複雑・ファジー小説
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- もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
- 日時: 2014/01/03 18:25
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
作者の今叫びたい一言 『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)
序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114
土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123
オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140
【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】
・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145
【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】
・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』
クリックどうもありがとうございます。
おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。
どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。
私の名前はヒトデナシと申します。
“自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”
1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。
2、読んでいただけるとすごくありがたいです。
3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。
“では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。
2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。
3、基本、自由である。
————と言った感じでございます。
では早速書いていきたいと思います。
楽しんでいただけると幸いです。
・登場人物・・・主要人物 >>119
黒川陣営 >>120
リバース陣営 >>121
DDD教団陣営 >>122
・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62
・用語説明・・・>>63
コメントを下さった優しい読者様
・月葵様
・八重様
・秘密箱様
・エストレア様
・小枝様
・るるこ様
・春野花様
・陽様
・修道士。様
・檜原武甲様
・李々様
・ちぇりお様
・95様
・グレイ様
・H様
・007様
———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————
【序章、日常編】
表紙→>>12 (八重様)
挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
第6幕 >>89 (るるこ様)
第15幕 >>125 (るるこ様)
第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113
あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114
【第2章、闇人(やみびと)と天使編】
プロローグ >>124
第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132
第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160
第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165
第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176
第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186
第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194
第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204
第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210
第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216
第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217
------------ サブストーリー -------------
『交差する二人』・・・>>29 >>30
(300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)
『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
(600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)
『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
(1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)
『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
(1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)
『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
(1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)
『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
(1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)
『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
(2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)
『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
(トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw
黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)
『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
(2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)
------------名誉、歴史--------------
・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)
・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)
- Re: もしも俺が・・・・。 ( No.58 )
- 日時: 2012/12/30 00:07
- 名前: 小枝 (ID: 67Rz3URy)
小枝です!
またきました。
すっごく面白いです!
更新まっております!
頑張ってください!
- Re: もしも俺が・・・・。 ( No.59 )
- 日時: 2012/12/31 01:24
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
うおっ、700参照!? 皆様本当にありがとうございます!!
今日が今年最後の日。頑張っていきましょう!!ww
“八重様”へ
おっ、さすが八重様。感の良いお方でございます。実はその通りでございますww
彼女達は仲良しですよw 本当、彼女たちのガールズトークに参加したいものです。ww
開幕しましたぜ。霧島君は相変わらずボケをかましていくぜぇw
いやね、ティアナ編もかなりリメイクされますので楽しんでいただけたらなぁと思いますw
ありがとうございます。八重様もお身体にお気をつけて。
“小枝様”へ
またの訪問ありがとうございます。相変わらず私の方は元気ですw
そちらの小説にも後ほどお邪魔させていただきますねw
お褒めの言葉をいただきありがとうございます。
私もその言葉を胸にこれからも頑張っていこうと思いますw
お身体の方にどうかお気をつけて、お互いに執筆を頑張りましょう!!
- Re: もしも俺が・・・・。 ( No.60 )
- 日時: 2013/02/13 00:58
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
「パート2。」
————その日、霧島は恋に落ちた。
とある砂漠の一辺で、車を見つけ、助けを求めた。「すまないが、乗せてくれないか?」、と。
……突然であった。霧島に『恋』という雷が落ちたのは……!!
ひょっこりと出てきたのは、明らかに自分よりも年上の女性。
綺麗な肌。綺麗な髪。綺麗な瞳。それだけでも一目ぼれ。
そして止めを刺すように、霧島の心を奪った一言がこれだ————。
「えへへ、いいよぉ。乗って乗ってぇ!!」
————このね、喋った時に見せる、圧倒的声の幼さ。姿とのギャップが凄い。やばい。惚れた。
「……ということだ。分かったか、黒川?」
「とりあえず言わせてくれ。単純だな、お前。」
霧島の熱い会話が終わった頃合いを見て、黒川は冷静にツッコむ。
現在、ティアナの操縦する車に乗せてもらって、近くの町に移動している。
フンフーンと、陽気に鼻歌を歌う彼女の姿は、無邪気で確かに姿とのギャップはある。
私達は後ろの席に乗せてもらい、ティアナに運転を任せている。
私達はまだ免許を取れるほどの年齢ではないからな。一応言っておくが、まだ14歳だ。
でだ……ようするに、霧島は彼女に惚れた。そして嫁にしたい、こういうことだな?
「……そもそもな、霧島。それは無理な話なのだ。この子はここの住人なのだ。
『もしもの世界』から、現実の世界に連れて行くことは不可能だ。一生滞在することもな。」
「そこはお前がなんとか————」
「出来るか!!」
霧島が言いきる前に拒否する。私の力でなんとか出来るのならとっくにやっている。
だが実際、不可能な事は不可能だ。これはもうどうしようもあるまい。
ところでだ、さっきの事……やはり気になる。
————この子は、本当に『人間』なのか……?
私達は『アンドロイドの世界』に来たはずだった。
確かに細かい設定はしていなかったが、それでもこんな世界に『人間』がいるのは可笑しい。
いても『アンドロイド』。もしくは異星人のはず。
むしろ『○○星人』とかの方がこの場合はしっくりくる。
“それでも彼女は『人間』だと言った……。てことは————”
もしかして失敗か? そう思った時だった……。
「着いたよ〜!! ここが『ティアナの作った町』だよぉ!!」
そう言って車を止め、目の前に広がる光景を見る。
さっきまでの砂と青空だけの風景とは打って変わり、緑と水に恵まれた場所であった。
小さな民家がいくつもあり、ここより少し遠くに見える大きな王宮、
そして、そこらそこらに人の形をした『何か』……。
間違いない、人型のロボット、『アンドロイド』だ————。
“やはりアンドロイドだ……。では間違いで来たわけじゃない……?”
ではなぜ? なぜティアナとやらはここにいる?
————いや、待て!! それよりも、
「『ティアナの作った町』————?」
黒川がもう一度復唱するように言う。ティアナは笑顔で頷き、そして、
「そうだよぉ!! ティアナが作ったの!!」
「……『住んでいる』、じゃなくて?」
「作ったの!! 嘘じゃないよぉ。この民家も王宮も、
ここにいる子たちも、緑も水も全部だよぉ!!」
————おいおい、なんの冗談だ?
これが全て彼女の『創作物』だと言うのか!?
いやいや、町が創作物って規模が違いすぎるぞ!!
だが嘘をついているとは到底思えない。冗談とも感じ取られないところが不思議だ。
多分ここまでの創作技術を持ってるものなど私の世界にはいないだろう。
本当ならばこの子、相当の天才肌だ……。
もしも彼女が本当にこの町を作ったのであるならば————
「一つ、質問したい。君は本当に人間なのだな? 君以外の人間がこの世界にはいるのか?」
「いないよぉ。ティアナはここで唯一の『人間』。でも今日初めてお兄さん達に出会えたの!!
お兄ちゃんたちが初めて出会えた『人間』!! えへへ、ティアナの誕生日プレゼントだね。」
笑顔で嬉しそうに言う彼女だが、実際はとんでもないことを言っている。
ここには彼女以外人間はいなくて、そしてここは、『彼女が中心の物語』だ————。
“どうやらここは、『アンドロイド』だけの世界ではないらしい……。
どちらかといえば、『アンドロイド』がおまけとして存在する、
ティアナが主人公の世界だったみたいだ……。”
私は『門』を開くとき、キーワードとして『アンドロイド』を頭に描いた。
なのでてっきり、アンドロイドだけが住む、ロボット技術や、
機械技術が発達した世界に行くだろうと考えていた。
これじゃあ、私達が来た世界は『アンドロイドの世界』ではなく、『ティアナの世界』だな。
それなら彼女がこの世界の唯一の人間であることも頷ける……。が、
“やれやれ、一体私達はどこのマイナーな世界に迷い込んだのだ……?”
この『もしもの世界』は、かならずどこかに存在する世界と決まっている。
ゆえにこの世界はかならずどこかに存在している。物語は星の数ほどあるのであっても不思議じゃない。
無論、以前のドラえもんの世界みたいに知名度はないが————。
「誕生日!? ティアナちゃん、今日が誕生日かい?」
「えへへ、そうだよぉ。今日でね、10歳になったんだぁー。」
「ほぉー、それはおめでたいなぁ。10歳かー。ついに二桁になった————」
————————。
なん………………だと……!? 10歳!? ————10歳!?
ちょ……ちょっと待て!! この大人の女性が10歳!? いやいや、可笑しいにも程がある。
“少なくとも私達よりも年上だとばかり思っていたが……。”
……というか、私達は10歳の女の子に車の運転を任せていたのか!? いいのかそれは!?
「そうかぁ……10歳…………10歳ねぇ。ふは、ふははっはっはは!!」
ああ、ついに霧島が壊れたようだ。目の前で壊れたように笑う霧島を見て、同情したくなるよ。
なんせ『嫁候補』にしていた女性が、まだ10歳だからな。いやまぁ、色々と問題は出てくるだろうな。
「……霧島、ここらで引き時だ。彼女を嫁にするのは諦めろ。」
「……ふっ、何を言っている、黒川。お前は一つ、勘違いをしている。」
おいおい、まさか、お前は恐れないというのか……? 世間の目を……。
「まさか俺様が『ロリコン』と言われるのに恐れて手を引くと思っていたのか? バカめ!!
霧島様はそんな世間の冷たい目なんぞ気にしない!! 俺はいつでも男の中の男!!
目の前のスタイル抜群の美女が10歳であろうと、俺はこいつを嫁にするッ!!!」
グッと拳を握りしめ、黒川にドヤ顔をしながら叫ぶ。それを隣でキョトンと見つめるティアナ。
やれやれ、まぁ本人がいいのなら止める義理はない。
友人が『ロリコン』だと広まるのはいささかツラいがな……。
「キリちゃん、ロリコンってなぁに〜?」
「ロリコンはね、俺様の事さ。ってか、キリちゃん!?」
「……お前、さらっと自分がロリコンだと認めたな。」
「クロぽんもロリコンなの〜?」
「勘弁してくれ。私は違う。…………クロぽん?」
その呼び名に霧島がブッと吹き出す。そして大笑いをする。
「えー? だって黒川ちゃんに霧島ちゃんでしょー? クロぽんとキリちゃんだもんっ!!」
「ぎゃはは、黒川、おまっ……クロぽんとか……ボンバ○マンかよ!! あひゃひゃ!!」
「……霧島、分かりづらいネタを振るのは止めろ。後、一発腹パンチで許してやる……。」
大笑いする霧島に、黒川は軽く腹部にパンチを入れる。
ゲボッと言うリアルな悲鳴を上げ、霧島は笑いと痛みがごちゃまぜの中、地面にうずくまる。
「……さて、失礼したなティアナ。このバカはほっておいて、色々質問をしたいのだがいいか?」
「うん、いいよぉ!! なんでも聞いてぇ、クロぽん!!」
その呼び方に、またブッと吹き出す霧島。
そんな地面にうずくまる霧島に追い打ちをかける様に蹴りを一発。
やれやれ、困ったあだ名を付けられたものだ。まぁ今はなんでもいい。
せっかくこんな素晴らしい『創作物』を作った発明者が目の前にいるのだ。
話を聞いておくことに越したことはない。時間も限られているしな。
「ここにいるアンドロイドの事について少し調べたい。なんとかならないか?」
「それじゃあティアナのお気に入りを……、あっ、でも今は……。」
そこまで言って、ティアナの口がピタッと止まる。表情も心なしか暗いものへと変化する。
「……何かあったのか? 一応相談に乗れることならのるが……?」
「…………ありがとう。でも……」
「ティアナちゃん!! 俺様達が悩みの一つぐらいパパッと解決してやらぁ!! 言ってみな?」
先ほどまでうずくまっていたお馬鹿さんが、勢いよく立ち上がって言う。元気だな、お前は。
ティアナはそれを見て、少しの沈黙の後、王宮のある方へと視線を向ける。
この辺の民家とは比べ物にならないぐらいの大きな建物。そして口を開く……。
「……あそこにね、お友達がいるの。ティアナの大事な……お友達が……————」
- Re: もしも俺が・・・・。 ( No.61 )
- 日時: 2013/02/13 00:52
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
「パート3。」
この世界は、突如の終わりを迎えたらしい。それはあっけない幕切れ。
当時、ここの星とは違う近くの星が、ここの星と衝突して、
世界は水と緑を失い、全面が砂漠へと生まれ変わり、
そして星同士の衝突が、元々この世界にいっぱいいた人々の命の源である酸素を奪ったらしい。
酸素を失った人々は、無論生きることが出来なくなった。次々と倒れていく姿は地獄絵図だったという。
でも、人間であるティアナは生き残った。それには理由があった。
彼女は元々、知能レベルが高かった。当時はまだ生まれたばかりの赤ん坊にも関わらず、だ。
そしてその知能は世界の『脅威』にもなりうると、当時の人間は解釈した。ゆえに、『監禁』していた。
小さなカプセルの中に動きを封じこみ、世界の外との接触を断ち切り、何年もそのカプセル内で暮らした。
カプセル内にいれば、ほぼ仮死状態に近いため、お腹が減るという概念もなく、死ぬこともない。
そして、人は滅びた。そんな大事件があったとは知らない彼女は、その後もカプセルで過ごしたという。
だがある日、彼女は初めて外に出た————。
なぜ出たのかと言うと、長い年月を経て、風化していたカプセルの機能についに限界が来たらしい。
それを制御する人間もいないため、それは必然の出来事であるとも言えた。
カプセルが開いたと同時に、ティアナは初めて外の景色を目にした……。
幸い、その時には多少の酸素が復活しており、ティアナが酸素不足になることはなかった。
うつろな目で辺りを見渡し、ゆっくりと立ち上がる。
が、歩くということすら体験したことない彼女は、すぐに前のめりに倒れこむ。
生まれてからずっとカプセルに閉じ込められていた彼女には仕方ない事だ。
この時、すでに彼女は7歳になっていた。身体つきも普通の子よりも大人び始めていた。
そして彼女は慣れぬ身体をフラフラと動かし、まずは目の前にあるパソコンと機械を起動させた。
なぜ起動させようと思ったかは分からないが。はっきりと意識があったわけでもない。
ただただ、目の前の機械に興味を持ち、触っただけの好奇心に過ぎない。
ティアナは初めて触る『機械』を圧倒的な知能で瞬時に理解し、
誰にも教わることなく自在に機械を操って見せた。
複雑なパスワードと解き、当時ここに自分をカプセルに閉じ込めていた人間達の秘密事項に触れる……。
そして、彼女は世界の真実を知ることになる……。
この星の人間が全て滅びたこと、ティアナが監禁されていた理由、そして、
「お目覚めですか、ティアナ様。」
ふと自分の後ろから聞こえる声。振り返ると、そこには誰かが立っていた。
身長は180cmと高く、紫色の長めのストレートヘアーで、全身には紫の鎧をきている。
「我が名は、コードネーム、『No、0』。気軽に『ゼロ』とお呼び下さい。」
「……ゼ……ロ……?」
『ゼロ』という、ティアナを守る人造アンドロイドの存在について知ることになる。
そしてこれが、ティアナとゼロの運命的な出会いの始まりになったのだ……。
私の初めてのオトモダチ。名前は『ゼロ』。
当時の人々がティアナのために作ったアンドロイドで、そしてティアナの自慢のオトモダチ。
当時の人々は、ティアナのその圧倒的な知能が悪用されないかと恐れていた。
ゆえに、それを止めるように作られたアンドロイド、それが『ゼロ』。
ちなみに、ティアナは当時の人々に別に恨みを持っているわけではない。
普通なら、何年もカプセルに閉じ込めていた人間を恨むところであるが、
全ての真実を知ったティアナには、そんな感情は微塵も出てこなかった。
むしろ、彼女は感謝していた。『ゼロ』という存在を残してくれた人たちに。
その恩を返そうと、ティアナはゼロと出会って数日後、このような事を決心した。
“ティアナがもう一度創るよ。この町を……この世界を。”
それから後三年、町づくりに励むことになる。
当時の人々のおかげで、ゼロがいつでも隣にいてくれて寂しくなかったし、
研究に行き詰って落ち込んでいたときは慰めてくれた。楽しかった。
二人だけで大変だったけど、それでも少しずつ町は完成に近づいてきて、幸せだった。
————が、しかし、事件はつい最近に起きた……!!
黒川達がこの世界に来るほんの少し前の事、この世界に謎の少女が舞い降りた……。
黒いローブに身を包み、ティアナ達の前に姿を現した。
その少女はなんらかの力を使い、ゼロを拘束した。そして、
彼女は王宮へと姿を消したようだ————。
「……それからティアナは何とか助けようとしたんだけど————」
王宮の入り口には何かしらの力で操られた、元々はティアナの作ったアンドロイドがいたらしく、
作った彼女の命令を聞くことなく、容赦なく攻撃してきたらしい……。
そして彼女は何か打開策を考えようと、砂漠に漂流していたところ、
私達と出会い、今に至るというわけだ……。
「おいおい、それならなんで助けてって言わなかったんだよっ!? なんで俺達に言わなかった!?」
そこまでの話を聞いて、霧島はティアナの肩を掴んで声を荒くする。
ティアナは目をそらし、口を堅く閉じて、グッと涙をこらえている。
“……巻き込みたくなかったんだろう。私達を……初めて出会えた『人間』を。”
彼女の様子を見て、黒川はふとそんなことを思う。
きっと辛かったに違いない。誰かに助けてもらいたいと思ったに違いない。
だけど、彼女の良心がそれを許さないのだろう。それなら一人で、という結論になったのであろう。
しかし、それはあまりにも無謀というものだ。たった一人の少女には酷すぎるものだ。
「ティアナちゃん、何も全部を一人で抱え込むことないんだぜ?
人間ってのはな、一人ではどうしようもない状況っつうのはかならずあるもんさ。」
霧島はさっきとは様子が変わり、静かに優しくティアナに囁きかける。
霧島だって分かっている。彼女が私達を巻き込みたくないから言わなかったことぐらい。
だけどそれ以上に、霧島は彼女に教えてやらねばならない、と力強い決意の目をしていた。
————そう、こんな時なら誰かを頼ってもいいんだぞ、ということを……。
「ティアナちゃんは俺達が初めての人間だって言ったよな?
だから『頼る』って事を知らないんだよな。
過去にそういう経験もなく、それを経験する場さえなかったからそれも仕方ないんだけどさ。
だから、ここで知ってほしい。自分一人でどうしようもないと思うのならば、頼っていいんだよ。
相手に気を使う必要はないぜ? 俺はティアナちゃんが『助けてほしい』と一言言えば、
————用件がなんだろうと、なんだってするんだからよ。な?」
霧島はこれ以上にない優しい笑顔をティアナに見せた。温かく、心地よいもの。
言葉を失ったのは、言うまでもない。そのようなことを、言われたこともないのだから。
今まで自分の事をここまで言ってくれる人はいなかったし、思ってくれる人もいなかった。
自分も……甘えていいのだろうか————?
今日10歳になった彼女は、大人びた容姿をしている。
しかしそうとはいってもまだ10歳。まだまだ子供だ。普通なら甘えん坊が普通なお年頃。
けれど今まで、甘えられる人もおらず、ただ一人で頑張ってきた。
他の子達みたいに母親や父親もいない。甘えられる時間さえない。それはこれからも。
つねに大人のような心の持ち用を強いられてきた彼女は、子供の精神を微塵も持つことなく、
精神が常に大人だったがゆえに、身体も自然と大人びたものになってしまっていたのだろう。
それでも、言動や振る舞いにはまだ子供の特徴が大きく残っている。それがこのギャップを生み出す元凶。
それは決して喜ばれることではなく、むしろ異常と捉えられることで、
彼女があまりにも子供のあるべき姿からかけ離れていることを意味する。
そんなティアナだからこそ、この時初めて気が付いた。この温かい感情、温かい気持ち。
これは自分が……彼の好意に甘えたいと表に出ているのだという事を……。
ティアナは最初は戸惑った。この感情、素直に表に出していいものか、と。
どう見ても目の前の大切な人に迷惑をかける。それでもいいのだろうか、と。
彼女としてはそれは避けたい。迷惑をかけたくないと強く願っている。
それでも、彼女はただ涙を零して、嬉しくて泣いた————。
自分ではどうしようもないと分かっている。でも一人で解決するべきであると思っていた。
そんな考えをひっくり返すように、現れた男の子は自分に頼ってもいいと言ってくれている。
頼りたい、助けてほしい、そんな感情が彼女の中をグルグル回り……、
「……たっ…………助け……てッ……助けてッ…………!!」
そして彼女は、霧島の胸の中でただそう泣き叫んだ……。
ティアナの中で、何かがはじけた。今まで抑え込んでいた感情が、スッと抜き出ていくような感覚。
まるで自分のため込んでいた闇が、自分の内面から外に出ていくような感覚に似ていた。
この時、彼女の中で何か変わったのは間違いはない。
ようやく、彼女は普通の女の子のように、素直に甘えることが出来たのだから————。
「あたぼうよ。この霧島様に任せておけよ、ティアナちゃん。」
霧島はふっと彼女の頭をなでる。子供とは思えない身長だけど、やはり子供なのだ。
自分の胸で泣くティアナをそっと抱き寄せ、ポンポンと背中をなでてあげる。
ティアナはポロポロと涙を流し、しばしの間霧島の温かい胸の中で甘えることにする。
「……話はまとまったな、霧島。私達のやることは、分かっているな?」
少し距離を置いて霧島とティアナの会話を聞いていた黒川が近づいて言う。
ティアナの頭を優しくなでたまま、そんな優しい動きとは対照的に霧島の表情は真剣だった。
「ああ、分かってるさ。」
そう呟いて、霧島はふと王宮の方に視線を移す。
光を放ち、黄金に輝くその場所にこの事件の『悪』がいる……。
「————あそこにいる首謀者を…………叩き潰すッ!!」
————————-第7幕 完————————
- Re: もしも俺が・・・・。 ( No.62 )
- 日時: 2013/03/14 13:59
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
さて、こちらは旧作からのおなじみ、イラスト広場でございます。
書き手の神の手で描かれた絵を、敬意を表して崇めよう、ということで、こちらの方に展示しております。
なお、こんな私に絵を提供してくださるという心優しい方がいるならば、
土下座してでもお願いしたい。ぜひお願いしますww
さっそく、こんな私に素晴らしい絵を提供してくださった方々に感謝して、こちらの方に展示しましょう。
--------いらっしゃいませ。ここは神絵広場でございます。
------------------- イラスト広場 --------------------
・八重様作 『もしも俺が・・・・。』 >>12
(八重様の神絵を見るのも久々でございますね。あの頃よりも繊細になって・・・。
日々絵描きとして進化しているのが素晴らしいですね。)
・るるこ様作 『主要登場人物』 >>20
(るるこ様のクオリティの高い神絵でございます。以前よりもさらに美しい絵書きとなっております。
思わず息をのむほど、絵の完成度は凄いです。必見ですねw)
・るるこ様作 『リバース』 >>89
(神々しいリバースの三人です。ちょうど第6幕辺りですね。
背景も綺麗に描かれており、リバースの特徴を正確に書かれております。
毎度毎度感動させてくれるほどの、クオリティの高い神絵ですw)
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