二次創作小説(紙ほか)
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- 【銀魂】 生涯バラガキ 【風霧八雲の憂鬱編】
- 日時: 2014/04/17 21:43
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: Ay9mdA1D)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/
真選組女隊士、土方栄蓮。
鬼の副長土方十四郎。
___最強最悪のコンビである。
———————————————————————
『鬼の副長 土方十四郎』の妹にして真選組女隊士の物語。
!注意事項
◆駄文,更新ノロマ,グダグダ,主人公が馬鹿(((
◆アニメ+原作沿い+時々オリジナルです
◆ギャグ99%+シリアス0.5%+恋愛0.5%=馬鹿100%
◆パクリ,チェンメ禁止!
◆ノリとテンションだけはいつでもMAX
◆グロい描写あり,ノリとテンションだけはいつでm(((
◆死ネタ入ります
※元『真選組、鬼の副長の妹です。』
参照≒私の書いているブログです。主にこの小説のイラスト載せてます。
「これは一応イメージもっていただく上で見てもらおうかな」
ってものはカキコにてでも一応報告し、↓のイラストにも載せます。
でも「まぁ別にいっか」ってやつは特に報告なしなので、暇があれば遊びに来てください(笑)
その他裏話とかいろんなこと載せたいと思います( ´∀`)
!イラスト
>>*ゆる〜く栄蓮を描いてみた(!下手っぴ、閲覧注意!) >>19
>>*ゆる〜く八雲を描いてみた(!下手っぴ、閲覧注意!) >>30
>>*ゆる〜く晴香を描いてみた!(下手っぴ、閲覧注意!) >>41
>>*武州時代栄蓮と蒼紫の化け物時代八雲!(下手っぴ、閲覧注意!) >>139
>>*オリキャラ達に色をつけてみた!(!下手っぴ、閲覧御注意!) >>162
>>*瑠李様が栄蓮を描いてくれました!(有難う御座います!) >>28
>>*瑠李様が八雲を描いてくれました!(誠に有難う御座います!) >>39
>>*瑠李様が晴香を描いてくれました!(本当に有難う御座います!) >>47
>>*りあ様が栄蓮を描いてくれました!(有難う御座います!) >>88
>>*参照数3000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(誠に有難う御座います!) >>170
>>*参照数6000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(本っっ当に有難う御座います!) >>284
>>*参照数7000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(もう本当に有難う御座います!) >>315
>>*コメント返信数100突破&参照数1500突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>102
>>*コメント返信数200突破&参照数3900突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>203
>>*コメント返信数300突破&参照数7000突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>316
!目次
>>*プロローグ/攘夷浪士討伐専門三番隊 >>01
>>*オリジナル登場キャラクター/随時更新 >>02
◆池田屋編〜柳生編 01訓〜70訓 目次 >>178
◆捨て犬編
--71訓 今読み返してみるとグダグダすぎてワロス >>179
--72訓 どの漫画にもかっこいいキャラがたくさんいるよね >>183
◆将ちゃん編
73訓 大物は何をしてもすごく見える >>185
74訓 運に身分は関係ないけどちょっとは関係してほしいと思う時もある >>187
◆ミツバ編
75訓 世の中というものは全てバランスによって保たれている >>189
76訓 味覚がおかしい人には全力で応えてあげるべし >>191
77訓 仲いい人でも自分の知らない間に一度は傷つけてしまってる >>194
78訓 怨みは怨むほど強くなるって本当っぽくね? >>195
—
--79訓 友達は大切にしましょう >>197
--80訓 弱ってる奴にはちゃんと声をかけてやれ >>198
--81訓 優しい人は損をすることが多い >>199
—
82訓 第一印象に騙されちゃだめ >>201
83訓 兄妹は互いに支えあって生きていく >>203
84訓 本当に信頼できる友をつくれ >>205
85訓 不器用な人ほど悪役に見えてしまう >>209
--86訓 真選組一番隊隊長 >>212
◆芙蓉編
87訓 ロールプレイングゲームはレベル上げを頑張るべし >>215
88訓 日本のホラー映画は背後や足元に気を付けろ >>218
89訓 人体○成…それは禁k…って、え? 漫画違う? >>221
90訓 親って基本優しいけど娘に対して優しいのはどっちかと言うと父親 >>223
91訓 お寿司にはお醤油? 甘だれ? それともケチャップ? >>227
92訓 高いところから飛び降りるとたまに足にジ〜ンってくるよね >>229
93訓 友達っていうのは気づけばできてるもんだ >>232
94訓 似たような奴はやっぱ考えることも同じ >>235
◆OWee編
--95訓 私欲の裏切りじゃなくて相手を思っての裏切りってちょっと格好よくない? >>236
--95.5訓 めでたい日には警察も泥棒も関係なし…かな? >>238 (台本書き)
96訓 バカもアホも気づけば友達 >>239
97訓 よく見知った奴は変装しててもすぐわかる >>242
98訓 人生は名前で決まることもある >>244
99訓 アレイズが使えるとホント助かる >>246
◆真選組動乱編
100訓 誰だって苦手な人くらいいる >>248
101訓 頭いいやつの考えてることはいまいち分かんない >>250
102訓 大事な人が貶されたら本気で怒れ >>253
103訓 困ったときは相手の顔をじっと見つめろ >>255
104訓 辛いときには支え合うのが家族だ >>257
105訓 仲間を傷つけられて平気でいられる人間になるな >>259
106訓 普段喧嘩してる奴からの一喝はかなりきく >>261
107訓 本当に強い奴はいざという時にめっさ動く >>263
108訓 漢(オトコ)を見せろ >>267
109訓 人間全ては己の心次第だ >>270
110訓 人の話を聞くときにヘッドフォンなんてつけてちゃダメ >>273
111訓 天才がいるとしたらそれは努力の天才だ >>277
112訓 仲が悪いほど縁ってやつがある >>279
113訓 どんな名前にも色んな思いがこめられている >>281
114訓 終わりよければ全て良し >>284
◆追憶編
--115訓 夢は見るものじゃなくてつかむもの >>287
--116訓 護られるものじゃなくて護るもの >>290
--117訓 殺したいんじゃなくて護りたいもの >>292
--118訓 女が護るんじゃなくて男が護るもの >>295
◆厠革命編
119訓 トイレにはそれはそれは綺麗な女神様がいるんやで >>297
120訓 だから毎日綺麗にしたら女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで >>301
◆モンハン編
121訓 人を馬鹿にしたら絶対自分に返ってくる >>304
122訓 現実と二次元は表裏一体 >>307
123訓 役に立たなそうなものほど意外と役に立つんだよ >>310
124訓 腐れ縁ってのがある人間同士は現実だろうと二次元だろうと何かと出会う >>312
125訓 ヤッベェェェ今日テンション高いわァァァァァァぎゃっぼォォォとか言ってるやつ、それ今日の作者 >>316
126訓 やっぱり最後は主人公の特権があるもんだ >>319
◆写真編
127訓 掃除中に懐かしい物が出てくると、
それを見るのに夢中になって結局掃除できないって事あるよね >>322
◆文通編
--128訓 男にはそういう時期があるらしい >>325
129訓 顔は一緒でも差があるのはやはり何かが違うからだ >>327
130訓 日本語は色々と難しい >>331
131訓 目には目を、歯には歯を、シスコンにはシスコンを >>335
132訓 王道でもマイナーでも面白ければそれでよし >>337
133訓 女の子は優しく扱え >>340
134訓 地味だろうが何だろうが最後に笑うのは真っ直ぐな奴だ >>342
135訓 美味しそうなものがたくさんあっても不味けりゃ意味がない >>345
◆風霧八雲の憂鬱編
--136訓 裏の裏の裏をよめ >>346
--137訓 「今日から○○する!」「あ、やっぱ明日から!」とか言う奴は先延ばしにしすぎて結局しない >>349
※万事屋サイドストーリー『情報屋ナギ』同時更新開始。
よければ遊びに来てください( ´∀`)
【○○編とありますが、名前が分からないものには適当につけております。それかオリジナルの章です】
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【ミツバ編】 ( No.203 )
- 日時: 2013/12/16 00:17
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: KHOJpGst)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11729917553.html
牡丹様
かきながら何度泣きそうになったことか…((
そ、尊敬だなんて…! 滅相もございません(´Д`)
分かりました! 是非見に行きますね! そして全力応援←
————————————————————————————————
参照≒「コメント返信数200突破and参照数3900突破感謝イラスト!」です!
本当に有難う御座います…!(´∀`)
—
栄蓮達の間に一波乱あったその頃。
総悟にミツバを頼まれていた八雲は病院にやって来ていた。
83訓 兄妹は互いに支えあって生きていく
『 実は…ミツバ殿の嫁ぎ先の転海屋、攘夷浪士と黒いつながりが… 』
…坂田さんと一緒に、ついさっきザキから聞いてしまった言葉。
なんだよそれ…。転海屋、蔵場当馬は…攘夷浪士に武器を売っている闇商売人。
三番隊の隊士数名を重傷に追い込む原因となったあの武器をまわした張本人。
「…さん。八雲さん。…八雲さん!」
「あ…すいません」
イカンイカンイカン。変な素振りを見せるな、俺。
例え旦那をしょっぴかなくちゃいけなくても…。…いけなくても…。
…………。どーすんだよ隊長ォォォォォォ?!
「銀さん、八雲さん。山崎さんと何を話していたんですか?」
「あ? なんでもねーよ、気にすんな。なァ、八雲くん」
「そっスね。男同士の話なんて【ピー】とか【ピー】のことばっかりッスよ」
「もうっ、八雲さんったら」
嘘だけども。…つかなきゃいけない嘘も、あるんだ。
「男の子って幾つになってもそうなのね。集まってはつるんで悪巧みばかりして。
あの人達もそう…。男同士でいる時が一番楽しそうで、結局女の子の入り込む余地なんてないの」
「…………」
「だからこそ…そんな輪に悠々と入れている栄蓮が、ちょっと羨ましいの」
「あの人は女として見られてないッスから」
「あらまぁ」
クスクスと笑うミツバさん。…こういう人を女っていうんだ!
…幸せに、なってほしいなぁ。
「八雲さん。屋敷前で…私に“恨んでるか”って聞いたわよね?」
「あ…はい」
「何? 八雲くん何したの? 襲ったの?」
「ンなわけないだろーが」
何を言うかこの天パ野郎は。俺がミツバさん襲うわけねーだろ。
「私は八雲さんのこと…少しも恨んでなんかないわよ?」
「え…。でも…、隊長は俺のせいで江戸に行くことになったわけですし…。
二人の仲を裂いたのは…俺……」
「私が押したの、栄蓮の背中を」
え…? 押した…? ミツバさんは、隊長と一緒にいたかったんじゃ…?
「勿論私も栄蓮と一緒にいたかった。でもね…聞いてしまったの。近藤さんから、色々なことを。
八雲さんのことも聞いた…。八雲さんが求めている人も、分かってた」
「ミツバさん…」
「栄蓮は優しいから…傷ついてる八雲さんのために、きっと江戸に行くんだろうって思ってたの。
でもね…毎晩毎晩眠れないくらいに悩んでたみたいなの」
「……」
「大きな隈を目の下に作って…。あぁ、そんなに真剣に悩んでくれてるんだ、って思ったの。
だからこそ…引き止めるわけにもいかなかった」
隊長が…。あの頃、そんなにも…。
「なによりもね…私も八雲さんに、幸せになってほしかったの」
「……」
「その為には栄蓮が必要不可欠だって気づいてたから。
だからね…私が彼女の背中を押したの。行きなさい、って言ったの。私が、こうなる事を選んだの」
「ミツバさ…」
「だから八雲さんが責任を感じる必要なんてないわ。…ね?」
「…ッ」
なんで…なんでこんなに、優しいんだ。俺、なんかに。
あの時の俺なんて尚更だよ。ただの人斬りだったのに…。
「八雲さん…もっともっと、幸せになってくださいね」
「っ…ありがとう、ございます…」
「私も…この年まで体のこともあってそーちゃんには心配かけてしまったから…。
そーちゃんを安心させてあげなきゃ。…幸せに、ならなきゃね…」
『 ミツバ殿の嫁ぎ先の転海屋、攘夷浪士と黒いつながりが… 』
…………。…俺の幸せを、こんなにも願ってくれてるミツバさん。
この人のために…俺は何ができるんだろう。
「ッケホ…ケホケホッ…」
「…! オイ、大丈夫か? もう休んだほうが…。身体にさわるぞ」
「ゲホッ…大丈夫、です…。ッ八雲、さん…。栄蓮に、伝えて、ほしい、ことが…ゲホゲホッ!」
「そんなことよりもミツバさん…! もう休んでください…!」
「お願い、です…。栄蓮に…“そーちゃんを、お願いします”…って…!」
「な…何言って…。じ、自分で伝えないと。ね、ミツバさん…!」
そのあいだにもミツバさんの咳はひどくなっていく。
ちょ…これ、まずい状態じゃねーか…?!
「ゲホッゲホゲホ…! ゲホッ、ゴホッ…!! …コフッ……!!」
「?! 血…?!」
「!! オイッ!!」
—
「ミツバ殿の容態が、急変したみたいです」
「「!」」
…なにそれ……。…っなにそれ…! なんで…なんで今なの…?!
今、私と兄さん、ザキは…取引が行われている現場に来ている。
ここで…転海屋、蔵場当馬を捕まえなければいけない。
「かなりマズイみたいで…家族の者はそれ相応の覚悟はしておけと…医者が…。
…副長、行ってあげてください。こんな時に仕事なんざ……」
「……」
「それも…よりによってミツバさんの婚約者をしょっぴこうなんて…、酷です。あまりにも…。
ミツバさんや沖田隊長の気持ちも考えてやってください…」
…ザキが言ってることは、きっと間違ってないんだけど。
きっと。…きっと兄さんは、いくつも先のことを見据えてるんだ。
もし今見逃したとして、その後真選組はどうなる?
ミツバは…どうなる?
「副長が間違ったことをしてるなんて思っちゃいませんよ。
今奴等をほっときゃ…いずれその武器で俺達の仲間が殺られちまうともしれない」
「……」
「でも今やるべきことは…こんな事じゃないでしょう…。
土方さん。栄蓮隊長も…今いるべき場所はここじゃないでしょ?」
「ザキ…」
兄さんをチラリと見れば…何故か笑ってる。
でも…普通の笑みじゃ、なくて。
「フン…俺達が薄情だとでもいうつもりか? …そうでもねーだろう。
てめーの嫁さんが死にかけてるってのに…こんな所で商売にいそしんでる旦那もいるってんだからよォ…?」
「っ…兄さん…」
一瞬。…本当に、一瞬だけど。背中に…ゾッて、何かが走った。
“鬼の副長”って言われてる兄さん。…こういう時、本当に分かる。
こういう…本気で怒っている時の、表情を見ると。
「山崎。お前この件誰にも他言しちゃいねーな?」
「……。…ハ、ハイ…」
「知ってんのは隊内じゃ俺と栄蓮とお前だけだな?」
「……。…ハイ」
「んじゃ、引き続きこの件は極秘扱いで頼むぜ」
「え…ちょ、兄さん…?!」
一人で歩いていく兄さん。…まさか、あんの馬鹿兄さん…?!
「ふ…副長ォォォォ!!」
「一人で行くってかあのバカ兄さんは…! …ッザキ!!」
「は、はい?!」
「……。…ミツバのこと、お願いね」
そうザキに言えば、ザキの瞳が見開かれた。
ごめんね。今いるべき場所は、ここじゃないのかもしれない。きっと兄さんも、そう感じてる。
でも兄さんが選んだのなら…。その痛みと重み分け合うのが、兄妹でしょう?
「ちょっ…栄蓮隊長! 二人だけでは厳しいです!」
「行ってきまーす」
「ちょっとォォ?! っ栄蓮隊長ォォォォ!!」
—
走って兄さんに追いつけば、兄さんは驚いたようにこちらを見てきた。
…そんなビックリしなくてもよくね?
「おま…なんでいるんだ?!」
「なんでって…私三番隊隊長だし。責任とらなきゃだし」
「……。お前、今からやろうとしてること分かってんのか?」
「……」
「アイツの旦那…しかもこんな時に、しょっぴこうとしてるんだぞ?」
…兄さんも、同じのくせに。惚れた女の旦那、しょっぴこうとしてるくせに。
「…後悔は、するかもしれない。…でも。
ここで殺っとかないで…あとからミツバが大変な目にあうのもイヤ」
「……」
「それに兄さん…総悟の立場、考えてるんでしょ?」
「…ったく。なんでこんな時だけはンな鋭いんだバカ」
「誰の妹だと思ってるんですかー?」
喋りながら進んでいけば…どこかで見たことのある後ろ姿が見えた。
私と兄さんは気配を殺して近づき、その背中をとる。
ジャキ、と二本の刀を蔵場当馬の首にあてた。
「……おやおや」
「——転海屋、蔵場当馬だな」
「——御用改めである」
「「神妙にしてもらおうか」」
( 全ては大切な姉弟のため )
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【ミツバ編】 ( No.204 )
- 日時: 2013/12/16 15:43
- 名前: 牡丹 ◆9nf7vs0ewk (ID: x2W/Uq33)
うああああミツバさんンン!←
やっぱ切ない…先を知っていると辛いィィ…
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【ミツバ編】 ( No.205 )
- 日時: 2013/12/16 23:18
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: rBpxuBxx)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11730486012.html
牡丹様
確かに辛いです…!
ミツバ編は好きなんですけど切なくて切なくて…!
—
蔵場当馬の首に刀を当てている栄蓮と土方。
二人の方をチラリと見て、蔵場はフッと笑った。
84訓 本当に信頼できる友をつくれ
「あなた方はいつぞやの…」
「武器密輸及び不逞浪士との違法取引の容疑でお前を逮捕する。神妙にお縄につけ」
「…フフ。友人の婚約者をためらいなくつかまえますか?」
蔵場の言葉に栄蓮が眉をひそめた。
「婚約者ァ? 悪いけど私達はアンタをミツバの婚約者だなんて認めないねェ」
「…これはこれは。この間は浪士20名をたった一人で殺ってくれたようで」
「どうも。…今日はアンタが殺られる番だよ」
ニィッと笑う栄蓮。その瞳は夜の光で妖しく輝いている。
「本当に太い神経をお持ちのようですねぇ…」
「…犯罪に手ェ染めながら真選組の縁者に手ェ出すたァ…てめーも太てェ野郎じゃねーか」
「それはそれは…どうも」
「「——!」」
二人の背後には、武器をかまえた浪士達が迫っていた。
—
容態が急変したミツバ。総悟と近藤は駆けつけてきた。
そして総悟はその場から一歩も動かず、眠るミツバを見守っていた。
「総悟」
呼びかけられ、総悟はのろのろと近藤の方を見る。
「いい加減お前も休め。昨日から一睡もしてねーじゃねーか。
俺と交代! 寝てきたから、俺!」
「…目の下、くま」
「……。メイクだコレは」
そう答える近藤。
そんな時、この場には不釣合いな大きないびきが聞こえてきた。…銀時である。
「いいなアイツは、ノー天気で。…つーかなんでいるの?」
「見舞いに来てくれてたんスよ…」
「そうか。八雲、お前も休め。疲れきった表情だぞ」
「いえ…俺は平気ッスから」
銀時の傍らに腰掛けながら微笑む八雲。
そうかと近藤は答え、ミツバのいる方を見ながら口を開いた。
「総悟。…トシと派手にやり合ったらしいな。珍しいじゃねーか、お前が負けるなんて」
「……。…今は、野郎の話はやめてくだせェ」
「詳しくは教えてくれんかったがな。言っていたぞ、今のお前には負ける気がせんと」
「やめろって言ってるんでェい!!」
静かな病棟に総悟の大きな叫び声が響いた。
「なんだってんだ、どいつもこいつも…。二言目にはトシトシって…。
肝心の野郎はどーしたィ。姉上がこんなだってのに姿も見せねェ。
昔振った女が死のうがしったこっちゃねーってかィ。…さすがにモテる男は違うときた」
「…やっぱりお前、疲れてるみたいだな。寝ろ」
「……。…軽蔑しましたか」
「寝ろ」
「邪魔ですかィ、俺は。…土方さんと違って」
「!」
「っ近藤さん!」
総悟の胸倉を掴んだ近藤に対して八雲が声を荒げた。
その時だ。向こう側から誰かが走ってくる。…山崎のようだ。
「局長ォォォォ!」
「や、山崎?! …なんでアフロ?!」
「んなこたどーでもいいんですよ! 大変なんです! 副長と栄蓮隊長が…!」
「「「!」」」
その言葉に近藤は総悟の胸倉を離し、山崎に近づいた。
「副長と栄蓮隊長がたった二人で取引現場へ…! 現場には多くの浪士どもが…!」
「ト…トシと栄蓮が二人で?! 山崎ィ! てめェなんでその件今まで黙っていた!!」
「す…すいません…! 副長にかたく口を止められていたんです!」
山崎の叫びに三人が反応した。総悟は何とも言えぬ予感を察する。
「親類縁者に攘夷浪士と関係のある者がいる事が隊内にしれれば、
沖田隊長が真選組での立場を失うと…!」
「…?!」
「トシの野郎…! ハナからてめー一人でカタつけるつもりだったな…! 無茶なマネを…!
栄蓮もそれについて行ったんだろう?!」
「は、はい…! ですが栄蓮隊長は先日浪士共と接触した時に負った傷がまだ…!」
「あんの馬鹿兄妹ィィィ…!」
総悟の瞳が見開かれている。…それはそうだろう。
お前なんて知らねェと土方に言われたはずなのに。
「あの野郎ォ! ……?!」
「お前は動くな、総悟。…傍にいてやれ。
それに…今のお前では足手まといだ。剣に迷いのある奴は死ぬ」
ギリッと近藤の腕を掴む総悟。その目つきは鋭い。
「俺達を信じろってかィ。…冗談じゃねェ、俺はあいつらに貸しつくるのだきゃあ御免こうむるぜ。
近藤さん…アンタは俺を誤解してる。俺はアンタが思う程キレイじゃねェ。てめーの事しか考えちゃいねェ」
「……」
「いつもアンタ達と一緒にいても溝を感じてた。俺はアンタらとは違う、って。
…だから姉上もアンタもアイツらの所へ…」
——ドカァァッ!
近藤が総悟を思い切り殴り飛ばした。その手が赤く腫れる程に。
総悟は銀時が眠っているソファに思いっきりぶつかった。
「イテテ…。ずいぶんと俺には手厳しいな、近藤さんは」
「そりゃお前がガキだからだ。トシや栄蓮がお前と同じこと言ったら、俺ァ奴らも殴ったよ。
…俺達ゃそういう仲だろう、総悟」
近藤は座り込んでいる総悟を真っ直ぐに見つめた。
「誰かがねじ曲がれば他の三人がぶん殴ってまっすぐに戻す。昔からそうだった。
だから俺達は永遠に曲がらねェ。ずっとまっすぐ生きていける」
「……」
「てめーが勝手に掘った小せェ溝なんて俺達は知らねェよ、そんなもん。
——何度でも飛び越えてって、何度でもてめーをブン殴りにいってやる」
拳をつくり、力強い声でいう近藤。総悟の瞳が見開かれた。
「そんな連中…長ェ人生でもそうそう会えるもんじゃねェよ。
…俺達ゃ幸せもんだぜ。そんな悪友を…人生で三人も得たんだ。いや…いまや四人だ」
そう言って総悟に背中を向ける近藤。八雲も同時に立ち上がり、それに続いた。
「総悟。…もし俺が曲がっちまった時は、今度はお前が俺を殴ってくれよな」
その言葉を残し、立ち去っていく近藤。八雲は小さく微笑んでから近藤と共に立ち去る。
「……」
ハァー、と総悟は息を吐いた。ソファにもたれ天井を見上げる。
「…惚れてたんですよ、本気で。冷たくつっぱねられながら…それでも、ずっと。
野郎の帰りを待ってた…ずっと。ようやくフッ切って幸せつかみかけたと思ったら…。
またアイツだ。何度姉上の邪魔をしやがる。…ひでー奴だ」
「…カァーコー…」
「ひでー奴だよ、ホント……」
眠り続ける銀時に語る総悟。フッとその視線が床におちた。
「…わかってまさァ、俺の姉上がひでー奴に惚れるわきゃねーってこと位。
ホントは…わかってた。いつ死ぬともしれねー身で、野郎が姉上を受け入れるわきゃねーってこと位」
「…カーコー…」
「わかってた…野郎が姉上の幸せを思って拒絶してたこと位。
分かってた…。野郎も姉上の幸せを願ってること位…」
「…んがっ…」
「わかってたんですよ、俺ァ…。でも癪じゃないですか。…野郎は、気に食わねェ。
——気に食わねェ野郎のままでいいんでィ」
静かな廊下に、その声は響いた。
「…それに加えて…栄蓮まで。でもね…やっぱり、分かってたんでィ。
近藤さんが頼んだことも…栄蓮が簡単に決めたんじゃねーってことも…八雲がどんな思いしてたかも…」
「…グゥー…」
「分かってたんですよ…。…姉上が背中を押したことも、その理由も。
…姉上がああ言わなければ、こうなってはいなかったかもしれないなんてことも」
拳をつくる総悟。自嘲気味に彼は笑った。
「全部全部…分かってた。…でもね。あん時姉上は泣いてて…本当の本当の気持ちなんて見えてた。
だから…栄蓮には、姉上の本当の思いに答えて欲しかった…。
姉上と一緒に…平和なところで、笑って暮らしててほしかった…」
「グガー…」
「…なにがなんでも…姉上の傍に、いてあげてほしかった…」
人一倍姉思いの総悟は、いつだって姉のことを考えていた。
そして…栄蓮のことも同じくらいに考えていたのだ。
ずっとずっと仲良く遊んで、喧嘩してきた仲だからこそ。
「…さて、と。旦那、長い話聞いてくれて有難うございやした。
野郎には大事なもん色々と持って行かれたが…いかなきゃならねェ。
近藤さんには死ぬと言われたんでねィ。最後かもしれねェ…地蔵にでも全部喋っときたかったのさ」
「——その大事なもんに、アイツらも入っちまってんだろ」
「だ…旦那!」
銀時はのっそりと起き上がる。…その目の下には、大きな隈。
「ふわ〜…よく寝た。…さて、眠気覚ましに一丁行くか。
てめーのネーちゃんにも友達だってウソぶっこいちゃったし。最後まで付き合うぜ、総一郎君」
「…旦那、クマ」
「…チンピラにやられた」
(姉上、俺ァ幸せもんだ)
(長ェ人生でもそうそう会えるもんじゃねェ)
(そんな悪友を、人生で五人も得たんだ)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【ミツバ編】 ( No.206 )
- 日時: 2013/12/18 06:47
- 名前: あずま (ID: fG4XXkjw)
沖田優しすぎません?栄蓮と土方かっこよすぎじゃありません?近藤さんかっこよすぎ(黙れ
もう感動!です(*^_^*)!
絶対僕もラストシーン持ちません(笑)
号泣すると思います・・・・・・
楽しみにしています!
あと、芙蓉編ってしてもらえるんですかね?
僕あれ大好きなので、ぜひみたいです!
もう生涯バラガキ大好きです!!!!
すいません、爆発しました(笑)
頑張ってください!(*^_^*)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【ミツバ編】 ( No.207 )
- 日時: 2013/12/18 17:07
- 名前: 牡丹 ◆9nf7vs0ewk (ID: x2W/Uq33)
いやー…本当いいですね、ミツバ篇(何回いったでしょうこれ)
もう今本誌連載の長編まで追いついて…(いやいやいやいや)
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