二次創作小説(紙ほか)

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【銀魂】 生涯バラガキ 【風霧八雲の憂鬱編】
日時: 2014/04/17 21:43
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: Ay9mdA1D)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/

    真選組女隊士、土方栄蓮。

     鬼の副長土方十四郎。   

   ___最強最悪のコンビである。

——————————————————————— 

   『鬼の副長 土方十四郎』の妹にして真選組女隊士の物語。


 !注意事項
  ◆駄文,更新ノロマ,グダグダ,主人公が馬鹿(((
  ◆アニメ+原作沿い+時々オリジナルです
  ◆ギャグ99%+シリアス0.5%+恋愛0.5%=馬鹿100%
  ◆パクリ,チェンメ禁止!
  ◆ノリとテンションだけはいつでもMAX
  ◆グロい描写あり,ノリとテンションだけはいつでm(((
  ◆死ネタ入ります

 ※元『真選組、鬼の副長の妹です。』


参照≒私の書いているブログです。主にこの小説のイラスト載せてます。

「これは一応イメージもっていただく上で見てもらおうかな」
ってものはカキコにてでも一応報告し、↓のイラストにも載せます。
でも「まぁ別にいっか」ってやつは特に報告なしなので、暇があれば遊びに来てください(笑)
その他裏話とかいろんなこと載せたいと思います( ´∀`)


 !イラスト
 >>*ゆる〜く栄蓮を描いてみた(!下手っぴ、閲覧注意!) >>19
 >>*ゆる〜く八雲を描いてみた(!下手っぴ、閲覧注意!) >>30
 >>*ゆる〜く晴香を描いてみた!(下手っぴ、閲覧注意!) >>41
 >>*武州時代栄蓮と蒼紫の化け物時代八雲!(下手っぴ、閲覧注意!) >>139
 >>*オリキャラ達に色をつけてみた!(!下手っぴ、閲覧御注意!) >>162

 >>*瑠李様が栄蓮を描いてくれました!(有難う御座います!) >>28
 >>*瑠李様が八雲を描いてくれました!(誠に有難う御座います!) >>39
 >>*瑠李様が晴香を描いてくれました!(本当に有難う御座います!) >>47
 >>*りあ様が栄蓮を描いてくれました!(有難う御座います!) >>88

 >>*参照数3000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(誠に有難う御座います!) >>170
 >>*参照数6000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(本っっ当に有難う御座います!) >>284
 >>*参照数7000突破記念イラストをSora様が描いてくれました!(もう本当に有難う御座います!) >>315

 >>*コメント返信数100突破&参照数1500突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>102
 >>*コメント返信数200突破&参照数3900突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>203
 >>*コメント返信数300突破&参照数7000突破感謝イラスト!(閲覧御注意!) >>316


 !目次

 >>*プロローグ/攘夷浪士討伐専門三番隊 >>01
 >>*オリジナル登場キャラクター/随時更新    >>02

◆池田屋編〜柳生編 01訓〜70訓 目次 >>178


◆捨て犬編
--71訓 今読み返してみるとグダグダすぎてワロス >>179
--72訓 どの漫画にもかっこいいキャラがたくさんいるよね >>183
 
◆将ちゃん編
 73訓 大物は何をしてもすごく見える >>185
 74訓 運に身分は関係ないけどちょっとは関係してほしいと思う時もある >>187

◆ミツバ編
 75訓 世の中というものは全てバランスによって保たれている >>189
 76訓 味覚がおかしい人には全力で応えてあげるべし >>191
 77訓 仲いい人でも自分の知らない間に一度は傷つけてしまってる >>194 
 78訓 怨みは怨むほど強くなるって本当っぽくね? >>195 
 —
--79訓 友達は大切にしましょう >>197
--80訓 弱ってる奴にはちゃんと声をかけてやれ >>198
--81訓 優しい人は損をすることが多い >>199
 —
 82訓 第一印象に騙されちゃだめ >>201
 83訓 兄妹は互いに支えあって生きていく >>203
 84訓 本当に信頼できる友をつくれ >>205
 85訓 不器用な人ほど悪役に見えてしまう >>209
--86訓 真選組一番隊隊長 >>212

◆芙蓉編
 87訓 ロールプレイングゲームはレベル上げを頑張るべし >>215
 88訓 日本のホラー映画は背後や足元に気を付けろ >>218
 89訓 人体○成…それは禁k…って、え? 漫画違う? >>221
 90訓 親って基本優しいけど娘に対して優しいのはどっちかと言うと父親 >>223
 91訓 お寿司にはお醤油? 甘だれ? それともケチャップ? >>227
 92訓 高いところから飛び降りるとたまに足にジ〜ンってくるよね >>229
 93訓 友達っていうのは気づけばできてるもんだ >>232
 94訓 似たような奴はやっぱ考えることも同じ >>235

◆OWee編
--95訓 私欲の裏切りじゃなくて相手を思っての裏切りってちょっと格好よくない? >>236
--95.5訓 めでたい日には警察も泥棒も関係なし…かな? >>238 (台本書き)
 96訓 バカもアホも気づけば友達 >>239
 97訓 よく見知った奴は変装しててもすぐわかる >>242
 98訓 人生は名前で決まることもある >>244
 99訓 アレイズが使えるとホント助かる >>246

◆真選組動乱編
 100訓 誰だって苦手な人くらいいる >>248
 101訓 頭いいやつの考えてることはいまいち分かんない >>250
 102訓 大事な人が貶されたら本気で怒れ >>253
 103訓 困ったときは相手の顔をじっと見つめろ >>255
 104訓 辛いときには支え合うのが家族キョウマイだ >>257
 105訓 仲間を傷つけられて平気でいられる人間になるな >>259
 106訓 普段喧嘩してる奴からの一喝はかなりきく >>261
 107訓 本当に強い奴はいざという時にめっさ動く >>263
 108訓 漢(オトコ)を見せろ >>267
 109訓 人間全ては己の心次第だ >>270
 110訓 人の話を聞くときにヘッドフォンなんてつけてちゃダメ >>273
 111訓 天才がいるとしたらそれは努力の天才だ >>277
 112訓 仲が悪いほど縁ってやつがある >>279
 113訓 どんな名前にも色んな思いがこめられている >>281
 114訓 終わりよければ全て良し >>284

◆追憶編
--115訓 夢は見るものじゃなくてつかむもの >>287
--116訓 護られるものじゃなくて護るもの  >>290
--117訓 殺したいんじゃなくて護りたいもの >>292
--118訓 女が護るんじゃなくて男が護るもの >>295

◆厠革命編
 119訓 トイレにはそれはそれは綺麗な女神様がいるんやで >>297
 120訓 だから毎日綺麗にしたら女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで >>301

◆モンハン編
 121訓 人を馬鹿にしたら絶対自分に返ってくる >>304
 122訓 現実と二次元は表裏一体 >>307
 123訓 役に立たなそうなものほど意外と役に立つんだよ >>310
 124訓 腐れ縁ってのがある人間同士は現実だろうと二次元だろうと何かと出会う >>312
 125訓 ヤッベェェェ今日テンション高いわァァァァァァぎゃっぼォォォとか言ってるやつ、それ今日の作者 >>316
 126訓 やっぱり最後は主人公の特権があるもんだ >>319

◆写真編
 127訓 掃除中に懐かしい物が出てくると、
     それを見るのに夢中になって結局掃除できないって事あるよね >>322

◆文通編
--128訓 男にはそういう時期があるらしい >>325
 129訓 顔は一緒でも差があるのはやはり何かが違うからだ >>327
 130訓 日本語は色々と難しい >>331
 131訓 目には目を、歯には歯を、シスコンにはシスコンを >>335
 132訓 王道でもマイナーでも面白ければそれでよし >>337
 133訓 女の子は優しく扱え >>340
 134訓 地味だろうが何だろうが最後に笑うのは真っ直ぐな奴だ >>342
 135訓 美味しそうなものがたくさんあっても不味けりゃ意味がない >>345

◆風霧八雲の憂鬱編
--136訓 裏の裏の裏をよめ >>346
--137訓 「今日から○○する!」「あ、やっぱ明日から!」とか言う奴は先延ばしにしすぎて結局しない >>349





※万事屋サイドストーリー『情報屋ナギ』同時更新開始。
 よければ遊びに来てください( ´∀`)




【○○編とありますが、名前が分からないものには適当につけております。それかオリジナルの章です】

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【煉獄関編】 ( No.63 )
日時: 2013/10/02 22:13
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: BlQh8qP9)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11626533924.html

参照≒22訓 人間誰だって嫌いなものがある
の八雲。でもいつも以上に絵が下手くそです。汚いです。
息抜きに描いてみたんですが…とりあえずガツガツやってた八雲。
と、ソレにつっこみを入れてる栄蓮の図(笑)


 花乃様

こんばんはァァ! 有難う御座います花乃様!
面白いだなんて…凄く嬉しいですッ(´∀`)!
更新頑張ります! 花乃様も頑張って下さい! またコメント行きます!


 瑠李

栄蓮は馬鹿だからハイジと廃寺も分かんないの(((←
沖田はもう栄蓮の考えてることなんかお見通しですw
なんてったって…沖田だから!(((黙


————————————————————————————————


 ボロっちぃ廃寺。どこか薄気味悪いその寺。
 栄蓮は少年に手を引かれ、廃寺の障子を開けた。


 25訓 子供にだって容赦はするな


「待てェェッ!」
「キャァァァッ! 逃げろォッ!」
「アハハハハッ!」


 …何これ。廃寺の中に大勢の子供がいるのですが。
 道信さん…だっけか。え、何。この方もしかしてェェ…!


「…道信さん、貴方随分と股かけられたようで…」
「すいません、妙な誤解をうまないでいただきたいのですが」


 イヤこれ何股よ。…軽く10は超えてるよ??

 私の手を引いていた男の子は私に向かって笑う。
 それから遊びの渦の中に入って行った。


「改めまして…道信と申します。本当に有難う御座いました」
「えぇっと…土方栄蓮と言います。…お気になさらないで下さい」
「土方さん…ですか。忘れられないお名前です。
 …ここにいる子供達は皆…捨て子なのです」


 …捨て子、か…。こんなにも大勢の子供たちが…ねェ。
 だから“道信先生”って呼ばれてたんだ…。


「こんなにも大勢の子供達を…お金とかは大丈夫なんですか?」
「ソレは…まァ、何とかなっておりますね…」


 ん…? 何か歯切れ悪くなった…?
 目泳いでるし…アレ、つっこまない方がいいのかな?


「それでも大変ですよね。こんなにも多くの子供達を……」
「……えぇ、まァ。ですが…この子達は私にとって“宝”なのです」
「宝…ですか」
「えぇ」


 あ…道信さん、お父さんの顔してる。
 捨て子とか関係ない。優しい優しい、普通のお父さんの顔してる。


「ですからどのような事があろうとも…私はこの子達を守ろうと思っているのです」
「…すごいですね、道信さん」
「…え……?」


 鳩が豆鉄砲を喰らったような表情でこっちを見てくる道信さん。
 …だってね、道信さん。


「血の繋がりも何もない…こんなにもたくさんの捨て子。
 そんな捨て子を宝と呼んで、そんな風に言えるのは…素晴らしいことですよ」

「……土方さん」

「栄蓮でいいですよ。そんな堅苦しいのもアレなんで」


 あ、ちょっと警戒が解けたみたい。結構空気ピリピリしてたから。
 道信さんは柔らかく微笑みかけてくれた。


「有難う、…栄蓮さん」
「……え??」
「そう言っていただけると…どこかホッとします」
「あ、いえいえ」


 …道信さん。何か寂しそう…なんだけど。何で…?
 
 その時。女の象徴とも言える私の上の部分に何か当たった。
 …え、何。何か小さいガキ共がもろ触ってるんですけど。
 何ですか。なんですかこれ。何て言うプレイですかコレェェッ?!


「すっげぇ〜このババア結構おっぱいある〜」

「お、お前たち…! 何をしているんだ…! すいません栄蓮さ

「こんのクソガキャァァァァァァッ! 何さらしとんじゃァァァッ!
 何ピッタリ触ってんの?! 何が結構あるだァァァッ!
 こちとら結構でかい設定なんじゃボケがァァァァッ!!」

「「「ギャァァァァァァッ! 鬼だァァッ!」」」

「待てコラァァァァァァッ!」



 ——子供達を追いかけ回す栄蓮を見て、道信は小さく微笑んだ。
 
 随分と子供達も楽しんでいるようだ。愛らしい笑顔が飛び交っている。
 大人気ない栄蓮であるが、彼女もどこか楽しそうである。
 この女性に出会えて良かった——心の底から道信はそう思った。


「キャァァッ! 鬼ババが転んだぞー!」

「やっちまえー! 鬼退治だァァ!」

「ギィヤァァァァァァァッ! ちょ、結構痛いィィィィッ!
 ぐへっ! や、やられたァァァァ…!」

「よっしゃァァ! 退治完了だァァァッ!」

「「「イェーイッ!」」」

「グフッ…。な、なかなかやるな貴様らァァ…!
 ……ってこんな事で倒れる鬼ババじゃねェぞォォッ!
 喰ってやるーッ!」

「「ギャァァァァッッ」」


 楽しそうな子供達。いつの間にか既に馴染んでいる栄蓮。
 穏やかな空間の中で、道信はフッと微笑んだ。


 —


 わぁわぁと叫び声が響く会場内。
 ——私服姿の八雲は冷たい目で、騒ぐ者達を見ていた。


(…下衆どもが。賭け試合なんぞ見て何がいいんだ。…胸くそ悪い)


 最近偶然にも八雲が見つけたのは…地下闘技場“煉獄関レンゴクカン”。
 ここでは正真正銘の殺し合いが行われている。
 そしてそれは賭け試合である。…嫌な見世物だ。

 速攻で潰してやってもいいのだが…できない理由がそこにはあった。


(さァて…どうすっかな。…つーかコレ隊長に言おうっかなァ。
 ぶっ潰すの手伝ってもらおうかなァ。流石に1人はキツいだろ…)


 次々と行われていく賭け試合。
 潰すための作を練ろうと今日も来たが、やはり胸糞が悪い。
 気分を害した八雲は帰ろうと踵を返した。


「今日は鬼道丸がいねェみてェだなァ〜」
「ッたく…つまんねーの」

(…鬼道丸<キドウマル>……?)


 聞いたことがあるようなないような名だ。
 確か…ここ、煉獄関最強の闘士。鬼の面をつけた無敵の帝王。
 一本の金棒で相手をなぎ倒すらしい。


「…こりゃァ、もちっと調べてみるっきゃねェか…」


 ハァ、と八雲は溜息をついた。




(とりあえず…隊長巻き込んでやろう)
 

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【煉獄関編】 ( No.64 )
日時: 2013/10/03 09:38
名前: Sora (ID: 8OSWocyP)



コメありがとうございました!
僕、八雲と栄蓮大好きなんですよね。
特に八雲の栄蓮に対する扱いが(^ω^)

Re: 【銀魂】 生涯バ ( No.65 )
日時: 2013/10/03 15:46
名前: 瑠李 (ID: x2W/Uq33)

八雲ォォオ((
カッコいいよ!!かっ((


失礼いたしました ハイ。
鬼道丸キタコレ←

オリ小更新したよ
あとは今から他を 笑

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【煉獄関編】 ( No.66 )
日時: 2013/10/03 22:38
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: PEb0lw5o)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11627242274.html

参照≒風霧晴香さんリアルバージョン。
かなり下手ですがお許し下さい!(;´Д`A


 Sora様

八雲と栄蓮が大好きだなんて…有難う御座います!
常日頃の八雲の栄蓮に対する扱いはもう沖田同等ですねw
いざッッ! という時もいつかお見せできればいいなァと思います(´∀`)


 瑠李

そう言ってもらえると嬉しいッ!(´∀`)
ちょっと八雲をメインに書きたかったの(←

鬼道丸だよ、煉獄関だよ…(;‾ェ‾)
頑張るぜェェェェッ!

らーじゃ! オリ小にもコメント行くぜェェッ!


————————————————————————————————


 その日の夜道信達の廃寺に泊めてもらった栄蓮。
 子供達や道信とも随分と仲良くなれて、ホクホクしながら屯所に戻った。


 26訓 誰だって見返りを求めたくだってなる


 朝帰りィィ…! …ちょっと不良になった気分?
 
 道信さんやチルドレンとも仲良くなれたし、結構楽しかったなァ。
 また来てねーって言われたけど…今度は八雲も連れて行こうかな。


「ッと…。静かーに戻りましょーっと…」
「——そうだなァ。まだ朝早ェしなァ〜…?」
「…ギャッ?!」


 さ、殺気ィィィィィィィィッ! 物凄い殺気ィィィィィッ!

 ゆーっくりと振り返れば、そこには青筋を浮かべた兄さん。
 煙草をくわえながら凄い目つきで私を見てくる。

 え、コレ…ヤバくね? いやマジで、マジのマジで。


「テンメェ栄蓮んんん…ッ!
 見回りの途中で消え失せた上に朝帰りたァどう言う了見だァァッ!
 しかも一切連絡なしたァいい度胸じゃねェかァァァッ!」

「ギャァァァァァァッ! 違うの! 違うんだってばァァッ!
 これには深ァァァい理由があるの! ちょ、聞いて兄さんんんん!!」

「っるせェェッ! 俺の部屋に来いやァァッ!」

「イヤァァァァァァァァッ!」


 ——その後、グチグチネチネチと5時間近く説教されました。 
 ……あれ? 作文?


 —


「…生きてやすかィ、栄蓮」
「死んでやす。…もう私は貝になりやした。話しかけないでくだせェ」
「あらら。こりゃァ随分と参ってるみてェだねィ」


 …気づけばもうお昼。兄さんは見回りに出かけていった。
 くっそォォ…! 私の話も聞かずに出て行きやがってェェッ…!


「で…あれからハイジは見つかったのかよィ?」
「あー…見つかんなかった…。廃寺なら見つけたよォォ…」
「チッ…アルプス行って遭難しときゃァ良かったもんを」
「今凄い悲しい発言聞こえたんだけど」


 気のせいということにしておきましょう…ッ!

 総悟は私の部屋に入ってくるとジュースを1本置いてくれた。
 あ、苺牛乳…。すんごく欲しいんだけど…いいのか?


「お返しは土方十四郎の命でいいでさァ」
「殺せってか? 実兄殺せってか? 誰が飲むかァァッ!」


 コイツは相変わらずブラックなんだからァァ…!
 昔っから変わっちゃいないよホント!


「冗談でさァ。飲んでいいですぜィ。お返しなんざ求めねェよ」
「イヤ、絶対何か企んでる! 絶対何か企んでるゥゥッ!」
「しつけェ。いいから飲めよィ。鼻から流し込まれてェのか」
「有り難く頂戴いたします」


 コイッツ何でこんな黒いのォォッ?! つーか迫力恐ェわァァッ!
 そ、総悟なら本当にやりかねないからァァ…有り難くいただこう…!


「んじゃ…いただきまーす。…ズズッ」
「で、栄蓮。苺牛乳のお返しにやってほしいことなんだけどねィ」
「やっぱお返し求めるんじゃんかァァァッ!」


 なーにが“お返しなんざ求めねェよ”だァァッ!
 めちゃめちゃ求めてるじゃんかァァァッッ!


「……“煉獄関”って…知ってるかィ」
「……れんごくかん…?」


 いきなり低くなった総悟の声音。…どうやらマジな話みたい。
 表情もいつもより真剣な総悟。


「これァ俺しか知らねーんでィ」

「総悟だけ…? それって…どう言う意味?」 

「まァ待てよィ。
 …苺牛乳のお返しってのァ、その煉獄関ぶっ潰すの手伝って欲しいんでさァ」

「オイちょっと待って総悟、話が見えないよ話がァァッ!
 手伝うのはいいんだけど…それ何? れんごくかんって何ィィッ!」

「それァ…。……あ」


 ん? なんか総悟が時計を見て固まってる…?


「悪ィ、栄蓮。俺ちょっくら出かけなきゃなんねェや」

「仕事…じゃないよね? 今日非番だよね、総悟?」

「格闘技見に行くんでさァ。…んでま、野暮用も。
 あ、明日空けとけよィ」

「…なんで」

「八雲が何か、テメーに話があるらしいぜィ。
 今は見回りでいねェから俺ァ伝言係。確かに伝えたぜィ。
 んじゃァな〜」

「ちょッ、待ってェェェッ?!」


 ばいなら〜と手を振りながら去っていく総悟。
 ちょっと待ってちょっと待って! “れんごくかん”の話は?!
 あのシリアスムードはなんだったのォォッ?!


「…ハァァァァァ……ッ」


 とりあえず…明日、八雲のところにいかないと。



(アレ…奇遇ですねィ、旦那ァ)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【煉獄関編】 ( No.67 )
日時: 2013/10/03 22:27
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: PEb0lw5o)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11627242274.html


 翌日。早朝から栄蓮は八雲の部屋を訪れた。
 互いに今日はオフのため、2人は私服で屯所を出た。


 27訓 やっていい事と悪いことの区別ぐらいつけろ


「で…八雲クン? どこに連れて行ってくれんの?」
「あー…まァ、ついて来て下さい」
「イヤァァァな予感しかしないんですけど」
「気のせいっスよ」


 イヤ、何か変な裏道入ったし。何コレ? 何ココ?
 かと思えば今度は地下に続くような道。…何ですか、秘密組織のアジトにでも行くの?

 なんて思っていると…いきなり視界が開けた。


「…!!」


 何ココ…? 大勢の観客…がいるみたいだけど…?


「八雲…、此処は……?」
「…地下闘技場——“煉獄関”ッスよ」
「…れん、ごく…かん」


 どこかで聞いた覚えがあるのですが。うん、どこだろう。

 ……昨日総悟に聞いたんですけどォォォッ! 
 え、なに? ココ? ココのことなのか? ヤベーよ総悟くん、知ってるの君だけじゃなかったよ!


「ココで行われてんのは…正真正銘の殺し合いなんスよ」

「……え…?」

「賭け試合…違法賭博っつったら分かりますか?
 どう考えたって違法なんスよ、コレが。ったく胸くそ悪ィ。
 何度潰してやろうかと考えるんスけど…ダメなんすよ」

「なんで」


 すると八雲は今まさに闘技を始めようとしている人間の…上。
 つまりは観客席の上の方を見た。

 そこに見えたのは…笠を深くかぶった人影。


「…アレは……」

「…“天導衆”。将軍を傀儡にし、この国をテメー勝手に作りかえてる連中ッす。
 事実上この国の実権を握ってんなァ奴らッスね。
 ここ、煉獄関は…奴らの遊び場なんスよ」

「殺し合いさせる場が遊び場ってか? 趣味悪いねェ?」

「どうっすか? ぶっ潰したくなりましたか?」

「イヤ何? 私をコレに巻き込むために呼んだのか? ん?」

「ザッツラァァァイトッ!」

「じゃねェェェェェェッ!!」


 なにがザッツライトだァァァッ!
 って言うか何それ?! 何それ?! 何で私までェェェッ!


「下手に動くと…真選組ウチも潰されかねないんスよ?」

「……え…??」

「だから…あまりにも大きな動きすると、天導衆の奴らに真選組が潰されます。
 ですからなるべく少数で行動をしなくちゃなんねェ。
 でも流石に俺1人ではキツいんすよ。…で、隊長に頼みたいと」

「……なんで私?」


 一応総悟は知ってるような感じだったし。
 …イヤ、一応八雲には言わないでおくけど。何か誰にも言うなって感じだったし。


「隊長なら安心ッスから。いろんな意味で」
「どう言う意味?」


 何か悪い意味も含まれてそうなんですケド?


「あ…。アレ、見てください」
「え…?」


 八雲が指差した方向には…、
 金棒を持ち、鬼の面をつけた上半身裸の人物。…何だあれ…?


「アレが…、ここ煉獄関最強の闘士。…“鬼道丸”ッス」

「……鬼道丸」

「えぇ。…ここにいる奴ァ全員金欲しさに人殺すような狂人ばかりっス。
 そんな中でも負けなし。無敵の帝王っスね」

「…マジか」


 なんつー危険な存在…。とりあえずあの鬼道丸を洗うべきかな。
 あとは…天導衆をどうするかなんだけどねェ…。


「お、隊長。やる気湧いてきたっスか?」
「ん、まァね」
「……ょっしゃ…」
「? 何か言った?」
「なんでもないっすよ」


 ——その時。
 鬼道丸と呼ばれる存在が、こちらを見ている…気がした。


「ッ…?!」


 なに、今の…? 気のせい…かな?


 —


 煉獄関からの帰り道。何か八雲は野暮用があるらしい。
 …ので私は1人、道信さんたちのいる廃寺へと向かった。


「こんばんはァ〜」
「あっ、栄蓮のおねーちゃんだッ!」
「栄蓮おねーちゃァん!」
「オババァァァッ!」
「誰がオババだァァァッ!」


 いつも通り明るく明るゥゥくチルドレンと触れ合う。
 …あれ? あれれ? 道信さんが…いない?


「ねェ、道信さんは?」
「え? あッ、先生はねェ——」

「…おや、栄蓮さん?」


 聞きなれた声。振り返ると道信さんがいた。
 お仕事…にでも行ってたのかな…?


「今日も来て下さったのですか。どうぞお上がりください。
 特になにもおもてなしできませんが…」

「アハハッ、お気になさらず。平気ですから?」


 …けど、なんだろう。…なんだろう?





 ————血の匂いがする。




「……どうか、されましたか」
「え…? あ、いえ! なんでもないですよ!」
「………………」


 …道信さん。全ッ然元気がないんだけど。
 何これ何これ。私のせい? 私のせいなんですかァァッ?!


「…栄蓮さん」
「ハイ?」
「私は貴方に…大切なことを言わなくてはなりません」
「え」


 なんですか。告白ですか、告白タイムですか?
 

「すいませんが私はどっちかというと同い年h
「今日…煉獄関に来ておられましたよね」
「いえですから同いどし…。……え??」


 なんで…道信さんが、そんなこと知ってんの…?
 もしかして道信さんも…見に行ってた感じ…はないよねェェェ?


 子供達がそれぞれ騒いでいる。
 そんな中で、私と道信さんは別世界にいるような感じ。


 それくらいに、何だか、重たい。



「行ってましたけど…なぜ……?」

「……そこに…“鬼道丸”という闘士がいましたでしょう」

「あ、えぇ」



「アレは……私なのです」


 どこかさみしげに、道信さんは微笑んだ。




( その片手には鬼の面 )


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