複雑・ファジー小説

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もしも俺が・・・・。『フィーダと那拓。』
日時: 2014/01/03 18:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)

   作者の今叫びたい一言  『ツイッター、始めました。>>205』 (By 作者)


   序章、あとがき+読者様へ一言!! >>114

   土下座で頼む、簡単アンケート!! >>115
   ↑アンケート円滑化のために、登場人物のリストを作りました!! >>123

   オリキャラ大募集中!!!(こちらをお読みください。) >>140



 【第一回 アンケート回答者リスト!! スペシャルサンクス!!】

・月葵様 →>>117
・るるこ様 →>>125
・檜原武甲様 →>>133
・李々様 →>>134
・八重様 →>>138
・エストレア様 →>>145


 【オリキャラリスト!! スペシャルサンクス!!】

・李々様 →>>141 『明蓮寺 美夜』 >>151 『古屋 朱李衣』
・95様 →>>142 『葉隠 空冴』 >>146 『鳳凰院 龍雅』
・エストレア様 →>>145 『キル・フロート』
・檜原武甲様 →>>147 『知名崎 宇検』
・月葵様 →>>148 『結風 遥』 >>156 『矛燕』 『ゼヘト』
・グレイ様 →>>152 『周邊 蓮華』
・八重様 →>>155 『雛姫 容子』
・るるこ様 →>>166 『王 莉紅』 『鳳広炎』









   クリックどうもありがとうございます。


  おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

  どうも初めまして。ご存知の方はお久しぶりです。

  私の名前はヒトデナシと申します。



 “自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


  1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

  2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

  3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




 “では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説の中心の視点は基本、主人公である俺(作者ではありません。)が中心です。

  2、この小説は、主人公が『もしもの世界』を体験したとき、どのように思うのか、またはどのように動くのかを描いたものです。

  3、基本、自由である。



  ————と言った感じでございます。



  では早速書いていきたいと思います。

  楽しんでいただけると幸いです。



  ・登場人物・・・主要人物 >>119
          黒川陣営 >>120
          リバース陣営 >>121
          DDD教団陣営 >>122


  ・イラスト広場(心優しい絵師様、常時募集中)・・・>>62

  ・用語説明・・・>>63




   コメントを下さった優しい読者様


 ・月葵様 
 ・八重様
 ・秘密箱様
 ・エストレア様
 ・小枝様
 ・るるこ様
 ・春野花様
 ・陽様
 ・修道士。様
 ・檜原武甲様
 ・李々様
 ・ちぇりお様
 ・95様
 ・グレイ様
 ・H様
 ・007様



    ———— 『もしも俺が・・・・。』目次 ————


【序章、日常編】 

  表紙→>>12 (八重様)
  挿絵→ 第1幕 >>20 (るるこ様)
      第6幕 >>89 (るるこ様)
      第15幕 >>125 (るるこ様)


   第1幕 『もしも俺が自己紹介をしたのなら……。』 >>1 >>7 >>8
   第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』 >>14 >>16 >>19
   第3幕 『もしも俺が風紀委員会を紹介したなら……。』 >>23 >>24 >>25
   第4幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……。』 >>31 >>32 >>35
   第5幕 『もしも俺がドラえもんの世界に行ったなら……続編。』 >>36 >>37 >>43
   第6幕 『もしも俺(様)が華麗に参上したなら……。』 >>46 >>50 >>51
   第7幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……。』 >>56 >>60 >>61
   第8幕 『もしも俺がアンドロイドの世界に行ったのなら……続編。』 >>64 >>65 >>66
   第9幕 『もしも俺(様)が異次元を渡るなら……。』 >>69 >>70 >>71
   第10幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……。』 >>76 >>77 >>82
   第11幕 『もしも俺(様)がゾンビの世界に飛び込んだなら……続編。』 >>83 >>84 >>85
   第12幕 『もしも俺が休日を過ごすのならば……。』 >>88 >>93 >>96
   第13幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……前編。』 >>101 >>102 >>103
   第14幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……後編。』 >>106 >>107 >>108
   第15幕 『もしも俺がジョジョの世界に行ったのならば……終編。』 >>111 >>112 >>113

   あとがき、そしてコメントを下さった方々に感謝の言葉を!! >>114


【第2章、闇人(やみびと)と天使編】

  プロローグ >>124


   第16幕 『もしも俺が日常を過ごしたのなら……。』 >>128 >>131 >>132

   第17幕 『もしも俺がこれまでの事をまとめたなら……。』 >>136 >>159 >>160

   第18幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……。』 >>163 >>164 >>165

   第19幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……2。』 >>170 >>171 >>176

   第20幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……3。』 >>181 >>185 >>186

   第21幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……4。』 >>189 >>190 >>194

   第22幕 『もしも俺が魔法が使われている世界に行ったのなら……5。』 >>198 >>201 >>204

   第23幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……。』 >>206 >>209 >>210

   第24幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……2。』 >>211 >>215 >>216

   第25幕 『もしも俺(様)がドラクエの世界に行ったのなら……3。』 >>217




    ------------ サブストーリー -------------


  『交差する二人』・・・>>29 >>30 
  (300参照突破記念。黒川と水島の知られざる出会いの物語。)

  『彼ら彼女らのクリスマス』・・・>>54 >>55
  (600参照突破記念。元地山中学生の奇妙なクリスマスの物語。)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ。』・・・>>72 >>73
  (1000参照突破記念。あまりにもカオスすぎた。お祭り過ぎた。黒歴史とか言わないで。)

  『たった一つのバレンタインチョコ。』・・・>>86 >>87
  (1300参照突破記念。遅くなりましたがバレンタインネタ。元地山中学に甘い展開!?ww)

  『風紀委員会の日常日記。』・・・>>104 >>105
  (1500参照突破記念。風紀委員会で極秘に行われる秘密の日記が明らかに!?)

  『The Time Start Of ティアナ。』・・・>>109 >>110
  (1800参照突破記念。霧島とティアナ、そしてあのゼロの復活の物語……?)

  『物語崩壊、カオスなお祭り騒ぎ2。』・・・>>127
  (2000参照突破、日常編完結記念。もし俺メンバーのカオスな物語。
  注意、この物語は18歳未満には刺激の強いちょっとした深夜族成分が含まれています。
  お読みの際はにやけるお顔に気を付けて、一文一文丁寧にお読みください。By ヒトデナシ。)

  『黒水SS By 火矢 八重様』・・・>>158
  (トップレベルの作者様、火矢 八重様の執筆した黒水SS。
  よく読んでくださる彼女でこそ書くことが出来る、レベルの高いSSですw 
  黒水SSは全ての読者様のモノ。皆様適当に妄想しちゃってくださいw
  なお、もしも黒水SSを考えちゃった♪という神様がいるなら、
  ぜひともこちらに投稿してくださればなと思いますw 私も読みたいですしねwww)

  『花狩椿と銀色のいばら道』・・・>>168 >>169
  (2500参照突破記念。花狩先生の少年時代の過去。
  劣等感を胸に秘めた彼の前に現れた、ある人との出会いとは……?)




------------名誉、歴史--------------


・11月25日、『もしも俺が・・・・。』投稿。
・11月29日、100参照突破!! (ありがとうございます!!)
・12月02日、200参照突破!! (皆様の応援に感謝しております!!)
・12月06日、300参照突破!! (3は私の好きな数字です。とにかく感謝です!!)
・12月13日、400参照突破!! (嬉しい限りでございます。執筆ファイト!!)
・12月21日、500参照突破!! (500ですか!! 1000まで半分を切りました!!)
・12月24日、600参照突破!! (メリークリスマス!!)
・12月31日、700参照突破!! (2012年最後の日!!)
・01月05日、800参照突破!! (2013年、始まりました!!)
・02月12日、900参照突破!! (復活しました!! 皆様のためにも頑張ります!!)
・02月13日、1000参照突破!! (明日はバレンタインですか。皆様の応援に感謝!!)
・02月15日、1100参照突破!! (1000という大台を突破できてうれしいです!!)
・02月17日、1200参照突破!! (本編も10幕を突破。これからもバンバン書いていきますw)
・02月18日、1300参照突破!! (スリラーナーイト!! ……申し訳ない、深夜の悪乗りですw)
・02月21日、1400参照突破!! (もうすぐ1500!! 大感謝です!!)
・02月25日、1500参照突破!! (きたあああ!!! 1500参照ついに突破!!)
・02月27日、1600参照突破!! (おおぉぉ!! 応援に大変感謝です!!)
・03月01日、1700参照突破!! (ついに3月ですね!!)
・03月03日、1800参照突破!! (ありがとうございます!! ありがとうございます!!)
・03月06日、1900参照突破!! (もうすぐ2000ですね!! 頑張ります!!)
・03月09日、2000参照突破!! (2000参照突破しました!! 歓喜です!! 最高です!!)
・03月11日、2100参照突破!! (3000目指して頑張ります!!)
・03月11日、序章完結!! (始めの物語、無事に書き終えることが出来ました!! サンクス!!)

・03月18日、第2章、始まり!! (実はというと、サブタイトルに結構悩みましたwww)
・03月18日、2200参照突破!! (第2章も頑張ります!!)
・03月20日、2300参照突破!! (第2章、本格的にスタートです!!)
・03月26日、2400参照突破!! (もうすぐ2500ですね!! 頑張りますね!!)
・03月28日、2500参照突破!! (2500参照突破しました!! 3000目指して頑張ります!!)
・03月30日、2600参照突破!! (たくさんのオリキャラをありがとうございます!!)
・03月31日、2700参照突破!! (なんという快挙!! ありがとうございます!!)
・04月02日、2800参照突破!! (4月になりましたね!!)
・04月06日、2900参照突破!! (もうすぐ3000かぁ……。行けるといいなぁ。)
・04月14日、3000参照突破!! (うわぁぁああ!! 3000です!! 3000なんです!!!)
・05月01日、3100参照突破!! (長期休暇を頂きました!! 本日からまた執筆頑張ります!!)
・09月02日、4600参照突破!! (久々の執筆なので腕が鈍りまくりですねw)
・09月04日、4700参照突破!! (5000までもうすぐですね。頑張ります。)
・09月06日、4800参照突破!! (9月と言えば作者はもうすぐ誕生日とやらを迎えるわけですか。)
・09月09日、4900参照突破!! (もうすぐ5000ですね。頑張りますね。)
・09月12日、5000参照突破!! (5000です!! ありがとうございます。)
・09月14日、5100参照突破!! (私の誕生日です。ありがとうございます。)
・09月23日、5200参照突破!! (最近私の家族にPCを占拠される事が多くなりました。)
・11月18日、5300、5400参照突破!! (ここを建設して約一年になります。)

Re: もしも俺が・・・・。 ( No.48 )
日時: 2012/12/23 17:00
名前: エストレア ◆p0imGsDc06 (ID: 4z3SNsbs)


ども、ガロンが出てきてびっくりのエストレアです!

戦闘シーン…面白すぎるwwww 見ても飽きないってやつでしょうか…。

とにかく最高です! こんなに上手く書けるなんて…。その文才が羨ましい!

DDD教団…なんか怪しそうな名前だけど、どんな事してるんだろうか…。

これは私の勝手な解釈かもしれないが、DDDいうと、星のカービィの、デデデ大王を思い出してしまうwww

まぁ、それは置いといて。

どうぞ、体調に気を付けて、執筆頑張ってください!
ではでは。

Re: もしも俺が・・・・。 ( No.49 )
日時: 2012/12/24 12:00
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



   メリークリスマスでございます!!
   サンタは来るのか? 否、良い子じゃないから来ない!!ww


  “るるこ様”へ


  どうもでございます!! ありがとうございます!! 
  これも優しい皆様のおかげでございます。これからも精進したいですね。

  そう言っていただけて嬉しく思います。
  ドラえもん編で皆様の心に何か感じてくれたらなぁと思ってましたからw
  実際、結構映画ののび太君を意識してましたからw 自然とのび太がイケメンになりましたww

  今はまだフリーなのでチャンスですよ?w 水島ちゃんを取るなら今が好機ですよ!!ww
  私も欲しいですww 現実でこんなモノを開発している中学生がいたら、きっと有名人ですよねww

  ガロンさんの戦闘シーンは初でした?かね。私も書いてて楽しかったですw
  ええ、もちろんですw これからも彼らは色んなところで登場させるつもりですw ご期待をww
  『一人目』が誰なのかも後に明らかになる事でしょう。お楽しみにw

  ありがとうございます!! 執筆の方頑張ります!!



  “エストレア様”へ


  どうもです!! ガロンさん出てきましたねぇ。荒れますよ、これからww
  素晴らしいお言葉をありがとうございます。やっぱり私は戦闘シーンを書いてる時が一番楽しいですねww

  ぶ・・・文才!? いえいえ、そんなものは私にはございませんよww
  けれどせっかく言っていただいたのです。ありがたく受け取っておきたいと思いますww

  DDD教団・・・それは謎の組織。今のとこはこれだけですね♪ww
  デデデwwww クソ吹いたww いやまぁ読めるけどね!?ww

  ありがとうございます。エストレア様もお身体にお気をつけて!!

Re: もしも俺が・・・・。 ( No.50 )
日時: 2013/02/13 00:25
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode



       「パート2。」




   「————さて、色々喋ってもらうぞ、ガロン。」



  レオンとサラは一人目の元に集結し、ガロンと距離を取りつつ話をする。
  もちろん、彼らは仕込まれた術式の範囲外におり、たとえ起動させても被害は食らう事はない。

  元々、彼らはガロンを倒す気はなかった。
  ガロンの動きを封じ、そしてある情報を聞き出すことが目的。その情報とは、



   「……DDD教団について知っている事を話してもらおう。

    お前らは何が目的だ。何のために動いている?」


  『一人目』は相変わらず余裕の笑みを浮かべ、その場に座り込むガロンを見て尋ねる。
  今の状況ではこちらが戦況をコントロールしている。レオンとサラも注意を働かせてスタンバイをしている。

  座り込んでいるところを見ると、逃げるのは諦めたのだろうか……。



   「あー、まぁ喋ってやってもいいんだけどよぉ……。

    けどダメなんだなぁ。今じゃないんだなぁ……。」



  ガロンは独り言を呟く様に言う。何か不気味で、おぞましい何かを肌で感じる。


   「違うのよ。もっとこう、盛り上がるタイミングってやつがあんのさ。まだ序盤だぜ?

    今俺らの目的やら何やらを言っちまったら、
    読者様は急展開過ぎてついてこれないのよ。分かるかなぁ?」



  ガロンは「よっこらせっと!!」という掛け声と同時にスッと重い腰をあげるように立ち上がる。
  レオンとサラは警戒体勢に入り、『一人目』も術式を起動させる準備をする。



   「まだ序盤よ。あせんじゃねぇ。焦らなくても、俺達が争うこたぁは必然なんだよ。


    ————その時また、会おうじゃねぇか、ガキ共よ。」



   「……逃げられるとでも? 一歩でも動けば————」



  瞬間、音もなくガロンは消える……。
  まるで煙のように姿を消し、その場に冷たい風が通り抜けていく。



   「……目標ロスト。ちっ、なんて速さだよ。」

   「くッ……術式を起動出来なかったぐらい速かった。
    まさか何の動作もなく超スピードで逃げ出すなんて……。

    本当、底なしの強さを持っているな。ガロン……!!」



  『一人目』はその場にストンと座り込み、パチンと指を鳴らし、術式を解く。
  レオンとサラもその隣に座り込み、一息つく。ようやく気が抜けたようだ。


   「……結局、何を言っているか分かんなかったね。」

   「全くだぜ。何が読者様だ。あのヤローは小説家かなんかかよ?」


  確かに、まるで意味深な事ばかりしか聞けなかった。

  それに序盤……か。彼らの計画がまだまだ完成には程遠いということか? 
  いや、そもそもその計画とやらが何なのかが————



   「————いや、それにしても、僕達がよく無事でいられたものだ。まずはそれで良しとしよう。」


  『一人目』の口から、安堵の溜め息が漏れる。思い返して見れば、私達は非常にラッキーだった。


  ……はっきり言って、全滅も覚悟した。それぐらいの相手だということは前から知っていた。

  ガロンは私達が思ってる以上に底のしれない相手だ。
  多分今までの戦いは奴の本気ではない。軽く流していた程度だろう。

  奴はかなりの気分屋であることも知っているし、
  彼が本気を出せば僕達があっという間に全滅していたことも紛れもない事実だ……。



   「これがバケモノの集まり、DDD教団か……。」



  『一人目』は兜越しに深い溜め息をついて、物思いに更けた————。














   「————おーい紫苑、間違いねぇのかよ? そろそろめんどくさくなってきたー。」



  ある商店街の道、人の通りの良いところで、男の子の声が響く。その男のとは……柿原召だ。
  召の視線の先には紫苑がいて、紫苑は何やら真剣な表情で辺りを見渡す。


  “むー、タロットの占いで、この辺で『何か』が起きてるって出てたから来たんだけどなぁー。”


  ボクの占いは外れることはない。それは断言できる。ゆえに何かが起きているのは確かなのだ。
  だが紫苑はその何かが分からず、思わずため息をつき、肩を落とす。
  そんな紫苑を見て、召はやれやれ、と呟き苦笑する。



   「はぁー残念、せっかく楽しそうな事が起こるんじゃないかって思ってたのにー。」

   「ほぉ。では、お嬢ちゃん。俺様が楽しい所に連れて行って差し上げますがどうですかい?」

   「ええー、召クン。どこに連れて行ってくれるのー?」




   「……おい、今の言ったの俺じゃないぞ。そいつだ。」




  「え?」という情けない声と共に、紫苑は召の指さす方を見る。



  ————そこには、二人とも見覚えのない青年が、ニコッと笑って立っていた。

Re: もしも俺が・・・・。 ( No.51 )
日時: 2013/02/13 00:31
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

        「パート3。」




   「————ぎゃあぁー!! 誰—!? どなた様!?」

   「どうも。お嬢さんの心の天使、紳士という名の変態でございます。」

   「……紫苑。こいつは想像以上にめんどくさい奴がきだぞー。関わらない事をお勧めする。」



  ————ペコッと丁寧に頭を下げる自称『変態』。

  それを戸惑った表情で見る紫苑と、警戒の眼差しを向ける柿原。


  身長173㎝程。髪はパイナップルの如く髪型をしており。長い髪を青いヘアバンドでとめている。
  その髪の色は琥珀色。瞳の色は黒。
  服装は、黒い長そでの上から青い陣羽織を羽織り、下も黒色のシンプルな長ズボン。

  時代を感じさせるような服装で、まるで武士のようだ。そのせいか、妙に大人っぽさを感じる。


   「えー、そんなこと言わないでよ〜。ほら、ちゃんと自己紹介すっからさ。

    俺ちんは『瓦 源次 (かわら げんじ)』。14歳。独身よ?」


   「あー、んなことは分かってる。めんどいヤローだな。」


  柿原ははぁ、と深いため息をつく。そんな柿原をお構いなしに、さらに紫苑に突っかかる。


   「ねぇねぇお嬢ちゃん。どうよ? 今からちょっと俺様と夜の営みでも?」


  あのなー、まだ夕日も沈んでいないのだが? いきなり下ネタかよ。


   「それとも、今からお酒でも飲みに行く? 俺ちんいいお店知ってるよー?」


  お前も含め、ここにいる全員未成年なんだが?


   「嬢ちゃん、スリーサイズはいくらだい? いい身体してるね〜。」





   ————————。





   「嬢ちゃん、今日一日俺様と過ごすってどうよ? もちろん夜は————」

   「……もうやだ。鬼さん、こいつ殺っちゃいな。」



  パチンと柿原が指を鳴らすと、空間のねじれから一匹の恐ろしい顔つきをした『鬼』が……。

  体長は2メートル以上。片手にはトゲトゲの金棒。
  眼力がね、もうなんて言ったらいいか分からないぐらい怖い。
  その姿を眼前にして、さっきまで紫苑にしか目になかった源次もキョトンとして鬼を凝視する。


   「……ってギャアアアー!! 何これ!? すっごく怖いんですけど……って、少年?」

   「散れ。そしてミンチになれ。鬼さん、後よろしく。」


   「ちょっとまてぇぇぇーー!! 悪かった!!

    俺ちんが悪かった!! だから頼むから助けてぇぇ!!」



  ガッシリと召の足元を掴み、これ以上にないぐらい綺麗に土下座する。
  その隣で腹を空かせたライオンの如く唸る鬼。主人である柿原の指示を一心に待つ。


   「……どうするー紫苑? ミンチ? それとも見逃す?」

   「ボクは全然いいよー。むしろ面白かったしねー。ナンパなんて久々♪」


  あんだけ迫られていたのに、何一つ嫌な顔をしない紫苑。むしろ面白がっているようにも見える。
  紫苑は人柄が良いためか、誰にでもフレンドリーだ。
  ゆえに変な奴とも友達になってしまう傾向がある。


  どう見ても目の前で土下座してる奴は変な奴なんだが……


   「……分かったよ。許してやるよー。鬼さん、帰って良し。」

   「恩に着るよぉ少年!! お詫びに俺ちん、おたくらに一生ついて行きますぜ!!」

   「いや、来なくていいから。そのまま帰れ、めんどくさい。」

   「ええぇぇー!! そんなぁ。そう言わずにさぁー。」


  柿原はシッシッと手ではねのける様に振り、紫苑を連れて源次に背を向ける。



  “やれやれ、可笑しな奴に絡まれたなー。出来ればもう会いたく————”





   「————いいのかい? 嬢ちゃんさぁ、ここに用があったんじゃないのぉ?」



  その一言に、二人の動きがピタッと止まる。源次はそんな二人を見て、ニコッと笑い、二人の前に立つ。


  “こいつ……なんか知ってるような口ぶりだなー。何者?”

  柿原はさらに警戒の信号をチカチカとさせる。いつでも戦闘態勢に入れるように。



   「おーい、なんか誤解してない!? そんな警戒しなくてもいいじゃん? 
    心配しなくても、ここでバトル展開とか、俺様が悪の親玉とかいう展開はないから!!」


  源次は両手を前に出して、否定するように言う。それでも相変わらず胡散臭い事には変わらない。

  でも、柿原の警戒が少し緩んだ気がした。
  直感的に胡散臭いとは思っていても、危険な奴ではないと分かったからだろう。
  ちなみに、紫苑は全く警戒などしていないのだが……。むしろ、源次の意味深な言葉に興味津々だ。



   「いやね、実はさ、俺ちんもこの辺で何か異変を感じてね。空間の乱れ、って奴?」


  源次がそう言った瞬間、間髪入れずに紫苑が言った。



   「そう、それ!! ボクも感じたんだー。占いでそれを感じ取って、ここに来たんだよねー。」

   「占い? 嬢ちゃん占い師かい。そうだとしたら相当の腕だねぇ。俺ちん占ってもらおうかなー?」


  占いに興味津々な源次は「ダメかい?」、と手を合わせて頼み込む。それを見て紫苑は笑顔で、


   「いいよー。何について占うー?」

   「そうねぇ、じゃあ俺ちんの今後の美女との出会いを————」




  ……おい、なんかこいつ、打ち解け始めてないか?

  いやいや、待て待て。たった今初めて会って、初めて話して、いきなりナンパしてきた変態野郎だぞ!?
  なんでこんなに友達的な感じになってんだ!? そんでもって、もう紫苑とは仲良くなっちゃってるし!!

  つうか、あの意味深な言葉の真相は!? 空間の乱れがどうたらはどうしたんだよ!?




   「んー? なんだい少年、おたくも俺様の美女との出会いがいつ来るか気になるかい?」


   「んなもん一ミリも興味ねぇよ!! というか、結局お前は何を知ってるんだよー!? 
    空間の乱れってなんだよ? 何が言いたいんだよ?」


  柿原がそう尋ねると、源次は頭に『?マーク』を浮かべて首をひねる。



  そして源次は一言。「何の話かね?」、と……。





  “こいつ……さっきまでの話をまるで覚えてねぇ!!”


  バカだ。典型的なバカだ。当時、柿原は霧島に次ぐバカを発見した、と語り継いでいる……。




   「…………おたく、超俺様の事バカにしてんでしょ? 失敬な。ギャグの通じん少年だねぇ。」


  どうやら、さっきのやつは冗談だったらしい。紛らわしい。まぁでも、バカなのには変わりない。

  源次はふう、と一息ついて、語り始める————。



   「どうやら、嬢ちゃんと俺ちんが感じた空間の乱れってのは、
    『異空間との繋がり』によるものだったみたいね。

    簡単に言うならね、どっかの違う世界の住人が、空間を捻じ曲げてここに来たみたいなんよ。
    二人が感じた乱れってのは多分ソレの事だろうねぇ……。」



  源次の言っていることは、あまりにも抽象的すぎて、そしてあまりにも現実味のない話であった。

  なぜなら、異世界から来たとか、空間を捻じ曲げるとか、
  俺らの今までの生活に使われるような単語じゃない。
  ゆえにそんなことを言われても、いまいちピンと来ないのが正直、といったところ。


  ……だが、心のどこかでトクントクンと胸が打ち始めるのも確か。



   「とりあえず、誰かがここにきたというのは確かだねぇ。

    ————ところでさ、おたくらに頼みがあるんだけどいい?」


  源次は尋ねる。紫苑と柿原は首をかしげて聞く。



   「あのねぇ、俺様この空間の乱れの謎について調べてんの。
    なんでこんな乱れが最近増え始めたのか、ってね。
    どうやらこれを見ると禍々しい感じがしてねぇ。嫌な予感がすんのさ。

    そこでさ、お嬢さんの力と少年の力を貸してほしいのさ。
    いきなりこんなお願いすんのもどうかと思うけど、お願いしますよ。この通り。」



  源次は頭を下げて言う。先ほどは胡散臭い雰囲気しか出ていなかったが、
  今はなんとなくそんな気はしない。本当の事を言っている気がする。


  さっきまでの表情とは違って、真剣な表情で頭を下げる源次に、柿原は、


   「……おい、具体的には何をすればいいんだよ?」

   「えー、召クン珍しいー。絶対に『めんどい……。』って言うと思ってたー!!」

   「しょ……少年……!! すまねぇ、恩に着るぜぇ!!」


  柿原は頭をカリカリと掻き、茶化す紫苑をポコッと軽く一発殴る。
  殴られた紫苑は「うぅー……」と唸り声を上げ、ムッとした表情で柿原を見る。
  源次はもう一度ペコッと一礼し、頭をゆっくりと上げる。



  “いずれにせよ、最近紫苑も気になっていた問題みたいだからな。
   紫苑は止めても協力しようとするだろう。だったら俺が拒否しても無駄だろうからな。


   それに、俺も紫苑も心のどこかでワクワクしてるんだ……。『何か』が起こりそうだってな————!!”



  その後、紫苑から話を聞くと、紫苑は柿原の思っていた通り、協力する気満々だったという。
  なんせ俺達は何かしらの刺激をいつも求めてる。事件とか、事件とか、事件とか。


  ようするに、退屈だったんだ。俺達は。


  だから紫苑も、この空間の乱れとやらを見つけた時は、目がキラキラしていた。
  何か起こるのでは、と期待して。結果、変態に出会ったわけだが……。

  そして今、何かが起ころうとしている。そしてその中心に俺達がいる。
  それが楽しくないわけがない。胸が躍らないわけがない————!!



   「召クン、なんだか嬉しそうだねー?」

   「……そういうお前こそな、紫苑。」

   「え、なになに、俺ちんも会話に混ぜてよぉー!!」




  そんなこんなで、こんな変な奴、『瓦 源次』に出会った俺達だが、



  それは確かに、胸躍る物語の始まりを示していた————!!



       ————————第6幕 完————————

Re: もしも俺が・・・・。 ( No.52 )
日時: 2012/12/25 13:05
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: qgJatE7N)
参照: 参照600突破おめでとうございます!

ど、どうしよう……。


柿原君が、唯一まともに見えるッッッッ……!!!www



こんにちは、火矢八重でございまする。
相変わらず面白い展開になってきましたのうw


そして! 変態だらけで気付かなかったけどやっと下ネタ担当キャラ登場!!!w
紫苑ちゃんがあんまりにもマイペースすぎて笑いました(爆笑

空間のねじれとは一体なんでしょう? 気になります!!!
更新お疲れの出ませぬようw


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