかかる。
左手をグッと握りしめ、渾身の左フックをガロンの顔面に放つ!!
渾身の左フックはガロンを確かに捉えたものの、殴られてもガロンは笑顔だった。
「拳の重みがたんねえぞぉッ、『覚醒種』ッ!!!」
そう叫んで、ガロンは今度は右アッパーを黒川の顎に振りぬいたッ!!
血反吐が上空を飛び、意識さえ揺らぐ。しかし、それでも黒川は自身の右目をキラリと光らせる。
歯を食いしばり、勢いを付けてガロンの頭に頭突きを放つッ!!
ビキッという骨がぶつかる音と、揺らぐ頭痛が二人を襲う。
「ぐあァッ……こんの野郎ッ……」
初めてガロンが痛苦の言葉を漏らした瞬間だった。
今まで陽気だったガロンが、この時だけはキッと真剣なものになった。
「仕方ねぇ……ちょっと痛めつけてやんよぉッ!!!」
ガロンは黒川の右手首に掴んだ左手に力を入れて、思い切り空中にぶん投げた!!
黒川の身体は空中を踊り、妙な浮遊感が身体を襲う。
その直後、ガロンは超スピードで空中に飛び上がり、黒川と同じ高さの近くまで来た後、
逆さまの状態になり、サマーソルトの様に身体を回転させ、
ガロンは黒川の腹部に向けて、地面に叩きつける様な強烈な蹴りを放ったッ!!!
「ガッ……ハッッッ……!!!!!」
今までとは比にならぬほどのダメージを受け、黒川は文字通り、地面に叩きつけられた。
同時に地面を割り、漏れ出た砂埃が黒川の視界を奪う。
背中に地面との強烈な衝突感、そして腹部に残る強烈な痛み。
本当に身体がピクリとも動かなかった。だがそれに追い打ちをかけるようにして、
黒川の腹部を着地点にして、ガロンは空中から両足で踏みつけた……!!
「〜〜……はッッ……アアァッ!!!!」
悲鳴さえも満足にできない程、身体から空気が絞り出される。
ビキビキとさらに何本か骨がイッた気がする。身体の力が全身から抜け落ちる……。
「……悪くなかったぜぇ。機動力、根性、速度、よかったぜ。
————ただまァ、俺を相手にするにはまだ足んねぇがな。」
ガロンはそれだけを言い残すと、フッと黒川の腹部から両足をどけ、ストンと地面に着地する。
先ほど受けた黒川の頭突き、あれによってガロンの額から一筋の血が流れていた。
それが口元まで来たので、ガロンはそれを嬉しそうになめとった。
「いやー……久々に血を流したかもな。」
ガロンはそう言って、黒川に向けて不敵に笑った。
黒川の右目は、すでに金色の輝きを失っていた。そして力も、抜け落ちて動かない。
視界が閉じる……。意識が遠のく……。目蓋が重い。
ただ純粋に強い。ミスト以上の強さだった。
あの時、ミストと対峙した時も世界が変わって見えた。
動きが鮮明に見えて、はっきりと見える感覚。きっとあれが『覚醒種』の力なんだろう。
だけど、それでもガロンには勝てない。速すぎて、ついて行けない。
何が『覚醒種』か。何が『絶対に守る』だ。俺はこんなにも弱い……。
「……あ……いな…………。」
「黒川君ッ……黒川君ッ……!!」
愛奈の叫びが聞こえてくる。愛する声だ。
だけど、かろうじて俺が声にした愛する人の名も、雑音に交じって聞こえない。
ただ視界にはニヤニヤと笑うガロンの姿だけは見える。もう、おしまいなのかもしれない……。
愛奈には謝罪するしかない。守れなくてごめん、と。
ただ、どうなるにせよ、俺が願う事は一つだ。
せめて愛奈だけは……助かった欲しい。彼女だけは死なないでほしい。
俺を殺せ、とはもう言わない。約束だから。二人で生きると約束したから。
だから、誰か……彼女を助けてくれ。
他人任せなのは重々分かってる。俺が守らなきゃいけないのも分かってる。
だけど、俺にはダメだった。全力を尽くしても、駄目だった。
————だからせめて……彼女だけを守ってくれ……。
その願いを頭に描き、黒川は深い闇へと落ちて行った。
意識を失い、ピクリとも動かなくなった黒川を横目に、ガロンは困ったような表情をした。
「とりま……こいつどうすっかなァ。もう一人呼ぶべきかァ?
俺はルエの世話をしてやんねぇといけねぇし————」
————瞬間、ガロンはとてつもない熱量を感じた……!!
何かこの辺り一辺の温度が上がったかのような。もやっとしたぬるま湯の様な空気に変わった。
空気そのものが燃える様に温かい。だけどどこにも火なんて灯っていない。
そこで、ガロンはハッとした。自分の背後だ。自分の背後から強烈な熱気が伝わってくる。
「……ッ!!」
振り向いて姿を確認して、ガロンは心底驚いた。
目の前にいるのは人間。上半身裸で身体から熱を発して、赤く身体を光らせる少年。
身体から次々と漏れ出る蒸気が空気に交じって消える。少年の身体自体が暖房器具の様だ。
熱と蒸気が身体を包み、逆立った髪がユラユラと揺れる。
少年の体温は一体今、何度あるのかとガロンは疑問に思ったが、今はそんな場合ではない。
————なにせ目の前に立ちふさがる少年は、さっき蹴り飛ばした『霧島勇気』だったからだ。
「……ほぉ。少年も能力者だったのかい。」
「霧島……君……?」
水島が唖然とした表情で、霧島の姿を見つめる。
まるで何が起こっているのかも理解できない様子だ。それはそうだ。
なにせ水島は、霧島が『能力者』だという事を知らなかった。
長い付き合いだが、一度もそんなことを聞いたことがない……。
そう思うと、なぜか水島は意識がフッと飛んだ。
そっと倒れ込み、意識を失った。あまりの驚きによる気絶、といったところか。
今彼女には驚きがいくつも襲ってきていたのだ。それも当然の事かといえた。
「…………。」
ガロンの問いかけに何も答えず、霧島はただ隣に転がる黒川の姿を見ていた。
自分は、なんという男だろうか。なんという情けない男だ。
自分が能力者とばれたくないがゆえに、出し惜しみした結果、友人が瀕死の怪我を負った。
それだけならまだいい。だが、それ以上に許せないのは、自分の心だ。
黒川は水島を守るために全身全霊の力を使って戦った。
にも関わらず、自分はただ見ているだけを選んだ。
昔、誓った事じゃないか。この力を、『誰かを守るために使おう』と。
そんなことを忘れて、俺は力を出して、ばれてしまう事を恐れた。
……違うだろ。そうじゃないだろ。俺が望んだことは、そうじゃない。
今じゃなきゃ、いつ使うんだ。今じゃねぇか。俺が本当の意味で————
「————……ヒートアップ……『レベル1』……!!」
シューという音と共に、熱がうねる様に放出する……。
グッと右手に力を入れ、低く腰を落とす……。
ガロンはニヤリと笑みを浮かべ、そんな霧島の様子を見ていた。
「……やんのか? こいよ。おじさんがどの程度か実力を見て————」
ガロンが一瞬の瞬きをした瞬間、そこに霧島はいなかった……。
いつの間に近づいたのかと疑問に持つほどの一瞬で、霧島はガロンと1m程の距離まで詰めた……。
……速い。ガロンの眼にも追うのが一苦労と取れるほど、超スピードだった……!!
“今じゃなきゃ、いつ使うんだ。今じゃねぇか。俺が本当の意味で————
————何も気にせず、『本気になれる』瞬間じゃねぇか……!!”
「4季、奥義————」
「ちッ、野郎ッ————」
霧島がグッと右手を握り直し、さらに腰を落とす……。
直感的にやばいと判断したのか、ガロンが後ろに飛び退こうとした直前……
「————『青嵐 (あおあらし)』ッ!!」
右手から炎が着火するような音と共に、ボッ、という破裂音が鳴り響く。
その拳が速すぎるせいか、ガロンの眼には一瞬の残像にしか見えなかった。
右足に思い切り力を入れ、地面をカチ割り、ただ一発の渾身の右ストレートを放つッ!!
右拳はガロンの回避を許すことなく、一直線にガロンの腹部を捉えた……。
まるで爆発が起きたかのような衝突音とともに、ガロンの腹部に強烈な痛みが走った。
回避など、不可能だった。なぜなら、その拳はガロンの目に留まらぬほど、『速すぎた』……!!
「ぐわッッ……ハァッッ……————!!」
ギリギリと霧島の拳がガロンの腹部にねじれ込み、そのままガロンの身体は数十メートル吹き飛んだ。
血反吐を吐き、身体はまるでゴムボールの様に吹き飛んでいき、
数十メートル先の建物の壁を突き抜けて、その勢いはやっと止まった。
パンチの威力は、今までの打撃の比ではなかった。圧倒的だった……!!
「……ガロン、つったな。悪いが手を抜けねぇ————。」
霧島はふと、黒川の方に視線を移す。アイツはきっと、『誰かに託した』んだ。
自分では勝てない相手に無謀に突っ込んでまで、守りたいものが奴にはあった。
愛する人を守る強さ。奴にはそれがある。そして、それは俺も同じだ……。
親友を、そして親友の守りたかったモノを守りたいという気持ちだけは、霧島だって負けていない……!!
「————『ダチ』がピンチになってんのに、それを見過ごせる男がいるかッッ!!!!!」
身体を纏う温度が霧島の身体を取り巻き、それがさらに彼の思いを強くする……————。
- Re: もしも俺が・・・・。『第20幕、パート2。』 ( No.186 )
- 日時: 2013/09/04 20:24
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
「パート3。」
————霧島とガロンの交戦が始まると同時に、『奴ら』も到着した。
元特殊部隊のメンバーであった、コーネリアの作った組織、『リバース』。
特殊部隊とは違った観点から世界を救うために作られた少数組織。
奴らもまた、『異世界を渡ることが出来る方法』を持ち合わせていた。
コーネリアの異世界を渡る能力を応用し、誰にでも簡単に異世界に行くことが出来る装置を作った。
それによって、普通は不可能である『もしもの世界に行くこと』を可能にしたのだ……。
そしてこの魔法の世界に来たのは、たったの二人。
少数部隊だという事もあり、人数はこんなものだ。むしろこれでも多いぐらいだ。
なぜなら、相手があの『ガロン』であるなら、これでもむしろ少ないぐらいなのだから。
「————リオ、喧嘩はどこでやってんの?」
青い軽いシャツに青いジーパンを身につけた青年、『榊 和(さかき かず)』は口を開いた。
榊は辺りを見渡して、喧嘩が行われていそうな場所を探す。
そんな榊の後ろから、チョコンと現れた可愛いらしい少女。緑の帽子が良く似合う。
「ここから約100m前方で派手に行われているみたいです。
そして奴らのターゲットでもある『鍵』もそこにいます。ガロンと接触した模様————」
そう言ったのはもう一人のメンバー、『咲花 綾(さくはな りょう)』だ。愛称は『リオ』。
情報を受けた榊は言われたとおりに目を凝らすと、確かに100m先で砂埃が舞っている。
「あ、確かに見えた。マジで派手にやってるぅー!!」
榊は目をキラキラさせてそう言った。本当に喧嘩馬鹿だな、とリオはあきれ返る。
「……榊君、感動してないでさっさと行きますよ。」
「当ったり前じゃねぇか!! リオ、さっさと介入すっぞ!!」
そう言って二人は、早足で戦場に向かう。ここからなら、1分程度で介入できる。
彼らの所属する、リバースの目的はたった一つ。
リバースの理念に基づき、破壊を目論むDDD教団の殲滅である……————!!
「————オオオォラアアアアアアアッッッ!!!!!!!」
————砂埃と、振動が辺りを取り巻き、辺りを響かせる……。
霧島が『能力』を発現させてわずか2分、戦闘はさらに激化していた。
超高速で殴り合いをする、ガロンと霧島。攻防一体、圧巻の殴り合い。
常人では目で追いきれない程のスピードの中、二人はただただ肉弾戦を繰り広げる。
拳と拳がぶつかり、ドゴンッ、という音が何度も鳴り響く。
「はっはァァー!!! やべぇぜ……。楽しすぎるぜぇテメエはあああ!!!!」
ガロンは心底戦闘を楽しんでいた。心からの笑みを漏らしていた。
ここまで自分と肉弾戦を互角にやり合える人材は滅多にいない。ガロンもかなり本気であった。
今までは手を抜いて戦う事の方が多かった。けれど今は……容赦なく『殺れる』ッ!!
「リバースなんていらねえッ!! こいつで十分楽しめんぜぇッ!!!」
「オオオオオオオォアアアアアア!!!!」
咆哮と共に霧島は両手からパンチの嵐をガロンに降らせるッ……!!
ほぼ残像に見えるパンチだが、ガロンはそれを冷静に見極めた。
惜しみなく両手両足を使い、あらゆる方法で防御する。
今まで紙一重で回避するのが当たり前だったが、霧島との勝負ではそれはほぼ無意味。
なぜなら奴は『速い』。それに実力はほぼ互角。紙一重とか言っている場合ではないのだ。
殺されるか、殺すか。今のガロンの状況はそのど真ん中なのだ……!!
「シャラアアアアアッッ!!!」
戦闘に憑りつかれたかのように笑い、そして歓喜の声を上げるガロン。
霧島のパンチの嵐の隙を狙い、一瞬で霧島の後ろに回る。
そして間を入れることなく即座に霧島の顔面に向けて、閃光の上段蹴りを放つが、
霧島はガロンの方を見ることなく、片手を顔面のすぐ横に構え、重い蹴りを防御する。
ここまで速い戦いに、もはや勝つための戦略などない。
相手の姿を見る『時間』さえ命を分ける境界線となるのだ。
だから強いて言うならば、『カンが鋭い方が勝つ』。そんな野生の勝負なのだ。
ライオン同士が生き残るために、お互いを食として求める、そんな野生の勝負なのだ……!!
「……らァッ!!」
霧島は即座に腰を下ろし、背後に回っているガロンの足元を払う様に足払いを放つッ!!
しかしガロンは瞬時に移動し、しゃがんだ霧島の頭上へと移動する。
そして渾身のかかと落としを放つが、それは空を切った。
霧島も超スピードでガロンの真横に移動し、グルングルンと横回転する。
遠心力を利用し、身体を勢いに任せて、ガロンの腹部に向けて水平蹴りを放つッ!!
「ぐッ……オオオッ……!!」
ドシンと圧し掛かる腹部の痛みに思わず痛苦の言葉を漏らした。
そのまま霧島の蹴りによって、遥か彼方まで身体は吹き飛ばされた……。が、
「ラアアアアアアッッ!!!!」
追い打ちといわんばかりに、霧島は瞬時に吹き飛んだガロンを追いかける。
熱を帯びた身体から漏れ出る蒸気が残像を生み出す程、霧島のスピードは速い。
赤い閃光となって瞬時にガロンとの距離を詰めた後、
力一杯握りしめた拳で、ガロンの顔面と地面がめり込むほどのパンチを振り下ろしたッ!!
「ゴハァッッ……!!!!」
ガロンは頭を地面に叩きつけられ、一瞬意識がグラリと揺らぐ。
が、この程度で意識が飛ぶほどガロンの身体は柔ではない。そこで瞬時に、
「…………!?」
ガロンは霧島の振り下ろした右手をすり抜け、霧島の首を両手でがっしり掴んで、ギュッと締める。
「……ッ!! グッ……はッ……」
首を絞められて、息がしづらい。それを逃れようと、霧島は両手でガロンの両手を解こうとする。
が、なんていう力なのだろうか。一向に緩まる気配はなく、むしろ強くなっていく。
ハッキリ言って、こんな化物じみた握力を持つ者がこの地球上に存在するのかと疑いたい。
「……このまま死ぬかァ? 足掻いて見せろよ、しょうね————」
霧島はついに、強硬手段に出ることにした。
握る右手が緩まらないなら、目の前のガロン本体を叩く……!!
霧島はありったけの力を込めて、右手の拳でガロンの腹部を叩くッ!!
何度も何度も、両手で腹部を、顔面を殴るッ!!
「ゴハァッッ!!! そ……そうだ……グッ……!! もっと足掻いてみろよぉおお……!!」
意識がどんどん遠のいていく中、霧島は何度も拳を振るった。
何十回と殴った。しかし奴は離さない。離れない。握る両手が自分の酸素を奪っていく。
ダメだ……。間に合わない……。このままでは……死ぬ。
ついに霧島の拳に力が入らなくなってきた。握る事もままならない……。
「楽しかったぜぇ……テメエの勝負はよぉ……。————じゃあ死んでくれやァァッ!!!!!」
ギリギリと首を絞める力がさらに強まる。もう抗う事も叶わない。
自分の負けを悟った。勝てなかった。強かった。
“すまねぇ……黒川……。ダチとして俺は約束を守れな……————”
意識がついに遠のき、酸素が全てを失おうとした瞬間————
「————『全植物操 (ツリーマインド)』……!!」
目の前が真っ白になろうとした瞬間、霧島の眼に映った木々。
ツルがスルスルと目の前のガロンを包み、絡まるようにしてガロンを締める。
自分の首を握る両手にも絡まって、ギュッと締めた瞬間、霧島はほんの少しだけ酸素を得た。
なぜならガロンの掴む両手がほんの少し緩まって、呼吸が出来たからだ。
霧島はこの隙に自分の首から強引にガロンの両手を外して、即座に飛び退いた。
ゴホゴホッ、と息を吐きつつ、酸素をこれでもかという程吸った。
意識が徐々に回復し、脳が正常に稼働していく。そして景色に色が戻る。そして、
目の前で植物に絡め取られるガロンを目の前にして、霧島は唖然とした。
まるで植物が生きているかのように動き、ガロンを確かに締め付けている。
自然現象……ではない。これはれっきとした、『能力』だ。
「————霧島勇気君、でしたか。もう一人の反応の正体は。」
ふと自分の背後から声を掛けられたので、そっと振り返ってみる。
そこにいたのは小さな少女。だけどその周りには、くねくねと動く植物がうごめいている。
「……リ……リバース……!? マジかよ……噂は本当に————」
霧島は心底驚いた表情をしていた。兜はしていないものの、マントは確かに正装の白のマント。
そしてそのマントには、丸の中に星形が赤く書かれた紋章が大きく描かれている。
「……お互いに詮索、余計な情報を控えておきましょう、霧島勇気君。
————貴方と僕、お互いに好ましい対面ではないはずです。」
「……ッ!!」
残念ながら、その通りだった。この対面は決して望ましいモノではない。
それには深い理由があるのだが……それは俺にとっては口にしたくないものだ。
「ご心配なく。ここに来たのは無論、ガロンの殲滅だけです。それ以外は何もしませんので。」
「……助かる。」
霧島は純粋に礼を言って、ふらふらと立ち上がる。さすがにもう、能力も切れた。
そして周りを見渡す。黒川、水島、キル、ルエ。皆、気絶していた。
どうやら自分の戦闘を見た者はいないと見てもいい。それは好機だったと言えるか。
「後はお任せを。貴方達はすぐにこの場を離れて————」
「悪いがァ……準備が済んじまった。」
リオの言葉を遮って、ガロンはニヤリと笑みを浮かべて言った。
自分に絡みついたツルを力づくで瞬時に外して、コキコキと首を鳴らして立ち上がった。
「……化物ですね、相変わらず。それで? 準備とはなんでしょう?」
「んあ? はっはっは。ちょっとした余興さ。そう————」
ガロンはスッと視線を別の場所に移した。その場所は……
「————ルエの『聖なる力』による暴走だ。」
ガロンの視線に合わせて、リオと榊、霧島が視線をそちらに向ける。
そこにはバリバリッ、と雷に似た音を立てて、ほんの少し宙に舞うルエの姿。
閉じていた目が大きく見開き、真紅の両目が彼女の瞳に宿る。
身体がうっすらと光って見える。まるで光を身にまとっている様だ。
そしてゆっくりと身体を起こし、地面に両足を付ける。真紅のうつろな目でこちらを見ている。
「ル……エ……? おいおい、なんだよありゃあ……!!」
バリバリと音を鳴らし、光を纏ったルエが一歩ずつこっちに近づいてくる。
霧島はもちろん、榊もリオも驚きを隠せなかった。
そんな三人とは違い、高らかに笑いだすガロン。そして空を仰ぐ様にして呟いた。
「そうさ、ついに完成間近まできちまったのさァ。最悪の殺人兵器がよォ……。
長かった。長かったぜエ、ルエ。ようやく完成ここまで来たかァ……。
————完成前に見せてやれよ。お前のその『力』をよぉォ!!」
ガロンの期待に応えるかのごとく、ルエは辺りを震わす程の咆哮した……————!!
————————第20幕 完————————
- Re: もしも俺が・・・・。『霧島覚醒。』 ( No.187 )
- 日時: 2013/09/04 21:45
- 名前: エストレア ◆p0imGsDc06 (ID: 6U1pqX0Z)
やめろルエ! 暴走してしまったら、アンタホンマに死ぬぞ!!
だれか、誰かルエを止めてくれ!! と、叫びたくなったエストです!
り、リアルで心臓バクバクしてます…。何この展開!?(オチツケ
リバース現れる、霧島君とガロンの拳の混じり合い、そして、最後のルエの能力…。目も変わってるし…(普段は赤と黒目のオッドアイだから)
いろんな展開起こり過ぎて混乱してますが、これだけは言える。
次はいったいどうなんの!?(ぇ
とりあえず、続きを今か今かと待ってます!
体調管理も忘れずに、執筆頑張ってください!
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