BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ■卒業します、今までありがとうございました!
- 日時: 2015/12/26 23:44
- 名前: 箕遠 ◆rOs2KSq2QU (ID: 7nl1k8P4)
■お知らせ >>801
いとしい君はもういない。眠りかけていた鯨の骨をひろい、どこまでも深い砂の底でそっと君をおもう。君のものじゃない骨に頬をすりよせ、その冷たさに酔いながらほろほろと雫をおとす。いつか君が死んだとき、君の骨が僕じゃない誰かに抱きしめられますように。そう願って今日もなく。/骨をうたい君になく
2014年も元気にチキンしていきますので宜しくお願いしまチキン! /2014年挨拶>>775
■ご挨拶
どうも、ささめ(元・箕遠)と申します。
当スレでは同性愛メインの短編を執筆しております。同性愛という言葉に嫌悪感、またはささめさんに中指を立てたい方はスレの閲覧はお控えして貰った方が宜しいかと。
大丈夫な人は、ゆっくりしていってね!!(アヘ顔)
基本的には雑食です。マイナーだったりメジャーだったり。あんまり嫌いなCPはないので、お気軽に話しかけていただけたら。百合百合しかったり、薔薇薔薇しかったり、普通の恋愛書いてたりと忙しいです。
*小説
■10月中盤〜の小説まとめ >>187
■2010年12月後半〜の更新分まとめ >>227
■2011年2月中盤〜の更新分まとめ >>270
■2011年3月中盤〜の更新分まとめ >>325
■2011年5月上旬〜の更新分まとめ >>360
■2011年7月中旬〜の更新分まとめ >>387
■2011年9月下旬〜の更新分まとめ >>425
■2012年3月中旬〜の更新分まとめ >>455
■2012年7月中旬〜の更新分まとめ >>506
■2012年8月下旬〜の更新分まとめ >>549
■2012年11月上旬〜の更新分まとめ >>579
■2013年1月上旬〜の更新分まとめ >>618
■2013年3月下旬〜の更新分まとめ >>672
■2013年5月下旬〜の更新分まとめ >>736
■2013年9月中旬〜の更新分まとめ >>769
■2013年12月下旬〜の更新分まとめ >>802 ←newでしてよお姉様
■夢用オリキャラ
竜咲 伊織 (りゅうざき いおり)>>141
伏見 潤 (ふしみ じゅん)>>159
■うわああああああリクエスト品貰っちゃったよ!
神文ばっかりだよ!
・リクエストしたら素敵な小説くださいました、感謝ですろくちゃん!
>>黒紅葉様より >>127-129
・お題です、頂きました。……神、降臨。
>>ひふみ。様より >>277>>307
・兄貴とオクラのこんな関係……身悶えするしかないじゃない(ビクンッビクン 参照2000突破祝いです!
>>華京様より>>318
・テスト明けに人魚姫って凄い癒し。
>>あゆ様より>>335
・誕生日プレゼンツです。もう愛してるとしか言えない
>>黒紅葉様より>>451-452
■贈り物(リク品)
>>親愛なる友人、唯無様へ!
慶毛/ほのぼの >>409
****
スレ名変えました。
《さよならクレイジー》⇒《暗い、喰らい、Cry》5.2⇒《透明サイコロジー》12.11⇒《歪んだ傷跡にさよならを贈る》6.12⇒《憂鬱マゼンダ!》12.3.8⇒《そして卵は割れた》12.6.9⇒《世界でひとり、恋をしよう?》12.7.29 2012年挨拶>>580 ⇒《Hello,Microcosmos!》13.1.2⇒《トロイメライの墜落》4.29⇒《うつくしきまなこ》9.4⇒《骨をうたい君になく》2014.1.13
名前変えました。
《箕遠(みおん)》⇒《ささめ》8.13
- ■美女は野獣 ( No.770 )
- 日時: 2013/12/21 01:10
- 名前: 節度使 ◆rOs2KSq2QU (ID: PduCEO2V)
- プロフ: ラビユウ(過去捏造)
「エクソシストなんて……結局、化物と同じだ」
そうコムイに吐き捨てた黒髪の少年の名をラビは知っていた。
(……えーっと、たしか、神田ユウ)
六幻とかいう刀をイノセンスとして保有している、ハズ。性格は知らなかったが、肩口で切り揃えられた髪の毛が、彼の真面目さを表しているようだった。紙面でしか知らない彼は記載された情報よりずっと人間味が溢れていて(当たり前か)、そして幼い風貌をしている。背の低さも、少女のような細い肩も、全て自分と同い年とは思えなかった。コムイを睨みつける表情こそ大人びていたが、傍目から見ていると、それはとてつもなく似合わない。本当の自分とは別に、堅く強い殻を纏い、弱さをひた隠しているような。そんな印象を受けた——まあ、ブックマンとして偽物の自分を生み出し続けている己も、他人のことをどうこう言えはしない。
ころころと変える自分の姿の中で唯一変わらない、アイデンティティである左目の眼帯に、ふと触れる。任務から帰ったばかりで、しかも今は真冬だ。標高の高い場所に位置している教団には、入るだけで体中が冷え切ってしまう。ぶるり、と背骨に走る冷たさに震える。
神田ユウは最後にもう一度コムイに視線をくれてやると、踵を返し、小さな体躯に見合わない六幻を抱えて、走り去っていった。こんなに寒いのに着物一枚とは、なかなかの強者さぁ。口笛交じりに言ってみせると、隣のブックマンが額を小突いた。強い痛みはないが、ばつの悪さを覚える。
「室長殿」
「ああ、ブックマン……と、ラビ。お疲れ様です」
「ただいまさー」
ブックマンたちが近くまで来ていたことに、コムイは気づいていなかったようだ。はっとした後、さっきまでの強張った表情から、人当たりのよい笑顔へと変わる。そんな風に笑ってみても、目の下の隈も、どこかくたびれた服も何も変わらない。そのことに言及しようとすると、分かっていたかのように、ブックマンが「そういえば」と話を切り出した。
「あの子どもは、確か……神田ユウじゃったな。どうした、何か怖い顔をしておったが」
「……見ていらしてたんですか。いえ、ちょっと……」
「あの子の体のことを心配したら、逆に切れられたってとこじゃね? どうせコムイがまた、エクソシストは特に大変だからっつってあたふた心配して、医務室に行けだの休めだの言ったんさ————って痛ッ!! な、何さァクソジジイ! 足で頭を殴っか普通!?」
「お前はぽろぽろ好き勝手言い過ぎじゃ。いい加減黙らんと、ちょちょっとその口縫うてしまうぞ」
ぐぬぬ。コムイの前だからこそ実力行使には至らなかったが、ブックマンの細い目に宿るのは紛れもなく本気の光であり、ラビは黙る他ない。コムイはそんな師弟にふふと笑いを零すと、先ほど神田が消えていった方向に目をやり、つらつらと話し出した。
「大体、ラビの言った通りですよ。この二週間ほど、神田は毎日東へ西へ休みもなく任務をしに行ってるので、心配になってしまって。本人は平気だの一点張りだから、僕自身もついつい強く言ってしまって、それでイライラさせてしまってるみたいで……」
「それで、あのように」
「はい。お前らだってエクソシストが恐ろしいんだろ、生物兵器としか思っちゃねえんだろ——そんなことを正面切って言われたのは、さすがに初めてですよ。僕らは、あんな小さな子にそんなこと思わせちゃってたんだと思うと……個人的に後悔を感じてしまいますね」
「後悔など感じなくていいんじゃ、室長殿」
困ったように笑うコムイをブックマンが叱咤する。黒く縁どられた双眸は冷たさを孕み、教団の室長である男をじっと見つめる。しゃがれた声と共に放たれるのは、使われる駒としてのエクソシストの立場からと、ブックマンという歴史の外側から記録する者の立場からと、両方による言葉だった。
「お主はただいつだって聡明な判断を我らに下せば良い。一人の感情に、思いに惑わされるな。我々を統括する者が、そのようにふらついておってはどうする、室長殿よ」
「……ええ。それは、わかっているんです。でも、」
「大丈夫じゃ。神田ユウが言った通り、我らはイノセンス——神の結晶何て言うけったいなものを持っておる。自身を化け物と錯覚し苦悩することもあるじゃろう。じゃがそれはそれじゃ。本人の問題じゃ。自分は化け物、いや、エクソシストであることを自己確立の材料にしていく兆しが無ければ、他者があれこれ言っても叶わんじゃろうに」
ラビは言いつけ通り、ブックマンの言葉を黙って聞いていた。同時に、先ほどの神田ユウとやらの少年の姿を思い返す。つりあがった黒目がちの目、でも睫毛は長かった。薄い唇は小さくて、何食べてもお上品に食べるんだろうなあ、と妙に想像し易かった。細そうに見えた指先には、やはり剣士らしく、タコがたくさんできていた。
ブックマンの真をついた言葉に、コムイは「そうですね」と感情を押し殺すように返す。少し震えた声は、さっきの神田ユウをどうしようも出来なかった己にたいする責任によるものか。はあーあ、大人って大変さぁ、と呆れる一方、そんなコムイを慰めてやりたい衝動に駆られた。
「大丈夫だってコムイ、エクソシストなんて、ただの人間と変わらんさ」
「うん……僕も、そう思うよ」
コムイは子どもに諭されたのが面倒だったのか(コムイに限ってそれはないと思うけど)、曖昧な笑みで俺の言葉を濁す。眼鏡の奥の瞳がきゅうと細まるのを横目に、もういなくなった神田ユウのことを思う。
神田ユウ、と心の中で、聞こえもしないだろう名前を呼ぶ。
不健康そうで女の子みたいで、いかにも気が強そうで、他人と関わるのを嫌いそうで。そのくせ腕っぷしだけは強そうな、紙面上でしか知らなかった少年の姿を、ぼんやりと思い描いた。
「……お前みたいに綺麗な人間が、化物なんて」
あるわけないさぁ。
ブックマンにもコムイにも聞こえぬようにつぶやいた言葉は、きっと、本当の自分としての感情だろう。そう信じたいと、ラビはまた眼帯に触れた。
****
昨日のうちに早退して病院いって注射されて帰ってきて今日は休みました
朝頭がほんとつらくてだるくて「無理動けない頭つらい」と言ってたときの母親の「頭痛なんて!!!!病気じゃないの!!!!気の持ちようなのぉ!!!!」というヒステリックな叫びと責め苦が今になってフルスイングしてきてます
薬切れてきて頭痛いけどこれも苦しんでるアピールになりますか母さん
- Re: 【色々】 うつくしきまなこ 【短編】 ( No.771 )
- 日時: 2014/01/19 22:41
- 名前: 節度使 ◆rOs2KSq2QU (ID: PduCEO2V)
削除〜
- ■雉も鳴かずば撃たれまい(ただしお前は除く) ( No.772 )
- 日時: 2013/12/24 00:10
- 名前: 節度使 ◆rOs2KSq2QU (ID: PduCEO2V)
- プロフ: 赤司君たんおめ
んん、と喉を鳴らし、鼻をすする。土日を挟んでしっかり休養をとったおかげか、体調はほぼ万全に戻った。未だに喉の痛みと鼻水は続いているが、とりあえず完治ということでいいだろう。よし、と予備の為につけてきたマスクをもう一度つけ直す。
放課後のチャイムが鳴ってすぐの今なら、赤司の奴も教室にいるはずだ——そんな甘い見積もりをしたのが馬鹿だった。何だってあいつは放課後駄弁ったりだらだらしたりしてないんだ。クラブに行くのも大切だけど、それより大切なことなんていっぱいあるだろうに。
俺は体育館側から来たが、赤司とすれ違ってはいない。つまり、アイツは体育館に直行していないということだ。おそらく、図書室か生徒会室。それぐらいしかあいつの行きそうな場所はない。薔薇のように深い紅の髪の、後輩。あのオッドアイはどうも見ているこちら側に考えを悟らせないところがあるから、もしかしたらこの予測すらあてにならないかもしれない。
「お、いたいた」
運良く(と言っていいのか)、赤司は見つかった。姿勢良く歩く後ろ姿は、まさしく俺が探していた赤司征十郎。小走りに駆けていき、その小さな頭をがしりと掴む。俺の手のひらにちょうど余るぐらいの大きさだから、こいつは本当に小柄だなあと実感する。髪質がいいので手触りもいい。
赤司の頭をわし掴める奴なんてこの学校に片手ほどもいない。それを知っている為か、赤司は持ち前の状況把握の早さを発揮し、はぁとため息を一つついた。振り返る動作をあえてのろりとして、俺という相手を威圧する。
「……虹村さん。貴方の風邪が治ることを一心に願っていた後輩の頭をわし掴むだなんて、ひどいと思いませんか?」
「おい赤司。風邪をひいて体調が芳しくないことを後輩の前だからと隠しながらそれでも大事な後輩のために誕生日を祝いにきた先輩にその態度はひどいと思わねェ?」
「そうですね。早く家に帰って休養をとって欲しいとは思いますね」
「へーへー、お前におめでとうっつったらすぐ帰るよ」
相変わらず可愛げのない、というか、飄々としている。髪の毛よりも幾分色素の薄い双眸は、俺をとらえるとゆったりと緩む。それが信頼や安心によるものか、はたまた年上に対する敬意のために無理に生み出したものかは計り知れない。しかしまあ、こいつがこんな風に言い返せる相手も俺ぐらいしかいないので、そこはポジティブに受け取っておこう。
げほ、と色気も何もない咳をして、マスクを外す。「んぐ、ぶっはー……マスクってあれだよな。二酸化炭素溜まりすぎると苦しいよな」「わかってるなら外しておけばいいじゃないですか。どうせもう治ってるんでしょう?」「ばーか。可愛い後輩にちょっとでも風邪の菌をうつしたくねェんだよ」俺の言葉に、にやり、と赤司が口角を吊り上げた。嗚呼、遊ばれてる気がする。俺の方が年上なのに。
「話に戻るけどよ、ほら、お前二十日が誕生日だっただろ。俺そん時早退して言えなかったから、言いに来てやったんだよ」
「そんな、虹村さんがお気になさらなくても」
「つれねェこと言うなって。……まぁ、三日も遅れちまったけど、誕生日おめでとう、赤司」
そう言い、照れ隠し代わりにくしゃりと赤司の頭を撫でた。丁寧に整えられていた髪の毛は俺の指のせいで乱される。……本当に、なんていうのか、絹みたいな指通りだ。さらさらとしているので、俺がちょっと弄ぶぐらいじゃ癖もつかない。黒子と足して二で割れば丁度いいんじゃないのか。
わしゃわしゃと、犬にしてやるみたいにしばらく赤司の髪を堪能していた。すると、抵抗もせずにじっとこっちを凝視している二つの眼に出会う。自分よりも低いところからの視線は、むず痒い。
「……んだよ。嫌なら嫌って言えって小学校で習っただろ」
「いえ、違います。虹村さんは、俺の誕生日を祝いにきてくださったんですよね?」
「ああ、そうだけど」
「非常に押し付けがましい、というか、恩着せがましいような発言なのですが……その、誕生日プレゼントなどは、あの、頂けるんでしょうか」
「……………………アッ」
やべえ、忘れてた————そんな驚愕が顔に出てしまったのか、赤司が半目になり俺をさらに見つめる。まぁ虹村さんのことですからね、とでも言いたげな顔をしている。呆れ半分、興ざめ半分。
突如冷えきってしまった空気を紛らわすために「えーっと、なあ!」と俺は無理やり明るい声を出して、赤司の両肩に手を置いた。
「お、お前っていろんな奴から祝われてるイメージからあるからよ、だからプレゼントとかはその、本人にきいたほうが一番効率がいいんじゃねェのって思ってだな! だから今日はわざわざこうして俺自ら出向いたってわけだ、うん」
「何だか理由が変わってきた気がするんですけど……」
「そんなことはない! さあ言ってみろ、今一番お前が欲しいモンは何なんだ、赤司!」
「……一番欲しいもの、ですか……」
唐突な申し出に困った顔をするかと思いきや、赤司はいつもの能面で、真面目に逡巡し始めた。顎に手をやり、うーん、とゆっくりと瞬きをする。長いまつげがはたはたと揺れるのを、俺は内心ドキドキしながら見つめていた。そのドキドキは恋心とは遠くかけ離れており、先輩としての威厳を保てたという安堵によるものである。
あ。珍しく、赤司は気の抜けた声をあげた。
「欲しいもの、ありました」
「ほうほうほうほう! なんだ、何が欲しいんだ?」
「虹村さんのネクタイを引っ張ってもいい権利を、今くれませんか」
……今度は、こっちが気の抜けた声をあける番だった。
「はあ?」
「いえ、くださらないのなら、それでもいいんですが」
「……お前がそれでもいいならいいけど、いや、てかそれってプレゼントになんの? よくわかんねえけど……」
「勿論なります」
なので、お願いします。無機質な光を称えた瞳は、やはり思惑を悟らせない。ネクタイを引っ張る権利とか、こいつは本当に何がしたいんだ。引っ張って首を絞めたいのか。俺が鼻水と窒息の二重苦に陥る姿を見て悦に入りたいのか。え、もしかして髪の毛触ったのそんなに不快だったのお前。とんだポーカーフェイスだなお前!
様々な思考が脳内を駆け巡り、ネクタイを引っ張られることがもうこの世の中で一番の刑罰に思えてきた頃。赤司が行動に出た。「失礼します」と固まっている俺に声をかけると、傷一つない細い指で俺のネクタイに触れた。
そして、ネクタイごと俺を自分の方へと、思い切り、引いた。
「……うおッ!?」
驚いたのは俺の方だ。まさか自分より小柄な後輩が、こんな力を持ってるだなんて誰も思うまい。ネクタイを引くだけで自分よりも上背のある奴のバランスを崩すだなんて、なんて奴だ。よろめいた俺は主将らしからぬ間抜けっぷりをさらしながら、強制的に前へと引かれた。
ふ、と目の前に何かが現れる。今更目の前に何があるかなんて、聞かなくてもわかっている。間抜け面の俺の前には、当然のように、整った、相変わらず無表情な赤司の顔があって——顔があるってことは、唇もあるということで。
「ん、ぐ」
見事に(と言えば変な表現だが)、キスを、された。お互い女子じゃないので、リップクリームなんてつけちゃいない。それに俺は風邪気味で常に乾燥気味だ。かさかさの俺の唇と、赤司の薄い女みたいな唇が触れ合う感触は、心地よいとは言えない。
目を閉じる暇もなかったので、俺は数センチの距離で赤司と見つめ合うこととなる。キスの時は目を閉じるのがマナーだろテメェ。猫のような大きな瞳が嬉しそうに緩むのを睨みつける。
いつ教師や生徒がやってくるかわからない廊下のど真ん中だ。甘い時間は長くは続かない。数十秒も経たない内に、赤司の方からふっと俺を押し返した。やけに熱かった温度だけが唇に残っている。俺風邪ひいてっから、もしかして今のキスでうつったかもな。ぺろりと口の端を舐めてみせると、可笑しそうに赤司がわかった。
いかにもしてやったり、という顔をしている。くそ、と舌打ちをした気持ちで赤司にささやかな疑問を投げつける。
「何でチューしてくださいって言わずに、ネクタイを引っ張りたいなんて遠まわしなのを要求したんだよ。お前がチューしてえなら、俺は据え膳してやったのによー……へっくしゅん」
「虹村センパイにはわからないと思いますが、いつも敬愛している先輩のネクタイを引っ張るなんて下克上めいたことは、なかなかそそるものがあるんですよ」
「しゅ、」
趣味わりィ! こいつ、最高に趣味悪ィ!——俺が全身に鳥肌をたてているのを見て、赤司が再びにやりと意地悪く口元を歪ませる。根っからのサディストだということを窺わせる、その笑い方に、背中に冷たいものは走った。
「……それに、キスなんて誕生日にかかわらず、いつでも出来ますからね」
余裕綽々の横顔は、そんなことをほざきながらも、わずかに嬉しそうに見えた。
****
貴方は自分のことしか見えてないですね
- ■36℃未満の僕の愛 ( No.773 )
- 日時: 2013/12/28 00:54
- 名前: 節度使 ◆rOs2KSq2QU (ID: PduCEO2V)
- プロフ: 沖→→→銀
こんなおっさんの何が良いのかねぇ、とぼやくとすぐに答えが帰ってくるから面白いものだ。「アンタが魅力的だからでしょう」「いやいや、だって俺もうただのおっさんよ? しかも銀髪よ?」「そんなこと知ってまさァ」飄々と言われると反応し難いじゃないの。
真昼間から酒を飲むのは別に自分のしては構わない。だがしかしそれがおまわりさんの前となると、何故か罪悪感めいたものを感じる。結局店員に頼んだのは大好きな「苺パフェ一つ」「かしこまりました」「……糖尿病になりますぜ、あ、もうなってるか」うるさい。半目でその薄笑いの顔を睨んだ。
「よくわかんねェけど、公務員さんがこんなとこで油売ってていいのかぁー? 税金ドロボー、ってここで叫ばれたくなければ、ただちにチョコレートパフェを」
「俺の心を盗んだ恋心泥棒に言われたくねェなァ!!」
「ちょ、思い切りセンチメンタルな顔してそういうこと大声で言ってくれるのやめてくれるかな沖田クンんんんん!? ほら店員さん超こっち見てるって、ひそひそ話始めちゃったってェ!!」
「うるせー御人だなぁ」
やれやれ、と肩を竦められる。だからお前のせいなんだよこのヤローお前のマヨネーズ上司連れてくっぞこのヤロー。
がじがじと口元のストローを噛んでいると、行儀が悪いなァと今度は呆れた口調で言われる。お前にはわかんねェかもしんねーけど、最近の若い者は、と呆れるオッサンもいれば、こんな風に若者に注意されるオッサンもいるんだよ。ちなみに俺は後者だ。そこに申し訳なさは恥ずかしさなどない。
「……んで、沖田君。こんな夜更けのアダルティなお時間にこんなオッサンにご足労願ったのは何でだよ。ごめんけど銀さんで出会い系サイトのギャル並の尻軽じゃねーんだけど」
「いや、別に目的も理由も何もありませんよ旦那」
「はぁ」
「あえて言うなら、ここに来てくださったことこそが目的でさァ」
血のように赤い瞳は、光の加減で黒にもオレンジにも見える。他人よりは殺伐とした印象を受ける双眸は先ほどから機嫌よく輝いている。本当、こんなオッサンといて何が楽しいのか。
「……来てくれたことに意味はあれど、それ以上はありませんぜ」
言い聞かせるように呟かれた一言の意味は計り知れない。だが、どうやら向こうは今の何でもない状況に上機嫌だということだけはわかった。
ただし強欲で甘党な俺はそれだけではとても満足出来なかったので、はあ、と気の抜けた返事をして右手の人差し指をたてて近くのウエイトレスに告げる。
「チョコレートパフェ、3つ。こいつのツケで」
「げっ」
****
それだけでいいのに、ごうつくばりだなあ
- /2013年まとめ ( No.774 )
- 日時: 2013/12/31 23:11
- 名前: 節度使 ◆rOs2KSq2QU (ID: PduCEO2V)
■2013年まとめ
皆様、今年もお疲れ様でした!!!!!!!!
この1年を振り返ってみると、Kから始まり、黒バスFree!進撃戦勇化物語そして創作……ときどき過去ジャンル熱をあげてみたりと、色んなものに食いついた年でした。これをハイエナと言います。覚えておいてください。
個人的に好きな話は>>617■それを恋とよばないで(、いつか殺されてしまうわ)、>>692■(ああ、だから愛してくれと言ったじゃない)、>>768■きみがきらいだよ、です〜〜〜〜一年越しのナルシズム発揮に閲覧者様方も動揺を隠せない!!!!
いやほんとに今年は色々濃密だった気がします。
真っ先に皆様に謝りたいのは、小説のほうおろそかにして鬱々と失礼いたしましたお見苦しいとこを毎度毎度……( ^)o(^ )
色んな人やものに関わる度に、去年よりもたくさんのものを手放しました。去年よりも駄目な結果を納めてきました。去年よりも自分が嫌いになりました。その反面、好きだと言ってもらえることも、大切にしてもらえることも多くありました。嬉しいこともありました。
後悔ばかりの1年でしたが、ぐだぐだしてるばかりの1年でしたが。それでもこのスレを見て下さる皆様を支えに、書いていくことができました。それだけは自信として、これからの書いていく糧にしていきたいと思います。
2014年には私も受験生となり、本格的に来れなくなります。卒業という形をとると思いますが、その際は生暖かい目で親指を下にして唾を吐きかけてやってください。ちょっと小粋な卒業プレゼントです。貰うととてもうれしい(当社比)
卒業かあといろいろ考えてみますがささめカキコ創立時以前からいるんでもう7年近くここにいることになるんですよ……何このババア臭……すんっ……やだ……乾いたかんぴょうにおしろい塗りたくったみたいな臭いする(困り顔)
ということで、2013年のストレスも痛みも嫌な出来事も、そして楽しかったことも嬉しいコメントも喜びも好きもぜーーーんぶ抱えて2014年迎えますね。
皆様もよい御年を。
それではでは〜〜〜
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