複雑・ファジー小説

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もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
日時: 2014/01/03 18:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)

   作者の今叫びたい一言  『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)


   序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114

   土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
   ↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123

   オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140



 【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】

・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145


 【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】

・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』









   クリックどうもありがとうございます。


  おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

  どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。

  私の名前はヒトデナシと申します。



 “自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


  1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

  2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

  3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




 “では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。

  2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。

  3、基本、自由である。



  ————と言った感じでございます。



  では早速書いていきたいと思います。

  楽しんでいただけると幸いです。



  ・登場人物・・・主要人物 >>119
          黒川陣営 >>120
          リバース陣営 >>121
          DDD教団陣営 >>122


  ・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62

  ・用語説明・・・>>63




   コメントを下さった優しい読者様


 ・月葵様 
 ・八重様
 ・秘密箱様
 ・エストレア様
 ・小枝様
 ・るるこ様
 ・春野花様
 ・陽様
 ・修道士。様
 ・檜原武甲様
 ・李々様
 ・ちぇりお様
 ・95様
 ・グレイ様
 ・H様
 ・007様



    ———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————


【序章、日常編】 

  表紙→>>12 (八重様)
  挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
      第6幕 >>89 (るるこ様)
      第15幕 >>125 (るるこ様)


   第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
   第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
   第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
   第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
   第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
   第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
   第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
   第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
   第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
   第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
   第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
   第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
   第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
   第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
   第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113

   あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114


【第2章、闇人(やみびと)と天使編】

  プロローグ >>124


   第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132

   第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160

   第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165

   第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176

   第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186

   第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194

   第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204

   第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210

   第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216

   第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217




    ------------ サブストーリー -------------


  『交差する二人』・・・>>29 >>30 
  (300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)

  『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
  (600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
  (1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)

  『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
  (1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)

  『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
  (1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)

  『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
  (1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
  (2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
  注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
  お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)

  『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
  (トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
  よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw 
  黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
  なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
  ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)

  『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
  (2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
  劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)




------------名誉、歴史--------------


・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)

・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)

Re: もしも俺が・・・・。『VSゾンビ。』 ( No.78 )
日時: 2013/02/17 14:55
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: l6pfUsAS)

葉隠—————————!!!!!!!!

次がゾンビ編だったとは…予想つかなかったゼ。てっきりコナン編かと思ったが…さすがヒトデさん。
紫苑の戦闘シーンを初めて見ましたw 鎌で戦ってる割には元気っすね紫苑ちゃん……。

そして、源次の戦闘シーンも詳しく出てるw へんたーい攻撃じゃなかったんだww

続きを楽しみにしてます!!! 更新、お疲れの出ませぬよう。

Re: もしも俺が・・・・。『VSゾンビ。』 ( No.79 )
日時: 2013/02/17 19:10
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



  “八重様”へ

葉隠君登場ですw てなわけで先に吸血鬼編を更新しましたw

いや〜コナン編でも面白いと思ったのですが、なんせこれまたコナン編では頭脳戦の推理回になってしまうので、
源治達の戦闘が描きたかったので次に持ち越しという事になりましたw 申し訳ないw
紫苑ちゃんどう戦わせようか迷ったのですがこれでよろしいですかね?ww ←しるかww
タロット召喚も後々視野に入れつつあるのですが、紫苑ちゃんはやっぱり最初は可愛らしく……ね?ww

それは攻撃なのかと問いたいwwww 
あれですか、女子のパンツを投げるとかそういう…………おや、誰か来たようだ。

コメントありがとうございます!! 執筆の方頑張ります!!

Re: もしも俺が・・・・。『VSゾンビ。』 ( No.80 )
日時: 2013/02/18 11:36
名前: 陽 ◆Gx1HAvNNAE (ID: ixlh4Enr)

……>>050の終わりの方から深夜族が登場してる気がするのは気のせいですか?ww
源次くん、ホルモンなら私がノリノリでデュエットしようww
♪爪爪爪 腕に女 kiss おぶtピ———(自主規制)—————


どうも、夜中に一気読み! 陽でございます(・ω・。)
コメント最初からカスだったので以下は真面目に。

いやー、アンドロイド編いいですね。
ゼロみたいな自己犠牲ものはベタだがかなり好きだったりします。
ターミネーターも然りですが、アンドロイドや人工知能はヒトのような感情ではなくプログラミングされた感情だから、自己の感情分析が淡々としてるところがまた悲しかったり。

花狩先生とか袋井君とかも登場したし、デデデ、間違えた、DDD教団やリバースの動きも気になるところですなー(‾ ‾)
あと霧島くんがお馬鹿で素敵だわwwあ、もちろん黒川くんも素敵だよ?w

てか感謝祭カオスwwこれ感謝祭と題してるけど暇を持て余した作者の遊びだろww日付からしてうちらがピーポー君に熱狂してたのと同じ日だなww
個人的に黒川くんにはBritney SpearsのToxicを歌ってほしいですねw
あの曲を男に歌ってもらいたい←
それにしても歌えるキャラがいるっていうのが音楽好きな私にはうらやましいです((

真面目とか書いてたのに最後崩壊してるしw
であであ、更新楽しみにしてますー^^

Re: もしも俺が・・・・。『VSゾンビ。』 ( No.81 )
日時: 2013/02/18 20:17
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode


  “陽様”へ


いやー気のせい……ではないですね、はいww
よかったな源次君、憧れの陽様がデュエットしてくれるってよw

やぁ陽様。読んでくださってありがとうございます。
自分を犠牲にして誰かを守る展開は王道ですからねb そして私の大好物www
悲しい事にゼロもそうなのですよね。主人であるティアナを守るのが絶対命令であり、
そのために命を投げ捨てるのも躊躇しない。プログラミングされた感情はこんな無謀を平然とやってのけるところが恐ろしいですね。

デデデは大王だwww いや、確かに読めるけども!?www
今回はさらにおバカさを増してますよw

wwwww 悲しいかな、否定できないwww
おお、初めて聞く曲だ。今度聞いてみるよw

ありがとうございます!! 執筆頑張ります!!

Re: もしも俺が・・・・。『VSゾンビ。』 ( No.82 )
日時: 2013/02/19 00:53
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode


         「パート3。」



  ————『死神』。確かに目の前の仮面の人物はそう言った。


  源次の持つ死神のイメージを照らし合わせて言えば、この男の言う事は到底信じられなかった。
  おっかない顔をしていて、ロープを羽織り、鎌を持っている。それがごく一般のイメージと言っていい。
  後は強いて言うなら、人の命を食べる、というのも聞いたことがある。亡霊という言葉もピッタリだ。



   「『死神』……ねぇ。なぁ青年、その死神ってのはなんなのさ?」



  源次は引き続き質問を重ねる。だが葉隠と名乗る仮面の人物は首を左右に振って、


   「……答えるつもりはない。」


  とだけ告げた。それを聞いた源次は少しニヤリと笑みを浮かべたと思いきや、


   「そりゃ残念。せっかく協力してやろうと思ってたのにねぇ。」


  と、何やら意味深な言葉を発した。その言葉に食いついたのは、他でもない葉隠だった。



   「……どういうことだ?」

   「なぁに、うちの友人には凄腕の占い師がいてね。的中率は100%。
    占ってもらえばその『ハロンド』……だっけ? の居場所が分かると思ったんだがね?」



  チラリと横目でその凄腕占い師を見る。
  源次の視線に気づいた紫苑が、「ほえ?」という情けない声を出した。
  それを聞いた柿原はスッと源次の隣に行き、小声で話す。



   「(……おい、もしかして紫苑をこんな得体のしれない奴との交渉道具に使うつもりかよ?)」

   「(道具という言い方はよくないねぇ。友人だよ、友人。それに情報は必要でしょ?)」

   「(お前……)」

   「(心配しなさんな。危険にはさせんよ。危険な動きを見せたら撃ちぬけばいいのよ。)」



  親指をたててニカッと笑う源次に、思わず柿原はため息を漏らす。

  そして源次は葉隠と向き直り、「どうするよ? ここは一つ……」と言いかけたところで、



   「……いいだろう。乗ってやる。ただし嘘だった場合は————」

   「あー全部言いなさんな。言われんでも分かってるよ。

    あれだろ、裸踊りだろ? 俺ちん得意だからそんなの幾らでもやってやんぜ。」



   「……おーい、お前。この状況でボケるとか相当の勇者だな。」



  容赦なくボケを入れてくる源次に呆れながらツッコミを入れる柿原。
  仮にも葉隠が源次に銃を向けてるにも関わらず、全く危機感のない源次。

  この状況でボケるとか……撃ち殺されても可笑しくないぞ?と、柿原は思った。
  だがそんなボケが場を和らげたのか、葉隠は一度呆れたようにため息をつくと、


 「ふっ、可笑しな男だ……。」と呟き、苦笑して銃を下した。


  ひとまず、緊迫した空気は一瞬で静かに収まった。源次達も警戒を解き、各々の武器をしまう。



   「さて、んじゃあ早速で悪いが、俺ちん達、この世界について全くの無知なのよ。
    必要最低限の事だけ教えてくれるか? 話したくない事は黙秘権を容赦なく使ってくれよ?」



  源次達は墓地の中央で座り込んで、この世界の情報について聞き始めた。
  今の所分かっていると言えば、『ゾンビ』、『ハロンド』、そして『死神』。
  それぞれが自分たちの世界には存在しないし聞いたこともない。

  まずはその辺の情報について、葉隠から尋ねた……。








  ————3分程話した結果、この世界についてのおおよその事が分かった。


  まず初めに、この世界は元々は人間達の住む美しい世界だったという事。

  人間達は普通に暮らしていたし、平和に毎日を過ごしていたらしい。
  が、当時人間達の間で有名であり、マッドサイエンティストとして名を轟かせる一人の人間がいた。


  それが『ハロンド伯爵』と呼ばれる、天才科学者であった。


  彼は人間の全てを知りつくし、全てを理解した。
  ただ、分からないことが一つだけあった。それは『死』というごく単純なモノ。

  人間はなぜ死ぬのだろう? 人間はなぜ生き返らないのだろう?

  そんな単純だが複雑な問題は、彼を研究対象として大いに燃え上がらせた。
  長年の研究で得た知識、経験を駆使して答えを探した。


  そして、結論を得た。答えは単純明快であった。

  人間はなぜ死ぬのだろう? 答え、永遠の命を与えれば死なないじゃないか。
  人間はなぜ生き返らないのだろう? 答え、それは生身の人間だからだ。


  という、人間の考えを超えた思考を導き出した。

  死ななければ一生生きられる。死という存在がなくなれば、人の味わう恐怖が一つ消える。
  それは大発見、否、前代未聞の大成功だと、ハロンドは信じて疑わなかった。


  そして、彼は実験を成功させた。実験の最初の被験者は……ハロンド自身だった。

  彼は自分の体内に『ヴァンパイアウイルス』という新細胞型特殊ウイルスを埋め込んだ。
  それは一瞬でハロンドの中を駆け回り、生身の人間を壊した。つまり『死』。
  だが、それは一瞬で蘇生した。バラバラになった肉片が一つの身体に戻っていく。

  破壊と再生の繰り返し。つまり『死』と『蘇生』の繰り返し。

  何万回かそれが続いた後、ハロンドの身体はようやく落ち着いた。
  起き上がった彼の身体、否、全身は昔の自分とはかけ離れていた。

  人間では……もはやない。否、もうすでに『人間ではない』。

  彼は全人類が将来辿りつくべき存在である、吸血鬼、またの名を『ヴァンパイア』と化した。
  死なない、不死身の身体。彼の実験は成功したのだった。


  そして彼は即座に、その『ヴァンパイアウイルス』の量産型を開発した。

  自分に埋め込んだウイルスとは少し品質が落ちるものの、それは確かに不老不死を与える。
  彼はそれを町中にばら撒いた。空気中に混ざって四散する、ごくちいさな粉を振りかけた。
  ウイルスに犯された人達は、次々と人間を襲い、そして噛みつく。
  ウイルスを注入された人間はゾンビと同類になってしまい、結果はご覧のとおり。


  それが、この世界がゾンビの世界になる始まりであった……。




   「————つまり、お前さんはこの世界を『破壊』したハロンドって奴が許せないのね?」



  源次が一通り話を聞いて尋ねると、葉隠は無言のままコクリと頷いた。
  だが、一通り話を聞いても源次達には分からない事があった。



   「なぁ、じゃあお前はゾンビなのか?」


  柿原が鋭い目をして葉隠に尋ねる。もしゾンビなら、自分たちに襲ってくるかもしれないと思ったからだ。
  その問いに首を横に振ると、葉隠はまたもやゆっくりと語り始めた……。



  世界の約3割がゾンビ化され始めたころ、人間も対策を練らざるを得なくなった。

  ゾンビをなんとか『殺す』、『消滅させる』兵器の開発、そして人材の育成。



  ————それが、『死神プロジェクト』と名付けられた強化人間計画だ。


  つまり『死神』とは、いわばゾンビを倒す兵士たちの事を表す。

  『死神』と呼ばれた兵士たちは、無論元々は何も『改造』されていない普通の人間。
  だがゾンビに対抗するために、全体的な筋力向上、運動能力向上のために、
  死神プロジェクトに参加した人達は、全員改造人間と化した。
  見た目などは何も変わらないものの、たった一つだけ課せられた条件があった。

  それは、改造された際に生じた様々なリスクを抑える『抑制材料』が必要だった。

  『抑制材料』を着けていなければ、身体は暴走し、壊れる。
  ちなみにその『抑制材料』というのが、葉隠も着けているモノアイの仮面である。


  だが、このプロジェクトはすぐに破滅した。


  理由はたった一つ、研究者たちがあっさりゾンビ達にやられたからだ。
  このプロジェクトで生み出された人材はわずか10人足らずであった。
  10人の『死神』とその100万倍あるゾンビ達。何かの悪い冗談だった。

  だが、残された死神は戦い続けた。研究者の残した武器を片手に、世界を駆け抜けた……。


  そして数十年経った今、本当にこの世界は絶望的な状況であった。

  ゾンビの数は半分を切ったものの、まだ500万以上のゾンビがいる中、
  死神と呼ばれた人類の最後の希望である兵士たちは次々と命を落とし、
  現在残ったのはたった一人、兵士の中でも最強と唄われた『葉隠空悟』ただ一人だった。

  彼は研究の第一回生で、当時から研究者の最高傑作と言われていた。
  人間時代から元々頭が回る秀才でもあり、冷静でもあったのが強みだろう。


  そして唯一残った葉隠だけがこの世界を駆け回り、ゾンビ達と戦い続けているのだ……。





   「————俺は戦い続ける。ハロンドを殺し、この世界をもう一度再生される日を信じて。」



  強く、拳を握りしめて出た言葉には決意が現れていた。そして源次はなるほどと思った。
  だから自分たちがいくら応戦してもゾンビは消滅しなかったわけだ。
  普通の武器では対処できないらしい。彼の持つ武器でなければ。



   「……話はこれぐらいだ。悪いが、ハロンドの居場所を教えてくれ。急いでるんだ。」



  葉隠がスッと立ち上がると、源次に視線を移して言った。

  葉隠は、一人で戦う気だろう。紫苑の占いの結果を聞き、一人でケリをつけてくるつもりだろう。
  それはごく自然の事だ。自分達がわざわざ関与する問題ではない事は承知だ。しかし、



   「その心意気、俺ちん気に入った。」



  源次はふと腰を上げて立ち上がると、葉隠に背を向けて言った。



   「お前さんの戦い、横からでしゃばるようで悪いが協力させてくれないか?
    邪魔はしないつもりよ。ただ、横から見てるっつうのは症に合わなくてね。なぁ?」



  源次は横目でチラリと見ると、柿原も紫苑も「よく分かってるな」といった表情で見ていた。
  こいつらのことだ。どうせ首を突っ込みにいくだろうと予想はしていたし、それは源次も同じだ。



   「……危険だ。巻き込むつもりはない。」

   「危険と言われれば言われるほど燃えるな。なぁ紫苑?」

   「ボクはもう準備体操済ませたよぉ!! いつでもいけまする!!」


  紫苑はビシッとポーズをとる。その隣で柿原も真似しているのを見て、思わず源次は微笑する。
  「な?」と言って顔を向けてくる源次に、わずかながら苦笑した葉隠は、「やれやれ」と言葉を漏らす。

  そして葉隠が右手の手のひらを真上に向けたかと思うと、そこからいきなり『何か』が出現した。

  それは黒い拳銃。葉隠の持つ拳銃と同じものだ。それを一人一人に一丁ずつ放り投げる。



   「それで撃てばゾンビを倒せる。これでなんとかなるだろう。

    ……だが約束してくれ。危険なら逃げてくれ。俺を放ってくれて構わないから。」



  葉隠は真剣な表情で言った。この時源次はなぜか分からないがフッと笑ってしまった。
  それを見た葉隠はなぜだと言わんばかりの表情を浮かべるが、源次はすぐに答えた。


   「すまねぇすまねぇ。いやいや、お前さんが予想外に仲間思いだって知って嬉しくてな。
    無愛想で冷徹な奴だと思っていたが、お前さんとは良い友達になれそうだ。」



  源次は貰った拳銃をクルクル回して言うと、不思議と葉隠も「そうだな。」と呟いていた。


  今まで友達という存在がいなかった……わけでもない。失ってしまったのだ。
  それはもう大分前で、いつからか自分は心を失った人形の様だったなぁと思う。
  戦闘を繰り返すたびに感情が無くなり、自分ではなくなっていく感じがした。

  だが目の前の男は、そんな以前の自分を蘇らせてくれるような気がする。そう思った。

  あの時の……元気で毎日が楽しくて笑っていた自分に……。



   「行こうぜぃ青年。親玉を倒しによ。」

   「……そういや名前を聞いてなかったな。名は?」



  意気込む源次にふと聞いてみる。今から共に行動をする彼らの名前が知りたくなったのだ。



   「源次だ。こっちが召。こっちが紫苑だ。」



  一人一人指を指して言う。葉隠は一人一人の姿を吟味し、その存在を確かめる。
  柿原はめんどくさそうに「よろ。」といい、紫苑は「よろしくぅー!!」と元気一杯に言った。

  確かに、記憶した。久々に名前を覚えるなんて動作をした。脳がびっくりしているだろう。
  葉隠にとっては、それほどの存在だと認めた瞬間でもあった……。




   「……足を引っ張るなよ、源次。」

   「おうよ、任せろい。普段は変態気質のダメダメイケメン紳士だが————」



  そこまで言って源次は葉隠を見る。目と目が合い、彼はニカッと笑った。





   「————仲間のためなら、やる時はやる男だぜ?」



  そんな一言が頼りになると思いながら、葉隠もその笑顔につられて微笑した————。





      ————————第10幕 完————————



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