複雑・ファジー小説

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もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
日時: 2014/01/03 18:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)

   作者の今叫びたい一言  『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)


   序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114

   土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
   ↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123

   オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140



 【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】

・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145


 【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】

・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』









   クリックどうもありがとうございます。


  おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

  どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。

  私の名前はヒトデナシと申します。



 “自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


  1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

  2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

  3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




 “では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。

  2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。

  3、基本、自由である。



  ————と言った感じでございます。



  では早速書いていきたいと思います。

  楽しんでいただけると幸いです。



  ・登場人物・・・主要人物 >>119
          黒川陣営 >>120
          リバース陣営 >>121
          DDD教団陣営 >>122


  ・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62

  ・用語説明・・・>>63




   コメントを下さった優しい読者様


 ・月葵様 
 ・八重様
 ・秘密箱様
 ・エストレア様
 ・小枝様
 ・るるこ様
 ・春野花様
 ・陽様
 ・修道士。様
 ・檜原武甲様
 ・李々様
 ・ちぇりお様
 ・95様
 ・グレイ様
 ・H様
 ・007様



    ———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————


【序章、日常編】 

  表紙→>>12 (八重様)
  挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
      第6幕 >>89 (るるこ様)
      第15幕 >>125 (るるこ様)


   第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
   第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
   第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
   第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
   第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
   第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
   第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
   第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
   第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
   第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
   第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
   第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
   第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
   第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
   第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113

   あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114


【第2章、闇人(やみびと)と天使編】

  プロローグ >>124


   第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132

   第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160

   第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165

   第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176

   第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186

   第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194

   第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204

   第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210

   第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216

   第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217




    ------------ サブストーリー -------------


  『交差する二人』・・・>>29 >>30 
  (300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)

  『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
  (600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
  (1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)

  『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
  (1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)

  『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
  (1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)

  『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
  (1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
  (2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
  注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
  お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)

  『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
  (トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
  よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw 
  黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
  なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
  ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)

  『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
  (2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
  劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)




------------名誉、歴史--------------


・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)

・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)

Re: もしも俺が・・・・。『ジョジョ編突入。』 ( No.98 )
日時: 2013/03/01 12:23
名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: 4qS6O2ST)

お久しぶりです! 月葵です!!

ここ最近は再試という名のものが立ちはだかっておりまして、なかなかコメできませんでした……トホホ。

とは言いつつも毎回わくわくしながら読ませていただいてますよ!!
特に水島ちゃんと黒川君とのバレンタインのお話はっ!!
にやにやしながら読んじゃましt(殴

コホン、はい、落ち着きますすみません。

今度はジョジョ編ですかー! マンガ読んだことないですけど、ヒトデさんの文章が分かりやすくてよく分かります!

更新、頑張ってください! いつも応援してますから!!
ではでは!!

Re: もしも俺が・・・・。『ジョジョ編突入。』 ( No.99 )
日時: 2013/03/01 16:58
名前: ちぇりお (ID: Su8t9C5g)

はじめまして、ちぇりおです!

ジョジョですか!読んだことがあるので、ヒトデさんの手でどの様に面白くなっていくのか今からワクワクします!

水島可愛いよ水島(殴

更新はあまり無理をなさらずに、お体にお気をつけて。

Re: もしも俺が・・・・。『ジョジョ編突入。』 ( No.100 )
日時: 2013/03/01 19:38
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode


おおおぉぉ!!! 凄いコメントが来ていてビックリしましたw
ではでは、一つ一つに感謝しながら返していきましょう。


  “李々様”へ

秋桜様!? もちろん覚えていますとも!! お久しぶりでございます。
むしろ私の事を覚えてくださっていて光栄ですw またお会いできて本当に嬉しいです!!

ありますありますw 一つ見だすと最後まで見ないと満足しないんですよねw
そして何日も経ってから気付く。「あれ、私何してんだろ?」みたいな、ねww
それはさておき、とりあえずお帰りなさいw 充実した時間を過ごせたようで何よりですw

それは本当に変なテンションですねwww ですが来てくださって嬉しいですよw
孔明「今です。」ですね、分かります。www

はい、本当に長らくお待たせしましたw ついに出演させましたw
もう少し後でもいいかなと思ったのですが、「いや、もう我慢できない。出す!!」
……という衝動に駆られ、出陣ですwww ←孔明「今です。」二回目

ええ!? 私は神なんて呼ばれる大層な人ではありませんよw 底辺の作者ですからw
なるほど、スマホからでしたか!! 確かにめんどうですよねw
それはむしろ暴れすぎです!! 落ち着いて、これは孔明の罠です!!ww

コメントありがとうございました!!
これからも全力でストーk……ゲフンゲフン。応援の方よろしくお願いします!!



  “月葵様”へ

お久しぶりです!! お待ちしておりましたよ!!
再試ですか……。それはまた面倒な……。ですが来てくださって本当に感謝ですw

読んでいただきありがとうございます!!
いやー、光栄ですw ニヤニヤいただきましたよww
私はあまり甘い感じなのを書かないのでどうしたもんかと試行錯誤して書き上げたところ、
「あらー……なんか砂糖の様に甘くなったけど大丈夫か?」が、第一声でしたwww

ジョジョ編です!! 読んでない方にも分かるように分かりやすく書きたいと思いますのでw
それに今回もジョジョ成分低いような気が……w 結局オリジナルって感じになりそうですw だからマンガを知らなくても大丈夫かとw

ありがとうございます!! 執筆の方全力で頑張ります!!


  “ちぇりお様”へ

初めまして!! 私の名前はヒトデナシと申します。以後お見知りおきをw

おお!! 読んだことがおありですか!! それは嬉しいご報告ですw
私もジョジョ編をどのように書いていこうかなと現在も試行錯誤していますw
ですが面白くなりますよう努力は惜しみませんので、ぜひともご愛読よろしくお願いしますw

水島は私の嫁ですよ。私の……おや、誰か来たようだ。(その後、作者の行方を知る者は誰もいなかった……。)

ありがとうございます!! 執筆の方頑張らせていただきます!!

Re: もしも俺が・・・・。『ジョジョ編突入。』 ( No.101 )
日時: 2013/03/01 23:17
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode


     ————第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』————



         「パート1。」




  業火が広がる視界の中、黒川はただひたすら音のする方へと走り出していた。

  途中に何人も倒れている人を見かけたが、今は構う余裕はなかった。
  今この状況を引き起こす原因を取り除かねば、世界は救われないし、救えない。
  そんな自分が情けない。という考えは振り切り、ただひたすらに前進することを決意した。


  ————そしてついに、その打撃音の聞こえる場所までやってきた。


  目の前で確かに、拳を振るって戦う者が見える。ここから100m先だ。
  遠目でも確認できた。そして同時に最悪の推測が当たってしまったと黒川は後悔した。


  自分の視線の先で戦う二人は、確かに『スタンド』使いの人間だ……。

  お互いのスタンドが主人の背後から守護霊の様に現れ、実体化している。

  片方のスタンドは全身青を基調とした筋肉質の人型のスタンド。
  逆立った黒の髪の毛に厳つい顔をしたそのスタンドは、
  見た目通り、肉弾戦を得意と言わんばかりの体格だった。

  対してもう片方のスタンドも、同じく筋肉質の接近戦を得意にしそうなスタンドだった。
  こちらは全身血の様な赤色を基調としており、白く塗りつぶされた目はどこを見ているのか読めない。


  前者のスタンドは、黒川も良く知るスタンドだった。そして操る人も、知っている。



  ————その正体は、『空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)』。

  身長は軽く190cmを超える長身で、白い帽子とコートが特徴的で良く似合う。
  彼の恐ろしい面相とは裏腹に、非常に冷静でかなりの頭脳派。抜け目がない男。

  そして彼の操るスタンド、『スタープラチナ』は全スタンド中でも最強だと言われている。
  桁外れのパワー、針に糸を容易に通す精密性、弾丸さえも軽く弾き飛ばす程のスピードと動体視力。
  あげればキリがないほどの長所をもつ、チートと言われても可笑しくない程のスタンドだ。



  ————そしてもう片方のスタンド使いだが、こちらは全く持って見たことがなかった。

  操る人間は、短い金髪で、赤い瞳をしていた。顔つきはイケメンで、背中にギターを背負っている。
  見た感じ、外国人かなと思った。そんな容姿をしていたからだ。

  そして操る赤を基調としたスタンド、こちらも完璧に未知数だった。
  黒川の知らない新手のスタンド使いと見ていいだろう。


  そんな事を考えている最中、ふと黒川の右上の建物から声がした————。





   「————おやおや、これは予想外のお客様です。」



  瞬間、反射的に黒川は声がした方を見上げた。そこには『誰か』が凛として某立ちしていた

  姿は全身黒ローブに身を包み、頭と顔はフードで隠していて見えない。かなり小柄である。

  その瞳は黒川を見ておらず、遠くの戦っている二人に向けている。
  一瞬自分に話しかけているのかと戸惑ったが、すぐその答えは得た。



   「貴公が黒川君、だな。噂は常々聞いています。」

   「……その噂はどこから来ているのか教えて頂きたいもんだな。」



  意味深な言葉を残す黒ローブに、身構える黒川。
  存在感だけで分かる。少なくとも、味方ではない。敵だ、と。



   「それは秘密です。しかし、どうです?」


  何が?と聞きたくなるほど抽象的な質問に黒川は理解できなかった。
  目の前の奴は何をどう質問してきているのか全く謎であった。

  するとそれを読み取ったのか、「ああ、失礼。」と謝罪して言葉を紡いだ。



   「説明が足りないですな。ほら、あそこで戦う二人を見て下さい。」



  見なくても誰を指しているかが分かった。スタンド使いの二人の事だ。

  彼らはこうして自分達が雑談をしている今も、咆哮と共に両拳の連打で戦っているのだ。
  その状況はすさまじく、まるで二人を中心に竜巻が起こっているかのようだ。
  人間の目では追いきれず、拳が全て幾つもあるかのように見えるぐらいだ。それほど攻撃の速度が速い。

  とてもじゃないが、自分が割って入れるような状況ではない。というのは理解できる。



   「彼、空条承太郎は素晴らしい。私の『自信作』と対等に渡り合えているのだから。」

   「……ッ!!」



  こいつは……と黒川は歯軋りした。こいつが元凶だった!!


  どうやらこいつは今もなお承太郎と戦っている、あの男とグルだった。
  否、グルとは少し違う。言動から見て、『奴隷』。もしくは『実験体』。

  確かに戦っている謎多き男は、何かに操られているようにも見える。
  自我を保てていない様だった。獣のように咆哮する彼は狂っていた。

  そしてこの黒ローブ、何かしらの科学者だろうかと推測した。そして、吐き気もした。
  自分も目指している科学者。その名が汚された様な気がしたからだ。
  自分と同じ匂いがするが、目指すものは全くの別物。許せないと心臓がざわつく。



   「……お前は何者だ?」



  黒川の絞り出すように出した声は、低く威圧を感じさせるものだった。一種の威嚇と思ってもいい。



   「それも秘密です。聞きだしたければ、力づくで聞いてはいかが?」

   「……それでいいなら————そうさせて貰うぞッ!!」



  黒川はエアブーツを起動させる。風が放出されるとともに、ほんの少し黒川の身体が浮く。
  そうしてもなお、黒ローブはこちらを見ようとしない。まるで興味が無いようだ。



   「申し訳ない。貴公の相手は私じゃない。貴公の相手は————」



  そこまで言うと、黒ローブの男の隣に、一つの異次元のゆがみが出現した……。

  それは確かに見たことがあった。アンドロイドの世界で見た、漆黒のゆがみだ。


  そしてそこから漆黒のベールを纏う様に出てきたのは、忘れはしない。『奴』だ……!!








   「————あひゃひゃ、数日ぶりぃー。ご機嫌いかがぁ? 私の王子様♪」





  黒川にとって倒すべき敵、『ミスト・ランジェ』が微笑んでこちらにウインクした————。


Re: もしも俺が・・・・。『因縁の敵、出現。』 ( No.102 )
日時: 2013/03/02 19:16
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



        「パート2。」



  あの時の屈辱、怒りを忘れたりはしない。

  私の目の前で、確かにゼロは死んだ。彼女の手によって。
  それをあざ笑い、侮辱した奴の事など忘れるはずもない。

  そして願っていた。いつかまた会う時が来たならば……、


  今度こそ、この手で殺す、と————。





   「————ミスト……ランジェッ……!!!」



  ギリギリと歯を食いしばる音が、自分でも驚くほどよく聞こえた。

  あの日から、ずっと待ち望んでいた。またこうして会える……この時を。
  黒川は何も言わず、片手にバトンを握り絞める。そして、それは閃光の如く輝く光の剣になった……!!



   「あひゃひゃ、こわーい。殺気は変わってない様で嬉しいよぉ。」

   「……貴様の様な腐った女の存在など、忘れたくても忘れるものか。」



  すでに黒川はあの時の黒川に戻っていた。本気の殺気を発していた、あの時に。
  無論、すでに斬り殺す覚悟も出来ている。もう、それほど黒川の思考は凶器に満ちていた。

  殺気に満ちた黒川と対照的に、あまりにも陽気で楽観的なミスト。



   「……ミスト。私は手出しはしない。彼の戦闘を少しでも見ていたい。」

   「いいよぉ!! こっちは適当に殺し合いしとくから。————ところで、実際どうなのぉ?」



  ミストがチラッと横目で遠くで戦う二人の姿を見る。相変わらず壮絶で、人知を超えていた。
  黒ローブは一瞬考える様に言葉を詰まらせると、呟くように言葉を発した。



   「……5分5分、だな。私の計算では、『セイン』の勝率は4割程度。」

   「あれぇ、信じてないねぇ。一応今で約15分ほど戦ってるんでしょぉ?」



  黒川はその会話を殺気を殺さず、聞き耳を立てて聞いていた。

  奴らの会話によると、今承太郎と戦う青年は『セイン』と言うらしい。
  そして15分もの間、あの最強と評される承太郎相手に粘っているのだ。
  いかんせん信じがたい話だが、だとしたら相当の強敵だと黒川は悟った。
  あれ程の強さを持つ承太郎とほぼ互角の戦いをするというのだから、正直化物だ。



   「だからこそ、です。長期戦になればなるほど、セインの集中力は切れ、やられれば洗脳が解ける。
    まぁ今まで普通の人間だった彼がここまで戦えるのだから、私の実験は成功と見ていいでしょう。」



  黒ローブはとんでもないことを口走った。やはり洗脳していたのか、と黒川は驚愕した。

  そして元々は普通の人間だということにも驚いた。つまりこの黒ローブは、
  自らの手で、『セイン』という男をスタンド使いに仕立て上げたのだ……。
  正直人のやる事を超えている。奴も人間を超越した存在、とかいうやつなのだろうか。

  そしてもう一つ、有力な情報は、倒せば洗脳が解けるという点だ。
  それはつまり、承太郎が勝てば元に戻り、ひとまず事件は落ち着く。
  もしも原因がこいつ等だとするなら、一番やばいのは間違いなくあの『セイン』だ。
  それを押さえることが出来れば、こちらの勝機が傾く……はず。
  そして協力してこいつらを叩くことも可能なはず。ひとまず承太郎次第、だろうか。

  いや、ここで自分も負ければそれはそれでバッドエンドだ。それは必ず阻止する。
  目の前にこいつらは、許してはいけない。許し難い存在だ。そんな奴らは————




   「————俺が殺すッ!!!」



  黒川は雑談を交わす二人を無視し、一気にエアブーツの風力で跳躍した……!!

  そんな様子に驚くことなく、二人はいったん会話を止めて、ミストがニヤリと笑みを浮かべた。



   「じゃあぁはじめよっかぁッ!!!」



  ミストもグッと拳に力を入れ、空中に飛び立つ黒川を悪魔の笑みで見つめる。
  黒ローブは相変わらず二人の戦闘に夢中だった。だがそんなことは関係ない。二人とも倒せばいい。

  黒川は空中に乗り出すと、ある一定の高度まで行くと急停止し、右手に『何か』をスッポリとはめた。
  それは以前にも紹介した、黒川の発明品の一つ、『空気破壊(エアクラッシャー)』だ。
  蒼色の鉄製をした、通称バズーカ砲。威力はトラック一台を粉々にするレベル。


  たとえ化物と言えど、無事では済まない————。





   「————消し飛べ、『空気破壊 (エアクラッシャー)』ッ!!」



  咆哮し、中にある引き金を力強く引くと、黒川の身体は一瞬吹き飛ぶようにのけぞった。
  その分、前には想像を絶するほどの空気が放出され、それは一つの塊となった。
  そして着弾すると同時に辺りに四散し、爆発するような破裂音と共に辺りを吹き飛ばしたッ……!!


  あまりの威力に煙が巻き起こり、黒の煙が視界を奪う。

  黒川の目で見た感じでは、回避できていないはず。否、そんな時間はなかった。
  発砲してから約1秒も満たない間に辺りは爆風と強力な空風に包まれたのだ。回避は難しい。
  その予想通り、爆風で起こった煙が徐々に晴れていくと共に、二人の姿が視界に入った。
  ミストの身体の服は所々破け、血を流している。まともに食らって無傷という事はなかったようだ。


  ————が、黒ローブはそんな悪夢のような展開を容赦なく見せつけてきたのだ。

  黒ローブが破れるのはおろか、本当に傷一つついてない。回避した様子もない。
  たださっきと同じく二人を見つめていた。何もなかったかのように……。

  それは黒川を驚愕させるのに十分だった。あの黒ローブは、何者だというのか。



   「あひゃひゃ、痛ったいなぁ。でもでもぉー、これはこれで快感かも♪
    それにしても君は相変わらず凄いねぇー。無敵じゃーん?」

   「余計な事を喋らないでください。」



  傷を受けてもなお陽気なミストを、冷静に鎮めるように言う黒ローブ。
  二人の状況はあまりにも違っていた。そしておぞましかった。底が知れない。

  黒ローブもそうだが、ミストだって十分な化物だ。
  人間なら粉々になる威力をまともに受けて、血を流す程度で済んでいる。
  とてもにわかに信じられない。はっきりいって異常だ。本当に人間を超越した存在なのだろう。



   「さあて、黒川くうーん!! あたし達もそろそろ本気ではじめよっか。

   ————純粋な殺し合いをさぁ!!! あひゃひゃひゃ!!」



  ミストの表情が一変した。殺気が込められる。だけど楽しんでいる無邪気な子供の様なあどけなさ。
  戦闘を心の底から楽しみに待っていた、獣の様な威圧感を発していた……!!


  だがそれは、黒川だって同じだ。

  戦闘が楽しいというわけではない。ただ、奴を殺したい。その殺気だけは、目の前のミストと一緒だ。
  黒川は『空気破壊(エアクラッシャー)』を素早くしまう。
  そして代わりにシャイニングブレイドを強く握る……。


  これが効かないなら……直接焼き斬って殺すだけだッ!!





   「おおぉぉぉぉおおおッッ!!!!!」

   「ああぁぁぁああああッッ!!!!!」





  二人は同時に咆哮し、相手に殺気を向けて突撃する————。



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