複雑・ファジー小説

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もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
日時: 2014/01/03 18:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)

   作者の今叫びたい一言  『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)


   序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114

   土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
   ↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123

   オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140



 【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】

・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145


 【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】

・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』









   クリックどうもありがとうございます。


  おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

  どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。

  私の名前はヒトデナシと申します。



 “自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


  1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

  2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

  3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




 “では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。

  2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。

  3、基本、自由である。



  ————と言った感じでございます。



  では早速書いていきたいと思います。

  楽しんでいただけると幸いです。



  ・登場人物・・・主要人物 >>119
          黒川陣営 >>120
          リバース陣営 >>121
          DDD教団陣営 >>122


  ・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62

  ・用語説明・・・>>63




   コメントを下さった優しい読者様


 ・月葵様 
 ・八重様
 ・秘密箱様
 ・エストレア様
 ・小枝様
 ・るるこ様
 ・春野花様
 ・陽様
 ・修道士。様
 ・檜原武甲様
 ・李々様
 ・ちぇりお様
 ・95様
 ・グレイ様
 ・H様
 ・007様



    ———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————


【序章、日常編】 

  表紙→>>12 (八重様)
  挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
      第6幕 >>89 (るるこ様)
      第15幕 >>125 (るるこ様)


   第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
   第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
   第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
   第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
   第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
   第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
   第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
   第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
   第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
   第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
   第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
   第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
   第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
   第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
   第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113

   あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114


【第2章、闇人(やみびと)と天使編】

  プロローグ >>124


   第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132

   第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160

   第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165

   第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176

   第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186

   第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194

   第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204

   第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210

   第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216

   第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217




    ------------ サブストーリー -------------


  『交差する二人』・・・>>29 >>30 
  (300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)

  『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
  (600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
  (1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)

  『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
  (1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)

  『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
  (1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)

  『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
  (1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
  (2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
  注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
  お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)

  『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
  (トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
  よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw 
  黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
  なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
  ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)

  『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
  (2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
  劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)




------------名誉、歴史--------------


・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)

・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)

Re: もしも俺が・・・・。『休日の訪問者。』 ( No.93 )
日時: 2013/02/27 19:44
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



       「パート2。」




   「————それで、一体全体何の用だ?」



  ひとまずテーブルを囲むようにして座った後、黒川が単刀直入に尋ねる。
  ちなみに水島は、初めてきた黒川の部屋を拝見するように観察していた。
  ただ単に遊びに来た、訳ではなさそうだ。そんなことで花狩先生が来ると思えない。

  そう思っていると、花狩先生は一度頷き、フッと息を吐いて言った。


   「頼みがあるのよ。黒川君にしかできない、重要な頼みだ。」


  花狩先生の言葉が何やら真剣そうだったので、黒川は一瞬何事かと首を傾げた。





   「黒川君、『ジョジョの奇妙な冒険』という作品を知っているか?」



  花狩先生が口に出した言葉は、あまりにも話の全貌が見えない内容だった。


  ————『ジョジョの奇妙な冒険』。もちろん知っている。大人気の漫画の一つ。

  今も続く伝統的な作品で、黒川も読んだことがある。非常に面白い作品だ。

  最初は人間と吸血鬼との戦いを描いていたと思いきや、そこからさらに物語は面白みを増し、
  人間の守護霊的な存在である、『スタンド』と呼ばれるモノ同士との戦いは、熱く読みごたえがあった。

  ちなみにスタンドというのは人それぞれに違う種類で存在し、いわばもう一人の自分。
  自らの身体に宿る魂そのもので、スタンドと自分は一心同体。死も共有する。
  そしてそのスタンドにはそれぞれ特殊な超能力を持っており、その辺はこの世界とも似ている。

  一言で言うなら、能力系バトル漫画。バトルが主体の漫画だと言える……。



   「……それは知っているが、それがどうしたというのだ?」


  黒川は確かに『ジョジョの奇妙な冒険』という作品を知っている。が、それの何が関係あるというのか。


   「そこに俺を、連れて行って欲しいんだ。」


  花狩先生は確かにそう言った。連れて行って欲しい、と。
  それはもちろん可能だ。今からでも行くことは可能だ。だが、それは一体何のために?



   「行きたい理由は単純に行ってみたい、という好奇心と思っていいのか?」

   「そう言えればどれだけよかっただろうな。残念だが50点だ。」



  花狩先生の意味深な言葉に黒川は首を傾げずにはいられなかった。
  いつも陽気な花狩先生が珍しく真剣だ。これは他に何かあったというべきなのだろう。




   「昨日の夜だ。紫苑ちゃんから本当に奇妙な話を聞いてな。」

   「紫苑から?」


  黒川の良く知る人物から聞いた話と知った黒川は一瞬驚いたが、すぐに表情を戻した。



   「紫苑ちゃん、どうやら昨日タロット占いをしていたらしくてな。
    ほんで占いの結果がこれまた奇妙みたいでな。電話で伝えられた内容を直接言うぞ。

   『なんとかの冒険、とか言うタイトルの漫画に危機が迫ってるみたい。
   よく分からないけど、スタンド? っていうなんか置物みたいな名前が存在する作品みたい。』

   ……だってさ。どう思うよ? ここまではピッタリだと思わないか?」



  花狩先生の話を聞いて、なんとなく納得できる部分もあった。

  それにしても、紫苑は凄いな。そんなことまで占いで分かってしまうものなのかと感心した。
  もはやプロとかレベルじゃない。一種の予知能力じゃないかと思ってしまう。

  そしてさらに、と言わんばかりに花狩先生は話を続ける。



   「『ボクは明日違う用事があるから、黒川クンに調査の依頼しといてー。』
    ……だってよ。愛されてるねぇ。モテモテじゃないか。」

   「私は正義の味方が職業じゃないぞ。後、冗談はやめてくれ。」



  水島を横目でチラリと見て言う。幸い水島がこちらに気づいていない様で助かった。
  そんな様子をニヤニヤと花狩先生は見ていたが、黒川はゴホンと咳払い一つして、話を戻す。



   「そもそも何なのだ? 危機というのは。単純に作者のネタ切れの危険とかそういうことか?」

   「それはさすがにギャグでしょ。紫苑ちゃん曰く、本当に世界に繋がるかもしれない危険らしいよ。」

   「……はっきりしないな。やれやれ。」


  と、苦笑して見せた黒川だったが、なぜかサラッと流す気にはなれなかった。

  なぜかは知らないが、アンドロイドの世界で戦った『ミスト・ランジェ』を思い出した。
  結局奴の目的も分からず、どこに行ったのかも謎だ。
  それにあのゆがみ、まるでどこか別世界に繋がっているように感じた。黒川の扉と同じように。
  もしかしたら、奴に関係しているのかもしれない。可能性は低いが。

  それに、幾ら自分は正義の味方ではないと言えど、友人が仮にも自分に頼んだ依頼事だ。
  紫苑にも思い当たるものがあるのかもしれない。だとしたら、



   「行くしかない、か。真相を確かめるためにも。」

   「それに楽しそうだしねぇ。ま、ちょっとした散歩気分で行こうや。」



  花狩先生は陽気に笑って黒川の肩をバンバンと叩く。若干震えるような痛みが身体に広がった。

  とはいっても、はたしてそんな散歩気分で行けるのだろうか。
  もし仮に向こうの世界に危機とやらがなかったとしても、向こうはバリバリのバトル漫画だ。
  戦闘に巻き込まれればタダでは済まない。それにスタンドの強さは人間を遥かに超越している。

  たとえ戦ったとしても、勝てる可能性は0%に近い。それなりに気を引き締めなければ……。



   「よし、では先生。さっそく行こう。外に出るぞ。」

   「よっしゃ、水島ちゃん。話はまとまった。行くぞーい。」



  部屋を満喫していた水島は、「はーい。」という可愛らしい返事を返した。

  若干もしかして、と思った黒川は、花狩先生に小声で話しかけた。




   「(……おい、まさか水島も連れて行く気か?)」

   「(当たり前じゃない。あ、大丈夫。事情、漫画の話、全て教えておいたから。)」

   「(そうじゃなくて……。……てか、なんで余計な漫画の話まで吹き込んでるんだ……。)」



  黒川は違う違うといって苦笑して首を振る。黒川が言いたいのは、危険だという事だ。
  そんな危険に彼女を巻き込むわけにはいかない、そう口にしようとした時、



   「……分かってるよ。俺だって、危険だってちゃんと伝えたさ。もちろん、死の危険もあるってな。

    けど彼女は引き下がらなかったよ。話を聞いた以上、黙って見ているわけにはいかないってさ。
    自分にも何か出来ることがあるかもしれないから行く、てな。それに————」



  そこまで言って花狩先生はニヤリと笑みを浮かべた。まるで黒川を羨ましいと訴えているかの様な。




   「————黒川君が戦っているのに、自分だけノコノコ帰れない、てさ。罪な男だねぇ黒川君?」

   「んなッ……!?」



  それを聞いて紅潮した黒川に、花狩先生は腹を抱えて笑う。
  しまった、不覚だった、と黒川は思った。いつもの冷静な自分が、こうも簡単に弄ばれてる。
  未だ笑っている花狩先生を横目に、やれやれとため息をつき、そして水島を見る。

  彼女も、死ぬ覚悟が出来ているというのだろうか?
  私でさえ怖いというのに。彼女は怖くないのだろうか?

  向こうは少なくともドラえもんの世界と比べて危険だ。それは確実だ。

  彼女の決意が嬉しいと思う半分、怖いと思うのが半分だ。
  もしも目の前で水島が死んでしまうものなら、私は自我を保てない。そして二度と立ち直れない。
  それだけは、避けなければならない。なんとしても。


  自分の命に代えても、彼女の命だけは救わなければならない……。




   「……分かった。行こう、先生、水島。気を引き締めてな。」



  強い決意を胸に、黒川はまずはパジャマを着替えることから始めようとした……が、
  水島がキョトンとした表情で見つめているのを見て、黒川は慌てて叫んだ。



   「と……とにかく!! 外に出てくれ。着替えるから。」

   「うん、分かった。外で待ってるね。黒川君。」


  クスッと笑って外に出ようとする水島に、いやいや、と花狩先生は笑って言い、



   「いいんじゃないか。将来の『あれ』なんだから裸くらい見せても————」

   「出てくれ、先生!!」



  黒川の蹴りが花狩先生のケツに直撃した。「いてッ!!」という軽い悲鳴をあげた。

  そして花狩先生を半ば強引に外に追いやって玄関を閉めた後、黒川は大きなため息をついた————。



Re: もしも俺が・・・・。『ある物語の危機。』 ( No.94 )
日時: 2013/02/27 22:14
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: l6pfUsAS)

黒川君と水島ちゃんの絡みにニヤニヤがとまらんww

どうも八重です! 花狩先生は相変わらず…ww
紫苑がすげぇ! チートだすごい!!ww ゾンビ編といい、敵なしな子ですねww
まあ、黒川君のほうが何倍かチートのような気がしますが。流石は主人公ww

次はジョジョですね!! いやあ待ちに待ってました!!
黒川×水島が好きな私にとっては、凄く楽しみです!!


続きをお待ちしております!
更新、お疲れの出ませぬよう。

Re: もしも俺が・・・・。『ある物語の危機。』 ( No.95 )
日時: 2013/02/28 15:51
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



  “八重様”へ

私もニヤニヤしながら執筆しておりますww

どうもでございます!! 先生はやはり黒川君をおちょくるのが上手ですねw
そうですよ、まったく。貴方のお子様は万能すぎます。チートですw
黒川君は生まれながら持つ体質、つまり主人公補正ですよ♪ww 
それを受けていない紫苑ちゃんの方がよっぽど凄いしチートですぜ?ww

ついにジョジョです!! 今回も大分話が変わっておりますので楽しめるかとw
というか下手をすれば、2幕構成では納まりきれないかもしれないw
もしかしたら3幕構成になってしまうかもですねw

コメントありがとうございます!! これからも執筆頑張ります!!

Re: もしも俺が・・・・。『ある物語の危機。』 ( No.96 )
日時: 2013/02/28 21:05
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode


         「パート3。」



  自宅で身支度を終えた黒川が外に出ると、花狩先生と水島が何やら話をしていた。

  どうやらこれから行く『ジョジョの奇妙な冒険』の話のおさらいの様だった。
  楽しそうな表情を浮かべて話に聞き入る水島を見て、何やら変な知識がまた増えたなと黒川は苦笑した。

  元々私に劣らない程の好奇心旺盛な子であると知ってはいたが、
  まさか漫画まで守備範囲に入ってしまうとは予想もしていなかった。
  大人しい水島のイメージと比べてあまりにもギャップがあったのも否めないが。


  さて、と息込んで、着替えた学校の制服の裾を直すと————





   「————さて、行くか。」



  と、自分に言い聞かせるように呟いて、二人の元に近づいて行った————。









  ————その後私達3人は近くの人気のない公園へと移動する。


  休みの日だというのに人は全くおらず、静かな鳥たちの鳴き声がするばかりだ。

  その行く道中に花狩先生が、「あれ黒川君。なぜ制服なの? 学校に行くわけでもないのにさ?」
  と、ツッコまれたが、放っておいてくれ。これが私の正装であり、落ち着くのだと返した。

  逆にその後、じゃあそれを言うなら花狩先生だってなぜ白衣なんだと聞くと、
  放っておいてくれ。これが私の正装であり、落ち着くのだ、(キリッ)と同じ言葉で返された。
  水島はというと、私服と思われる可愛らしい服装で来ていた。今時のファッションといった感じか。


  そんな他愛もない話をしてここまで来たわけだが、この後に控える世界はそんな陽気な世界ではない。
  それは二人とも分かっていたようで、黒川が視線を移すと、覚悟を決めたような表情であった。

  改めて言う必要はなさそうだと判断し、黒川はフッと右手を前に突きだす。
  イメージするのは、『ジョジョの奇妙な冒険』の世界。

  細かい設定をせず、今回もこれだけで行く。そして————




  “Information search————。Open、Possibility Gate ————”
  (情報検索————。もしもの扉、今ここに開きたまえ————!!)




  そっと呪文を唱え、光を放つように現れた、光に満ちた扉。
  それよりの先の視界は明るく、とても命を落とすかもしれないという世界には見えない。

  黒川はフッと息を吐くと、二人に振り向いて微笑する。



   「さぁ、行こうか……。」



  黒川の合図とともに、二人は頷き、一人ずつゆっくりと扉を潜っていく————。





  扉を潜った先に待っていたのは、今までにないほどの唖然とした世界だった。

  『ジョジョの奇妙な冒険』にはいくつかの話の区分があり、そのそれぞれによって物語の舞台は違う。
  ゆえに辿りつけば、豊富な知識を持つ黒川なら大体この辺りの話だろうなと見当がつく、はずであった。
  それにいくら戦闘ばっかりの世界だと言っても、世界はそれなりに平和に機能している。
  人はいっぱいいるし、皆が皆武器を持って殺気を持って生活しているというのは断じてない。

  あくまでも私達の世界の様に平和に暮らしているというのがほとんどだ。
  ゆえに何も驚くことはない、ただの普通の風景が広がっているだろうと思っていた。しかし————






   「————なんだ……これは……!!」



  黒川が世界を目のあたりにして発した一言目が、まさにこれだった……。

  驚きを隠せないのは黒川だけではない。花狩先生も言葉を失い、水島も両手を口に当てて目を見開いている。
  そんな三人の前に広がる世界を一言で例えよう。それは『燃え盛る様な大参事』、だ。

  建物のほとんどが崩れ落ちる様に崩壊していて、業火が辺りを燃やし尽くす。
  火が笑う様にチリチリと舞っていて、辺りにどす黒い煙が充満する。
  まるで背景がオレンジ色と思うかのように世界は色染めて、平和なんて程遠い。
  戦争中なのかと問いたいほど、辺りはボロボロで、誰かの悲鳴さえも聞こえる。

  その辺に倒れている人も多く、気付くと水島は近くに行って安否を確認していた。
  かろうじて生きているようだったが、返事はなし。気絶している様だ。
  「大丈夫ですかッ!?」と叫ぶ水島の顔面は蒼白で、今にも泣きそうな表情を浮かべていた。
  唸るような声が辺りを響き、助けてくれと訴えているようだった。

  多分、この辺に倒れている人は煙の過剰の摂取が原因だと思われた。
  煙を吸わない様にと小さい頃からの防災訓練で耳にタコが出来るほど吹き込まれたものだったが、
  これほど世界が業火に包まれていれば、吸わずにいる方が難しいとも言えた。

  水島や花狩先生が近くに倒れている人達に声をかけ始めていたので、
  黒川も助けられる人を助けようと息込んだその時であった、

  ふと視界に入ったのは一つの看板。ボロボロになっている看板。
  そこに書かれていたのは、この物語が『どの辺りなのか』を示すヒントになった。


  看板の一部にはこう書かれていた。『杜王町』と……。

  『杜王町』。これだけで黒川の冷静な頭が一つの答えを導き出した。
  間違いないと確信する。ここは紛れもなく『ジョジョの奇妙な冒険』の世界であり、
  物語は『第四部 ダイヤモンドは砕けない』の辺りだと、黒川は思った。

  理由は一つ、『杜王町』を舞台にして物語が展開される話は、この第四部だけだ。
  そしてこれが一体なんの情報として役に立つのか? 別に非常に役立つ情報というわけではない。
  ただ、この大参事の原因が一体誰であるのか、そしてその可能性があるのかという情報の一部に過ぎない。


  以前にも言ったが、『ジョジョの奇妙な冒険』には二パターンの戦いがある。

  一つは『人間VS吸血鬼』。もう一つは『スタンドVSスタンド』だ。
  第一部、そして第二部に関しては前者の方で、他は後者に当たる。

  もしもこの大参事の原因として一番に考えられる要因としては、
  この世界にのみ存在する、『スタンド』を使う人間の仕業だと考えるのが一番妥当なのだ。

  あるいは、『ミスト・ランジェ』の様な謎の人間の仕業かもしれないが……。


  ……くそッ、と黒川は苦い顔をした。情報が少なすぎる。

  この業火に飲まれる街並みを見て、尋常じゃない事が起こっているのは目に見えて分かる。
  しかし原因が分からなければ取り除きようがないし、救いようもない。



  ————ふとその時、黒川の耳に何かが聞こえてきた。


  それは打撃音。かすかだが、本当にかすかだが確かに聞こえる。

  耳を凝らしてよく聞くと、それは拳と拳のぶつかる音のようにも聞こえる。
  こんな状況で打撃音がなる理由があるとすれば、たった一つ。スタンド同士の戦闘だ……。




   「先生、水島、ここを頼むぞッ!!」



  黒川は身を乗り出す様にして音のする方へと走っていく……。

  もしもそこで戦闘が行われているならば、二人を連れてはいけない。
  なぜなら、向こうは仮にも自分の次元とは違う存在。戦いになれば……死ぬかもしれない。
  そんな場所に二人を連れていけば、とてもじゃないが守れない。

  とはいっても、黒川自身も危険であるため、行かないに越したことではないのだが、

  それはどうにも症に合わなかった。
  なぜならこんな絶望に満ちた状況を指を咥えてみてるだけなんて出来はしない。


  少しでも真実を見て、そして救う。ここの人達も……二人もだ。

  そして幸いにも、今はここの方が安全だ。ここに置いていくのがベストだ。
  距離はさほど遠くない。この近くだろうと黒川は確信していた。




   「ちょッ、おいッ!! 黒川君!! どこへ行くんだ!?」



  花狩先生の質問が黒川に届くことはなく、彼はただどこかへと走って行った。



   「おいおい、どうなってんだよ……。これじゃあどうしようも————」

   「先生!! ひとまず煙の充満していない安全な場所に運びましょう!! まずはそれから……」



  水島の声が若干震えているようにも感じたが、今はそんなことを気にしている暇もない。
  水島の言うとおりだと思った花狩先生は、「よし、すまないが手伝ってくれ。」と決意を固めていった。
  二人は一人ずつ背負う様にしておんぶをして、どこか良い所はないかと辺りを見渡した。

  ふと、花狩先生が何かを見つけた。それは壊れておらず、燃えてもいない広めの集会所だ。

  距離はそれほど遠くない。あそこなら、ここにいる全員を収納できるかもしれない。



   「水島ちゃん、あそこに連れて行こう。ここに倒れている人全員だ!!」

   「はい、先生!! ……待っててね。かならず救ってみせるからね。」



  水島は背中に背負う少年に微笑むように笑みを浮かべて呟く。

  ここがどこの世界で、どこの誰だって構わない。目の前で倒れているのは普通の人間だ。

  自分と何も変わらず、何一つ同じだ。
  違う世界だからと言って、見過ごす事なんて出来ない。


  水島は確信した。ここで自分に出来ることは、ここにいる人を救う事。
  それ以上でもそれ以下でもない。かならず救って見せる……!!


  そう決意したのはいいのだが、それよりも気になるのは、黒川の事だった。

  彼はすぐに危険に飛び込む癖があり、命を顧みずに無謀へと足を踏み入れる。
  それが誰かを救うためならなおさらであった。それを水島は良く知っている。

  学校で喧嘩を止める時も、どんなに上級生に囲まれても、彼は守るべきモノを守る。
  そして巻き込むことを極端に嫌う。そんな異常な程の正義感が彼にはある。
  一瞬見た彼の横顔は、そんな危険な場所に飛び込もうとしている表情に見えた。
  誰も巻き込むことなく、一人で戦おうとしている。だとしたら、止めなきゃ。

  彼が危険を冒す前に……私が止めなきゃ。


  “待っててね、黒川君。すぐに……追いつくから。”



  すぐに真剣な表情へと戻し、水島と花狩先生は集会所へと足を運んだ————。




      ————————第12幕 完————————

Re: もしも俺が・・・・。『ジョジョ編突入。』 ( No.97 )
日時: 2013/02/28 23:53
名前: 李々 ◆hIJueew2tI (ID: Ftjvm8dm)

こんばんは、そして、お久しぶりです。元秋桜あきです。覚えてますでしょうか?
暫くようつべでマインクラフトやTRPGやのゆっくり実況や戦国無双のMAD を見て回る旅に出ておりまして、カキコの方には全く来ておりませんでした。いや、来てはいましたかま小説を見ずに帰るというね…。そんな感じで今まで過ごしていたわけですけどね…。ははは…。
まぁ、つまり戦国無双に萌えていたというわけです←

そんな話はおいといて。

久々に此処に来まして、「久々に黒川君に会いたいおっおっおー( ゜∀ ゜)ノ」みたいな変なテンションになりました→そして来た。
すみません、変な理由で…。これは孔明の罠なんだ!!罠なんだぁぁぁぁぁ!!!←

そして1話から全て見ていったところ、何と出るはずなどないと思っていた綾が…綾が出とるやないか…。
しかもめっちゃイメージ通りやないか…。どういう事や…。罠か…孔明の罠か…。ヒトデナシ様は神だったんですね分かります。

スマホからですので、打つのがかなり面倒な事になってて記号やらが少なく、テンション低めに見えるかもしれませんが、実際は泣きながら転がり回ってます←

長文失礼しました。
これからも陰から全力でストーk…応援しております!←
ではでは、また来ます〜。


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