二次創作小説(紙ほか)
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- 【銀魂】 生涯バラガキ 【風霧八雲の憂鬱編】
- 日時: 2014/04/17 21:43
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: Ay9mdA1D)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/
真選組女隊士、土方栄蓮。
鬼の副長土方十四郎。
___最強最悪のコンビである。
———————————————————————
『鬼の副長 土方十四郎』の妹にして真選組女隊士の物語。
!注意事項
◆駄文,更新ノロマ,グダグダ,主人公が馬鹿(((
◆アニメ+原作沿い+時々オリジナルです
◆ギャグ99%+シリアス0.5%+恋愛0.5%=馬鹿100%
◆パクリ,チェンメ禁止!
◆ノリとテンションだけはいつでもMAX
◆グロい描写あり,ノリとテンションだけはいつでm(((
◆死ネタ入ります
※元『真選組、鬼の副長の妹です。』
参照≒私の書いているブログです。主にこの小説のイラスト載せてます。
「これは一応イメージもっていただく上で見てもらおうかな」
ってものはカキコにてでも一応報告し、↓のイラストにも載せます。
でも「まぁ別にいっか」ってやつは特に報告なしなので、暇があれば遊びに来てください(笑)
その他裏話とかいろんなこと載せたいと思います( ´∀`)
!イラスト
>>*ゆる〜く栄蓮を描いてみた(!下手っぴ、閲覧注意!) >>19
>>*ゆる〜く八雲を描いてみた(!下手っぴ、閲覧注意!) >>30
>>*ゆる〜く晴香を描いてみた!(下手っぴ、閲覧注意!) >>41
>>*武州時代栄蓮と蒼紫の化け物時代八雲!(下手っぴ、閲覧注意!) >>139
>>*オリキャラ達に色をつけてみた!(!下手っぴ、閲覧御注意!) >>162
>>*瑠李様が栄蓮を描いてくれました!(有難う御座います!) >>28
>>*瑠李様が八雲を描いてくれました!(誠に有難う御座います!) >>39
>>*瑠李様が晴香を描いてくれました!(本当に有難う御座います!) >>47
>>*りあ様が栄蓮を描いてくれました!(有難う御座います!) >>88
>>*参照数3000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(誠に有難う御座います!) >>170
>>*参照数6000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(本っっ当に有難う御座います!) >>284
>>*参照数7000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(もう本当に有難う御座います!) >>315
>>*コメント返信数100突破&参照数1500突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>102
>>*コメント返信数200突破&参照数3900突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>203
>>*コメント返信数300突破&参照数7000突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>316
!目次
>>*プロローグ/攘夷浪士討伐専門三番隊 >>01
>>*オリジナル登場キャラクター/随時更新 >>02
◆池田屋編〜柳生編 01訓〜70訓 目次 >>178
◆捨て犬編
--71訓 今読み返してみるとグダグダすぎてワロス >>179
--72訓 どの漫画にもかっこいいキャラがたくさんいるよね >>183
◆将ちゃん編
73訓 大物は何をしてもすごく見える >>185
74訓 運に身分は関係ないけどちょっとは関係してほしいと思う時もある >>187
◆ミツバ編
75訓 世の中というものは全てバランスによって保たれている >>189
76訓 味覚がおかしい人には全力で応えてあげるべし >>191
77訓 仲いい人でも自分の知らない間に一度は傷つけてしまってる >>194
78訓 怨みは怨むほど強くなるって本当っぽくね? >>195
—
--79訓 友達は大切にしましょう >>197
--80訓 弱ってる奴にはちゃんと声をかけてやれ >>198
--81訓 優しい人は損をすることが多い >>199
—
82訓 第一印象に騙されちゃだめ >>201
83訓 兄妹は互いに支えあって生きていく >>203
84訓 本当に信頼できる友をつくれ >>205
85訓 不器用な人ほど悪役に見えてしまう >>209
--86訓 真選組一番隊隊長 >>212
◆芙蓉編
87訓 ロールプレイングゲームはレベル上げを頑張るべし >>215
88訓 日本のホラー映画は背後や足元に気を付けろ >>218
89訓 人体○成…それは禁k…って、え? 漫画違う? >>221
90訓 親って基本優しいけど娘に対して優しいのはどっちかと言うと父親 >>223
91訓 お寿司にはお醤油? 甘だれ? それともケチャップ? >>227
92訓 高いところから飛び降りるとたまに足にジ〜ンってくるよね >>229
93訓 友達っていうのは気づけばできてるもんだ >>232
94訓 似たような奴はやっぱ考えることも同じ >>235
◆OWee編
--95訓 私欲の裏切りじゃなくて相手を思っての裏切りってちょっと格好よくない? >>236
--95.5訓 めでたい日には警察も泥棒も関係なし…かな? >>238 (台本書き)
96訓 バカもアホも気づけば友達 >>239
97訓 よく見知った奴は変装しててもすぐわかる >>242
98訓 人生は名前で決まることもある >>244
99訓 アレイズが使えるとホント助かる >>246
◆真選組動乱編
100訓 誰だって苦手な人くらいいる >>248
101訓 頭いいやつの考えてることはいまいち分かんない >>250
102訓 大事な人が貶されたら本気で怒れ >>253
103訓 困ったときは相手の顔をじっと見つめろ >>255
104訓 辛いときには支え合うのが家族だ >>257
105訓 仲間を傷つけられて平気でいられる人間になるな >>259
106訓 普段喧嘩してる奴からの一喝はかなりきく >>261
107訓 本当に強い奴はいざという時にめっさ動く >>263
108訓 漢(オトコ)を見せろ >>267
109訓 人間全ては己の心次第だ >>270
110訓 人の話を聞くときにヘッドフォンなんてつけてちゃダメ >>273
111訓 天才がいるとしたらそれは努力の天才だ >>277
112訓 仲が悪いほど縁ってやつがある >>279
113訓 どんな名前にも色んな思いがこめられている >>281
114訓 終わりよければ全て良し >>284
◆追憶編
--115訓 夢は見るものじゃなくてつかむもの >>287
--116訓 護られるものじゃなくて護るもの >>290
--117訓 殺したいんじゃなくて護りたいもの >>292
--118訓 女が護るんじゃなくて男が護るもの >>295
◆厠革命編
119訓 トイレにはそれはそれは綺麗な女神様がいるんやで >>297
120訓 だから毎日綺麗にしたら女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで >>301
◆モンハン編
121訓 人を馬鹿にしたら絶対自分に返ってくる >>304
122訓 現実と二次元は表裏一体 >>307
123訓 役に立たなそうなものほど意外と役に立つんだよ >>310
124訓 腐れ縁ってのがある人間同士は現実だろうと二次元だろうと何かと出会う >>312
125訓 ヤッベェェェ今日テンション高いわァァァァァァぎゃっぼォォォとか言ってるやつ、それ今日の作者 >>316
126訓 やっぱり最後は主人公の特権があるもんだ >>319
◆写真編
127訓 掃除中に懐かしい物が出てくると、
それを見るのに夢中になって結局掃除できないって事あるよね >>322
◆文通編
--128訓 男にはそういう時期があるらしい >>325
129訓 顔は一緒でも差があるのはやはり何かが違うからだ >>327
130訓 日本語は色々と難しい >>331
131訓 目には目を、歯には歯を、シスコンにはシスコンを >>335
132訓 王道でもマイナーでも面白ければそれでよし >>337
133訓 女の子は優しく扱え >>340
134訓 地味だろうが何だろうが最後に笑うのは真っ直ぐな奴だ >>342
135訓 美味しそうなものがたくさんあっても不味けりゃ意味がない >>345
◆風霧八雲の憂鬱編
--136訓 裏の裏の裏をよめ >>346
--137訓 「今日から○○する!」「あ、やっぱ明日から!」とか言う奴は先延ばしにしすぎて結局しない >>349
※万事屋サイドストーリー『情報屋ナギ』同時更新開始。
よければ遊びに来てください( ´∀`)
【○○編とありますが、名前が分からないものには適当につけております。それかオリジナルの章です】
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【紅桜編】 ( No.123 )
- 日時: 2013/10/29 08:48
- 名前: Sora (ID: rBo/LDwv)
エリー!!!
きたぁ!
ってか栄蓮…マジでかわいいっす
嘘つけないとか可愛すぎるよぉぉぉ!!
なんでそんなにどんな状況でもかわいいんだぁぉぁ!!!
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【紅桜編】 ( No.124 )
- 日時: 2013/10/29 21:56
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 4Xxn38pL)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11655042823.html
Sora様
エリザベスも登場ですw
栄蓮可愛いなんて言ってもらえるなんて本当に嬉しいです!
ありがとうございます(´∀`)♪
————————————————————————————————
突然やってきたエリザベス。帰って来ない桂。
何が何だかもう頭が混乱しそうだ。
50訓 大切な人が危険な時は本人だけではなく周囲も辛い
「で…ヅラは一向に帰って来ねぇわけか」
[ イエス ]
ヅラまで…帰って来ないなんて…。
しかもエリザベスは血のついた桂の所持品を見せてくれた。
…これは本当にまずいんじゃないの?
「で…瞳孔女。話そらせたとか思ってねェよな?」
「う゛…」
…やっぱり言わなきゃいけませんか? 巻き込むよほんと?
…知らないよ? イヤ知っとくけどもホント知らないよ?
「八雲が…拉致された」
「…は…?」
拉致…であってるよね、まァ…。
「昨日の夜から八雲と三番隊隊士一名が見回りに出てたんだけど…帰ってきてなかったの。
でも今朝その隊士だけが重傷を負った状態で帰ってきて…。
その隊士が言うには八雲は鬼兵隊なる二人の人物に連れ去られたみたい」
「…その人物に目星は?」
「一人は最近巷で横行している辻斬り。名は未だ分かってない。
もう一人は…風霧、晴香」
「!」
天パの瞳が見開かれた。…そりゃァそうだろうね。
何てったってハルさんだから。…チャイナ娘と眼鏡も驚いてる。
「風霧…って…、姉弟ですか?!」
「…うん。それに八雲も…重傷負わされてるみたいで…」
「じゃあ八雲は実の姉に斬られたってことアルか?!」
「…そういう事に…なるね」
私が兄さんに斬られる…ってことだよね?
結構キツいなそれ…。イヤ、私はやられる前に斬るけど…。
「で…オメーはその晴香や高杉の居場所の情報を得ようとしてたのか」
「…まァそんな感じ」
「じゃあまさか…桂さんも同じような目に遭っているんじゃあ…」
「…………」
[ ・・・ ]
イヤ沈黙は書かないでいいけどもね?
でも…桂もそんな簡単にやられるようなたまでもない、し…。
「…とにかく僕らも協力しますよ!」
「……でも。アンタら一応一般人だし…そう簡単には巻き込めないし…」
「…ったく。何でこんな時はンな真面目なんだよ。調子狂うだろーがよ?」
「だって…」
アンタらにまで怪我されたら…さ。…うん。……うん。
「じゃあコレならいいだろ。俺達はヅラの捜索! という名目の八雲クンの捜索でもある」
「……天パ」
「それいいネ! 銀ちゃんにしてはなかなかアルヨ!」
「そうですね!」
「どう言う意味だァァ!」
「チャイナ娘…眼鏡…」
あ…ダメだ。ダメだダメだダメだダメだダメだダメだ。
泣くな私…。まだ、何も、始まって、ないし…。
「……っ」
「栄蓮さん…」
クシャ、と頭を撫でられる感覚。
それはいつも兄さんにやられるのと同じような感覚で。
「泣くのははえーだろ。
…その涙は、八雲くんと再会できた時用にとっとけ」
「……あり、がとう。
っホントに…ありがと……っ!」
…恐いよ。もしも行った時に…八雲がボロボロだったら。
もしも再会できた時に…八雲が息してなかったら。
もしも乗り込んだ時に…八雲がもう、笑えなくなってたら。
「バカヤロー。考えたら考えるほど悪くなってんだろーがよ。
俺たちにやるべきなのは考えるよりも信じてやることだろ?
なーに、アイツはオメーを守りきれるまでは死なねェさ」
「…そうだね。……そうだね!」
「うし。そうと決まれば俺らも動くぜ。
新八ィ、神楽ァ。テメーらはその白い野郎と共に二人の情報を探れ。
俺ァこのあとちょいと仕事がある。オメーはどうするよ?」
「私も情報集めるの続けるよ。…くれぐれも気をつけてね」
「オメーこそ死ぬんじゃねェぞ、ババア〜!」
「もちろん!」
—
…頭がガンガンする。
ひどく吐き気がこみ上げてくる。
意識が…定まらねェ。
「…………」
ポタリポタリと、縛られた俺の体から流れる血。
一滴ずつ落ちていくそれは、俺の命が減っていくようにも感じる。
後ろ手に拘束されて壁にくくりつけられてでは、何もできない。
第一…出血量が多すぎて、力も入んねェ。
「た…い、ちょ…」
あァ…もう声も掠れきってらァ…。
死ぬのかな。俺、死ぬのかな。…死ねねー、のになァ。
コレも、俺が、やってきたことの、せい、かな。
襲いかかってくる気だるさに、身を委ねた。
——夢を見た。
『 うわァァ! 化け物だァァァッ! 』
『 に、逃げろッ! 化け物が! 化け物がこっちに来るぞォォォ! 』
『 こっ…殺される! 早く逃げろォォォ! 』
刃先から、血が、滴り落ちている。
虚無感しか残らなかったあの日々。化け物と呼ばれ続けた、あの日々。
すべてを狂わせたのは、自らの姉。
『 八雲。今日は特別任務だ。…あの村の者を数人殺してこい。 』
『 なに、お前ならうまくやれるさ… 』
『 殺した者から金目のものを巻き上げるのを忘れるなよ? 』
すべてが変わったのは、あの人のおかげ。
束ねられた黒い髪が、風になびいて。
俺に向けられたその瞳は、目を見開くほど真っ直ぐで。
でも、殺さなきゃ、なんて。心は冷静だった、のに。
どうせコイツも逃げていくんだろうと、思ってた、のに。
『 アレ…? 怪我してるけど…ねェ、大丈夫? 』
『 お前…何言って…。俺のこと…聞いたことねェのか…? 』
『 え? 何が? 何それ? 』
『 “蒼紫の化け物”って…ここらではすんげー…有名なのに 』
『 あー…そういや聞いたことあるある 』
『 なんで…逃げねェんだよ 』
ほかのやつらみてーに化け物って俺のこと蔑めばいいさ。
ほかのやつらみてーにぶっ殺してやるから。
…そんな感情しか、抱いてなかったのに。
『 は? 何言っちゃってんの? 』
『 俺ァ…テメーを…テメーらを…殺しに…来たんだぞ…? 』
『 あ、そうなの? …でもさ? 』
にっこりと、その女は笑ったから。
これまでに見たことなかったくらい、きれーに、純粋に。
『 アンタ、化け物なんかじゃないじゃん? 』
守りてェ笑顔なんざ、あるわけねェと、思ってたんだ。
( 追憶されたそれは )
( 今の俺にとっては )
( 寂しさでしかない )
—
栄蓮の思いと八雲の思い。そして出会いの記憶。
“蒼紫の化け物”と呼ばれていた頃の八雲は、ただ暗闇に立ってました。
そんな八雲の前に現れたのが…栄蓮って感じです(´∀`)
次回! 紅桜登場…して…ほしいな…!←
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【紅桜編】 ( No.125 )
- 日時: 2013/10/29 21:57
- 名前: Sora (ID: LAVz8bty)
なっ…
どうしよぉ…
涙でてきました。・゜・(ノД`)・゜・。
とまらなぁい
ピンチです…
八雲ぉぉぉ!!
栄蓮んんん!!
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【紅桜編】 ( No.126 )
- 日時: 2013/10/31 23:15
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: PfIgrp5a)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11655042823.html
Sora様
そそそそそんなおおげさなw
最近栄蓮と八雲への愛がバッチリになってきました((
—
懸命に街中を巡り、様々な情報を得ようとする栄蓮。
気がつけばもう日は沈んでいた。
51訓 鎮魂歌を奏でましょう
「ホントですか?! その情報…確かですよね?!」
「あァ、そうだよ。紫色の髪の青年が二人組に運ばれてたねェ。
遠いし暗くてよくは見えなかったけど…何か船に連れ込まれてたよ。
大きい船でねェ…ここ最近よく見かけるよ」
「あ…ありがとうございます!」
いよォォし…! なんかすっごく参考になったァァァ…!
あとはコレを兄さん達に報告して…その船を見つけ出して…!
「……ん?」
…何かうずくまってる人がいるんですけども。
え、何? 右腕ないよ? 血ィボッタボッタ出てるよ?
早く帰りたい…けども! …ここは見逃せないよね…?
「あのー…えっと…大丈夫ですか?」
「……」
「あのー…」
「…誰だ?」
土方栄蓮と申しますけども何かァァ?!
…この人まさか辻斬りにやられたのかな?!
「真選組です」
「真選組…? …まさかアンタ…女隊長かい?」
「えェ、そうです。とりあえず病院に行きましょう。…立てますか?」
「ククッ…三番隊隊長さんは…随分とお優しいんだねェ……」
「え…?」
何で…私が三番隊隊長だって事…知ってんの?
一般人なんかがそんな事知ってるなんて…ごくまれ…なのに。
「あ、の…。……!」
——ガキィンッ!!
刃と刃のぶつかり合う音が夜の闇に響いた。
栄蓮は間一髪で抜刀し、男の左腕で振られた刀を受け止める。
「ぐ…ッ!」
「ほォ、今のは首をとったと思ったんだけどねェ。なかなかじゃないか?」
「ま、さか…アンタが……!!」
「おや…今頃お気づきか? お人好しも程々にしないとねェ…?」
(件の人斬り事件は…コイツの仕業か…ッ!)
ギチギチと刀と刀が音を立てる。
男は額に脂汗をにじませながらも立ち上がり、後ろにとんだ。
「ある人からのご命令でねェ…三番隊隊長を見つけたら殺せと言われているんだ」
「へーェ? もしかしなくても…高杉晋助オア風霧晴香でしょう?」
「おや…勘はいい方なのかねェ?」
「勘も何も…それくらいしか浮かばないんですよねェ」
栄蓮は冷や汗を流しながらもニッと笑う。
次の瞬間刀を両手に持ち替え、男に向かっていく。
刀と刀のぶつかり合う音が辺りに響く。
「ッ…片腕なくても…容赦…ないねェ…!
三番隊隊長さんは…相手が刀を抜かなければ自分も刀を抜かない…。
そんな性格だと聞いていたんだけどねェ…!」
「ハッ…!
自分の大事な人傷つけられて…しかもその傷つけた張本人が相手と来て…ッ!
容赦する甘ちゃんがいるかってーの…っ!」
「大事な人…? あァ…風霧八雲のことかい?」
「!」
栄蓮の瞳が一瞬見開かれ、すぐに鋭くなった。
刀にこめられる力がより一層強くなり、男は息を詰まらせる。
「八雲傷つけたからには…覚悟してよね…!」
「…あァ…安心するといいよ…、探す必要はない…!」
「は…ァッ?!」
「今頃その彼は…もう死んでいる」
「…!」
ニィッと笑う男に、栄蓮は驚愕の色を見せる。
しかしそれはすぐにおさまった。
「八雲は…死んでなんかない…ッ」
「ほォ…何故そう言える?」
「八雲は…ンな簡単にやられない…!!
皆…八雲を信じてる! だから…私も…八雲を信じる…ッ!」
再び距離を置く二人。互いに息が上がっている。
その時だ。愉快げに男が笑い始めた。栄蓮は訝しげな表情だ。
「なにが…おかしいの…?」
「いやァ…ついさっきねェ…? その台詞と同じ様な台詞を聞いたのさァ…。
“瞳孔女が八雲クン待ってんなら俺達も信じて待つだけだ”…だったかねェ?」
「…!」
そんな呼び方をするのはただ一人だ。
男はさらに笑い、腕のない右肩を指差した。血は先程よりも溢れている。
「この腕はねェ…そん時にやられたのさァ。
最初にやってた男…“銀サン”とか呼ばれてたかねェ? その男をやったらコレだ」
「なっ…?! 今…なんて…ッ?!」
「何度でも言おうかねェ…。その“銀サン”とか呼ばれてた男をやっ——」
——ガァンッ!!
男は近くの壁に頭をぶつける。物凄い勢いで吹っ飛ばされたようだ。
(殺気が…倍増したようだねェ……)
「…ナマ言わないでくれっかなァ…」
彼には見えない。だが、周囲の者が見れば恐らく逃げ出しているだろう。
鋭く光る漆黒の眼光。血濡れた刀を振るうその姿は、いつもの彼女ではない。
「アイツが…、アイツらが…アンタみたいなのにやられるわけない…」
「おやおや…随分と信頼してるんだねェ…。でも…紛れもない事実さ。
あァ…でも…ひとつだけ違うかねェ…」
「……?」
「彼をやったのは俺じゃなくてねェ…この刀さ。
…なァ? ——“紅桜”よ…」
「!」
男の右手に握られている紅色の刀。それを見た栄蓮は目を見開いた。
何てったってその“紅桜”が動いているのだ。
まるで融合したかのように、男の腕から触手の様な物と刀が繋がっている。
慌てて栄蓮は後方に飛び、距離をとろうとする。…が。
「ちょいと遅かったねェ」
「ッ! ガっ…!!」
腹に一発入れられ、栄蓮は目を見開く。
が、それにかまっている場合ではない。男はその刀を振りかざしてくる。
何とかそれを受け止める栄蓮だが、先程よりも男の力が増している。
「ちょいちょい…アンタそれ…ッ、ホントに…刀……?!
なんか…ッ、パワーがすんごい増してんだけど…!!」
「それもこの紅桜のおかげさァ。…でもアンタすごいよ?
この紅桜あいてにこれ程まで持ちこたえれるとは…拍手もんだァ」
「っはは…! 嬉しく…ねェェッ!!」
紅桜をはねのけ、男の腹を確実に狙う栄蓮。
タイミングてきには完璧だ。実際男も驚いた表情をしている。
が、次の瞬間、栄蓮の刀に何かが絡みついた。
「なッ…?! しょ、触手…ッ?!」
「言っただろう? あの男をやったのも…この刀だと…。
俺じゃないんだよ? ただこの刀が…反応してんのさァ…」
「——!」
マズイと栄蓮が察した時には遅い。
紅桜は目にも止まらぬ速さで、栄蓮の腹を斬りつける。
大量の血が栄蓮の腹から溢れ出した。
「ぐ…う、…!!」
「おや…なかなかいい具合だったんだけどねェ…?
やっぱり丸腰では厳しいかァ…? …なかなかいい刀だねェ」
触手が掴んだままの栄蓮の刀をなめるように見つめる男。
短い息をし、腹を押さえながらも何とか栄蓮は立ち上がる。
その際にボタボタッと大量の血が流れ落ちた。
「おや…まだ立てるかい? 死んで同然の傷の深さのはずなんだけどねェ…」
「か…、刀…、か…え、せ……!!」
「あァ…別にいいとも。ただし…君の息の根を止めてからだねェ」
「!」
次の瞬間、栄蓮の背から血が溢れ出す。そのまま栄蓮は崩れ落ちた。
男は先程よりも数倍は強くなっている紅桜を見つめる。
「運が悪かったようだね、女隊長サン…。今紅桜は絶好調のようだ…。
俺の右腕をなんなく補えるくらいにね…」
「…ッ…か、え…せ……」
「おや? 刀かな? いいだろう、すぐに——」
「や…くも……!! か…え、せ……ッ!!」
「…………。
いいだろう。同じところに送ってやる」
振りかざされる刀。それでも栄蓮は男を睨みつける。
にぃっと男が笑ったその時——二人の間にひとつの影が素早く入り込んできた。
刀がぶつかり合う。
まるで後ろに下がれと言わんばかりのソレに、思わず男は下がった。
現れた影は栄蓮に近寄り、上半身を支えている。
「オイ! オイ栄蓮! しっかりしろィ!!」
「そ…、ご……」
「すぐに屯所に連れて帰ってやりまさァ。絶対ェ持ちこたえろよィ。
…人斬りさんよォ、俺もこの女を死なせるわけにはいかねーんでねィ。
アンタも片腕のねェ状態。さらに栄蓮に傷を負わされてる。
…どうでィ、ここは互いにひかねーかィ?」
「…………」
「何なら…ざっと10名程度でテメーの相手するけどねィ」
「!!」
その瞬間男は自分に向けられる数十本の刀に気がついた。
どうやら囲まれているらしい。
「イヤ…流石にこれだけの相手をするのはキツそうだからねェ。
俺も今日はここまでとさせてもらうよ…」
そう言って去っていく男。静かにそれを見つめる沖田と隊士達。
「オイ! パトカーもってこい! 栄蓮連れて帰るぜェ!!」
「はい!」
グッタリと意識を失っている栄蓮。その顔には血色がない。
チッ、と沖田は舌打ちをした。
( 間に合ってくれよィ…! )
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【紅桜編】 ( No.127 )
- 日時: 2013/10/31 23:32
- 名前: Sora (ID: fE.voQXi)
栄蓮んんんん!!!
ぎゃぁぁぁぁぁ!!!
ピンチすぎるピンチ!!
つっ続きがものっごっつうきになるぅ!
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